2026年6月17日水曜日

【本】量子論 14歳からのニュートン超絵解本 ニュートンプレス

 最近 量子〇〇 というな話題を良く聞くようになりました。

量子力学は学生時代に入門編を習いましたが、難しいし、言っていることが実感とかけ離れているという事で、なるべく触れないようにこれまで生きてきました。

でも、すでに数十年経っているので、ちょっと覗いてみようかという気持ちになりました。

大人向けの本は難しかろうと思い、中高生向けのこの本を借りて読みました。

驚いたことに、色々説明で語られているたとえ話は数十年前に聞いた事と変わっていない印象でした。 

教える側の人が良く理解していれば、人に分かりやすく説明できると思うのですが、説明が変わっていないという事は、量子力学に関しての人々の理解度は当時とほとんど変わっていないのかもしれません。

とはいえ、初めて知る事もあり、この入門書で覚えておきたいと思った点を記してみます。


・量子の二つの重要事項。

「波の性質と粒子の性質を同時に持っている」

 「一つの物が複数の状態をとることができる。状態の共存(重ね合わせ)」


・量子論が明らかにしたミクロな世界の事実として、

 「原子の姿は、原子核のまわりを”電子の雲”がとりまいているイメージ」

 「真空では物質が生まれたり消えたりする」

 「電子などのミクロの物質は、壁をすり抜けられる(トンネル効果)」

 「ミクロな世界では、完全な無も完全な静止もない」

・夜空の星が見えるのは、光に粒子の性質があるから。

・電気ストーブにあたっても日焼けしないのも赤外線の光子粒子は化学変化

 を起こさせるエネルギーをもっていないから。


・量子論が目に見える例
超流動
 ヘリウムはー269度近くまで冷やすと摩擦や粘性がゼロになる。
 ヘリウムの一部であるヘリウム4は「ボゾン」という粒子であるため。
 (光子の粒子は「ボゾン(ボーズ粒子)」。電子の粒子は「フェルミオン(フェルミ粒子)」)
 ボゾンからなる物体を超低温状態にすると、量子論的な波が同調して一つの波の様に
 ふるまう。
 その結果、ヘリウム原子全体が同調して流れるため、原子同士の衝突や摩擦がなくなる。
超伝導
 例えば水銀はー269度まで冷やすと電気抵抗がゼロになる。
 極低温状態で2個の電子がつくる「クーパー対」はボゾンとしてふるまうことで起こる。(電子は1個はフェルミオンなのに)
 クーパー対の超流動の様なイメージ。

・波と粒子
 電子を用いた2重スリット実験などをおこなうと、スクリーン上の一点一点が沢山
 集まると干渉縞模様になる。
 波としてきた電子が、観測を行うと収縮して粒子としての姿を現す。観測後は再び波
 として周囲に広がっていくと考えられた。
 うまくはイメージできないが、電子を波として計算して、そのふるまいを予測すると
 様々な実験結果をうまく説明できる。
 観測前は波として広がって(確率分布をもって分身して)存在している。
 ボーアなどは、「電子の波はマクロな物体と相互作用すると収縮が起こる」と考えたが、
 なぜそうなるのかは今も謎。

 但し、2重スリット実験でも、スリット直後に観測装置をスリット毎に置くと、スク
 リーンには干渉縞は現れない。 状態の共存が崩れるから。

・位置と運動量の不確定性関係 (ハイゼンベルク)
 不確定とは「実際は決まっているが、人間には知る事ができない」という意味ではなく、「多くの状態が共存していて、その後、実際に人間がどの状態を観測するかは決まってい
 ない」という意味と理解して。

・真空像

 自然界にはさまざまな量(物理量)の間に、不確定性関係が存在する。自然界はミクロ

 な視点で見れば、不確定であいまい。

 「エネルギーと時間」の間にも不確定性関係がある。

 何も存在しないはずの空間(真空)の、ある領域を拡大してミクロな世界を観察すると、

 ごく短い時間でみたとき、場所毎のエネルギーは不確定でゆらいでいる。ある領域が

 非常に高いエネルギーを持ち、そのエネルギーを使って電子などの素粒子が生まれて

 くる可能性があるの。

 ただし、真空から生まれた素粒子はすぐに消滅し、もとの何もない状態に戻る。

 エネルギーの不確定性は「ごく短い時間」という条件付きであり、長い時間では不確定

 性はなくなるから。「真空のもつエネルギーのゆらぎによって、素粒子があちらこちらで

 生まれては消えている」というのが量子論が明らかにした姿。


・トンネル効果

 ウランなどの放射性を持つ原子が「アルファ粒子」(ヘリウム原子核)(放射線の一種)

