2020年12月20日日曜日

【読書】ライト文芸

 私はネット小説やライト文芸は読んでいなかったのですが、

たまたま図書館で借りて読んでみたら少しハマってしまい

ました。



以前 NHKで放送していた鴨川食堂というドラマの原作を

読んでみようと思い図書館で検索したら、原作本の近くに

「懐かしい食堂があります」という文庫本があり、ついで

に借りました。


作者の似鳥航一さんという名前も私は全く知らなかった

のですが、フランス料理の腕を持った料理人が、下町の

食堂を舞台に料理で色々と問題を解決していくという

展開。


1話1料理になっています。鴨川食堂は記憶の味を再現す

る中で事件を解決していくというスタンスですが、こちら

は料理で人の心を繋ぎ合わせていくという流れ。


懐かしい食堂シリーズを読んだら(まだシリーズは発刊

継続中)、同じ似鳥さんの「お待ちしてます下町和菓子

栗丸堂」シリーズにも自然と読み進んでしまいました。


こちらは、下町の和菓子屋で和菓子職人が問題が和菓子

で問題を解決していくスタイル。

1話1菓子です。



そのシリーズを読み終わって、図書館の本棚を見ると

別のライトノベルシリーズがありました。


「ビブリア古書堂の事件手帖」三上延著 です。

これは、古書店の店主が古書にまつわる事件を解決

していくというストーリー。、

1話1古書 です。


これも軽快かつ面白く、全冊読破しました。



こうしてみると、あるジャンルに特化した領域で

1話1題材 というスタイルで話を作っていくという

のが共通するパターンなのでしょう。

もしかして、書きやすい型なのかな。



読む方も、水戸黄門の印籠ではありませんが、予定調和

的な展開に、安心して読んで行けるというメリットがあり

ます。


寝る前にベッドで毎日ちょっと読むというのが

私のパターンになりました。


さて、次はどういうライト文芸シリーズに出会うの

だろう?


2020年11月18日水曜日

【生活】若い時に好きだったあの酒の味を 今探す

 関東地方で生まれ育って、就職で家を離れ大阪に行きました。


関西には全く馴染みがなかったのですが、灘や伏見は酒蔵が沢山あるとは知っていました。

お酒は学生時代から好きだったので、そいう面では楽しみにしていました。


独身寮暮らしでしたが、休日に車で灘の菊正宗酒造ってどんな所か見に行って、その近くの酒屋で一升瓶を何本か買ってきました。 給料が安いので、2級酒です。


毎晩、寮の部屋で一人でその酒を飲んでいました。

それが、旨い。


やっぱり 酒蔵の地元の新鮮な日本酒は旨いなあと本当に感激したのを覚えています。

一升瓶を抱えて眠るという様な事もあったりして、、


20代で、たぶん 普通の人の一生分の酒の量を飲んでしまったのではと思います。




年は流れて、色々な酒も飲むようになり、肝臓も一度壊して 禁酒したりもしました。

還暦を過ぎて、晩酌は基本は焼酎ですが、冬の寒い夜は日本酒熱燗が恋しくなり飲みます。


今はスーパーや近所の酒屋で買う酒ばかりですが、それはそれで旨いのですが、若い時に飲んでいた酒の味とは違うなあ。とずっと感じていました。


今、お店の棚に並んでいるのは、吟醸酒、純米酒などが殆どです。

それを飲んでいる訳です。



でも、フト思いました。 昔(昭和の頃)の2級酒って 純米や吟醸なんかじゃなかったはずだよなと。


アルコールも添加されていたに違いない。でも、その中で旨さを追求していた様な気がします。



もしかしたら、今でのそいういう酒のジャンルがあるのかも と思い、菊正宗のHPを見に行きました。


そしたら、懐かしい言葉がありました。「本醸造」


そういえば、若い頃は 本醸造 という言葉な何度も聞いていました。大吟醸や本醸造 というのは日本酒の種類だよな、、というぐらいの認識ですが。



本醸造はアルコールを添加していますが、それがキレを良くするという 一つのジャンルなのですね。



酒屋で本醸造を探したら、少しだけそういう酒を売っていました。


買って、飲んでみたら。。。



あの時の味です。 そうそう、これこれ。 

室温でもいくらでも飲めてしまう。



出会えました。青春に。(大げさか)

当時の記憶も蘇ります。


日常的には、純米吟醸より好きかもしれません。


昭和育ちの酒飲みの方は、たまには本醸造酒も飲むと、昔を思い出せるかもしれませんよ。


2020年10月29日木曜日

【音楽】ピアニストの表現力

 最近、その軽妙で明るい文体に惹かれてピアニスト中村紘子さんの本を読んでいます。

昨日読み終わったのは 「どこか 古典派」 中村紘子 中央公論新社 でした。


その中で、チャイコフスキーコンクールの審査員をした時の話が色々と書かれています.

毎日何時間も100人を超えるエントリー者のピアノ演奏を聴いて採点していくとの事。


審査員の耳からすると、正確なだけの機械的な演奏や、平板な演奏、癖のある演奏など非常に多様なピアノ弾きがいる。本当に素晴らしいのは一握りという様な感じらしいのです。


私は小学生でバイエル等のピアノの初歩の初歩だけ習った事があり、弾けはしないけどピアノ自体にはなんとなく親近感を持って生きてきました。


特にショパンはいいなと思っていました。


そして、自分比較で考えているので、CDになっているピアノ演奏はなんでもとても上手だと思って聞いていました。

近所の音楽学校の生徒さんのコンサートなども、すごいなすごいなと感心していつも見ていました。



でも、この本を読んで コンクールに出るような人ででもそんなに違いが出るの? と疑問に思い、家にあるショパンのCDを何枚か聞き比べてみました。そういう聞き方をしたのは私にとっては初めてです。


中の1枚は中村紘子さんのCDでした。



そして、ビックリ。 

分かりやすいので小品の「子犬のワルツ」を数枚のCD聞き比べたのですが、全く違う。



同じ譜面で引いているはずなのに、こんなに違う弾き方になるのかと驚きました。


中村紘子さんのCDを聞いた後では、図書館から借りていたCD(ピアニストが誰かは知りませんが)の演奏がなんて単調なんだろうと思います。


中村さんの奏でる音がカラーなら、他のCDの音はモノクロみたいです。


素晴らしいと感動したのと同時に、マズイ これは色々な聞き比べにハマってしまうかも。今までは何を聞いても上手いと思えていたのが、そうじゃなくなってしまうかもとも思いました。



ピアニストに限らないと思いますが、同じ楽譜を使っても表現力の違いというのはこんなに大きくあるんだな。。と今更ながら再認識です。



全然別件ですが、中村さんはコンクール以外でも色々な審査員をされていたらしく、昔昔に国際的美人コンクールの日本代表選考の審査員をされた時の話にとても面白い話がありました。


中村さんは審査員初体験で、どう選んだらよいのか全然分からないと悩んでいたら、主催者側から色々アドバイスをもらったとの事。


例えば、第1次審査では

「とにかく、背の高い人を選んでください。世界大会では少なくとも170センチ以上でないと見栄えがしないのです」。 


本選では、

「誰か気に入った人は見つかりましたか?」

「ええ、ほら、あの人」

「あ、〇〇県出身の人ですが。確かに一番魅力的ですが、彼女はやめていただけませんでしょうか。もし優勝すると、今後国際大会までの1年間というもの、しょっちゅう東京に呼ぶことになり、経費の点で大変なのです。」

「では、あの人はどうでしょう」

「ああ、確かにあの人も二番目にきれいです。でも、彼女もやめていただけませんでしょうか」

「まあ、どうして?」

「家庭に問題がありそうで、私どものとしては、スキャンダルはさけたいのです」、、、



今は、勿論こんな事は無いとおもいますが、当時の内幕はこんなんだったのか、、と ある意味納得。


中村さんの本は知らない色々な世界をのぞき見させてくれて、そういう意味でも面白いです。


2020年10月17日土曜日

【原発】家庭で簡単に出来る原発反対の意志表示

 福島原発の廃液を海に放出していくという政府の考えのニュースが出ています。


私は原発は止めたほうが良いと思ってきました。福島災害の後は止めていかなければいけないと思う様になりました。 でも、それは頭で考えていただけで、具体的な行動としては選挙時に原発反対の候補者に投票するという事しかしていませんでした。


でも、個人がもう少し積極的に反原発の意志を表示できる方法がある事が分かりました。

それは、電気を原発以外の発電所を使った電力会社から買うように変更するという事。



私は今まで、ずっと東京電力を使ってきていました。

でも、今は再生可能エネルギーを電源とした電力会社が幾つもあって、単に電気の契約をそちらに変えるだけで自宅で使う電気を再生可能エネルギー起源の電力に切り替える事ができます。


ガス会社等が電気も一緒に契約してくれたらお得ですよという宣伝を良くしています。

経済メリットをうたった、売り込みだなと聞き流していました。


でも、電力会社を変えるという事で、脱原発の方向に行けるのならばそれはアリなんじゃない?と妻に言われて目からウロコが落ちました。


そういうやり方があったか!と。


電力会社を変えると言っても、工事などは不要です。

電線は今まで通りの東電系の電線を使いますが、流す電気の源を再生可能エネルギー発電所に切り替えるという事です。これは契約の変更だけでOK.



ネットで「再生可能エネルギー電力会社」等で検索すると、意外と沢山の選択肢がある事が分かりました。

内容もバラエティに富んでいるので、その中で自分に会うものを選んで契約すれば良いという事になります。



私は生協がやっている パルシステムでんき にしました。

別に生協の宅配を使っていた訳ではありませんが、なんとなく企業系よりも親近感を感じる事と料金が現在の東電と変わらないという事で選びました。

ネットを見ると、パルシステムの組合員でないと契約できないという記述があって、入会バリアが高そうに思いましたが電話で聞いてみたら宅配は使わないで電気だけの使用でも組合員になる事が出来る。組合員になるときに1000円の供託金(脱会すると戻ってくる)は出す必要がありますが、それ以外は、料金は電気代のみという事が確認できたので契約しました。東京電力への通知もパルシステム側からやってくれます。


契約を変えても、日常の生活は全く今までどうりです。

損も不便もなく原発反対の意志表示ができるので、もっと早くからやればよかったと思います。


2020年10月9日金曜日

【生活】趣味のボランティア

 新型コロナの関係で、在宅リモートが多くなりました。

運動不足+ちょっと窮屈な感じの生活ですが、オンライン生活ならではの楽しみもだんだん見つけられるようになってきました。


前にも少し書きましたが、その一つがずっとやらなくっちゃと気になっていた「ボランティア」活動。


災害でサッと動いて助けに行くボランティアの人の活躍をニュースなどで見ると、自分もしないといけないのではないか。と焦りに似た思いが起こります。 頭では、行けば良いんだと分かっていても、その一歩がなかなか踏み出せない状態がずっと続いてきました。


