2023年7月3日月曜日

【本】オウムアムアは地球人を見たか?(異星文明との遭遇) アヴィ・ローブ 早川書房

 著者はハーバード大学教授で、ハーバードで天文学科長を務めていた、天文学の世界のまっとうな重鎮。

ただし、ホーキング氏も賛同したレーザー+セイル小衛星で光速の20%まで加速し隣の恒星まで20年で到達させるプロジェクトを提案したり、ブラックホール・イニシアティブを創設したりしてきている非常にイノベーティブな人。


現在までに、2017年(オウムアムア)と2019年(2Iボリソフ)の2つの太陽系外から物体が来た事が知られている。そのうち、2Iボリソフは太陽系でも普通の彗星と同じ振る舞い(ガスの尾を引くなど)をしたが、オウムアムアは通常では説明できない振る舞いが観測された。


小さく

光を良く反射し(普通の彗星の10倍)

妙な自転をし

円盤状の可能性が高く(ネットやマスコミは棒状のイラストを垂れ流しているが、科学的にはパンケーキ状の可能性が高い)

太陽の重力だけで説明できる軌道から逸れて(加速して)いたが、ガス噴出は観測されなかった。それに、自転が変わらない(あれだけの加速を何か物質を噴出していたら自転に影響が出るはず)

加速エネルギーは太陽からの距離の二乗に反比例していた。

又、来たのは局所静止基準だった。



これらの症状振る舞いは、通常の小惑星などの知識では説明できない。


既に、飛び去ってしまったので検証はできないが、 現在は2つの可能性が提唱されている。


①自然起因の立場の人

  窒素氷説  窒素のガスなので観測できなかったという、、、


②異星文明により作られた(または廃棄された)物の立場

  お皿状でソーラーセイルの様な構造ならば、太陽光圧を使った加速に丁度符号する。

  反射能も金属ならば当てはまる。


アヴィさんは、②を提唱。理由もデータと解釈を細かく説明してくれています。


それ以降、彼は異星文明の物や事項を科学的証明手法で探していくエジソンプロジェクトをハーバードで立ち上げて活動中とのこと。


人間は、異星文明がある(あった)という前提で色々と検討していく方が、人類の発展により良いという考えらしい。



この本を読むまで、私はマスコミの細長い棒状の形だと思っていて、異星人宇宙船なのかとイメージしていましたが、これを読んで数々のデータを説明するのにオウムアムアは②の考えが合理的に思えました。


この宇宙に、文明が地球だけのはずもなく。


こういう物を作る文明は、どういう事をしたいたのだろう、、と想像の羽は大きく広がっていきます。


2023年5月8日月曜日

【縄文時代】 本 日本列島四万年ディープヒストリー  森先一貴  朝日新聞出版

 こういう本を待っていました。


私や妻が学校で習った時は、縄文時代は殆ど原始人の様なイメージで語られていたように思います。妻は、縄文人はマンモスを狩って暮らしていたのでは、、という認識でした。


でも、実用性よりも美術性を追求したとしか思えない縄文土器の数々や、同時期のシュメール文明やインダス文明、古代中国文明などが既に都市文明を作っているのに、日本だけ原始人は無いだろうというモヤモヤがずっとありました。



この本で、地球の変化と地域特性で、さまざまな形態の文明が世界で起こってきたことと、日本(縄文)の特徴はこうして作られた。縄文はある面では、世界に先駆けるような暮らしがあったようだという事、西欧や中国などの大陸性の視点とは異なる視点が必要だという事も良く納得できました。



この数十年の各種の研究で、地球環境は約1万1千年前より以前は、驚くほど頻繁に、しかも急激な気候変動が地球で何度も起こっていた事が分かってきています。


この気候変動があると、植生もそれに伴う動物たちもどんどん変化をせざるを得ず、そうなると、人類も「定住」は出来ず、移動式の暮らし方で狩猟や採取をしていく必要があっただろうとのこと。