 を放出する現象は、核力の縛りによるエネルギーの山をトンネル効果ですり抜けて起

 こる。(注:ちなみに アルファ線:ヘリウム核、β線:電子、ガンマ線:電磁波)

 太陽の中心温度は1600万度しかなく、本来はプラス同士で反発して衝突しないはずの

 陽子同士が、トンネル効果で衝突して核融合反応を起こしている。


・場の量子論
 現代物理では、自然界の最も根源的な存在は、磁場や電場のような「場」だと考えら
 れている。磁場とは磁力が生じる空間、電場とは電気的な力が生じる空間を意味する。
 例えば、電子は「電子場」に生じた波だと考えられている。電子が存在しなければ、
 電子場は”平ら”。
 空間には電子場以外にも、素粒子の種類だけ場が存在する。多数の場が積み重なる様
 にして、同じ空間に同居している。
 (それぞれの場は独立しているのではなく、影響をおよぼしあう)
 つまり、私たちの体や身の回りの物体をつくっているのは小さな固い粒ではなく、空間
 と一体化した「場」だといういう事になる。
 場の存在を前提として量子論を「場の量子論」と呼び、現代の素粒子物理学の基礎と
 なっている。

・無から生じる有
 原子核や素粒子レベルでは、もともと存在していた粒子が消滅し、全く別の粒子が現れ
 る事が普通にある。その例としてβ崩壊がある。
 β崩壊:中性子(アップクォーク1,DQ2)が消滅して、陽子(UQ2、DQ1)、
 電子、ニュートリノが現れる。

・力の仕組みを説明
 量子論では力を”量子論的な粒子”のキャッチボールで説明する。
 2つのボート間で①ボールを投げるとその反動でボートは後退し、ボールの受け手も
 反動で後退する。⇒反発力
 ②2つのボートがお互い背中を見せる様に浮かんでいて、ブーメランを投げると2隻
 は近づく。⇒引力
  電磁気力:光子のやりとり。弱い力:W粒子。 強い核力:中間子  
 この3つは説明ができる。(重力:重力子はまだ)

 重力を統合するには、一般相対性理論と量子論を融合させる必要がある。
 その試みが「超弦理論」。
  超弦理論:素粒子をひもだと考える。極小のひもが様々に振動すると、その振動の
       違いが素粒子の違いとして見えるという考え。
       ひもは重力子だけは閉じていて、それ以外は開いた形と考える。

・量子論を応用した最新技術
  原子時計:電子軌道が計算できるようになったので。
  レーザー:誘導放出
  半導体:エネルギーバンド
  量子コンピュータ:状態の共存を使う。
  量子暗号:盗聴されると光子の偏光状態が変わる
  量子もつれで光子を配送:
   量子かぎ配送には、「量子もつれ」という現象を利用する方法もある。
   量子もつれは、量子論の中でもとくに奇妙な現象。例として、光子の偏光を考え
   ると、光子の縦横方向の偏光は、観測されるまでは縦と横の2つの状態を同時に
   取る事ができる(状態の共存)。この時、特殊な条件で2つの光子を作ると
   「共存状態でありながら、2つの光子の偏光の向きがそろっている状態」にできます。
   すると、この2つの光子がどれだけ離れていても、片方の光子の偏光の向きが確定
   した瞬間、もう片方の光子の偏光も同じ向きに確定する。
   量子もつれを利用すれば、人工衛星を使って遠く離れた2地点に光子を一気に配送
   する事が可能。(地上配送では光が減衰するために、中継地点を用意する必要がある)

以上だが、観測される物理現象は量子論の計算が合致しているのだろうが、出てくる話は
今聞いても 眉唾の話にしか思えない。 私の頭が古典力学で固まっているからでしょうか。