でも、たまたま 国立天文台が市民参加のボランティア(ゲーム?)のGalaxy Cruise というのをやっている事を知り、参加を始めました。


すばる望遠鏡で撮った非常に沢山の遠方にある銀河の形を分類するボランティア。


きっと、人間が分類したデータを教師データにして、ディープラーニングにつなげてゆくのでしょう。自宅のパソコンで、参加できるボランティアです。


小学生の時には、アポロの月面着陸をテレビで見て大興奮し、宇宙大好き少年でした。

しかしその後数十年。宇宙とは縁遠い生活をして、その気持ちをすっかり忘れていました。


でも、このボランティアで 又 宇宙に興味がモリモリと湧いてきました。趣味の事をしながら、ボランティアにもなるという一石二鳥です。



分類の為に次から次と出てくる銀河の画像を見ていると、本当に多様な銀河がある事を実感します。


これらが、CGではなく実在の実写という事に深い驚きと感動を感じます。



「天の川が消える日」 (谷口義明著 日本評論社刊) を読むと、銀河も時間共に変化していく様子が良くわかりました。


星を生み出しつつある若々しい渦巻銀河や、もう老成の域にある楕円銀河など。又、銀河と銀河の衝突でにより、ゆがんだ銀河にも沢山 すばる望遠鏡の画像で出会います。


宇宙と言うと、暗く広大な真空空間にポツンポツンと星があるのが当たり前。天の川も空にあるのが当たり前。という様に思って生きてきましたが、それらは たまたま現時点の地球の周りはそういう環境だという事。人間の感覚では悠久ですが、宇宙の感覚からするとどんどん変化が起こりつつある途中らしい事を知りました。


とても具体的でショッキングなのは、40億年後ぐらいにはアンドロメダ銀河が天の川銀河と衝突になっていて、その時代に夜空を見上げると 非常に大きくアンドロメダが迫っていることが肉眼で見えるようになる。その後 衝突が終わると もしかしたら夜空は曇り空の太陽を見るみたいな感じになってしまうかもしれないとの事。


ネットで「アンドロメダ 衝突」と画像検索するとNASA等が作った沢山の予想図が出てくると思います。



今まで、言葉の上では ダークエネルギーや暗黒物質、アインシュタインの宇宙項などの単語は知っていましたが、全然 自分とは関係のない世界と思っていました。

でも、宇宙の実際の銀河の多様な状況を見ると、それらの言葉にも違和感がなくなりました。


ちょっと人生観も変わった気がします。


趣味のボランティアでも。一歩踏み出すと、新しい世界が見えるなあ と思いました。

面白いです。

2020年9月27日日曜日

【本】ピアニストという蛮族がいる 中村紘子 文藝春秋

 ずっと気になっていた本でしたが、やっと読むチャンスがありました。

中村紘子さんは、腕前のすごい美人ピアニストのはしりというイメージを持っていました。


でも、この本を読んで、文才もすごい方だったんだなと感心しました。とても面白く、引き込まれていつの間にかどんどん読み進んでしまいます。


天は彼女に何物も与えているようです。

勿論、ピアノも文章も非常な訓練をされたのかとは思いますが。


大バッハから始まり、ショパン、ラフマニノフ、ホロウィッツ等々有名なピアニスト。ピアノ作曲家の方々のエピソードが面白く書かれています。


そういう時代背景だから、そういう事だったのか。


ピアノという楽器はそういう風に進化してきたのか。


等 興味深い話が山盛りです。


又、毎日10時間も練習を続けて育ってきて、練習し続けるピアニストという種族の性格、習性も言われてみればナルホドと腹落ちする話ばかり。



特に私にとって面白かったのはショパンについて。


ショパンのピアノ曲集は大好きなのですが、そのショパンの手は実は中村紘子さんの手よりも小さかったとの事。原寸大のの手の大きさが付録についています。私の手よりも小さかった!!


こんな小さな手で、あれだけのピアノ曲を作って演奏していたなんて、思ってもみませんでした。


一方、ラフマニノフは190㎝以上の長身に大きな手という事で、それならば弾きやすそうだなとこれも納得。



とても面白い本でした。


現代は、ピアニストといっても色々なジャンルがありますね。


昔からのクラシックピアニストだけでなく、ユーチューブで有名なハラミちゃんなどのPOPsピアニストもいますし、ジャズピアニストもいます。


ピアノを歌わせているピアニストもいれば、打楽器の様に使うピアニストもいる。


素人にも、多種なピアニストの違いを感じさせるピアノという楽器について、ますます親近感がわいてきました。


2020年9月21日月曜日

【生活】オンライン生活での楽しみ

 コロナによって、街に出歩くのも極力控え、

仕事もリモートでという引籠り生活を続け

ています。


コロナの感染者が下火になってきていても、

治療薬もまだハッキリしない中では、なか

なか人混みに出ることはしたくない感じ。



やはり、抑圧された感覚の生活がずっと

続いていますが、皆がオンライン生活だか

ら実現できてきた楽しみも徐々に見つけ

出せ始めました。



一つは、引っ越してから疎遠になってしま

った昔の地元の人たちとの関係再開。


地元の囲碁教室に行っていましたが、引っ

越ししてから通う事もできず、ずっと囲碁

自体からも何年も遠ざかっていました。


囲碁は勿論ネット碁という方法もあるので

すが、純粋に囲碁を打ちたいという事より

も見知った仲間とワイワイ囲碁を打ちたか

った自分を再発見していたこの数年でした。



でも、囲碁教室もズームを使ったオンライン

になったらか、参加しませんか?と声を

かけてもらい、久々に入る事ができました。


数年たっているので、メンバーもかなり変

わっていますが、やはり楽しい。

オンラインで実現できた楽しみです。



二つ目は、子供の頃の興味の復活と、人生

始めてのボランティアをオンラインで始め

られた事。



小学生の時は、ちょうどアポロ計画世代な

ので宇宙大好きでした。

その後、数十年。現実の生活は宇宙とは全

く関係ない世界で生きてきました。

そんな中、国立天文台のプロジェクトの中

に素人参加でできるボランティアがある事

を知りました。



ボランティア活動も、阪神淡路震災や東日本

大震災などで皆さんが活動されているを見て

自分もしたほうが良いのだろうけどとは思い

つつ、ずっとサボっていて気になっていまし

た。



それが、天文台のプロジェクトに参加すれ

ば自宅で好きな時間に、しかも好きだった

宇宙の解明に関係するボランティアを楽し

みながら出来るという、両得を得る事がで

きました。



三つ目は、いつかは行ってみたいなと思っ

ていた、好きなアーティストのライブコン

サートをオンライン視聴できた事。



いきものがかりの20周年ライブフェスを

視聴しました。リアルのコンサートだと

抽選になるし5000円では買えないしという

事になりますが、今回のフェスは、TV局

のスタジオからのライブとの事で、TVの

カメラワークでライブが見られる。


つまり、リアルで言うと最前列よりも

もっとアーティストに近い、まるでステー

ジにまで上がってしまった様な近さ感覚で

見れました。しかも自室で。



勿論リアルライブの肌感覚はありませんが

リアルとTV番組のちょうと真ん中という感

じでしょうか。


デジタル配信なので、翌日も全部見直す事

や好きな曲の所だけ何度もあとで見直す事

も出来るのは、デジタルの良さ。


ただ、デジタルの弱い点も出ました。

視聴に使うパソコンのパワーや回線の状況

によって画像と音声がズレたり、ノイズが

乗ったりという様な事も起こりました。

この辺はまだ発展途上ですね。。。



途中でコマーシャルが入るのはTV的で、そ

れなら、もっと安くして欲しいとは思いま

したが、今回は20周年を祝うというご祝儀

の意味も込めて納得しました。



そんな、こんな、で オンラインならでは

の新しい楽しみも在るんだという事に気が

つきました。


せっかくなので、もっとオンラインだから

出来る事を探して試していきたいと思いま

す。


2020年7月25日土曜日

【ステイホーム】懐かしい映画 ジャングルブック

子供のころ、最も好きだった本のひとつがジャングルブック
でした。


ストーリー詳細は忘れましたが、モーグリ少年とすばらしい
森の仲間達という印象が残っています。


ずっと 存在を忘れていましたが、TV放送で映画を見る事が
できました。



ディズニーが作っているのですね。



見て、素晴らしい。



実写と見まがう映像のすばらしさもありますが、内容による
感動がこの歳になってもあります。


身近に小さい子が出来たら、ジャングルブックの本をプレゼ
ントしたくなりました。




【ステイホーム】懐かしい映画 バックトゥザフューチャー

コロナ禍でステイホームが広がり、TVも過去作品の再放送など
が増えています。


懐かしい作品や、気になっていた作品などを家でゆっくり見る
チャンスですね。


バックトゥザフューチャーの3部作。


もう25年も前の作品でした。 でも、今 見てもぜんぜん色あ
せていないと感じます。


マーティーが行った未来が2015年というのが、ちょっと拍子抜
けはしますが、内容は面白い。


当時 トランプを擬して作られたというビフも、実際にトラン
プが大統領になっている現実と重なって、妙なリアリティがあ
る。



封切りしたときも見て大好きな映画だったのですが、久々に見て
あらためて良く出来てるなあと感心しました。


1作を年単位で撮影しているのだと思いますが、3部作が上手く
つながっていて、最初から3部作の構想で計画的に撮っていた
凄いプロジェクトで、さすがスピルバーグと思っていました。


でも、今回 3本をよーく見たら、アレレ と思う点に気が付
きました。


ジェニファーの役者が変わっている!


そこで初めて、第1部が好評だったために、第2部、第3部が構想
されたという事を知りました。


それを、25年も私は気が付きませんでした。


そいういう意味でも良くできた映画なんだな。



トランプが大統領になってしまっているこの世界は、いくつか
のパラレルワールドの中の悲惨なシナリオの世界なのだろうか。


あのトランプならば、タイムマシンを盗んで、過去の自分に
有利な何かを仕掛けたのかもしれませんね。

2020年7月20日月曜日

【新型コロナ対策】児玉龍彦先生の話

先週の予算委員会に東大 名誉教授の児玉先生が参考人として
呼ばれ、お話をされました。

ネットにて、その日の審議を全部動画で見ました。

政府のコロナ対策の西村担当大臣、専門家分科会の尾身会長も
出席しています。


その夜や翌日のニュースでも報道されましたが、児玉先生の
危機感、その気になれば日本は出来るのにそれをしようと
しない政府や政治家に対するいら立ちがヒシヒシと伝わるお話
しでした。


コロナに関する事に対して、専門家の意見を聞きたいという
事で、予定に入っていないかった色々な議員が、尾身会長では
なく児玉先生を指名していました。


政府 厚労省 べったりの分科会長の意見とは対照的な、児玉
先生のロジカルな話を議員の人も聞きたがっているという事が
良く伝わってきました。


児玉先生の歯に衣着せぬ発言は、政府や分科会のやってきた事
の的外れさもハッキリ指摘しますので、政府やマスコミからは
疎まれる存在なのだろうと思います。


折角の児玉先生の日本でちゃんとしたコロナ対策を行おうという
提言がどれだけ活かされるのかが、大きなポイントですが、
西村大臣や尾身氏の反応を見ていると全く頼りにならないという
印象を受けたのは私だけでしょうか?


私は、人に教わって4月の頭からデモクラシータイムズでの児玉
先生の対談を見てきました。


大体 月に1~2回の対談だと思いますが、情報やデータが揃うに
従い、おっしゃられる中身もどんどん進化していきている様に
思います。


ただ、一貫されているのは、日本を挙げて科学的アプローチが
必要であり、日本はそれが出来る素地が十分ある。


それを政治的にちゃんと動かせば、積極的にコロナを乗り越えら
れるという強い意志と決意だと思います。



素人の知らない科学的な知見が次々出るし、先生が伝えたい事も
沢山あるので、かなりの高密度ハイレベルな話になり、ついてい
くのが大変です。


でも、政府やマスコミが伝えるコロナの話と、現実は大きく異な
る事がハッキリわかるし、現実的にすべき事もハッキリおっしゃ
ってくれる。


しかも、自らしかけて抗体の大がかりな研究も推進されている。



予算委員会でのご提案も、初めて聞くような政治家の人達には
1/10ぐらいしか理解されていないかもしれません。


でも、エビセンターを面で対策しなければならない事や、日本が
総力を挙げた対応が出来ていない事。


無策なままでの自粛等が全く意味を持たず、日本をどんどんダメ
にして行っている事。


思い切った最先端のやり方をすれば、経済とコロナ対策の両立も
方法がある事。(日本としては思い切った方策でも、世界から見
たら当たり前の方策だが)


は、なんとなく伝わったのではないでしょうか?