気候が暖かく安定してきた1万1千年前から、世界で「定住」が始まった事が分かってきている。


「定住」といっても、地域特性によって継続的に食料を得る仕方は変わることになり、同じような植生が広がる大陸では、農耕・穀物栽培が始まる。

日本は、亜熱帯であり、かつ四季の多様性に伴い、動植物も季節により豊かな変化を起こす。よって、それらの多種の食材を獲得する事で定住を始める事ができた。もちろん、ドングリなどの栽培もおこなっている。


穀物栽培で定住するようになると、協力して耕作するなど規模を追うことになり、組織のしくみや、統率の仕組みなどが生まれてくる。人口も貧富の差なども。。 権力争いや戦争も。。


縄文は、採取型の定着が多いので、数十人単位での定住型になっていた様子。

土器に限らず、石器(石包丁や矢じり、槍なども)も精密加工されたものも出土されていて、当時から日本人気質?が垣間見られる。

非常に大きな建築物などの痕も発見された。


大陸型の政治や戦争の文明とは異なった種類の文明が、縄文にはあったのではないかと思われる。


又、これらの事が分かってきたのが1980年代以降との事なので、我々世代は教わらなかった事も納得できました。


この本は、もっと面白い事満載です。日本人のルーツを考える上でも、お薦めの一冊です。





2023年3月18日土曜日

【宇宙】本 銀河宇宙観測の最前線 谷口義明 海鳴社

 宇宙には銀河が沢山ある場所とほとんど無い空間とがある事が分かり、宇宙の大規模構造と呼ばれています。



1998~2005年にスローンデジタルスカイサーベイというプロジェクトで宇宙地図が作られたことは有名です。

これは全天の25%の領域を可視光で20億光年彼方までを調べたものでした。



しかし、この大規模構造がどのようにして生まれてきたのかを知るには、もっと昔の情報が必要になります。つまり、もっと遠くの銀河まで調べる必要があります。



そこで、ハッブル宇宙望遠鏡も活用して、範囲はせまいが80億光年先まで見える星域調査を世界規模のプロジェクトで行う事になったとのこと。名前をコスモス プロジェクトと言う。


その中で、著者の谷口氏が日本が持つ「すばる望遠鏡」を使った調査のリーダーとなって奮闘されました。


「すばる望遠鏡」はスプリーム・カムという広視野角で世界最高水準の撮影ができる機能を持っており、それを最大活用してデータ取りを行ったとのこと。


遠くの暗い天体を撮影しなければならないために、本当に沢山の苦労をされた事が良く分かりました。


天文学者は、具体的にどういう活動を、どんな風にやって暮らしているのか。


地上からの撮影は、限られた使用可能時間で天気や装置のコンディション等との闘いでもあり、大変に苦労されて撮影されました。



しかし、対象エリアの詳細な画像を取りデータ提供できたため、世界中の他の波長で観測しているデータやハッブル画像等と組み合わせてみる事で、新しい知見が沢山生まれたとのこと。


世界初の宇宙の暗黒物質(ダークマター)の3D地図を作る事に成功したことは有名です。


又、新しく 銀河は誕生後20~30億年が創星のピークで、それ以降は創星ががくっと減っていくという事も分かり、減り始めている銀河を見つける事も出来たとのこと。なぜ、がくっと減るのかという新しい謎も生まれました。