ただ、若い世代は、子供のころから量子論を聞いていて、世の中そういうものだとスンナリ飲み込めているのかもしれない。  若者に期待です。


 


2026年5月16日土曜日

【宇宙】本 太陽系の謎を解く NNHK「コズミックフロント」制作班 新潮選書

 NHKテレビのコズミックフロントで放送された内容を文字化した本。


太陽系の旅に出よう ということで、この数十年で分かってきた事が分かりやすく書かれています。

舞台裏や、天文科学者は何をどう考えたのか? NASA探査プロジェクトはどう発足して進んだのかなど。


面白いと思った点を書いてみます。


ただし、オウムアムアに関しては、正直なんだかこじつけて結論出しているように感じました。

そもそも星間飛行する宇宙船が電波で何かをすると期待するのは合理的か? 

尾を観測できないのは太陽系外の物だからで納得するのは合理的か? 

もう一度 アヴィ・ローブさんの本を読み返してみようかと思いました。

もっとも、これが現在の科学研究の限界を教えてくれる本ということなのかもしれません。



・探査機ボイジャーの誕生秘話


★木星

・生きていた衛星イオ

  火山の噴煙が見つかった。地球の火山の10倍以上も高く上がる噴煙。

  見つかったのは全部で8か所。


・小さすぎる火星の謎

  水、金、地と岩石惑星の質量は大きくなっていくのは、塵・小天体が衝突を繰り返して

  作られていくので、軌道の長い方が大きくなって当たり前。

  でも、火星の質量は地球の1/10しかない。

  当時、火星あたりの塵などの材料が不足していたとしか思えない。


・小惑星帯(アステロイドベルト)の謎

  小惑星帯の中で、本来違う場所で生まれるはずの氷の多い小惑星と岩石が多い小惑星

  が見事にまじりあっている。

  出来たあとで、かき回されたとしか思えない。


・天王星と海王星の謎

  太陽からの距離が遠すぎる。

  その距離であの大きさになるには太陽系の年齢よりも時間がかかるはず。

  (塵ガス密度が薄いから)

  もっと太陽の近くで生まれてから、現在の位置に移動したとしか思えない。


・太陽系ではない他の恒星での惑星の謎

  系外惑星の発見が沢山できるようになったが、他の恒星では木星のようなガス型の大型

  惑星が恒星の近くにあることが多いことが分かった。(ホットジュピター)

  太陽系のように巨大ガス惑星が外の方で回っていることの方が例外的に見える。

  系外惑星は誕生してから恒星に近いところへ軌道を変えたとしか思えない。

  

・グランドタックモデル説

  太陽の周りを螺旋を描きながら成長して大きくなったが、火星軌道近くまで来た頃に土

  星との引力の相互作用で方向転換して外側に動いていき、最終的に現在の場所に落ち着

  いた。土星も同様に軌道を変動させて最終的に今の場所になった。

  そう考えると、火星軌道付近での材料不足や、小惑星帯でのまじりあいなどの説明が出

  来るのでは。

  相互作用が天王星や海王星と木星の間も起こっていたとすると、彼らが遠くに弾き飛ば

  されたのも辻褄があう。


・後期重爆撃期の謎

  惑星誕生時の各種の衝突が収まったあと、太陽系の誕生から7億年後(今から39億年前)

  に、太陽系の内側にある岩石惑星(水、金、地、火など)に、短期間で大量の小天体が

  衝突した時期があり、それを後期重爆撃期と呼ばれている。(月面の多くのクレータはそ

  れで作られている)

  これらは、グランドタックなど重惑星の軌道変化で弾き飛ばされたものが飛び交ってで

  きたと考えられるのではという説にもつながる。


・天王星や海王星が太陽系外へ弾き飛ばされなかった謎

  そのままシミュレーションすると天王星や海王星は太陽系外へ弾き飛ばされるという結

  果になってしまう。でも、土星と天王星の間に「幻の惑星」があったとして計算すると、

  辻褄があう。「幻の惑星」は木星の影響で太陽系外へ弾き飛ばされた。という説。


・木星の巨大オーロラの謎

  太陽から遠い木星では地球と違い、太陽からのプラズマ粒子の量は少ないはずなのに。

  イオの火山からの噴煙の二酸化硫黄がプラズマとなって巨大オーロラを作っていたこと

  が分かった。



★土星

・環

  1000本以上の細かい環が集まってできていることが分かった。

  幅およそ40万Km。厚さ1Km。


・北極のきれいな六角形の謎

  まだ良くわかっていない。


・濃い大気に包まれた衛星タイタン

  メタンやエタンなどの炭化水素の海や湖がある。山、砂漠、川もある。

  タイタン大気の下層の水素濃度が低い、表面でアセチレン濃度が低い。

  もしかしたら、水素とアセチレンを食べてメタンを出すメタン生成生物がいるのか

  も??

