2018年3月3日土曜日

【本】欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 奥田昌子 講談社ブルーバックス

次の3つの中に間違った健康法があります。分かりますか?

①骨を強くするために牛乳や乳製品をつとめて摂取している
②筋肉をつけて基礎代謝を上げる為、ジムに通い始めた
③糖尿病予防やダイエットのために炭水化物(糖質)をひかえている

じつは、すべて間違いです。正確に言うと欧米人には有効でも、日本人には効果が期待できません。

というショッキングな話から始まります。

体質は遺伝と環境がからみあうとの事。一卵性双生児でも、両方がそろって同じ病気になる確率は意外なほど低い。

一方、病気にも「お国柄」があり、日本は皮膚がんはオーストラリアやニュージーランドと比べると発症率が100分の1しかない。アトピー性皮膚炎は日本は韓国や香港の3倍くらい多い。結核の発症率は欧米の4倍高い。胃がんは北米の7倍。などなど。

米国では、色々な国からの移民が多いので、人種による体質の違いをふまえて、それぞれの人種に最善の医療を提供するための人種差医療が行われている。

日本人、こんな健康法は意味がないの章では、

頑張って筋トレしても、”やせ体質”にはならない。
オリーブ油を使い過ぎると生活習慣病に
牛乳って必要?日本人の骨粗鬆症発症率は米国白人の半分
赤ワインを飲んでも害のほうが多い
ヨーグルトを毎日食べると食物アレルギーを発症することも
夏バテを恐れてしっかり食べれば太るだけ

などマスコミが垂れ流している欧米流の各種健康法が日本人には合わない事も多いとのこと。

さらに、糖尿病、高血圧、脂質異常症と動脈硬化、胃がん、大腸がん、乳がん、を個別に日本人の体質について説明されています。

面白いと思う事が沢山書かれていますが、ひとつ 肉食中心の欧米人と日本人では体温が違う。肉食だと、肉に含まれるタンパク質による「食事誘発性熱産生」によって体内で活発に発熱します。その為、夏でも基礎代謝が下がらず非常に暑がります。
日本では体温が37度以上になると熱があると言いますが、米国では38度以上とのこと。

食に関しては、カロリーよりも脂肪が日本人にはポイントとの事。和食が日本人の体質に合っている事が良く分かりました。

簡単には内容を紹介しきれませんが、テレビの健康番組を見るよりも もっと有効な事を知るのに良い1冊です。