この本は天文学の世界で、テレビ番組のプロジェクトXを地球規模で行った詳細記録という感じです。


最先端の学問的な内容も当然ありますが、それ以前に ワクワク ドキドキする スリリングな成功物語です。


宇宙に興味のない人にも、楽しめる本ですね。


【宇宙】本 アンドロメダ銀河のうずまき 谷口義明 丸善出版

 銀河という言葉を聞くと、真っ先に頭に浮かぶのはアンドロメダ銀河の写真です。

小中学校時代の教科書や、学習ノートに載っていた写真もアンドロメダだったと思います。


あのレンズ状の形の美しさは、富士山の美しさに近いものがあるように思えます。


この2年、時々 国立天文台がやっている市民ボランティアのすばる望遠鏡画像からの銀河分類作業(ギャラクシークルーズ)に参加させてもらっています。


その作業で、銀河といっても一つ一つは本当に色々な境遇のものなんだという印象です。

渦巻銀河といっても、スマートなカッコイイものから、ガタガタになったり歪んだりした形のものも沢山見ました。でも、総じて若々しいエネルギーを感じます。

楕円銀河というレンズ状でない銀河も沢山あって、それらは落ち着いて、しずかなたたずまいを感じます。



この本は、そんな銀河達がどのように発生してきたのかを丁寧に教えてくれえるます。


又、アンドロメダ銀河は 本当は 渦巻型ではないという話にビックリしました。


言われてみて、改めて写真を見ると、、ナルホド!! となります。



そして、それは如何して作られたのか?? 犯人は誰だ? を解きほぐしてくれます。



天文学は、推理小説みたいだ、、、と思いました。



天空の星や銀河は、「変わらない永遠に輝いているもの」というイメージがありましたが、この本を読んで 実にダイナミックに変化を続けている世界なのだという事が良く分かりました。


アンドロメダは双眼鏡でも見えるようなので、見てみようと思います。


【宇宙】本 マルチメッセンジャー天文学が捉えた新しい宇宙の姿 田中雅臣 講談社ブルーバックス

 天体望遠鏡は大幅な進歩をとげつつあります。

可視光の大口径や宇宙望遠鏡ができたのに加えて、電波、赤外、紫外、X線、ガンマ線などの各種望遠鏡で、電磁波(光)の広い波長域での分光観察ができる様になってきています。


それら電磁波に加えて、ニュートリノ、重力波を使った測定装置も動き始め、それら全てのシグナルを組み合わせて宇宙の謎を探るマルチメッセンジャー天文学が始まりつつあるとのことです。


2015年宇宙からやってきた重力波が初めて捉えられ、それが宇宙のどのエリアから来たのかを推定する事ができました。そのエリアを他の望遠鏡で調べていくと、、、 という様な事が分かったり。


ニュートリノの速度に関して、重力波シグナルや光シグナルとの時間差を知ることによって始めて検証できたりしています。



特に宇宙の爆発現象の謎をマルチメッセンジャーが解くカギになると期待されています。


太陽クラスの星は、水素→ヘリウムの核融合が終わるとヘリウム→炭素の核融合になり、その時期は星の外層が膨らんで赤色巨星になります。そして最後は白色矮星になります。

白色矮星同士の合体などで核爆発型超新星になることがありますが、そのメカニズムはまだ分かっていません。


太陽の10倍質量以上の星は、炭素→ネオン・ナトリウムの核融合、ネオン→酸素、と核融合は鉄まで進む可能性があり、最終的にはコア鉄の周りにケイ素、ネオン+マグネシウム、炭素+酸素、ヘリウム、水素というたまねぎ構造ができます。

その先は 重力崩壊して 超新星爆発を起こし中性子星(またはブラックホール?)が生まれます。そして超新星爆発では大量のニュートリノが放出されることで爆発になると考えられています。


重力崩壊でブラックホール(中性子星合体などでも出来る)が出来ると、その周りに円盤構造が出来ると思われ、それらが高速で回転しながら落ち込むことで相対論的ジェット(光に近い速さで動く物体によるジェット)が出来ると考えています。その時にガンマ線(バースト)も起こると思われます。


中性子星合体で鉄よりも重い元素は作られると考えられています。又、重力波が出ます。

重力波が検出できれば、その強度から距離を推定する事ができます。



これらの爆発現象から天文物理の色々な事を解き明かしていく事ができそうです。


著者(または、天文研究者は)は、これらの新しい道具を使って新しい事が色々できるのではないかとワクワクしている様子がこの本から良く伝わってきます。 まるで、新しいオモチャをいくつも貰った子供の様に。。。