  地下に水の海もあるかも。


・衛星エンケラドスも生命の可能性あり?

  氷を吹き出す間欠泉。地殻変動をしている。潮汐力で摩擦熱が内部で起こっているはず。

  氷の下に液体の水がありそう。シリカも検出されており熱水もありそう。有機物も沢山

  ある。



★水星

・磁場の謎

  金星や火星にない磁場があるのはなぜか? 内部に磁場を生み出す液体があるはず。


・北極、南極に氷

  1兆トンもの氷が閉じ込められている様子。



★金星

・消えた海の謎

  分析により花崗岩がある様子。花崗岩は水を含んだ玄武岩がプレート運動で沈んで内部

  で溶けてできたというのが有力なシナリオ。

  一方、海があったなら酸素の濃度が高いはずだが現実は低く、海はなかった説もある。


・自転の方向の謎

  北極から見て時計回りがほとんどの太陽系の惑星の自転の方向(公転と同じ)。金星と天

  王星だけが逆転。



★火星

・消えた海と地球生命は火星から?の仮説

  40億年前海と陸があったらしいことは地形からわかる。また、地表のすぐ下に今も氷が

  あることが探査機で分かった。一方、40億年前の地球は全球海だったと思われる(陸が

  できたのは27億年前)。

  生命誕生には海と陸のある火星が有利。そこで、隕石にのって火星から地球へ微生物が

  やってきたのかも。 (地球生命は40~38億年前にはあったということが岩石の炭素12の

  量から推定されている)

  火星は海があったが、磁場がないので大気が太陽風で剝ぎ取られて気温と気圧は低下し

  て蒸発したのでは。(現在 地表温度‐40度)


・テラフォーミングアイデア

  火星全体に超電導リングを張って、人工的に磁場を作る。フロン発生工場を作り、フロ

  ンガスの温室効果で大気圧と温度を上げる。溶けだした氷で水ができ、地球から微生物

  を導入し生態系を作っていく。



★天王星

・自転軸の謎

  公転面に対して横倒し。(他の惑星は皆 ほぼ垂直)



★海王星

・時速2000Kmの風の謎

  内部に何らかの熱が発生しているのでは?


・衛星トリトンの謎

  凍った窒素でおおわれているが、間欠泉が噴出している領域がある。太陽光で暖められ

  たためか?

  海王星の自転方向と逆に回っている。元々はカイパーベルトにあったものが、海王星に

  とらえられたのでは。



★冥王星・カイパーベルト

・冥王星の白いハート模様の謎

  凍った窒素が氷河となって低地に流れ込んでできたのではないかという説がある。


・窒素はどこから来たのか?の謎

  内部から間欠泉のように供給されているのではという説がある。



★アステロイドベルト(小惑星帯)

・本来はもう一つ惑星があってもよい距離軌道に小惑星帯がある。

 この距離は、水が気体から個体に変わるのに十分な低温になる距離(=スノーライン)に

 なる。

 他の恒星系でも、スノーライン近辺に小惑星帯がある。ここでは、岩石に加え氷の固体が

 多いために惑星よりも早く成長できる。



★巨大惑星「プラネット9」を探せ

・カイパーベルト内の小天体の軌道が妙に引っ張られていることが分かった。地球の10倍の

 質量の惑星がもう一つあることが仮定すると辻褄が計算上合う。土星の軌道も精密再チェ

 ックすると、それもプラネット9の可能性を示唆した。探査がつづいている。



★謎の金属天体「プシケ」

・直径200Kmを超える巨大な鉄の塊の小惑星。探査機が向かっているところ。

 もしかしたら、クレーターはミルククラウンのような形になっているかも。



★オウムアムア (オウ:遠く方の使い ムア:初めて)