政府に媚びず、忖度せず、実効的&科学的なすべき事を提言してくれる。
こんな人が日本におられた事に、感動と感謝を覚えます。


国民一律支給の10万円から、私は児玉先生のプロジェクトに寄付を
しました。



2020年6月21日日曜日

【不耕起栽培の家庭菜園】庭で家庭菜園の楽しみ

始めてみて、庭の一部に小さな畑やプランタがあると、とても楽しい事を知りました。

野菜作りは、毎日毎日小さな変化が植物や、土、虫の動きなどに起こります。


雨が降った翌日の晴れは、植物が皆 生き生きしているのが感じられるとか、風が強くあたる場所で、植えたばかりの苗は風に揺られて苦しそうとか。

勿論、葉が茂る、花が咲く、実が成る、などはとても楽しい変化です。

ちょっと見ないうちに雑草がはびこっている、、なんていう変化もあります。



家庭菜園をやってみると、このタイミングでコレをしなくては、という事が時々あります。


ズッキーニ等の人工授粉は花が咲いた朝の9時までにしないといけない。

明日は雨になるから、その前に追肥をしておこう。

晴れが3日続くからニンニクを掘り出そう。

大風が今夜は吹きそうだから、支柱の補強をしよう。

2週間後に苗を植え付けるから、その前に元肥を土の中に入れておこう。

トマトやキュウリなど、数日毎に脇目を頻繁にとらないといけない。

などなど。



そういう変化の監視や作業をタイミング良くするのは、広い畑や遠くにある畑では大変でしょう。

それが、庭の一部ならば、玄関を出て10秒で見に行けます。


朝、新聞受けから新聞を取るついでにサンダル履きで畑の様子を見られる。

昼飯食べたら、腹ごなし感覚で畑を見に行ける。



狭い畑ですから、必要な農作業の量も知れていて、数分~多くても2時間ぐらで終わらせられる。

早起きすれば、朝 出社前に植物の手入れをする事も可能。


近くて 小規模だから 全然ストレスなく、日常生活の一部として菜園活動をする事ができます。



収穫の時期には、近所の子供に体験収穫させてあげたり、できた旬野菜をご近所に差し上げる事も簡単。

勿論、必要な旬野菜やハーブを料理で必要な分だけサンダル履きで畑から採取してきて調理できる。



とに角、手軽で、身近で、それでいて自然の変化をダイレクトに感じる事が出来るし、植物をペットの様な感覚で育てる事ができます。

これはベランダでのプランタ栽培でも同じでしょう。 



日光を浴びたり、土を触ったりするのも気持ちが良いですし、世話をしている植物たちを眺めているだけでも気持ちが落ち着きます。


タネから苗を育て、植え付けてからもコンディションに出来るだけ気を配りますが、結局は植物自身の生命力と自然の連携プレーや恵みの力を見守るという事になります。 


小さな自然の驚異を、ストレスなく見ることが出来るという幸せが家庭菜園の幸せかなと感じる毎日です。

2020年6月17日水曜日

【本】大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 幻冬舎

森沢さんの本は、「エミリの小さな包丁」を初めて読んでから、すっかりハマってしまい。出版年度が古いものから色々と読み続けています。

今まで読んだのは、

エミリの小さな包丁 
雨上がりの川
水曜日の手紙 
キッチン風見鶏 
失恋バスは謎だらけ 
津軽百年食堂 
海を抱いたビー玉 
青森ドロップキッカーズ 
ライアの祈り 
虹の岬の喫茶店 
あなたへ 
夏美のホタル 

で、今日は、「大事な事は小声でささやく」を読みました。


これはオムニバス形式の小説ですが、何人もの人生を縦軸に、人の心の持ち方や助け合い・思い合って生きる大切さを横軸に上手く編まれていて、森沢明夫氏のどの小説にも共通している、とてもあたたかい気持ちにさせてくれる一冊でした。


著者の心情や大事にしたい事、伝えたい事が、どの小説にも表れているのでしょう。

そうでなければ、こんなに沢山の素晴らしい小説群をとても書けないだろうと思います。


色々な本を出されていますが、各々の物語中で、他の物語の主人公がチラリと連携していたりして、全部の小説が集まって森沢ワールドが作られていくようです。


「虹の岬の喫茶店」は伏線や音楽も含めて、本当に良くできた小説だと思いました。映画化されたのは納得。


今日の「大事な事は小声でささやく」もとても良くて、これはドラマ化されれば良いのにと思いました。


登場人物が強烈なので、うまくハマる役者さんを見つけるのは至難の業かもしれませんが、ドラマになっても面白いのではないでしょうか。


森沢作品は、どれも良いので逆に書評が書きずらいし、そんな事を書いているよりも、じっくりと読後の余韻を楽しむことの方が人生として大事なのではと思ってしまいます。


これからも、まだまだ森沢作品を読んで行きたいと思います。

2020年6月14日日曜日

【生活】リモートワークを少しでも快適に

3月後半からリモートワークを始めて3か月ぐらいになります。

突然のリモートワーク要請で、多くの方が色々なスタイルでリモートワークされているのだと思います。


そんな中で、私の場合はこれをしたら少し快適になったという事が幾つかありますので書いておきます。


ハード面

・外付けモニター

会社から持ち帰っているノートPCの画面だけで仕事をするのは、非常にストレスが溜まりました。特に、エクセルや重要なドキュメントを、何か参照しながら作る時にはヘトヘトになってしまいました。

我慢しきれなくなって、リモートワーク1週間目で、家電量販店に行って外付けモニターを思い切って買ってしまいました。置き場所の制限があるので小さめの物しかおけませんが、1万円弱で買えました。

2画面になって、ストレスは半分以下、能率もあがる様になりました。


・マウスパッド

会社ではマウスパッドなどもう10年近く使っていませんでした。会社のデスク表面で十分な反応を得られていましたから。

所が、リモートワークで使っている家のテーブルは、マウスの反応が安定しません。

これも、ストレスのタネだったのですが、ある日 百均ショップでパッドを見つけ購入。マウスの反応がバッチリ安定化しました。



この、外付けモニター+マウスパッドの組み合わせで、ほぼストレスの80%は解消しました。




ソフト面

・BGM

私の場合一人で籠っていられるスペースを確保できたのですが、孤独感がかなりあります。

ですので、BGMをかけて仕事をする事にしました。

人の声が入ると集中の邪魔をされやすいので、インストルメンタルの音楽がず~と流れ続けるものが何かないかを探した結果。

インターネットラジオで24時間クラシック、ジャズが流れている放送局を知りました。

カナダの ABC CLASSIC という所。 3チャンネルあって、2つはクラシック、1つはJAZZです。

このクラシックをスマホでBGMとしてずっと流し続けて作業をしていると、とても仕事に集中できます。

これはお勧めです。



・アクロバットDC

これは、職種によると思いますが、Pdfを自在に加工・編集できるこのソフトが使えるため(職場で契約していた)、リモートで色々と飛んでくるpdf資料に柔軟に対応できて実に助かっています。




残った課題は、

ずっと同じ姿勢をしているので、体が固まってしまう。通勤がないので運動不足になってしまう。などがあります。気分転換タイムの作り方を考えないと。

どうしてもプリントやスキャンが必要で、家のプリンタを使うのですが、インク代は自己負担か? A3でプリントしたい時はどうする?等の紙にまつわるハンドリングの不自由さがあります。週に1日 出社して、そこで出来るだけまとめて行う様にしていますが、毎日の仕事がその日のうちに完結できないというのもストレスの一つです。



コロナ後もリモートワークは日常の一部になって行きそうなので、継続して改良を考えていく必要がありそうですね。

2020年6月8日月曜日

【不耕起栽培の家庭菜園】ミニトマト

家庭菜園の定番と言えばトマト。


昨年は、初挑戦で苗を買ってきて植え付けました。


行動を起こすのが遅かったので、ホームセンターで良い苗が残っておらず、近所を探したら農家の直売所で40~50cmぐらいにそだった苗を発見。買って帰りました。


そんなに大きく育っている苗なので、普通とはちょっとちがう横倒し植えというのをやってみました。


まっすぐ垂直に苗を植えるのではなくて、土の中に斜めに植える。茎の部分も10~20cm土に埋めてしまうのですが、その茎部分からも根っこが出てとても元気に育つとの事。

当初はピサの斜塔の様だった苗の上半身も、日が経つにつれて勝手に上に曲がっていって良い感じ。


結果、すくすくと育って実も良く成りました。初めてのミニトマト栽培としては満足な結果でした。



今年はタネを買ってきて自分で苗を作ってしまおうと思いました。

タネは10粒で200~300円ぐらいなので、それで数苗作れたらかなりお得という事になります。

育苗土も畑の土をそのままポットに詰めてタネをまきました。


なんてケチなんだ。


その結果。 大丈夫 苗はちゃんと育ちました。


ただし、畑の土を使っているのでポットの中で雑草も生える生える。


数日おきにポット内の雑草抜きをしました。

又、土がだんだんカチカチになってしまい、成長は非常にゆっくりです。

やっぱり、育苗はそれ用の培養土を買って使うほうが歩留まりが良さそうな感じ。


ついに花芽も出てきたので、畑に植え付けました。


ポットから出してみると根鉢がしっかり出来ていて、厳しい土を使ったことでスパルタ的に強い苗が育った気がします。


結局 苗6本ぐらいを植え付ける事が出来そうです。お得です。


さて、これからどのように育って実をつけてくれるやら、楽しみです。

2020年6月7日日曜日

【不耕起栽培の家庭菜園】ソラマメの花はパンダみたい

今年も、ソラマメを育てました。


去年栽培した野生種のソラマメからとったマメを保存しておいて育てました。

野生種なので、何代でも続けて栽培していけるのです。


不耕起栽培で3年目になるので、土も少しずつ出来てきている様で、耕していない畝でも土は固くありません。

そこに、ポット育苗の後 植え付けました。後は、土寄せ、摘芯ぐらい。


皆 よく育って 今年も豊作と言って良さそうです。



去年 初めてソラマメを育てて、その花を初めて見ました。


ソラマメの花は白い花びらに黒い模様がついていて、まるでパンダの様な印象です。白黒コントラストが清楚でキレイ。


パンダの顔が沢山 咲いている という畑を見ていると なんか楽しい気持ちになります。




そのパンダは、そのうち真っ黒くしおれてしまいますが、その跡に小さなマメの鞘ができます。



ソラマメの鞘は空に向かって伸びていき、 だんだん中のマメが太ってくるに従い水平や下向きに変わっていきます。まるで踏切の遮断機みたい。


その変化もソラマメを育てる日々の楽しみです。



スーパーで売っているソラマメは地味な野菜ですが、その成長はとても派手で変化が楽しい野菜です。

【コロナ】どの報道を信じるか

新型コロナでこの数か月は、テレビのニュース、ワイドショー、新聞、ネットニュース
等も新型コロナ関連の話題や安倍政権に関する話題ばかりになっていました。


一方、リモートワークをする事によって、今まではあまり見ることのなかった平日の昼間
にやっているワイドショーなどもかいま見る機会が出来ました。


それらを見て、感じるのは膨大な情報が溢れている時に、自分から見て何が最も科学や
現実に即した話や実効性のある話なのか、それとも、単なる素人コメンテーターや司会
アナウンサの素人質問、思惑を隠した意図的発言なのかを見分けるのは大変だという事
でした。文字メディアも編集の意図や誘導を沢山感じました。