彼ら研究者にとって、面白い時代になってきているようです。

2023年3月4日土曜日

【難民問題】本 故郷の味は海を越えて 安田菜津記 ポプラ社

 安田さんは、テレビのコメンテーターに出ておられるのを見ていて、しっかりされている人だなと思っていますた。


たまたま、この本を見つけて 読んでみました。


戦争や紛争によって実家を破壊され、国を脱出して、身寄りもなく日本に来ている難民の人がかなりおられる様子。


それらの方々が、慣れない日本で苦労しながら生きている状況を、安田さんが訪ねて、各々の故郷の家庭料理を作ってもらい、それを一緒に食べながら、日本に来ざるを得なかった経緯や、来てからの日本での状況を聞くというルポになっています。



とても、悲惨な人生を歩まれてきている方ばかりですが、安田さんの寄り添う姿勢が引き出したのだと思う素晴らしい笑顔の写真の方々です。


人間、どんな苦しい事、悲しいん事がある状況でも、生きる強さを感じられるお話と写真です。



日本の入管が大変に酷い対応をしていることは、昨年の事件でも公になってきていますが、この本を読むと世界的に見ても、異常な対応を日本はしている事が良く分かりました。


政府にも官僚にも、「人権」という意識が本当に低い国だという事に、怒りと悲しみを感じます。


世論と選挙で変えていかなければなりません。



難民の何名かの方は、日本で祖国の料理や飲み物のお店を小さく開いている方々もおられることを知りました。



今まで私は、街でアジアや中東のXX料理 というお店を見ても、単なるレストランのバリエーション程度にしか思っていませんでしたが、もしかしたら難民の人が必死に開いている店の可能性もあると思うようになりました。



私にできる小さな事として、今後 そういう各国料理で「外国人」の方がやっている店を見たら、そこへ食べに行ってみようと思います。


2023年2月27日月曜日

【自民党】本 自民党の女性認識 安藤優子 明石書店

 なんで自民党は家父長制の考えに固執するのか?


夫婦別姓やLGBTQ問題、森元首相の発言など、自民党の議員の発言は明治時代か戦前から全く変わっていない様に見える。


しかも、似たような発言が色々な議員から何度も何度も繰り返す。



自民党を見ていると、国会議員は国民の代表 とはとても思えないと感じていましたが、 それが構造的にそう作られているという事を安藤優子さんの本で初めて分かりました。


自民党は、その内部での教科書として、家父長制(妻は家庭長として家の事をやり、夫は外に働きに行く。)が家族のあるべき姿としているとのこと。


そして、議員は 自民党の議員の血族や、息のかかった地元の有力者しか候補者にしない仕組みになっている。


女性候補も、議員の父や夫が亡くなった後に、後援会が妻や娘を担ぎ上げて作っている。


後援会が集票マシンなので、その構図は変わらない。


彼らは、2世、3世となっていき、”職業は政治家です” というバカげた発言を堂々と言いきる。




つまり、自民党内の「常識」の基で、暮らしてきた人しか立候補させない。


当選者は必然的に、その「常識」を世間一般だと思い込んでいる人ばかりになる。



この本で、この国の変な政治のしくみが良く分かりました。



国会は国民の代表などという話は嘘っぱち。



今日現在 衆議院の465人の議員のうち、自民党議員は260人もいる。


そんな2世、3世候補者に投票してしまう事はマズイと言う事に国民は気が付かないと、この社会は変えられないと痛感しました。


2023年2月25日土曜日

【日本の電力エネルギーの解決策】本 水力発電が日本を救う 竹村剛太郎 東洋経済新報社

 著者の竹村氏は国土交通省で大型ダムを3つ作ってきた水力発電の専門家。2016年発刊の本です。


ダムの実情を良く知る竹村氏は、日本のダムは能力ポテンシャルを半分しか発揮できていないとのこと。


日本には沢山の既存のダムがあるが、ダムは発電と治水(洪水防止)の二つの目的での運用という事になっており、設計値の半分しか水をためていない。


現在の精密気象予報と組み合わせれば、多雨が来ない間は満水で発電し、多雨がきそうな時は事前放水で水量を減らしておくという運用が可能だが、実際には昔の法律に縛られていてそういう効率的な運用がされていない。


