2018年11月30日金曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る8 どういう関係を作るか

家の購入や新築は、家電製品とは異なり、殆どの人は一生に1-2度しか行わない大イベント。かつ一度作ったら簡単には変更できず、その後数十年もその結果と付き合わなければなりません。


「失敗したくない、失敗は許せない」作業という気持ちになります。


軽はずみな判断や、ある一面だけを見て判断するという事は避ける必要があります。


その為には、設計・施工してもらう人とどれだけ密にコミュニケートして、ディスカスの中で施主が漠然と持っているイメージをいかに具現化してもらうか、又は誤った考えを正してもらえるか。

さらに望ましいのは、施主と一緒に悩み。知恵だししてくれるかが大きなポイントになります。


ハウスメーカーに頼むにせよ、設計事務所や工務店に頼むにせよ、担当してくれる人がどういう人なのかを良く見極めてから契約する事が重要だと思います。


私の場合は、ジョイ設計事務所の寺田さん、株式会社丸清の河内さんというとても素晴らしい方々と巡り会えて本当に助かりました。ラッキーでした。感謝しています。


プランを作り、細部を決めていく過程で、毎週の様に、平日の夜7時頃に集合して9時すぎまで、多くの事を3人でディスカスをしていきました。


建築シロウトの私に良く付き合っていただけたと思います。
色々と質問させてもらい教えていただいて理解できましたし、逆にシロウト視点で質問していく事で、新しいアイデアも幾つか産む事が出来ました。


プロの方々の言われる事は間違いないだろう。従来の常識のやり方も間違いないだろう。 「だから、お任せします」というスタンスは止めるのが良いと思いました。


自分の狙いの家を実現したいならば、疑問点は徹底的に聞く、別の選択肢はないのか?と絶えず問いかける という事が重要だと思いました。


設計士さんも、工務店さんも経験されている家の軒数は年に多くて数十軒でしょう。
建築材料や技術も年々進化していますし、彼らが全てをご存知の訳はありません。


「お任せ」してしまうと、彼らの過去経験の中の手慣れたやり方にどうしても偏ってしまいます。


現時点でのベストは何かを、一緒に考えて研究してもらえる環境を作れると良いです。


後は、自分の狙いと似たコンセプトで作られた家を家庭訪問させていただき、実際の状況や住んでみての感想を直に聞かせてもらうこと。私も2軒のお宅を訪問させて頂き、沢山の気づきを得る事ができました。


チームとなる事が、本当に重要だと思いました。

2018年11月29日木曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る7 パートナーの探し方

大手ハウスメーカーで適当な所がなかったのですが、落ち着いて考えてみると、レディメードの商品を選んで購入するという「買い物」では、折角大金をはたいても住んでみて不満や後悔を生みそうです。


やはり、各部分まで自分で理解、納得できるように、十分な説明を聞いたりやディスカスをしながら作っていきたいと考え始めました。


そこで、次はセルローズファイバーを使った透湿工法での家創り経験が豊富な設計士さんを探しました。


偶然 妻が訪問した教会がセルローズファイバーを使って建てられていて、とても気持ちの良い所だったとの事で、その設計事務所を調べました。


そこはジョイ設計事務所さんという所で、早速 私のコンセプト「気持ちよく・健康」、「安心」、「低ランニングコスト」の説明資料を持って会いに行きました。


突然の問い合わせにも関らず、とても気さく且つ親身になって相談に乗っていただけました。


間取り案も含めて何度もディスカスを重ね最終的に、耐震構造をいれた木造軸組み方式でセルローズファイバーを用いた透湿工法とパッシブハウス手法を組み込むという方針を固めました。


その方針の下、天龍材の檜と杉の製材所を自社で持ち木材を熟知し、セルローズファイバーの扱いにも慣れている。そして、昔から長く地元で続けてこられている工務店の丸清さんに施工をお願いする事にしました。


丸清さんは、以前もジョイ設計さんと一緒に仕事をした事があって、大工さんチームも含めてその実力が良く分かっているので安心との事でした。


木造の作り方では2x4等の壁構造方式も考えましたが、地震にはかなり有利ですが、そこで使う板は合板になりますので透湿性が低く、湿気の吸排出が阻害されるので検討から外しました。

2018年11月28日水曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る6 どうやって実現?