そういう意味では、この数か月は情報社会のこわさや限界、強さも見えた気がしました。


色々見た上で結局、テレビでのニュースソースとしては、BSーTBSの報道1930という番組
(平日の19:30から1時間半の生放送)をほぼ毎日見る事にしました。


今までBSは、地上波のサブのメディアというイメージを持っていましたが、この番組で、地上波番組とは一味違う放送が行えるのかもと初めて知りました。


この番組の良い点は、生放送で関連政治家(与党自民党や政府から一人、野党から一人)、感染症の医師や学者から一人、そして生中継でその日のテーマでの現場の人一人がリモートで出席して、生で意見を戦わせ合う事も起こる事。

そして、生中継で出ている現場の人に、政治家に対して要望があるかを必ず聞いています。


与党政治家が手前味噌のストーリーでこういう手をちゃんと打っていますとアピールして
も、生中継で現場の人や臨床医師が直面している困難さや現実を生の声で訴えられると永田町で言っている事とのギャップが如実に表れて、問題点や課題が浮き出てきます。
キレイ事を言っている政治家も、現実に直面して、返答を迫られます。


課題に対して、政治家はどう答えていくのか。現場はどうしていく必要があるのか?問題を実際に解決していく為には具体的に何をしなければならないのか?という議論の場の様な生放送です。



もう一つ特徴的なのが、視聴者からコメントや質問を常時積極的に受け付けようとして
いる事。双方向とは言えませんが、視聴者の疑問や問題意識を番組内や番組作りに生か
そうとしているのかもしれません。


又、番組自身が現場に取材に出かけている事と、進行の松原さんが、課題や問題点についてテーマ設定し、それに対して専門的観点からのコメントや、現場の生のコメントを引き出そうとする事。(ワイドショーで見かける専門外の人の感想大会の様にはならない)


大手新聞やNHK、地上波のニュース・ワイドショーなどは、永田町発表情報を元に説明をしていますが、それでは現実の世界との乖離した頭でっかちで一方通行のニュースやコメントばかりになります。


勿論、報道1930も、民間企業の営利番組ですので、踏み込めない・タブーの領域があるのは薄々感じますが、報道キャップ的役割兼司会の松原氏、総合解説の堤氏は出来るだけ事実の本質に迫っていこうという一貫した姿勢があるように思えます。



ただ、あまりにマジメな番組なので、見るだけで疲れます。時々、テーマや出演者によっては今日は見るのを止めようと思う日もあり、その日は少しほっとするのも事実です。



報道1930は主に政治施策とコロナの現場という観点で視聴しますが、科学的に何が起こっているのかを知るには足りません。


科学的な知見については、山中教授のHPも見ますし、出来るだけ原本であるWHOや各種研究所や学会等の報告書そのものを見るようにしていますが、最も合点が行く情報ソースは東大の児玉達彦先生の対談が時々ネットに出るので、それを見ることです。


政府や専門家会議のやってきた事や言ってきた事がどれほど的外れかを、データをもとに
率直に言われるので、テレビや新聞に呼ばれることは殆どないようです。でも、言われるいる事(どんどん科学的データが集まるにつれ内容も進化されていますが)は、目からウロコのような内容で、又納得性の高いお話が多いと感じます。


こういう方に、専門家会議をやっていただけたら日本もどんなに合理的に対応が進むのかと思います。


報道1930の話も、児玉先生の話も 地上波TVや新聞などに比べたらマイナーな媒体での
情報です。 知らない人が大多数だと思います。


今回のコロナではこれらの情報ソースが良かったと思っていますが、別のテーマではきっと違う情報ソースを探さなければならないのでしょう。


情報化社会というのは、かなり難しい社会になったなとつくづく思います。

2020年4月5日日曜日

【非常時の対応】証言 細野豪志 講談社、国会事故調査報告書

福島原発時の対応を振り返る為に、表記の2つを読みました。


細野氏の本は、当時 首相補佐官で、東電との統合対策本部を作った時の事務局長として最前線にいた細野氏が鳥越俊太郎氏とのインタビューという形で事故1年後に当時を語った物。


当然、身贔屓な視点になっていると思いますが、この前に読んだ菅直人氏の回想本と照合しながら読むと、成程 当時の官邸の判断基準などが浮き彫りになってきているように思えました。


その中で、2つの事に成程と思いました。


一つは、菅首相が発災翌日に現地視察に飛んだことに関連して、

細野「視察について話を戻すと、私は、あの行動は、菅総理の個性が強く出たものだと思っています。視察をした後の菅総理の当事者意識って、すさまじいものがあったんです。自分が総理のときに起こった事故だ、自分で何とかしなければならないと。深刻な影響が東日本に広がるような事態は絶対に阻止すると、必死でしたから。

 もうちょと丁寧に決めたほうがいいのにとか、別の言い方があるのにという局面は、それはもちろんあったんです。あったんですが、一つ一つの、節目節目の判断に関しては、総理は間違っていなかったと私は思っているんです。

 その背景には、あの現場に行ったことで、総理のなかに強烈な当事者意識が芽生えたことが大きかったはずです。」

との事。

シビアアクシデントの時は、総理は判断・決断が必要になりますが、どれだけ当事者意識を持っているかでその判断の速さや質は変わると思います。

現在の新型コロナでのトランプ氏の発言と、NYクオモ氏の発言の違いなどは、その差が如実に出ている気がします。

日本の安倍首相は、コロナの現場や、中小商店主、弱者の状況などをどれだけ当事者意識を持てているのでしょうか?


二つ目は、情報の伝え方について

鳥越「その話(メルトダウン)は、政府の情報公開にかかわる重要なポイントだと思います。」

細野「「メルトダウンはしていない」とは私は、一回も言っていないはずです。どういうふうに言っていたかというと、「メルトダウンという言葉の定義が不明確だ」ということ。それから「核燃料棒が溶けているこてゃ間違いないけれど、溶融をしている程度はわからない」と言い続けてたんです。だから、「燃料溶融」とか「燃料損傷」とかいろんな言い方をしましたけれど、いずれにしても燃料が溶けていることは認めていた。kれども、どれぐらい溶けているかは分からない」というのが適切な表現でした。メルトダウンの可能性があると、全体像としてはいったん認めた上で、程度は正確にはわからないと細部についての見解を言えば、おそらく受け入れられたでしょう。よりシビアな予測ができなかったという意味では、メルトダウンに関する政府の発言は不正確だったと思ってます。

中略

鳥越「定義論争をしてもしょうがないんですけどね。本当はね。メルトダウンという言葉に踊らされるだけですから。」

細野「そうですね。ですから結局、考えるべきだったのは、「伝えるべき情報とは何か」ということだったんです。

 事故後、私たち政府は、わかったことがイコール正確な事実だと捉えていた。そして、その正確な事実を伝えようとしていた。われわれは、どちらかと言えばミクロの、一つずつの情報の正確さについて必死に吟味していたんですが、ここに失敗の本質がありました。国民は、ある程度漠然としていても、およそこういう事態が起きているのではないかという全体像の正確さを求めていたんですね。

 ですから、メルトダウンについては、言葉の定義も多義的だからわかりませんというのではなく、そういう可能性はあると認め、その上で、溶融の程度はこのぐらいだと予想されるという表現をすれば、受け止められ方はまったく違ったはずです。」


これは、政府発表だけでなく、私たちの日常でも気を付けなければならない事の様に思いました。

現在のコロナ関係での、政府発言は あいまい、漠然 の連発なので、菅政権の時とは真逆ですが。。。



国会事故調査報告書

これを読むと、歴代の東電経営陣の出鱈目さと、東電と政治・政府の癒着構造が良く分かりました。
又、東電・政府含めたコミュニケーションの齟齬も。

ただ、とても評論家的な書き方で、法律とは動き方が違う点等が挙げられていたり、問題点を列挙して提言風に書いている様にも感じました。非常時対応として良かった面、悪かった面という観点がありません。


事実検証と問題点の修正提案というスタンスでのみ書かれたのでしょう。

まとめられた黒川氏は 腹の据わっている人だと思っていましたが、その人がこういうまとめ方で出されたというのは、かなり恣意的な圧力がかかっていたのではと邪推したくなりました。


事実関係は、菅氏、細野氏の本と変わりありませんのでした。

2020年3月29日日曜日

【非常時の対応】東電福島原発事故 総理大臣として考えたこと 菅直人 幻冬舎

2011年3月 東日本大震災とそれによって引き起こされた東京電力・福島原発事故。初めて聞いた時に、学生時代に少し物理を齧った身として、これは本当に日本全滅まで行くかもしれない危機だと感じました。


大学の物理学科にいた時、当時の物理学生の間では核分裂方式の原発は核廃棄物の最終処理ができないのだし何かあったら取返しが付かないのだから行ってはいけない物だという認識で一致していました。なんで、日本は原発を推進するのか意味が分からない。大人の社会は納得できない事が沢山ありすぎだと思っていた事を思い出します。


ちなみに、当時は核融合方式ならまだクリーンに出来るかもしれない(本当はトリチウムが出るので無害ではない)けど、何十年も先だよね。という意識でした。



前置きはこれぐらいにして、

本書は首相の目から見た事故発生からの7日間と、その後の政局等が書かれています。


原発事故後も数年、後処理に関する報道が何度もあり、その中で東京電力という会社の閉鎖的な体質、原子力安全保安院の無能さなどがかなり分かりました。そういう後追い知識も踏まえたうえで、この本を読んでみました。


読んでみて感じたいのを、→で書いてみます。

・当時 首相にまともに情報が上がってこない。また、上がってきた情報が信用できない。ものすごく時間がかかり、タイミングを失する。との事。
→東電と原子力安全保安院ならば、多分 そんな事になっていたのではと感じていたとうりの事態になっていたらしい。


・そうなると、実際には何が起こっているのか事実に早く直面する必要があるので現地に飛んだとの事。又、独自のセカンドピニオンを出してくれるメンバーを組織した。
→本気で対応しようとしたら、当たり前の行動に思う。


・現場の吉田所長という、頼りに出来る現場指揮官がいてくれた事に本当に感謝し、全面的に信用し支援したいと感じた。 だが、中間に入る東電本社や原子力保安院の風通しの悪さ、気概の無さで現場要望と支援が寸断される。 東電は東電で出来る範囲の努力をするが、政府を動かせばもっと良い結果が出る事案でも、そういう提案をしようとしない。東電は私企業として現場からの撤退を考え、国としてはそれは許さなかった。政府と東電の統合本部を作った。


・本当に偶然にも助けられて、最悪状態は避けられた。それでも、原発ので事故の被害は非常に大きく規模になる。日本は、危機一髪を生き延びることができた。ただ、どれだけギリギリだったのかを、一般国民も永田町の政治家たちも実感しなかった。現場と対策前線だけが理解できていた。吉田所長や対策メンバーは、何度も死地に立ち向かっていってくれた。それでも、それだけでは回避できなかった。偶然に建物の一部が崩壊して自然ベントができた事に助けられた。
民間人に死地に行くように命令した初めての総理大臣だった。総理大臣にしか出来ない事だった。


・当時の政権や各省庁は、7日間 不眠不休に近い働きをした。


・理科系の菅首相も、事故前までは原発安全神話を信じていた。


・しかし、現実を知るに従い、原発はしてはいけない技術だと実感した。そして、脱原発を決心した。でも、原発推進は長年の日本政府の方針だったし、利権関係、政治関係も官庁も原発推進の構造が出来上がっていた。脱原発を掲げたとたん、菅降ろしの大合唱が 永田町、経産省、マスコミ、経済界、身内のはずの小沢一郎等から始まった。