・2017年太陽系外から飛んできて、秒速26Kmで近づき、太陽でスイングバイし46Kmで去っ

 ていった。ただし、重力加速よりも早い加速で去っていった。

 物体の明るさが4時間ほどで10倍以上も変わった。

 →そこから縦横比10:1の細長く、長さ800mの物体が回転して移動と推定。

 →もし宇宙船なら電波出ているのでは?と計測したが人工的な電波は観測されなかった。

 →赤っぽい色をしているので、氷で出来た彗星説を唱える人も出てきた。

 →加速はガスの噴射によると唱える人が出てきた。ただし、いくら探しても噴出されてい

  るはずのガスの尾が発見できない。太陽系外のものだから太陽系とは別の構成物質で作

  られたのかもという理屈で彗星と結論した。

  (尾を出さない氷彗星仮説を唱えていた人は喜んだ)


・太陽系外から飛んできて太陽系に捕まったと思われる小惑星も見つかった。



2023年7月3日月曜日

【本】オウムアムアは地球人を見たか?(異星文明との遭遇) アヴィ・ローブ 早川書房

 著者はハーバード大学教授で、ハーバードで天文学科長を務めていた、天文学の世界のまっとうな重鎮。

ただし、ホーキング氏も賛同したレーザー+セイル小衛星で光速の20%まで加速し隣の恒星まで20年で到達させるプロジェクトを提案したり、ブラックホール・イニシアティブを創設したりしてきている非常にイノベーティブな人。


現在までに、2017年(オウムアムア)と2019年(2Iボリソフ)の2つの太陽系外から物体が来た事が知られている。そのうち、2Iボリソフは太陽系でも普通の彗星と同じ振る舞い(ガスの尾を引くなど)をしたが、オウムアムアは通常では説明できない振る舞いが観測された。


小さく

光を良く反射し(普通の彗星の10倍)

妙な自転をし

円盤状の可能性が高く(ネットやマスコミは棒状のイラストを垂れ流しているが、科学的にはパンケーキ状の可能性が高い)

太陽の重力だけで説明できる軌道から逸れて(加速して)いたが、ガス噴出は観測されなかった。それに、自転が変わらない(あれだけの加速を何か物質を噴出していたら自転に影響が出るはず)

加速エネルギーは太陽からの距離の二乗に反比例していた。

又、来たのは局所静止基準だった。



これらの症状振る舞いは、通常の小惑星などの知識では説明できない。


既に、飛び去ってしまったので検証はできないが、 現在は2つの可能性が提唱されている。


①自然起因の立場の人

  窒素氷説  窒素のガスなので観測できなかったという、、、


②異星文明により作られた(または廃棄された)物の立場

  お皿状でソーラーセイルの様な構造ならば、太陽光圧を使った加速に丁度符号する。

  反射能も金属ならば当てはまる。


アヴィさんは、②を提唱。理由もデータと解釈を細かく説明してくれています。


それ以降、彼は異星文明の物や事項を科学的証明手法で探していくエジソンプロジェクトをハーバードで立ち上げて活動中とのこと。


人間は、異星文明がある(あった)という前提で色々と検討していく方が、人類の発展により良いという考えらしい。



この本を読むまで、私はマスコミの細長い棒状の形だと思っていて、異星人宇宙船なのかとイメージしていましたが、これを読んで数々のデータを説明するのにオウムアムアは②の考えが合理的に思えました。


この宇宙に、文明が地球だけのはずもなく。


こういう物を作る文明は、どういう事をしたいたのだろう、、と想像の羽は大きく広がっていきます。


2023年5月8日月曜日

【縄文時代】 本 日本列島四万年ディープヒストリー  森先一貴  朝日新聞出版

 こういう本を待っていました。


私や妻が学校で習った時は、縄文時代は殆ど原始人の様なイメージで語られていたように思います。妻は、縄文人はマンモスを狩って暮らしていたのでは、、という認識でした。


でも、実用性よりも美術性を追求したとしか思えない縄文土器の数々や、同時期のシュメール文明やインダス文明、古代中国文明などが既に都市文明を作っているのに、日本だけ原始人は無いだろうというモヤモヤがずっとありました。