加えて、ダムは10%でもダム壁のかさ上げ(低投資で済む)をすれば、ダム湖は円錐の様な形なので貯められる水量は2倍に増やせられる。


これらを行う事で、現在の年間800~900億kWhに約350億kWhを増やす事ができる。約1.4倍になる。


さらに、現在発電で使われていない既存ダムが日本中に多くある。それらは、小投資で中小力水力発電用に改造することができ、それらを活用すれば、少なくとも約1000億kWhを生むことができる。


つまり、 運用変更+既存発電ダムかさ上げ、 中小電力を合わせると現状より約1350億kWhの追加。現在の発電量の2.5倍の発電量にできるポテンシャルがある。



水力発電は、多雨で山が多く、すでに既存のダムを多くもっている日本だから実現できる再生可能エネルギー。


風力や太陽光と違い、いつも安定した発電が可能な非常に良質なエネルギー源。


しかも、鉄筋を使わない構造で作られているので、今後100年、200年も大きな投資をしないでも活用できる。


投資済みなので、コストも安い。 勿論 Co2も出さない。と良いこと尽くめ。


との事。



ちなみに 2019年の日本の発電量統計を調べてみたら、水力 796億kWh、 原子力 638kWhとなっており、原子力発電の2倍以上の電気を水力で得る事が十分可能となる事が分かります。