・菅首相は、再生可能エネルギー法案成立と引き換えに、退陣した。


以上ですが、勿論 筆者視点で、しかも筆者にとって都合の良い様に編集された本だとは思いますが、そこに書かれた具体的な内容と時系列は事実なのだと思いました。

今後、関連する他の書籍も読んで整合性も含めて見ていきたいと思いますが、こういう状況だったら、私自身も菅氏と同じような動きをしただろうなと思いました。


危機対応を進める緊急コミニュケーションにおいて、言葉足らずや言い方の問題、受けとり側の思い違いなどが沢山起こったという話も、ありがちな事だと思います。


それでも、その時点が菅ー枝野チームの政府であったのは幸いだったと私は思いました。

【非常時の対応】大地震と原発事故の時の経験から

現在の新型コロナでの政府の後手後手対応を見ていると、
非常時の危機対応の仕方でその時のリーダーの考え方や
実務能力が露わになってしまっている様に思えます。

現在の与党は、国会でも過半数を持っていますので、色々な
緊急施策を果敢に実施しやすい状況にありますし、野党も
協力の姿勢を示しているので、足を引っ張っているのは、
単純に政権自身の対処能力だと思えます。


危機時にリーダーは、先の展開可能性(最悪時、成り行き時など)
を推測して、最悪にならない様にするにはどういうアクションを
先々に取っていかなければいけないかを考えて、臨機対応や、
事故処理、先手の仕込みをしていく事になります。


今回のコロナ禍では、日本全滅になる様な話ではありませんが、
危機対応が必要な事は確かです。


一方、9年間前の大地震・大津波とそれに伴う原発事故発生時は
まさに日本半滅が現実に起こっておかしくない事態でした。


その時の菅直人内閣で、官房長官をしていた枝野氏は、連日連夜
記者会見を行い、当時のtwitterで「枝野寝ろ」(非難ではなく、
そんなにガンバリすぎずに少しはお前も睡眠取れ という応援)
メッセージが沢山出ていたことを思い出します。


その枝野氏が何週間か前の国会で、安倍内閣のコロナ対応に対
して、政府として本気で対応しているのか? 


本気でしていれば各省庁から、自分分野ではこういう先手対応を
して行くという提案や、官邸から各省庁に施策だしを迫る事をし
なくてはならないが両方とも全く出来ていないのはどういう事か?

と追及をしていました。


本当の危機の経験者としての、指摘だと思いました。


菅直人政権は、原発対応で現場視察を無理やりして現場の足を引っ
張ったとの非難や、マスコミやは自民党だけでなく当時の民進党内
の小沢一郎一派による強烈な足のぴっぱり等でもボロボロになりま
した。


当時、日本の最大のピンチで、日本が一致して立ち向かって
いかなければならない時なのに、永田町の政治家やマスコミは
ああいう政局闘争などをするのか、とても不信と異様さを感じて
いました。


前回の究極に近い危機時に何が起こっていたのか、どういう動きが
起こったのかを改めて学ぶ必要があるなと感じます。


という事で、いくつか関連本を読んでみようと思います。

2020年3月22日日曜日

【物理屋の養生訓】医学常識はウソだらけ 三石巌 祥伝社

物理学者の三石氏が「自分の健康は、自分自身で管理しよう」と考え、独自の研究の結果を自身で実践していってたどり着いた話。 

食生活で病気を予防、治す。

「医学常識」は「科学の非常識」と断言。


例えば、

①「食塩を摂り過ぎると高血圧になる」のウソ

健康診断で高血圧ぎみの数値が出ると、塩分を控えてくださいと大抵指導されます。

又、長野や東北地方で塩分を摂り過ぎていたから高血圧が多かったという説明も良く聞きます。


でも、冷静に 食塩摂取の多い県 1、岩手、2、長野、3、山形 と10万人あたりの高血圧患者数が多い県は1、山梨、2、島根、3、青森 となっていて、整合しないとの事。



三石氏の考えでは、体内でのナトリウムとカリウムのミネラル比率 6対10 になるように摂取するのが健康に良いとの事。

東北でもリンゴの生産地では高血圧が少ないのは、リンゴを食べてカリウムをしっかり取っているから。


やみくもに食塩制限をすると、重要なナトリウムが減ってしまい良くない。

同様に、カルシウム対マグネシウムも2対1の比率で摂るのが良い。


ナトリウムがとれるのは、ハム、ミソ、パン、塩
カリウムは リンゴ、ソラマメ、ホウレンソウ、バナナ
カルシウムは牛乳、海藻(ひじき)、マメ類、小魚
マグネシウムは海藻(こんぶ)、小魚、ココア・抹茶、ゴマ、ナッツ、果物

血圧降下剤は血栓の原因にもなってしまう。


②コレステロールは悪玉

コレステロール自体は身体に非常に重要なもの。

悪玉と言われるのは、LDLが活性酸素等に遭遇すると酸化されてしまうから。


よって、コレステロールを摂らないのではなく、活性酸素等を退治する物質(スカベンジャー)を摂る事が重要。


スカベンジャーとなるのは、沢山の種類がある

ビタミンC(水溶性) レモン、イチゴ、ミカン、トマト、ブロッコリー、ピーマン、、、

ビタミンE(脂溶性) アーモンド、大豆、落花生、ウナギ、シジミ、カツオ、アユ、、

カロチノイド(脂溶性) ベータカロテンやキサントフィルなど。緑黄色野菜(ニンジン、カボチャ、トマト、、)、かんきつ類、赤身の魚、海藻、卵黄、魚卵

ポリフェノール(脂溶性) 煎りゴマ、低温で入れた緑茶、赤ワイン、コーヒー、ショウガ、、


③動脈硬化は治らない

弾力を与えるのはエラスチンというタンパク質。体内合成するには、ビタミンB群が必要。

イワシ、豚肉、バナナ、大豆を食べよう。


④痛風

痛風と言えば尿酸値。 でも尿酸自体は身体に有益。

ただし、尿酸がナトリウムとくっつくと針状の結晶になって悪さをする。

尿酸がナトリウムとくっつかないで、糖タンパクとくっつく様にすれば良い。

そこで必要なのはタンパク質とビタミンA.

ビタミンAは 肝油、レバー、バター、チーズ、牛乳、卵黄、、



全てにおいて、最も重要なのは、良質のタンパク質。 これをしっかり摂るべし。卵がベスト。


これ以外にも、三石理論が満載です。


食生活で予防や治療をする。という考え方はとても共感しますし、そうなのか と思わせる内容です。


ただし、裏付けとなる証拠はお医者さんではないので、ご自身での人体実験結果しかありません。


三石さんは95歳でもスキーを毎年され、50代の筋肉レベルを保ち、白内障の進行も止めたとの事。


江戸時代に、本人と奥さん自身で色々試してみて健康法を詰めていった「養生訓」がありますが、三石さんのこの本も 平成の養生訓 なのでしょう。


読者も、自身の人体実験で効果を確かめていくのがよさそうです。

この本の中で、私の人体実験と合致していたのは、ビタミンCの大量摂取。

ビタミンCを沢山飲み始めてからは、身体の抵抗力がかなり高まった実感があります。

折角なので、しばらく毎日1個は卵を食べてタンパク質追加実験をしてみようと思います。

【暗闇と希望の絵本】レッドツリー ショーン・タン 今人舎

絵本で、こんなに暗く、つらい物は見たことがありません。


子供だけではなく大人でも、理不尽につらい目にあって生きざるを得ない人が沢山います。


落ち込んで、落ち込んで、どう生きたら良いのか分からない。


辛い気持ちを絵と文で表しています。


そして、最後にどうしたら希望に会えるのかも。


人は 生きていく上に、誰でも落ち込んでしまう時があります。


小さな出来事で起こる事もありますし、自然災害や事故などで突然 そういう状況に放り出されてしまう事も。


この絵本は、そういう状況への共感と、希望 を伝えるために書かれている物だと感じます。


副題が「希望までの360秒」。


翻訳は早見優さん。


なんで、早見さんがこの本の翻訳をされたのか知りませんが、とても心に響く言葉になっている。


辛い時を迎えている人(大人でも若者でも、子供でも)への応援となる本だと思いました。


2020年2月23日日曜日

【本】他人を支配する 黒すぎる心理術  マルコ社

表題はキャッチーな表現になっていますが、内容は まじめで 心理学の発展過程や、人間の心と反応、テクニックを分かりやすく説明してくれる本でした。

テレビにはメンタリストと言って出ている芸能人もいますが、ヒトラーやトランプなどの政治家、ビジネス交渉人、人たらし、コマーシャル など、日常生活の中でも こういうテクニックに触れる機会は多いと思います。


コールドリーディングもこの中の一つの手法ですね。


多分、どんな分野であっても、ベテランの人はいくつかのテクニックを自然と身につけていて、この本を読んでも、「そんなの知ってるさ」と言うのではないでしょうか。


この本は、そういうテクニックをかなり広く数多く網羅しています。

又、最後に テクニックに騙されない方法も書かれています。


そして、この本の真の狙いは「相手が気持ちよくなるコミュニケーションスキルを学ぶこと」との事。



具体的な手法をいくつか抜き出してみると、

たらし込み

 男性は 能力とか結果をほめる。(プライドをくすぐる)

 女性は プロセス(結果よりも頑張っている姿など)を理解示しながらほめる。
     皆が言うような事ではなく、内面をほめたり、ちょっと違う角度からほめる。

 悪い状況ではメールや電話は使わない。(実態よりも悪い想像を相手がふくらませがちになる)

 甘い言葉や良い知らせはメールや電話で伝える。(より良いイメージをふくらせてもらい、感情を高部らせられる)




相手を上手に誘導するテクニック

 無言のテクニック
  ーー傾聴、相手の自身を失わせる、

 
 うなずきのテクニック
  ーー早いペースでうなずく事で相手の口はなめらかになる。


 ほめて育てる
  ーー「気遣ってくれてありがとう。よく気が付くよね」など行為をほめる言葉を相手に投げかけることを繰り替えす。


 ほめてライバルを手中におさめる
  ーー敵意むき出しの相手もほめる。「あいつは案外いいやるなのかもしれない」と思い込ませし、飼いならす。


 オウム返し
  ーー真剣に聞いているフリをする。「自分は受け入れられている」と思わせる効果がある。


 「そうだよね」と相手をつつみ込む
  ーー女性には共感して肯定しているという言葉が効く。


 反論は「Yes but.法」で
  ーー反論を表に出さずに、実質的に主導権を握る。


 あえて「頼み事」をして味方に引き込む
  ーー頼りにされたという満足感や好意、親近感を感じさせる。


 名前を頻繁に呼んで親密度を増す
  ーー名前を連呼されているうちに、相手に対して親近感を覚えるようになっていく。

 
 弱みを見せて少ない報酬で満足感を与える
  ーー過酷な労働をしても低報酬だと、過酷なのに報酬が少ないのは「自分の評価が低いためでない」と否定するために、「自分が楽しいからやっているんだ」と思い込ませようとする心理が働く


 「両面提示」で相手を完全に信用させる
  ーー良い面だけでなく悪い面も提示する事で、より高い好感度を得る。


 ミラーリング
  ーー相手の動作に同調する事で、相手は好ましく思ってくれる。

 「真摯な相づち」
  --話をしている最中の相づちは最後まで沢山うつ。または、最初は少なめで後半ほど多くすると「もっとあなたの話を聞きたい」という事のアピールになる。