この本で、地球の変化と地域特性で、さまざまな形態の文明が世界で起こってきたことと、日本(縄文)の特徴はこうして作られた。縄文はある面では、世界に先駆けるような暮らしがあったようだという事、西欧や中国などの大陸性の視点とは異なる視点が必要だという事も良く納得できました。



この数十年の各種の研究で、地球環境は約1万1千年前より以前は、驚くほど頻繁に、しかも急激な気候変動が地球で何度も起こっていた事が分かってきています。


この気候変動があると、植生もそれに伴う動物たちもどんどん変化をせざるを得ず、そうなると、人類も「定住」は出来ず、移動式の暮らし方で狩猟や採取をしていく必要があっただろうとのこと。


気候が暖かく安定してきた1万1千年前から、世界で「定住」が始まった事が分かってきている。


「定住」といっても、地域特性によって継続的に食料を得る仕方は変わることになり、同じような植生が広がる大陸では、農耕・穀物栽培が始まる。

日本は、亜熱帯であり、かつ四季の多様性に伴い、動植物も季節により豊かな変化を起こす。よって、それらの多種の食材を獲得する事で定住を始める事ができた。もちろん、ドングリなどの栽培もおこなっている。


穀物栽培で定住するようになると、協力して耕作するなど規模を追うことになり、組織のしくみや、統率の仕組みなどが生まれてくる。人口も貧富の差なども。。 権力争いや戦争も。。


縄文は、採取型の定着が多いので、数十人単位での定住型になっていた様子。

土器に限らず、石器(石包丁や矢じり、槍なども)も精密加工されたものも出土されていて、当時から日本人気質?が垣間見られる。

非常に大きな建築物などの痕も発見された。


大陸型の政治や戦争の文明とは異なった種類の文明が、縄文にはあったのではないかと思われる。


又、これらの事が分かってきたのが1980年代以降との事なので、我々世代は教わらなかった事も納得できました。


この本は、もっと面白い事満載です。日本人のルーツを考える上でも、お薦めの一冊です。





2023年3月18日土曜日

【宇宙】本 銀河宇宙観測の最前線 谷口義明 海鳴社

 宇宙には銀河が沢山ある場所とほとんど無い空間とがある事が分かり、宇宙の大規模構造と呼ばれています。



1998~2005年にスローンデジタルスカイサーベイというプロジェクトで宇宙地図が作られたことは有名です。

これは全天の25%の領域を可視光で20億光年彼方までを調べたものでした。



しかし、この大規模構造がどのようにして生まれてきたのかを知るには、もっと昔の情報が必要になります。つまり、もっと遠くの銀河まで調べる必要があります。



そこで、ハッブル宇宙望遠鏡も活用して、範囲はせまいが80億光年先まで見える星域調査を世界規模のプロジェクトで行う事になったとのこと。名前をコスモス プロジェクトと言う。


その中で、著者の谷口氏が日本が持つ「すばる望遠鏡」を使った調査のリーダーとなって奮闘されました。


「すばる望遠鏡」はスプリーム・カムという広視野角で世界最高水準の撮影ができる機能を持っており、それを最大活用してデータ取りを行ったとのこと。


遠くの暗い天体を撮影しなければならないために、本当に沢山の苦労をされた事が良く分かりました。


天文学者は、具体的にどういう活動を、どんな風にやって暮らしているのか。


地上からの撮影は、限られた使用可能時間で天気や装置のコンディション等との闘いでもあり、大変に苦労されて撮影されました。



しかし、対象エリアの詳細な画像を取りデータ提供できたため、世界中の他の波長で観測しているデータやハッブル画像等と組み合わせてみる事で、新しい知見が沢山生まれたとのこと。


世界初の宇宙の暗黒物質(ダークマター)の3D地図を作る事に成功したことは有名です。


又、新しく 銀河は誕生後20~30億年が創星のピークで、それ以降は創星ががくっと減っていくという事も分かり、減り始めている銀河を見つける事も出来たとのこと。なぜ、がくっと減るのかという新しい謎も生まれました。