どうすれば具現化できそうかというヒントが得られた所で、どこにお願いすれば良いのかを探しました。


施主から見て、家を作る時の選択肢は以下の4つに思えました。

・大手ハウスメーカー:
標準やオプションから選んで買う。なんとなく安心。

・中小ハウスビルダー:
そこが持つ特徴を生かしながら、施主の我儘も少し聞いてもらいながら作る。近くに希望の技術を持つ会社があれば良いが、、

・地元の工務店:
施主が自己責任で決めていって建てる。自分一人で全部考えられるかちょっと不安。

・設計事務所+工務店:
施主の希望も加味し、デザイン性も入れてもらいながら作る。相談しながら作れるのは良いが費用は高そう。


まず、一番身近な住宅展示場を回りました。

大手ハウスメーカーの大きく豪華なモデルハウスが立ち並んでいます。ついつい、インテリア等に目を奪われがちですが、ここは気を引き締めてコンセプトを満たせるメーカーがあるか探していきました。


各社、得意領域が異なり特徴があります。


でも、私のコンセプトを全て満たす所は見つけられませんでした。


例えば「性能」を売りにしているメーカーでは、Q値が1を切る事や、地震に強い点は良いなと思いました。

確かに2重の断熱、トリプルガラス窓などを使うとの事なので良いQ値になりそうだし、4x6の壁工法なので地震に強いという事もうなずけます。24時間全熱換気で室内環境がかなり安定する事も期待できそうです。

豊富な資料で説明されるので、理系のお客さんなどは好きになりそうだなと思いました。


耐震、断熱や室内環境という点は私の希望を満たしています。


でも、暮らし方に関する考えの根本が私とは異なると感じました。


Q値は素晴らしいのですが、それを達成するためにウレタン断熱材が使われています。
今年あった倉庫火災の死亡事故でも分かる様に、ウレタンは青酸ガスが出るので万一を考えると、私は使いたくありません。


窓も年中閉め切りを前提としたコンセプトと見受けられました。標準で網戸が付いておらずオプションです。
又、庇が付いていません。窓ガラスで太陽熱を外からも内からも遮断するので不要という考え方だと思いました。


つまり、密閉空間にして、その中を装置を活用して快適環境を作っているのだと思いました。例えれば、宇宙船やオフィスビル的な考え方かな。
装置が多くなればなるほど、メンテや交換などがつきまといます。


北海道から暖かい地方まで、どんな土地ででも快適環境を提供するというのは商売としては良い方法だと理解できます。施主は手軽に快適空間を得る事は出来ます。

でも、私の「健康で安全、自然なそよ風の涼しさや陽だまりの暖かさを感じる。停電でも快適環境が自然に作られる。」という希望とは真逆の発想だと思いました。


私の要望は一般的ではないのかな、という印象を得ました。

こういうコンセプトに対応する中堅会社も近くに見つからず、「設計事務所+工務店」で答えが作れないかを考え始めました。

2018年11月27日火曜日

【本】バナナを逆からむいてみたら アーチャン・ブラーム 主婦の友社

副題 人生の視点を変えるレッスン

著者は、理論物理を学んだイギリス人の仏教のお坊さん。

人間 心の持ち方(視点の置き方)一つで 生き方が変わる事を伝えようとしている本です。


面白いなあと思う話が沢山でています。

例えば、

ドイツで講演をした時、一人の青年が悩みを訴えてきました。

彼の人生は失敗の連続でした。だから「今は、毎日がまるで、どんよりした冬の日の様な感じです。」そして「幸せになるチャンスが来ても、それを追い払うクセがついてしまった」とも言います。

つまりは、「自分は幸せに値しない人間だ」と無意識のうちに思い込んでしまっているのです。

私は彼に「幸せになるライセンス」を書いて手渡したのです。
彼はそのライセンスをとても大切にしてくれました。こころの底からありがたがってくれたのです。額に入れ、壁に掛けました。

彼は喜びを拒否しなくなり、幸せを素直に受け入れられるようになしました。
こうして、沢山の問題が彼の心の中から消えたのです。

「幸せになるライセンス」

 この書類を所持する者は、
 いかなる理由があるにせよ、
 あるいは何ら理由がないにせよ、
 何の障害もなく、
 幸せになる権利を永久に有することを
 公認されているものとする。
 何人もこの権利を侵害してはならない。