 相手の右側から近づく
  --安心感を勝ち取れる。


 入退室でのお辞儀
  --お辞儀が洗練されていると、良い第1印象を持たせられる。




しぐさで読む

 視線
  ーー右上を見ているときは記憶を「思い出そう」としている時。左上を見ているときは「考えだそう」としている時。
 

 まばたき
  ーー男性は嘘や気が小さいと まばたきが多い。 なるべくまばたたかない様にした法が良い印象をを与えられる。一方、女性は嘘をつく時は、まばたきせずに相手をじっと見つめるもの。


 セクシーなしぐさ
  --女性は「髪を触る」「右にあるものを左手で取るようなクロスの法則」。男性は「腕まくり」「ネクタイを緩める」など

 


会議・プレゼン・交渉で相手にYESを言わせるテクニック

 伝えたい事を先に言うか、後で言うか
  --相手が興味を持っているときは、前置きから入るクライマックス法を。 相手があなたの話にそれほど関心が無い時は、単刀直入にアンチクライマックス法で。


 「誤前提暗示」の罠にはめる
  --こちらに都合の良い前提で、相手に2択させる。(与えられた選択肢の中だけで物事の判断を下す様に誘導する) いきなりAとBのどちらが良いかと迫るなど。C,Dの選択肢を考えさせない。


 「一貫性の原理」を逆手に取り無理難題を押し付ける
  --簡単にYESと言える”小さなお願い”から入り、自分の行動に一貫性を持たせたいという心理につけこんでより大きな要求も飲ませるように持っていく。


 人の罪悪感を利用した悪魔のテクニック
  --とうてい受けられない過大な要求をまずぶつけて拒否させてから、本命の要求を持ち出す。

 「コントラスト効果」で選ばせる
  --本命の案のわざと上下の案を作って提案して、真ん中に誘導する。


 「ランチョン・テクニック」で錯覚させる
  --おいしい食事や楽しい時間の中で交わされた会話や人物に人間は好印象を抱く。 パワーランチなど。


 少数意見でも自分の主張をかたくなに繰り返し、一貫した態度をとる
  --多数派の人も、「もしかしたら自分たちが間違っているんじゃないか。。そこまで言うならやってみようか。。」と思わせる。



これ以外にも、沢山のテクニックが載っています。



最後に、他人に「操られない」ための心構えとして紹介されているのは、

1.すべての人に「いい人」と思われようとしない

2.感情をあおられている状況で物事を判断しない

3.少しでも不明点があれば納得がいくまで説明してもらう

4.他人からもらう「不自然で大きな利益」は信用しない

5.情報収集力と分析力を身に着ける

6.絶えず「批判の目」で物事を見る事を忘れない

7.急なしぐさの変化は「嘘」をついているサイン




騙しのテクニックにあふれている現実生活を、サバイバルしていくためにこれらの知識を得ておく事は有用そうです。

2020年2月16日日曜日

【大河】麒麟が来る に違和感を感じるのは

昨年の「いだてん」は最初の2回は見たのですが、明治の時代と昭和の時代の演技の区別がなかなかつかず、いちいちこれはどちらの時代の事を見せられているのか? と考えるのにイヤ気がさして見るのを止めました。


ちょんまげと着物の江戸時代と昭和の話ならば、混乱する事もなかったでしょうが、明治後半と昭和はどちらも洋服で、話方も一緒では 一目で区別がつきませんでした。


大河は好きだったので、「麒麟が来る」が始まるのはかなり楽しみにしていました。

時代設定も戦国時代、しかも明智光秀ならば 馴染みのある史実だし、絶対に面白い時代だという期待がありました。


でも、今日まで5回見てきましたが、正直 もう見るのを止めようと思います。


どうしても、違和感がありすぎるのです。

一番 大きな違和感は、映像の絵作りです。服装が派手という話に対して、放送局側はいやいや時代考証していますからと答えているようですが、それ以前に 役者さん達の背景の自然(草や木、空など)の色彩がとっても不自然な事です。


彩度が高すぎる。色調も色を転ばせすぎている。 


又、屋内の場面などでは、非常に輝度が低くて暗い中。


と感じる事。家のTVは2Kの液晶テレビですが、他のドラマではそんな風に感じることはかなり少ない。

暗さは、ハリーポッターの映画をテレビで見た時と非常に似ているなと思いました。


勝手に推測すると、もしかしたらNHKは4K(または8K)用カメラで撮影しており、4Kや8Kで採用されている色空間やダイナミックレンジや諧調規格を目いっぱい使った絵作りを目指しているのではないでしょうか?


きっと、HNKの調整室や映像編集室のモニターは超高品質ディスプレイを使っていて、8Kや4Kで最もキレイに見える様に調整しているのでは。


それを、地上波デジタルで、しかも普及している2K液晶で見るとこういう事になってしまうのか?



広ダイナミックレンジや高諧調ならば、暗い輝度範囲の中でも諧調トビを起こさず見れる。または、超高品質ディスプレイならばディスプレイ自体が高輝度なので識別できるし、情報を余すところなく再現できると技術者は考える事は、デジタルフォトとしては理解できます。



でも、多くの人が見ているのは2K液晶。



すっかり政権の御用放送となっているNHKなので、政府や経産省、総務省から4K、8Kテレビへの買い替えを進めさせよという圧力のもとで、わざとそんな画質で放送しているのではとカングリたくもなります。



勿論、畑で野菜作り等をしている身としては、畑で土仕事をしている農民が洗濯したばかりの土もついていない服で作業をしているのも非常に違和感です。

又、明智光秀ってあんなに剣が強いという話も聞いたことがありません。



ただし、この辺りはフィクションのドラマだから、、と割り切って見ることは可能です。



しかし、彩度の不自然さは 大河ドラマでは 見てられないと感じます。 役者さんは頑張っていると思うので、かわいそうです。


NHKの思惑があるのでしょうか???  前回の「いだてん」もモロに五輪を盛り上げるための国策大河だったとは思いますが。

2020年2月15日土曜日

【マスコミ】新型コロナウイルスの対策 免疫力

この数週間、ニュースは新型コロナウイルスに関することばかり。

どの番組でも、殆ど同じ内容を繰り返すだけ。つまり番組としてバリューが付かないにもかかわらず、ずっと続けている。どのチェンネルでも同じ。専門でもないコメンテータが訳知り顔で喋るのも同じ。

他のニュースを流さない様に、何かの力が働いているか、マスコミがよほど「右ならえ」主義が蔓延しているのか。


感染源の分からない感染者が多く出始めた昨日、今日は、第2フェーズだと大騒ぎしているが、元から潜伏期間が長いという事なので、完全に予測の範疇の状態のはず。


驚くべきは、対策は「マスクしろ、手を洗え、消毒せよ」と口を揃えて言う。
でも、検疫官や医師も感染しているのですから、それでは不十分だけど という事は言わない。


今、対策として報道すべきは、不要な外出は控える、誰とでも濃厚接触をする機会を減らす。そして、自分の免疫力を上げるためには何をすれば良いか考えて行う。 という事ではないでしょうか?


インフルもコロナも感染しても軽く済むかどうかは、各人の免疫力によります。


感染自体は防ぎ切りようが無いのですから、本質的に免疫力を高める事が必要と思います。


睡眠を十分とる、暖かくする、腸内環境を整える、食事を整える、ビタミンCをとる、運動をする等等。


怖い怖いと煽るばかりから脱却して欲しいものです。

2020年2月12日水曜日

【知らなかった事】水曜日郵便局って知ってましたか?

週の真ん中の水曜日に、自分が何をして、何を思ったか、なんかを手紙に書いて、「水曜日郵便局」宛てに送る。すると、全国から集まった手紙を局員さんがシャッフルして、見知らぬ誰か(手紙を出した人の内の誰か)に送ってくれる。というしくみらしい。


森沢明夫さんの「水曜日の手紙」という小説を読んだら、出てきました。


その”水曜日の手紙”によって、書く人、受ける人が変わっていく様を、暖かく、希望に向けて描いたとても面白い小説です。


キーボードではなく、ペンで手紙を書くという事 自体が、現代では 小さな1歩を踏み出す良い行動になりますね。


見知らぬ人から、紙の手紙を受けるという事だけで、日常を少し離れた世界を作りますね。


読んで、気持ちが少し前向きになりました。




この「水曜日郵便局」という舞台設定は、良くできた話だなあと思ったのですが、実は 実在したサービスでした。

残念ながら数年前に終了してしまった様ですが、本当にそういう手紙の交換がされていたとの事。



粋な事を考えるクリエータさん、それを実行する心豊かな支援者、そして手紙を書き・受け取る人。


皆、人の心を感じられる一連の活動ではないでしょうか。



このプロジェクトの終了した理由は知りませんが、こういう素敵な世界がどこかで続いているといいなと思います。

2020年2月9日日曜日

【社会】フランス エリート社会

世界中を飛び回り、友達がいる恩師の教授に又 話を聞きました。


その中で、日本の大学研究者に対する文科省の制度のいびつさ(欧米の仕組みをシンクタンク等に外注して調べさせて、表面的なしくみだけ採用してどんどん研究者にとって不利な状況を作り追い込んでいる)の話もありましたが、それは又の機会に書くとして、政治の仕方に関して日本と欧米の違いについての話も聞きました。


フランスなどで、政治をしている与党野党、大統領、大臣など主要なメンバーは皆 少人数のエリート校の出身者ばかりなので、同窓会的なつながりで色々な事をさっさと意志決定して進めていける。との事。


それを聞いて本当なか、、と思っていたのですが、 グランゼコール という超エリート職業訓練(?)学校というのがフランスにはあるとの事。



例えば、フランス国立行政学院では、数多くの大統領や首相、大臣を輩出している。


ウィキペディアでは、2019年にエリート主義への反対の国民の声が高まったので、マクロン大統領が閉校を宣言したとされています。


でも、マクロン大統領自身もその学校の卒業生というオチがついています。



アメリカでも少数エリートの知り合い同士で政治を行っているという話を時々聞きますが、欧州ではそれを意図的に公的制度でやっていたのですね。



日本では東大がお国のお抱え大学みたいな感じになっていますが、少数精鋭のエリートという公的仕組みは無いように思います(知らないだけかもしれませんが)。


欧米のニュースを解釈していくにあたり、こういうバックグラウンドを理解しているか否かで判断が変わってしまう気がします。政治の世界も日本の常識は欧米の非常識という事なのでしょう。

【生活】冬 ひなたぼっこ の楽しみ

寒く、北風も吹く冬。

夕方5時をすぎると暗くなってしまい、通勤の往復も気分が沈みがちな季節です。


でも、東京近辺では 昼間の晴天率はかなり高い季節でもあります。



そんな冬には、休日の昼間「ひなたぼっこ」という極上の楽しみを味わう事が出来ます。



南向きの窓のカーテンを開け放ち、窓ガラス越しに差し込んでくる日光が作る「陽だまり」の中に身体を置いて、ゆっくり好きな読書をする。


”こんなに満ち足りて最上の時間はない”と思えます。



窓からは大きな青空が広がり、陽だまりはぬくぬくと暖かい。



そして、時間が経つにつれ、日差しの方向が変わり、地球や自然のリズムを感じる事もできる。。



お金は1円もかかりませんが、こんな贅沢な時間を過ごせるのはなんと嬉しい事かとつくづく思えます。


晴れの休日が待ち遠しくなります。


【本】ハンニバルの像つかい ハンス・バウマン 岩波書店

EUとはどうして出来たのか? を調べていく中で、どうしてもローマ帝国の事も知りたくなりました。

ローマ帝国と言えば、シーザーやネロ、アウグストウスなどの名前が浮かびますが、もう一つ。ローマ帝国を襲い、10年以上も恐怖に震えさせたハンニバルという名前も思い出します。