政府は、原発再稼働よりも、水力発電を徹底的に使いこなす事をすべきだと強く思いました。

2023年1月31日火曜日

【趣味】65歳はじめての山歩き 7 初めて知った 優れモノの道具たち

 山歩きを通じて、いいね! と思った色々な道具があります。


トレッキングシューズはすごく安心感をくれます。どんな状況でもしっかり足と足首を守ってくれる。

履いたまま水をかけて洗えるというのも、新鮮な驚きでした。



リュック。最初は家にあった旅行用のリュックを背負って歩いていました。 でも、少し厳しい道を行くと、肩が痛くて痛くてたまらなくなりました。

そこで、登山用のリュックを買ったら、重さを腰と肩に分配できる。身体へのフィット感も良くて、半分ぐらいの重さの感覚で歩ける事にビックリです。  全然違いました。


これなら、災害時に給水所から水を沢山担いでくるという場面になっても大丈夫です。



クライミングパンツ。こんなに自由に足を動かせるズボンは初めてでした。普段でも履きたいです。



メリノウールの肌着やタイツ、ネックウォーマーなど。

屋外で静かにしていても、かなり運動していても 暑くないし、寒くもない。 装着感もあまりなく、不思議な感じです。


この冬はマイナス気温の中で出勤していますが、このネックウォーマーは毎日とても便利に使えています。


山に行くようになって人生で初めて、着物の繊維の種類や織り方によって着心地がこんなに変わるという事を知りました。

面白いです。



最後に、最大の再発見? は、「手ぬぐい」


切りっぱなしの手ぬぐいを濡らして首に巻いたり、ほっかぶりしたり、ハンカチ代わりに使ったり。


兎に角、肌触りが良い。すぐ乾くし、すぐ冷やせる。 こんなに便利なヤツだったのか。


冬は家の中で首に巻いていると、マフラー代わりになり 暖房の設定温度を数度下げても大丈夫。


枕の上に手ぬぐいを敷いたら、その優しい肌触りを感じながら眠りに付けます。



それらの道具を色々と試しながら、面白がって暮らしています。


2023年1月28日土曜日

【趣味】65歳はじめての山歩き 6  山で出会う人々

 始めるまでは、山歩きしているのは、おじさん達や学生などにかなと漠然と思っています。


実際に行ってみると、高尾山系などの人気の低山を歩いているのは圧倒的にシニア世代。


平均年齢70代なのではないでしょうか。


でも、皆さん元気。


Wストックに頼りながら歩いている人も多いですが、どんどん抜かされてしまいます。



女性の方も、かなり見ます。


高尾山では、子ども達も沢山来ています。



小学校や幼稚園?で来ているのでしょうか。


数十人の子供たちが歩いてくるのにすれ違う時は、一人ひとりに「こんにちは」と声かけすることになるので大変です。


可愛いですけど。


子ども達は大人でも苦労する段差などを、身軽に超えていきます。


山歩きは、もしかしたら子供の方が向いているのかもしれませんね。




奥多摩はもともと歩いている人が少ないので、静かに楽しむ事ができます。


歩いている人の年齢層も若い人から中年ぐらいが多い印象を受けました。


トレイルランニングをしている人も良く見かけ、「失礼します」と言いながら横を駆け抜けていきます。


彼らの体力は一体どうなっているのでしょうか?と思います。



時々変わった人も見かけました。


草鞋で歩いている人。 一本歯の下駄で登っている人。


信じられないくらい大声で話しながら歩いている人も。。。



色々な人に出会えるのも、山歩きの楽しみの一つです。




2023年1月21日土曜日

【趣味】65歳はじめての山歩き 5 山の恐さ

 たった10回ほどの低山歩きですが、山歩きではヒヤっとする場面に出会いました。


山はいい加減に歩くと怖いなあと実感です。



足を滑らしそうになったのは、石の上を歩く時、泥道を歩く時、木の根を踏む時、落ち葉が積もった道を歩く時。


滑って尻もちで済めば良いけれど、捻挫したら下山できなくなるかもと思いながら歩きました。



横が崖の狭い道で、すれ違いや倒木・土石崩れで遮断されている場所の通過は神経を使いま



急に強い風に吹かれたり、弱い風でもずっとあたっていて体温が奪われたり。


太陽の直射日光を浴び続けて、熱中症ぎみになったり。まだ午後3時なのにすっかり暗くなってきたり。


山の自然環境は、街とは大きく違います。



そして、熊。 こんなに人里に近い所なのに? という場所でも「目撃されました」という張り紙を良くみます。

それを見たら、連れと歌をがなりながら歩きました。



まだ行っていませんが、岩場や雪などはもっともっとコワイのでしょう。



こういう怖さをスリルと感じてしまい、ついゲームの様な気分で歩きそうになります。



でも、もっと注意しないといけませんね。


2023年1月20日金曜日

【趣味】65歳はじめての山歩き 4  熱中症に足つり、バテバテも

 山歩きを始めたら、面白いのでつい調子にのって歩いてしまいました。


周りの登山者のペースに負けないようにしないととか、

ガイドブックに載っているタイムスケジュールよりも早く登れないかとか、

後続の人が渋滞してしまわないようにしなくちゃとか、


最初の20分ぐらいは良いけれど、そこからは大汗をかいて、ガバガバ水飲み、肩でハアハア息して。。


その結果、6月ぐらいになって気温が高くなると、途中で軽い熱中症になってフラフラしたり、また、長い上りの途中で足がつりそうになって進めなっくなったりしてしまいました。


足がつりそうな時は、このまま下山ができなくなってしまうのでは? と恐ろしくなりました。


幸い、休憩+ストレッチしたら回復してきて、だましだましトレッキングを続行する事はできましたが本当に冷や汗ものでした。


やっぱり、何も考えずに歩くのはダメですね。



そこから、ちょうど梅雨に入って2か月弱はトレッキングは休止しました。その間に、どうしたらこういう事が起こらない様にできるのか本を読みあさって考えました。


そして、梅雨明けにトレッキング再開したら、行く毎に少しづつ色々な事項を試してみました。


結果、本に書いてある事は、やはり効果がある。という事が良く分かりました。



・息がハアハアしないような、ゆっくりペースで歩く。後ろから来る人には、「お先にどうぞ」と気持ちよく言って自分のペースを守る。


・極力 筋肉を疲労させないように、歩幅は小さく、出来るだけ水平な平面の場所を探して足を置く。一歩一歩の段差が小さくなるルートをいつも探してそこを歩く。それにより歩数が増えてしまう事は大歓迎と考える。