  アーチャン・ブラーム


別の話では、

 愛する人が、
 あの世に旅立とうとするとき、
 その死を受け入れることが、
 最後のプレゼント。

との事。

本人は「私自身、穏やかに死ぬ覚悟はできています。でも問題は、家族や親類、親友が私の死を認めてくれないことです。」

「お母さん、お母さん、死なないで! 元気になってよ! お願いだから!」

死にゆく人たちが一番苦痛に感じるのは、この種の言葉なのです。

死を認めてあげることこそ、死期の迫った人に対する「最高の愛情表現」だからです。


32の話が出ています。

表題の"バナナを逆からむいてみたら"というのも、先っぽから剥く方がうんと簡単に剥けるとの事。

本当に、視点を変えると違う世界が見えてくるかもと思わせてくれる一冊です。

2018年11月26日月曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る5 キーポイントを考える

実際に希望の具体化を考えていく時に、最も難しいのは何かな? と考えました。


例えば耐震性を得る方法等は 構法、材料、手法など色々既に分かってきているので、何とかできると思いました。


一方で簡単な答えが見つからなかったのは、停電下を前提としても(電気器具に頼らない)健康・快適に暮らせるという事だと思いました。


温湿度、特に湿度のコントロールが難しいポイントの様に感じました。

湿度は結露だけでなく、体感温度や、体調にも影響を与えそうです。一方で、そのコントロールが上手くいけば、健康面にも、家の寿命にも良い影響が出るはずです。


真夏や梅雨時の停電生活では高湿度だとそんなに高温でなくとも熱中症になる危険が高く、命に係わります。

体感温度も湿度が大きく効き、気温が少し低くても湿度が高ければ暖かく感じますし、気温が高くとも湿度が低ければ涼しく感じます。


湿度を自然に調整する方法として、「調湿」という考え方がありました。


周りが高湿時は湿気を吸収し、低湿時は放出する事で、空気の湿度を安定化させる材料があります。


例えば自然素材(木や珪藻土などの天然の材料)。それらの調湿容量(湿度を貯蔵できる総量)が大きいほど湿度変化を少なくする事ができます。


探していくと最も分かり易く書いてあったのが、山本順三さんの書かれた本。


南関東では、木造住宅にしてセルローズファイバーという断熱材を用いる事で、調湿性を活かせる家が作れるのかもしれないと思いました。


早速、山本さんのお宅(体験館)にお邪魔して、セルローズファイバーとはどういう物か、それを用いた実際の山本さん家はどんな具合かを確かめに行きました。


すると、セルローズファイバーを使うと調湿性以外にも、防火性、火事の時に有害ガスを出さない、虫を寄せ付けない、遮音性等のメリットが分かりました。


さらに、セルローズファイバーから家の外に水蒸気を吸放出させる(内壁から外壁まで水蒸気を通すことを考えた)「透湿工法」も必要で、南関東ではそれも実現できそうな事も分かりました。


勿論 断熱性は高く、真夏炎天下の小屋裏(屋根裏)でも無冷房で気持ちよく昼寝ができる事を体感しました。これは断熱と低湿の両方が効いての効果だと感じました。

又、真冬に(夏と冬にわざと2回訪問しました)暖房を入れていなくても、かなり暖かい事を確認しました。


但し、セルローズファイバーの施工にはスキルが要求される事と少し価格が高いのがデメリットの様です。


セルローズファイバーで、色々な課題がクリアできそうな感触です。


同時期に「パッシブハウス」という考え方がある事も知りました。


パッシブハウスは太陽の熱や自然な風を上手く活用して、快適、低ランニングコスト、長寿命のエコ住宅を創る手法だという事が分かりました。

2018年11月24日土曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る4 情報を集める

次に、実現手段を探していきます。

まずは、情報を集めました。


家を建てるかもと考え始めた時から、近くの図書館に行って色々な住宅や建築に関する本を借りて読み出しました。


最初は「いい家~」的な物から、各種素材について、間取り、建築方法、結露、バリアフリー、耐震方法、実際の震災被害、植物、伝統建築、エコ住宅、パッシブハウス、太陽光発電、太陽熱利用、井戸利用、雨水利用、夏を涼しく暮らす方法、インテリア、エクステリア、空調設備、住まいと健康、シックハウス、火災時の安全性、地域の気象、地球温暖化が日本の気候に与えていく影響、雷の影響、人種と感じ方(体感温度等)、、等々 だんだんと範囲が自然に広がっていきました。