戦闘用の像を連れてスペインから雪のアルプス山脈を越えてイタリアに進軍した、空前絶後の将軍として知られています。


「ハンニバルの像つかい」は、確か小学校の時に読んだ記憶があります。

この本で、ハンニバルという名前を覚えたのだと思います。


内容はすっかり忘れてしまっていたので、図書館で借りて読みなおしました。


今回読んで、こんなに内容が重くて長い小説を小学生でよく読んだな と思いました。


主人公の少年と像が心を通わせあったストーリーをベースに、非常な戦争の姿をこれでもかと描写されています。沢山の死や災害が襲い掛かります。


この作品が書かれたのは、1950年代の終わりとの事なので、作者は、戦争や政治の欺瞞や恐ろしさをハンニバルの姿を借りて次世代の子供たちに物語で伝えようとしたのではないでしょうか。


子供時代に読んだ時にも、読後に悲しさや苦しさを覚えた事を思い出しました。でも、この本はキライになるのではなく、自分にとって貴重な事がかかれていると親しみをの印象を持った事も思い出しました。



ちなみに 原題は I marched with Hannibal という事を知りました。


ハンニバルの時代から2000年以上になると思いますが、人間は今も変わっていないのではと改めて思いました。

2020年2月8日土曜日

【本】あの人の「特別な存在」になる法則 石井裕之 フォレスト出版

コールドリーディングの本。

人は自分の事を「わかってくれる人」を求めているとの事。

コールド(cold) リーデイング(reading)は その場 で 運勢を読む という意味らしい。

つまり、占いのスキルも霊感もないのに、「相手の現在・過去・未来をあたかも読み取っているように錯覚させるテクニック」のこと。


騙そうと思って信じさせるなら悪質。ただ、相手の事を分かってあげるために、まず心を開いてもらうための「きっかけ」として「信じさせるテクニック」を使うのであれば、それは健全な姿勢との事。

考え方と、具体的テクニックもこの本で紹介されています。一部を抜粋すると、



具体例

①「(首を傾げて。。。)あなたは犬を飼っていませんか?」とあてずっぽうにカマをかける。

相手がyesの場合は、
「はい、飼っています。どうしてわかるのですか?」という反応が来る。

相手がNoの場合
「いえ飼っていません」
「(ほっとした感じで)ええ、そうですよね。よかった。もし買っていたとしたら非常に危険なので年のために確認しておきかったのです。犬はあなたにとって運気を下げる動物なので、これからも飼うのはやめたほうがいいですよ」 とすり抜ける。



②「あなたは犬を飼っていますね?」

相手がNoの場合でも、
「いえ、犬は飼っていません」
「でも、ペットは飼っていますよね?」
「はい! 今年からハムスターを飼い始めたんです」

 相手は”犬は”という表現をしたので、最初の質問の領域を拡大して繋げて話をしていく。



③元気のないスタッフに声をかける場合

失敗例
「最近、元気がないみたいだね。相談にのるよ」
「いや、大丈夫です。何も問題ありません」

成功例
「最近、人間関係で行く詰まっているみたいだね。」
「いいえ、人間関係は別に。。。」
「でも、何か悩み事をかかえているよね?」
「え? あの。。実は、〇〇商事の納品トラブルがあってから、営業としての自信をなくしてしまったっていうか、ここのところほとんど眠れなくて。。」

という様に、まずはあてずっぽうの情報を投げかける事で、本当の悩みを口にできるための「きっかけ」を作ってあげることができる。



④相手の返事に臨機黄変に対応する

「あなたは、他人からとやかく指示されるのがお嫌いですね?」
「いえ、私、自分に自信がないので、人からいろいろ言ってもらったほうが楽です」
「もちろん、昔はそうだったでしょう。でも、いまの貴方はずいぶん成長して、自分で判断して行動できるようになってきています」

という風に、、


こういうテクニックがあるという事を知っておくことは、だまされない為に必要なスキルなのかもしれないなと思いました。

2020年2月4日火曜日

【本】雨上がりの川 森沢明夫 幻冬舎

私の読む森沢さんの2冊目の本です。


やっぱり、根っからの悪人は一人も出てこない。

悲しい事はあるが、読後に少し心が温まる。


人間って、捨てたもんじゃないな という気になります。


すっかり、森沢ワールドに引き込まれつつあります。

早速、次の本を物色し始めました。

PS.
コールドリーディングって、ほんとうは相手との心の距離を上手に縮めて仲良しになるためにあるんだ。という言葉が頭に残りました。 (この本を読んだ人にしか分からないですね。。。)

2020年2月3日月曜日

【本】科学の困ったウラ事情 有田正規 岩波科学ライブラリー

著者は国立遺伝学研究所の現役教授ですが、「現状の日本の科学研究に関する不都合な真実」をぶっちゃけています。
これが岩波科学ライブラリーで出されている。

つまみ食いで内容を書くよりも、”はじめに”に書かれている事が全体をよく表しているので、転記します。


「 科学の進展は世の中で華々しく紹介されている。特に医療や健康面で科学への期待は大きく、新聞には優れた成果が続々発表されている。しかし、少し長い時間軸でみてみよう。ヒトゲノムがわかったのに、青色ダイオードがもたらしたような身の回りの変化は何も無い。ガンは相変わらず外科的に治すし、認知症も治療できない。ではニュースで聞く数々の新発見はどうなっているのだろう。

 研究者として肌で感じるのは、商業主義に偏っていく科学界の姿である。日本の政府はお金が無い。大学は自己収入を増やすよう求められ、研究者は「役に立つ」(=カネになる)研究をしろといわれる。そうしたウラ事情により、研究のスタイルや論文の書き方は、いま大きく変化している。しかし、それは世の中にあまり知られていないようだ。

 筆者はそういう困った事情を雑誌「科学」に連載してきた。ようやく1冊の本にまとめることができたので、読んでもらえれば科学の現状がわかると思う。ねぜプレスリリースが実態を伴わないのか、なぜ捏造が増えているのか、なぜ研究者は疲弊しているのか、科学に興味を持ってくれる人には、解決策も一緒に考えてもらいたい。」



本書の中では、色々と具体的な実例で 科学研究の常識と言われる事の裏事情を解き明かしてくれています。

これを読んで感じるのは、科学と呼ばれてきた分野は「商業化」「政治の道具化」がどんどん進んでいる事。

一般人の頭では、旧来の科学者のイメージが残っているが、現実の科学者はどんどん変わっている、変わらざるを得ないようになっている事。



私にとって、科学の商業化と感じる最も身近な例は、テレビの番組で医師や大学教授という肩書で登場してくるコメンテーターが、最新の医療情報ですといって先月米国で発表された論文ではこんなことが(例えば、コーヒーを飲む人はxxガンの発症率がこれだけ少ない等)発表されました。とあたかも正確で日本人にも適用できそうな口ぶりで紹介するバラエティー番組など。

本書によると、臨床前研究の論文成果を検証したところ(うち7割がガン研究)、再現性が得られるのはわずか25%という事実がNature誌で報告されているとの事。しかもインパクトファクター20以上の超有名誌または5~19の有名誌に掲載された論文のいずれにおいても、再現性のないほうが多く引用されているらしい。


そして、著者は「世の中の通念と異なり、われわれ研究者は出版される論文の内容が正しいとは微塵も思っていない。そもそも研究者は捏造データと不正確なデータとを区別しない。研究者には(捏造を含む)不正確なデータから正しい情報を見極める能力が要求されている。疑わしい論文なら引用しないで終わりである。自分で論文内容を精査するのでゴミが混じっていても問題視しない。捏造があまりに悪質で、研究者仲間からも見放された場合のみ、少数の腐ったリンゴとしスケープゴートにされる。痛み腐りつつあるリンゴはたくさん見かけるが、その白黒判定に労力を割きたくないのが実情だ。」との事。



日本の科学の世界。このままで良いはずはありません。

政治からの独立性をどう持たせられるのを、もっと民衆の声として問題視しないとこの悪い流れを変えられないのかなと感じた本でした。

2020年1月24日金曜日

【本】クーデンホーフ光子の手記 シュミット村木眞寿美 河出書房新社

明治時代の町娘が、オーストリア貴族の外交官に見初められて結婚し、欧州へ向けて旅行する間についての本人の手記。


村木さんがドイツ語で光子が書いた手記を日本語に訳した本。
子供たちに若くして亡くなった夫の姿を伝えたくて、思い出しながら手記を書いたものとの事。


当時の若い日本人女性から見た、アジアの国々の人々、インド、中東、欧州の人々。
そして、日本の人々についてがみずみずしい生の言葉で綴られています。


130年前の生の世界を知るのにとても面白い本です。


光子さん自身は、一人 異国の地で 沢山の子供をシングルマザーで育てた すごく強い人なんだと感じました。


現実にあったシンデレラガール物語と言えばよいのでしょうか?

【本】エミリの小さな包丁 森沢明夫 角川書店

私の好きなエッセイストの三浦尭子さんが書いている書評で、「世の男性を虜にして、涙腺を崩壊させる森沢明夫作品の魅力を探る」と書いてあるのを見て、森沢さんを初めて読んでみました。

森沢さんという存在自体を私は知りませんでした。


読んでみて。ハマリました。


確かに虜になって、どんどん読み進める。次のページを読むのが楽しみになりました。


読んで感じたのは、森沢さんは現代の山本周五郎さんなんじゃないかという事。


心がどこか温まる。


文章が上手いというのは当たり前として、主要な登場人物達がみなとても温かい。


物語の中身を書くのは止めておきますが、私は「おじいさん」に感情移入して読みました。


こんな孫娘が来て、一緒に時を過ごせたら どんなに嬉しいだろうかなど、、


森沢さんは、沢山の小説を出されているようなので、次の本を読んでみたいと思います。

2020年1月19日日曜日

【本】ローマ帝国 青柳正規 岩波ジュニア新書

先日のローマ教皇 フランシスコの訪日の時に語られた平和な世界へのメッセージを聞いてから、どうしたらそれが実現できるのかを考えています。

「国連」がその答えか? と思って何冊か本を読んで調べてみましたが、国連は残念ながら政治駆け引きの場、または、今だに第2次大戦後の戦勝国の体制を維持するための機関という事が続いている戦勝国連合による、戦勝国連合の為の組織という事が分かるだけでした。(国連憲章に、まだ敵国条項というのがあって、日本、ドイツはいまだに敵国として扱われているという事を、今の日本人はどれほど知っているのだろうか)


国連は各国が主権を戦わせている場で、日本人がイメージしている地球政府のような理念とは全く違う組織の様です。


一方、EUは多くの国の主権はあるものの、それを超えた主権をEUに認めて行われている連合組織であり、集団自衛(集団的自衛権では無い)を具現化しているという意味で、フランシスコ教皇のか言われた戦争の無い世界を目指した人類の試みだといえるのではないでしょうか?