・登る前、途中の休憩時、下山時もストレッチをする。これにより筋肉に溜まった疲労物質を流しだす。


・水分は、アクエリアスを指定の倍の水で希釈して塩少々いれたものを作って飲む。(ポカリは甘いので私はアクエリアスの方が好き)


・休憩事に、ちょっとずつ行動食を食べる。


・下りもゆっくりを心がけ、意識を下腹(丹田)において軸が重力に対して垂直になるようにしながら足を置いていく。



これらの事をするようになったら、長い急登などにも大丈夫になりました。



少し、自分に自信を持って歩けるようになった気がします。

あと、自分の身体の声に耳を傾けられる様になりました。身体が発するシグナルが分かると面白いです。


これからも、まだまだ色々試して研究していきたいと思います。


2023年1月14日土曜日

【趣味】65歳からの山歩き 3  こんなに身体が変化した

 昨年は、3月後半から12月初旬まで10回位 渓谷歩きや1000m以下の低山歩きに行きました。


山歩きは身体にかなり良い影響を与えてくれました。


①体力がついた事を実感しました

 昨年までは、町などの平地歩きは10Kmぐらいまではやってみるかという気持ちになりましたが、今は20~30kmは歩いてもいいかなと思えるようになりました。JRの駅 4-5個分の往復ぐらいでしょうか。


②スタイルが変わりました。

 下半身のぜい肉がとれて筋肉質になった事を感じます。ウエストも少し細くなったかな。


③体重は、2~3Kg減りました。1年かけて徐々になので、リバウンド等もありません。

 身長ー105ぐらいの体重に落ち着き横ばいです。


④気が付くと、小走りしている自分に驚きました。

 60歳過ぎてからは、小走り含めて一切走るという事はしていませんでした。する気も起きず、私の辞書から「走る」という言葉はなくなったと思っていました。しかし、今年 後半 普通に道を歩いていて信号の点滅をみて自然に小走りをしている自分にびっくりしました。

走る事が苦ではなくなってきています。


⑤寒さに強くなった

 例年だともう一枚厚着をしていた気温でも、それ無しで問題ありません。


⑥小学生の頃に感じたようなワクワク感を感じる

 山歩きをする前日の夜は荷物の準備などをして寝ますが、小学生時代の遠足の時の様に、ワクワク感で予定の時間よりもかなり早く目が覚めてしまいます。他の人からはアホかと言われましたが、午前3時から目が覚めてしまいました。