私の使っていた図書館は便利で、複数の図書館が連携しており、それらの所蔵図書一覧を家からWebで見て予約できます。

毎週5冊づつぐらい借りていきました。図書館は無料ですので、中身をザっと見てハズレだと思ったらすぐに返却すれば良く、多くの情報を得ていくのにはとても効率的です。


勿論 新刊本や雑誌は色々な書店で立ち読みもさせてもらいました。その場合は新宿紀伊国屋などの専門書も多くそろえている大書店に行く様にしました。

建築の本は一般読者向けの本と、工務店さん等の作り手向けの本とがありますが、その両方を見る事で理解できる事も多かった気がします。


一つのテーマに関して、出来るだけ違う視点や立場から書かれた本を複数冊読む事で、メリット・デメリットを公平に知ろうとしました。


ネットでの情報収集も当然しますが、出ている記事はさらに慎重に考えないと危険(メーカーや他人が言っている事を、裏も取らずに述べている物が非常に多い。又は中立独立を装った書き込み等が多い)な気がしました。


気になった情報は、可能ならば現物を見に行ったり、著者と話しに行ったりしました。

そうやって、使えるかもしれない知恵や、外してはいけないポイントなどがうっすらと見えてきた気がします。

こういう情報収集と勉強は、建て終わるまで続いていきました。

2018年11月23日金曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る3 冷静な目も

前記3つの希望の具体項目を実現化していく時に、一つ一つ単独に考えるのではなくいつも全体を意識しながら、複数の課題を同時に解決できる道は無いかを考えて行こうと思いました。


何時でも、全体をまず考えてその中で個別の事を考えていく事にしました。


もともとケチな性格なので、”1粒で2度おいしい”や”一挙両得”などという言葉が大好きなので、出来れば、それを狙います。


所で、間取りに関しては、家族構成や住み方イメージにより大きく変わると思いますし、家創りを考える時に最初に 最も楽しく悩む部分ではないかと思います。

建て主の個性と事情が出る所ですが、前述した希望項目を実現できそうかを頭に浮かべながら検討すると良いですね。


ちなみに私の場合、間取りに関連しハッとさせられた事が一つありました。


私は各階1台だけエアコンを設けるが、各部屋へエアコンを付ける事は考えていませんでした。そういう事が不要な家を目指したいと考えていました。又、ベランダも不要と考えていました。


でも設計士さんから、この家は将来 売りに出すという可能性もあるか?と問われ、その場合、世間一般常識では各部屋にエアコンが付く事と、ベランダがあって2階で洗濯を干せる事が望まれると言われました。


終の棲家を建てるという気持ちだったので悩みましたが、売って現金化するという事もあり得ると考えて、最終的にベランダを設け、各部屋にもエアコンを取付可能な様に配線・穴工事等はしておく事にしました。


冷静な目で、色々な将来の可能性を考えておく事も重要なようです。

2018年11月21日水曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る2 希望項目のブレークダウン

いよいよ希望項目のブレークダウンです。

「気持ちよく、健康」とはどういう状態かをイメージしてみました。

 明るい部屋
 四季を楽しめる
   陽だまりの暖かさや木陰の涼しさ
 そよ風と木の感触
 年中快適温湿度
 空気清浄・臭いない
 外の音がうるさくない
   内の音が外に洩れない
 家族が和やかに暮らせる
 青空や日の出を楽しめる
 結露やカビがない
 年を重ねると味が出てくる
 庭仕事ができる
 虫が入ってこない


「安心」は、

 ヒートショックにならない
 防犯がしっかり出来ている
 地震で潰れない。圧死等にならない。
 災害時 すぐに逃げられる。
 災害時 長期停電になっても暮らしてい
              ける。(熱中症や凍えたりしない)
 災害時 断水になってもトイレに困らない。
            (飲料水は市営の井戸で入手)
 災害時 情報遮断されない。
 シックハウスにならない
 火事になりにくい
 万一、火事になっても有害ガスが出ない
 落雷があっても関連被害を受けにくい。
 大雨でも水はけが良い。
 雑草抜きでヘトヘトにならない。
 老後(体力の衰え)の対策が出来ている
 家族が気配をお互いに感じられる
 (何かあっても直ぐに気が付ける)
 介護が必要になっても、介護しやすい
 家が長持ちする