EUをもっと調べようとした所、古代ローマをお手本としたのでは、、という話にぶつかり、ローマ帝国を調べてみることにしました。


ローマ帝国は何百年では足りないような非常に長い期間ありました。


シーザーとクレオパトラ、暴君ネロ、ハンニバルの像など、一部は面白くエンターテインメントとして映画などにもなっているので、私もそのレベルの認識はありました。


でも、この本を読んで、本当に小さな地域のローマ人が、どいういう風に拡大し、帝国を作り、そして滅びて行ったのかが良く分かりました。


共和制の建前の裏で帝国化をするなど、かなり大胆な政治の動きによって作られたのは、とても興味深いものだと思いました。


しかし、それ以上に感じたのは、シーザー達が活躍した紀元前数百年前の世界を、日本史で見ると縄文時代や弥生時代として、採取や農耕生活で非常に文明度が低い形で生活していると表している事。


記録や石作の遺跡が無いからかもしれませんが、ヨーロッパでの人々の暮らし(都市を持ち、軍隊を持ち、法律を持ち、民主制を持ち、科学技術を持っている)に比べて、日本の古代があまりに未開人的な表現しかされていない事に違和感を感じます。中国史に比べても同様です。

絶対に、そこには活発な社会があったはずです。


こんな貧しい日本史観は、やはり明治政府が政治的に作ったのでしょうか。

ローマ帝国史を読んで、とても寂しく、情けない気がしました。

2020年1月13日月曜日

【本】武器輸出大国ニッポンでいいのか 池内了、古賀茂明、杉原浩司、望月衣塑子 あけび書房

先日は東京新聞の望月さんの著書「武器輸出と日本企業」を読みましたが、今回は宇宙物理等で有名な学者の池内さん、元通産相官僚の古賀さん、武器輸出反対ネットワーク代表の杉原さんの4人が、寄稿して出来ている本。

望月さんとは違う視点での深堀した話が色々と載っていました。


「武器輸出と日本企業」では、”軍産複合体”という言葉が出てきていましたが、この本では”軍産学複合体”として より学問の世界での動きが書かれています。


私自身が理系出身+利益重視で生きてきたので、性能や機能を追求する事を第1に考えてコストや経費面では緩い軍需系に、技術者が惹かれる気持ちを持つ、誘惑を感じるのも分かる気がしています。


しかし、この本の池内さんの一文は心に響きました。
甘えを跳ね飛ばしてくれる気がしました。その章を抜き出してみます。

ーーーーー

研究者の言い訳ー「愛国心」とデュアルユースと自衛論

 現場の研究者たる大学教員や研究所の研究員は軍学共同についてどのように考えているのだろうか。その一例として、2016年4月に国家公務員労働組合連合会が行った、国立試験研究機関に勤める研究者を対象にしたアンケート結果がある(総回答数799)。それに軍学共同に関して、「産学官の共同での研究が強まるなか、防衛相や米国国防総省が予算を提供する『軍事研究・開発』に参画する大学や国立研究開発法人が増えています。こうした『軍事研究・開発』を進めるべきだと思いますか?」という設問に対して、「進めるべきではない」との回答が448件(56%)あったのに対し、207件の「進めるべき」との回答(26%)があった(無回答144件、18%)。20代から30代の若者の半分近くの賛成があり、その理由として①国立研究機関であるから政府の担うべき機能を支援するべきである、②民間への転用可能なら構わない、③科学・技術が発展するから、④研究資金が調達できるから、⑤自衛のため(国防のため)なら軍事研究は許される、が挙げられている。

 告知る試験研究機関の勤務者へのアンケートであるためか、①のような回答が多いのだろう。国から給料や研究費を得ているのだから国の言うことには従うべき、との発想で愛国心が強いのかもしれない。しかし、科学研究の国際性や普遍性を考えないのだろうか。国が命じれば原爆だって作るのだろうか、そもそものスポンサーは国ではなく税金を払う国民であるはずなのに、と考えてしまう。

 ②の意見は、本質的にはデュアルユース問題に関わることで、民生目的と軍事目的の区別がつかず、軍からの資金であろうと結果的に民生目的になれば8あるいは民生目的のつもりで研究すれば)いいのでは、という楽観的発想である。しかし、軍からの金である限り最終的には軍事目的に使われるのは当然であり、確実に民生利用となるわけではないことに気づかないふりをしていると言うべきだろう。この言い方は自分のアリバイのための口実でしかない。私は、研究現場においては軍事目的も民生目的も区別はないが、軍から出る金による研究は軍事目的であり、学術機関からの資金による研究は民生目的であると考えている。両義性とは研究資金の出所のことでしかないのである。そして軍からの資金は、民生目的の研究を軍事目的に横取りするために拠出されると考えるべきなのだ。

 ③と④は、軍事開発であれば比較的潤沢に金が出され、金さえ出れば科学・技術は発展すると言っているに等しい。科学・技術が発展することのみが研究の目標となってしまうと、誰のための研究か、何のための研究か、について省察しないのだろう。また、現在の「選択と集中」という科学技術政策のひずみによって経常研究費が激減してしまい、「研究者版経済的徴兵制」の実態で、事実上文科省の予算配分方式が研究者を軍事研究に追いやっているのである。この問題は大学政策とも深く関係しており、日本のあるべ学術体制として深刻な議論を重ねなければならないと思う。

 最後の⑤の「自衛のためなら軍事研究も許される」と単純に言う研究者は実に多いが、先に述べたように単純な自衛に留まらず軍拡競争に巻き込まれ、最終的には核兵器の保有・使用にまで行き着いてしまうことを忘れている。結局、自分は戦争に巻き込まれないと思い込み、情緒的に国を守ると言って研究費をせしめようとしているだけで、きちんと国の将来を考えているわけではないのは明らかである。

 デュアルユースの議論も含め、研究者は軍学共同に携わるとはどういうことか、現在だけでなく将来の科学・技術はどうあるべきで、軍学共同はいかなる影響を与えるか、などをじっくり考え議論する必要がある。現在の科学者は、過当競争や商業主義に追われて近視眼的になっているという状況を反省すべきではないだろうか。

ーーーーー

以上ですが、勿論 研究者の自覚だけでは解決しない(経済的圧迫なども含め)問題であり、部分ではなく全体での議論や政策が必要になると思います。


後半にある杉原さんの書かれている”軍事費を削って暮らしにまわせ”という章によると、例えば2015年に国連で合意されたSDGsの内、予算措置を必要とする15項目については、世界の軍事費の2/3で達成が可能だとか。また日本にイージス艦3隻分の費用で、全国で必要とされている3300か所の保育所建設費が賄える。安倍政権発足後に膨らんだ軍事費の差額3400億円あれば、保育士の給与を月5万円アップしてもおつりがくるというデータもある。

軍産学複合体が形成されて、戦争が起こるとチェンスだと思い、戦争が終結しないで欲しいと思うような人が増えていくことは、日本人にとって不幸方向だと私には思えました。

2020年1月5日日曜日

【本】武器輸出と日本企業 望月衣塑子 角川新書

2016年に発刊の本です。


日本としてずっと禁止してきた武器輸出を、換骨奪胎して推進しようとする政治家、官僚のやり口。それにどんどん引きずりこまれ、追い込まれていく大学や研究者。一方、少し冷静にみている企業側という構図が良く分かりました。


経済とパワーポリティクスだけしか考えない指導者?達により、崩されていく日本社会の姿がここにも表れている気がします。


IR法でも同じ様な匂いがしますね。



なるほどと思ったポイントを書いてみると、


<米国>

・有名な米国の「軍産複合体」は、第2次大戦前はなかった。

・原水爆を作ったマンハッタン計画で、科学者と国防総省、軍事企業との結びつきが生まれた。

・マンハッタン計画の科学者は米国の有名大学に散り、結びつきは大学がらみになっていく。東西冷戦において、それらがどんどん発展して「軍産複合体」になっていった。

・「軍産複合体」は莫大な資金で政府・行政にも影響を持つようになっていく。

・とは言え、まだ科学者は軍事に科学を使う事に抵抗があったが、ソ連の脅威を強調したレーガンの戦略防衛構造(SDI)が始まると、科学者も国防総省からの研究資金を受けることに抵抗感が減り、巨額の金が科学者に流れ込むようになった。

・ソ連の崩壊で冷戦が終わると、クリントンは国防費の削減を打ち出した。それに併せて、軍事的な研究成果を民需に転換するスピンオフや、逆に民需の研究成果を軍需に応用するスピンオンの政策を推し進めて、「デュアルユース」(軍民両用)という言葉を多用することになった。

・結果、国防予算を縮小しても軍事開発費そのものは拡大していくことになった。

・今も膨大な武器輸出を米国はしている。(紛争を起こして 需要を作る という事も、、)


<日本>

・戦後、武器と関連物の輸出はしないという武器輸出三原則を決めて、政府を含め国として堅持してきた。
 (地雷発見機など、個別には例外規定を作る事はあったが、弾薬など殺傷品の輸出は無い)

・経団連が武器輸出を政府に求め始める。

・自衛隊向けだけでは市場規模小さい。企業は競争力のある武器は作れない。できれば防衛関連のビジネスはしたくないのが本音。

・第2次安倍内閣で、輸出容認に転換する「防衛装備移転三原則」を閣議決定。
  一定の審査を通れば輸出が可能な仕組みとなり、従来の三原則での「紛争当事国になる恐れのある国」は禁輸の対象から外された。
  韓国に弾薬を輸出をした。

・防衛装備庁という組織を作って、武器輸出をさせようと企業に働きかけ開始。日本の武器(自衛隊向け)は国際競争力なく、企業側は乗り気では無い所が多いが、無理やりでも巻き込もうとしている。

・大学等の研究者に対しては、文科省からの交付金を減らしていって、政府が望む方向の研究には金を出すという競争的資金(皆が応募して政府側が誰に金を出すか決める)獲得に走らざるを得なくなる状況を作った。又、民需用の技術開発という表面上の名目で、防衛省がらみや、米国の軍事がらみからの資金で研究する場を設けて研究者を呼び込み。そこから有望な技術はデュアルユースという名目で軍事に使おうと考えている。

・東大はずっと軍事に使われる科学技術研究はしないと決めてきたが、2015年浜田総長は軍事研究も解禁した。(学内からは反対が声が多数あった)

・現在 軍事関係資金を使って研究している研究者は、私は科学技術を極めることが目的。それをどう使うかは、使う側が決める事と開き直っている人も増えてきている。本人は好きな研究ができて面白いのだろう。

・研究者個人個人の倫理に頼るのには限界がある。


という感じでしょうか。


昔の政治家、官僚は もう少し 国民の為という視点や非戦争 の意識があったと思いますが、どんどんおかしな方向に進んでいると思います。

米国流の ”力で脅し、戦争で儲ける” というのが日本の「美しい国」の姿と思っているのでしょうか。

2020年1月4日土曜日

【本】アルテミス アンディ・ウィアー ハヤカワ文庫SF

著者のアンディ・ウィアー氏は、邦題「オデッセイ」という、火星に一人取り残された宇宙飛行士のサバイバルの映画が昨年ありました。見に行ったのですが、久々に面白い!と思えたSF映画でした。

スターウォーズ等とちがって、ちゃんと科学的(物理学に沿った)な中でのストーリー展開になっていましたし、手に汗握る 絶対的危機(火星独りぼっちなので、殺人鬼は出てきません)を知恵で切り抜ける姿がすごい。


という事で、原作 「火星の人」ハヤカワ文庫SFも読んでみました。そうしたら、映画よりもずっと面白いという事にビックリでした。


そこで、アンディ氏の第2弾の「アルテミス」を読んでみました。

舞台は月に変わりましたが、変わらずちゃんと科学考証にのっとった世界の中で、手に汗握るサスペンス、アクション物語。しかもとても面白い。


この作品も映画化が決まっているとの事なので、今年か来年でも封切られるかもしれません。それも楽しみです。


彼の作品は、アーサーCクラークをもっと面白くした感じとでも言えばよいのでしょうか?


もっと読みたくなります。早く 第3弾の作品を書いてくれないかな。


実に楽しみな作家さんです。