⑦コレステロール値が少し下がった

 健康診断では超高いコレステロール値といつも指摘されていますが、山歩きを始めて半年たった頃に測ったら少し数値が下がっていました。


⑧もしかしたら、

 新型コロナのワクチン4回目を10月に打ちましたが、3月頭に打った3回目に比べて副反応が強く出ました。

免疫系が少し活性化してきているのかもしれません。



これらの色々な変化がありますが、一番 ハッキリ感じるのは、山歩きした後の2~3日は実に体調が良いという事。


これは確かで、 次の山歩きをしたい というモチベーションになっています。


2023年1月7日土曜日

【趣味】65歳からの山歩き 2  山で食べると美味しい

 山歩きする時は、エネルギー切れにならないように途中で飴やお菓子などを時々食べて登っていきます。行動食って言う様です。


でも、山頂や峠の休憩などで、お昼ご飯も食べます。




普通のおにぎりでも、山で景色を見ながら食べると とても美味しいです。



秋には、お湯を持参してカップ麺も食べました。これも、沁みる様に美味しい。




青空を見ながらだからなのか、身体を動かしたからなのか、仲間と食べるからなのか、


同じ物を家で食べるのの数倍は美味しく感じる。


これが、山歩きの大きな魅力ですね。

【趣味】65歳からの山歩き 1  トレッキングシューズの凄さを実感

 山に行ってみる第1歩として、3月の日曜日に様子見気分であの有名所に行ってみました。


高尾山です。

高尾山に登るの初体験。


家にあった普通のリュックをしょって、通勤用に使っているウォーキングシューズ(一応防水)でという出で立ちです。


午後1時。京王高尾山口駅に到着すると、沢山の人にびっくりしました。


駅前の蛇口で登山靴を洗っている人もいて、それらしいムードはあるのですが、


登山の格好をしている人もいるし、市街地歩きの格好をしている人も沢山います。


高尾山は登るルートが何種類もありますが、もっとも自然に近そうな沢沿いに登るルートにしました。


結果、大変でした。  散歩気分では甘かった!


1.前日の雨で土が泥化していて、滑る。

2.石がゴロゴロしている所は、足元不安定

3.沢を渡る時に、どうしても水に踏み込まなくてはならない。


という事で、極力 安全そうな足の踏み場を1歩1歩捜しながら緊張して歩きました。


転びはしませんでしたが、頂上に着く頃には、靴は泥だらけ、気分はヘトヘト。


1時間半程度の登山でしたが、すっかり嫌気がさして、舗装路だけのルートで下りました。


反省を踏まえ、スポーツ店でトレッキングシューズを購入。



再度 同じルートを登ってみたら、不整地(凸凹や石ゴロゴロなど)での安定感や水の中もジャブジャブ入っていける安心感が凄い事を実感しました。


安心して、大抵の場所に足を置けるという事になると、1歩1歩の踏み場捜しの緊張は殆どなくて良く、とても気持ちよく登れました。



山登りにはトレッキングシューズの重要性を本当に実感しました。


2023年1月4日水曜日

【子供の貧困】 本 JK、インドで常識ぶっ壊される  熊谷はるか 河出書房新社

 題名もPOPな表紙にもひかれました。


みずみずしい感性と、分かりやすい文体で 今のインドの状況を伝えてくれます。


インドや人に対して自然に持っていた常識を本当にぶっ壊してくれます。

そうだったのか。と目からウロコの気持ちがしました。



でも、それだけではなく、インドの影の部分 特に子供の貧困を見て見ぬ

ふりはダメ。何かできないかと考え行動する、若々しく純粋な気持ちがまっすぐに伝わってきます。



数十年前に私がネパールに行った時、空港のゲートを出たとたんに小さな子供たちが寄ってきて、口々に何か恵んでと言ってこられ、どうしたら良いのか困惑してしまった事を思い出しました。


インドでは、街中の交差点で信号停車する同様に、ストリートチルドレンが寄ってきて窓ガラスをたたくという事が今もあるとのこと。


著者はそいう現実から目をそらすのではなく、どうするのが良いのか、何をしたら良いのか悩んで、半歩前進しようとされています。



そんなストリートチルドレンの保護や支援を行っている団体の、本人も元ストリートチルドレンの女の人の話で、子供の貧困の現実が語られています。



子どもたちの多くはもとから路上生活していたわけではない。

家から逃れるために路上に出てきてしまった子たちなのです。

親や家族から暴力や性的虐待を受けたり、必死に稼いできてもそれを取り上げるアル中の父親だったり。。


路上に出てきてしまった彼らは、生きるのに必死なのに、物乞いしてせっかくお金を稼いでも、他の大人や子供に奪われたり、喧嘩になったり、人身売買の危険にあうことも。


そんな彼らが窓ガラスをたたいてきたら、どうするのが良いのか。

お金をあげるのはだめ。食べ物をあげる場合もなんでも良いのではない。

本には理由や、考え方、子どもたちの現実が語られています。



そんな貧困に直面している子どもたちですが、著者が接している中で、子どもたちに上向きな力を感じ、逆に色々な気づきを得られたとのこと。



インドの現実に圧倒されるとともに、そういう現実を正面から向き合おうとする熊谷さんの姿勢に感動しました。



私たちも現実から目を背けるのではなく、出来る事を少しづつでもやっていかなければ という気持ちになりました。