「低ランニングコスト」は、年金だけでも暮らしていける様に

 低光熱費
 低メンテナンス費用
(家のメンテ費、設備の修理買換え費)
 低水道費
 低医療費
 低交通費


希望を具体的にブレークダウンする時は、とにかく欲張りに上げていくのが良いと思います。

具体的にありたい姿が書き出されていると、知恵が出しやすくなります。

2018年11月17日土曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る1 大枠の整理

ここからは、私が狙いを実現する為にどういう事を悩んで、どういう風に決めて行ったかという具体的な話になります。


世の中には「作り手側」からの情報があふれていますが、「買い手側」からの情報は少ないので、私の経験がこれから家創りをしようと考えている方の参考になれば良いなと思います。


まずは、実現したい希望をもう少し具体的にブレークダウンして書き出しました。

そういう整理は、自分の為の頭の整理でもありますし、ハウスメーカーや設計士さんなど他人に思いを伝えるのにも非常に有用だと思ったのです。


最初は、大枠の整理です。

住む予定の家族は誰と誰で、それが向う数十年後までにどう変わりそうか。


どういう住み方をしたいのか。

例えば、知り合いを沢山呼んでワイワイできる家にしたいとか、穏やかに暮らしたいとか、趣味を充実させる事をしたいとか、、


あとは、制約条件です。

資金額、移住するスケジュール、建てる予定の土地の建蔽率や容積率は?、防火地区か?、音の環境は?、陽当たりは?、隣家に対しての制約(高さ制限や日射など)があるか等々。


私の場合、

夫婦で住んで時々子供達が帰ってきて泊まれる。お客を沢山というよりも、年とっても穏やかに暮らしていける家にしたいと考えました。

家を考える時に、間取りは誰でも最初に考え始める所だと思いますが、イメージが無くて間取集の本など眺めても、私は目移りするだけでどうしらた良いのか全然考えがまとまりませんでした。

でも、どういう住み方をするかがイメージできればかなり考えやすくなります。
前記の整理をしてから見直すと自分にとって何が良いかが段々分かってきました。


土地の制約条件は市役所等で調べました。

最後に資金の面からの制約は、大きな家にはしない。
特注品は使わず普及している標準的な建材や装置、手法を使っていく。
という事を決めました。

2018年11月14日水曜日

【家 住み手が書く】希望をかなえる家を創りたい3

結果から言うと、狙いとしていた事が、ほぼ思った通りに実現できた事を実感する毎日です。


明るい部屋で、いつもサラサラかつ暖かい木の感触に囲まれ、臭いのない澄んだ空気。

外気に急激な温湿度変化があっても、室内環境はいつも穏やかに落ち着いており、家中のどこでも温度差が殆ど無い。

昼はそよ風を楽しみ、夜も防犯性を保ちながら涼しい風を取り入れられる。

地震など災害に強く、万一の長期停電でも健康的な生活環境を確保できている。

老後に備えバリアフリー。家族の気配をお互いに感じて暮らせます。

ガス代、電気代も大幅減。


出来てみると、「爽やかで、頼もしい」と感じられる家になりました。


机上でいくら計画しても、実際に住み始めるまで不安でしたが、欲張りな希望でも知恵を出して取り組めばリーズナブル(標準的な建材の組み合わせで)に実現できる事を実感しました。

2018年11月13日火曜日

【家 住み手が書く】希望をかなえる家を創りたい2

家を創るにあたり、何を重要とするかコンセプトを決める必要があります。

コンセプトによって、作り方も変わるのだと思います。


私の場合は、

①健康・快適に暮せる
②地震など天災があっても安心して暮せる
③自分たちが老化していっても暮せる
④年金生活でも暮せる。

キーワード的に言うと

「気持ちよく・健康」
「安心」
「低ランニングコスト」

な家という事になりました。


家に対する想いは人それぞれあると思います。例えば、部屋数の多い家、レンガ作りでオシャレな家とか、リスニングルームのある家とか、エコな家とか、、 。


私の場合は、デザインや楽しみ重視よりもまずは基本性能が高い家という志向と言えます。


「想い」が整理できれば、あとはそれをどう実現していくかという事になります。

もしも、“ゼロエネルギーハウスにしたい”というのが最大のポイントと考える人がいたら、、太陽光発電パネルという重量物を載せても大地震で壊れる心配の無い丈夫な工法(例えば鉄骨構造等)を前提にして考えていくという事になるでしょう。

“とにかく手間をかけずに”という事が重要だと、大手ハウスメーカーのプランを選ぶ事になるでしょう。

色々な材料や工法がありますが、各々メリットとデメリットがありますから、何を狙いたいかを明確にする事が必須になると思います。


ボンヤリ住宅展示場に行ってインテリアやデザインの印象で契約しない事が重要と思いました。


狙いたい事が、どういうレベルで、どういう方法で実現できるのかを展示場の各メーカーに聞いて回ったりすると、だんだん情報が集まってきます。


私の場合、実家の土地が有名な活断層の近くにあり、今後30年の間に80%確率で起こると言われる首都大地震では強く影響を受けると思われます。

よって、「大地震でも生命が危険にならない事」と「大地震に関連して起こる長期大停電下でも生きていける事。」を前提に置いて、前記①~④の狙いを成立させる道を探していく事にしました。


2018年11月12日月曜日

【家 住み手が書く】希望をかなえる家を創りたい1

空家になっていた実家を建て替えて移住する事に決めました。

私は今まで、中古マンションを買った事はありますが、家を建てるという事は無く、全くゼロからのスタートです。

試行錯誤で創って行った中で考えた事を書いてみようと思います。

あれこれ悩む事もありましたが、基本的には自分の希望を具体的に実現していくというワクワクした楽しみが一杯でした。

そういう楽しさもお伝えできればいいなと思います。


まず、どういう家にしたら良いのか考え始めました。


私の住まいに関する経験で、これはイヤだなと思った事が何点かありました。


寒い家:

実家は40年以上前に2x4という方式で建てた家でしたが、冬が寒い。部屋の中で吐く息が白くなります。朝ベッドから起きるのが苦痛。そこで、エアコン暖房をつけて寝ると、喉がガラガラになってしまいました。


結露とカビ:

マンションに住んでいた時に、アルミサッシ廻りや冷蔵庫の後ろの壁などカビがビッシリ生えてしまった事がありました。


陽当りの悪い部屋:

直近の17年間住んでいたマンションの部屋が、斜面に建っていたので、すぐ目の前に土の斜面があり、リビング含めて部屋が暗くて、昼でも電灯を点ける必要がありました。


虫や生き物が入る家:

そのマンションの部屋は庭付きだったのですが、部屋の床面が地面とほぼ同じ高さで、ハサミムシやアリなどが入ってきました。ある時は蛇まで入ってきました。
これは辛い。


こういう事は無い家にしたい。 というのが最初に頭に思い浮かんだ事です。

さらに、阪神大震災の時にちょうど関西で暮らしていて、その恐さを肌で感じましたので、地震対策はしっかりする必要があるとも強く思っていました。


取り敢えず、家造りってどいう事なのかを知る為に図書館で30冊以上の関連本を借りて読みました。


その中で気が付いたのは、殆どが設計事務所の人や、工務店の社長、建材メーカーの人、ハウスメーカーの人、建築学者が著者という事。

つまり、「作る側の人」が書いた本ばかりだという事です。

しかも、素晴らしい家が自分の提唱する方法ならば実現できる。他のxx方式にはこういう欠点がある、、、という様な内容が非常に多い様に感じました。

そこにはその方法で住まわれている人の感想やアンケートなども出ていますが、「以前に住んでいた家に比べて素晴らしい。快適」という声ばかり。


うがった見方をすれば、本という形をとって、ライバル工法をこき下ろし、集客しようとしている様にも見えます。


この傾向は、ネット上の情報も同様で、自分に都合の良い所(セールスポイント)だけを謳っている情報が建築関係は本当に多い気がしました。一般ユーザーを装った、サクラ ブログやサクラ 口コミと思われるものも多い気がします。


勿論、良心的かつ公平に書こうとされているのが感じられる本もありますし、建築は一つの地方工務店で多種多様な経験を持てるはずもないので、自分から見てベストと思っている方法を善意で勧めていると見る事もできます。

でも私の結論は、建築分野に於いては本やネットなどに書かれている事を鵜呑みにして信じる事はしないで、自分で考えて納得できた事だけを採用していこうと決めました。

とは言っても、私には専門知識がある訳では無いので、学校で習った物理・化学などの知識と、実際に現物を確かめて感じるという行動、さらに、出来るだけ多角的なメリット・デメリット情報を収集して考えていく事にしました。

2018年11月11日日曜日

【本】2001年宇宙の旅 アーサー・C・クラーク ハヤカワ文庫

なんで今どき「2001年宇宙の旅」?と思われるでしょう。
1968年に映画が大ヒットした非常に有名なSFです。

1968年といえばちょうどアポロ計画でアポロ8号が人類史上初めて有人飛行で月を回ってきた時期。翌年の69年にアポロ11号でアームストロング船長が月面に1歩を踏み出しました。

つまり宇宙に全世界の関心が集まっていた時期の作品です。

コンピュータもIBMのSYSTEM/360というメインフレームという中央処理で何でもこなすシステムが普及始めていて、これからは何でもコンピュータで制御していける世界になるのではという気運が高まっていました。パソコンは70年代にならないと出てきません。

私も当時小中学生で、映画を見てちょっと難しいけれど、とにかくスゴイ映画だと強く感動した事を今も鮮明に覚えています。

宇宙ステーションや無重力の世界はこんななのかという面白さと同時に、HAL9000という艦載コンピュータとの音声応答を使ったスリリングな対決に恐怖を覚えたのと、最後のワームホールの所はよく意味わかんない、、 という印象でした。

今回、たまたま立ち止まった書棚にこのシリーズが並んでいるのを見つけて、思わず手にとってしまいました。

映画は見たけれど、本は読んでいなかったのです。

大抵、映画と同じ題の本は映画の後にノベライズされた物だから大して面白くない、、というのが一般的な私の認識でした。

でも、この本は違っていました。

「2001年宇宙の旅」はこの小説を書きながら、そこから映画のシナリオを作っていったとの事。

小説を映画ではメディアの特性で、演出すべき所が違いますので、小説とは粗筋も含めてアレンジが加えられている事が分かりました。(映画はビジュアルと音がとても大事ですしね)

元となるこの小説はとても面白く、ぐいぐい引き込まれてしまいます。読み始めたら止められない感じ。

読んで初めて、「2001年宇宙の旅」という話は映画を含めてどういう全体像だったのか分かりました。

2018年という今、この本を読んでみると、モノリスやワームホールはまだ小説の世界だと思えますが、AIコンピュータとの闘いについてはあと5~10年でこういう危険が本当に起こって来る実感があって、新たな衝撃を受けました。

この数年 急激に進化しつつある機械学習(AI)は、その特徴が今までのプログラミングとは異なり、AIの出した答えがどういうロジックで出されたかが人間には分からない、解析できないという事。

教育データを沢山 読み込ませても、AI側がどういう解釈をして理解しているのかが分からない。

誰かが、知らない間に別のデータを学習させていたら、それがどう組み込まれてしまっているかもわからない。

でも、きっとIoTと騒ぎながら、企業や政治家はAI機能に全部任せれば安心・便利・お得 です。という方向に社会を進め様としていくのでしょう。

ユーザーはAIの出す答えに慣らされて、自己判断能力がどんどん奪われていく。
でも、AIを悪用する者は必ず現れるし、善意でもAIが誤解する場面や判断できずにフリーズする場面は必ず出てきます。

以前に書いた 人造マンモス のDNA改変技術では人間の脳を持ったドーベルマンやシャチ等も出来てくるかもしれません。

技術と営利主義、自己主義だけが暴走していくと、この先とても生きにくい世界になってしまいそうで、とても恐ろしさを感じました。

この本が50年も前に書かれているという事もスゴイ。

今こそ「2001年宇宙の旅」本は読むのに良い時期なのかもしれません。

続編の2010年宇宙の旅等もあるので、順次読んで行きたいと思います。