この本は天文学の世界で、テレビ番組のプロジェクトXを地球規模で行った詳細記録という感じです。


最先端の学問的な内容も当然ありますが、それ以前に ワクワク ドキドキする スリリングな成功物語です。


宇宙に興味のない人にも、楽しめる本ですね。


【宇宙】本 アンドロメダ銀河のうずまき 谷口義明 丸善出版

 銀河という言葉を聞くと、真っ先に頭に浮かぶのはアンドロメダ銀河の写真です。

小中学校時代の教科書や、学習ノートに載っていた写真もアンドロメダだったと思います。


あのレンズ状の形の美しさは、富士山の美しさに近いものがあるように思えます。


この2年、時々 国立天文台がやっている市民ボランティアのすばる望遠鏡画像からの銀河分類作業(ギャラクシークルーズ)に参加させてもらっています。


その作業で、銀河といっても一つ一つは本当に色々な境遇のものなんだという印象です。

渦巻銀河といっても、スマートなカッコイイものから、ガタガタになったり歪んだりした形のものも沢山見ました。でも、総じて若々しいエネルギーを感じます。

楕円銀河というレンズ状でない銀河も沢山あって、それらは落ち着いて、しずかなたたずまいを感じます。



この本は、そんな銀河達がどのように発生してきたのかを丁寧に教えてくれえるます。


又、アンドロメダ銀河は 本当は 渦巻型ではないという話にビックリしました。


言われてみて、改めて写真を見ると、、ナルホド!! となります。



そして、それは如何して作られたのか?? 犯人は誰だ? を解きほぐしてくれます。



天文学は、推理小説みたいだ、、、と思いました。



天空の星や銀河は、「変わらない永遠に輝いているもの」というイメージがありましたが、この本を読んで 実にダイナミックに変化を続けている世界なのだという事が良く分かりました。


アンドロメダは双眼鏡でも見えるようなので、見てみようと思います。


【宇宙】本 マルチメッセンジャー天文学が捉えた新しい宇宙の姿 田中雅臣 講談社ブルーバックス

 天体望遠鏡は大幅な進歩をとげつつあります。

可視光の大口径や宇宙望遠鏡ができたのに加えて、電波、赤外、紫外、X線、ガンマ線などの各種望遠鏡で、電磁波(光)の広い波長域での分光観察ができる様になってきています。


それら電磁波に加えて、ニュートリノ、重力波を使った測定装置も動き始め、それら全てのシグナルを組み合わせて宇宙の謎を探るマルチメッセンジャー天文学が始まりつつあるとのことです。


2015年宇宙からやってきた重力波が初めて捉えられ、それが宇宙のどのエリアから来たのかを推定する事ができました。そのエリアを他の望遠鏡で調べていくと、、、 という様な事が分かったり。


ニュートリノの速度に関して、重力波シグナルや光シグナルとの時間差を知ることによって始めて検証できたりしています。



特に宇宙の爆発現象の謎をマルチメッセンジャーが解くカギになると期待されています。


太陽クラスの星は、水素→ヘリウムの核融合が終わるとヘリウム→炭素の核融合になり、その時期は星の外層が膨らんで赤色巨星になります。そして最後は白色矮星になります。

白色矮星同士の合体などで核爆発型超新星になることがありますが、そのメカニズムはまだ分かっていません。


太陽の10倍質量以上の星は、炭素→ネオン・ナトリウムの核融合、ネオン→酸素、と核融合は鉄まで進む可能性があり、最終的にはコア鉄の周りにケイ素、ネオン+マグネシウム、炭素+酸素、ヘリウム、水素というたまねぎ構造ができます。

その先は 重力崩壊して 超新星爆発を起こし中性子星(またはブラックホール?)が生まれます。そして超新星爆発では大量のニュートリノが放出されることで爆発になると考えられています。


重力崩壊でブラックホール(中性子星合体などでも出来る)が出来ると、その周りに円盤構造が出来ると思われ、それらが高速で回転しながら落ち込むことで相対論的ジェット(光に近い速さで動く物体によるジェット)が出来ると考えています。その時にガンマ線(バースト)も起こると思われます。


中性子星合体で鉄よりも重い元素は作られると考えられています。又、重力波が出ます。

重力波が検出できれば、その強度から距離を推定する事ができます。



これらの爆発現象から天文物理の色々な事を解き明かしていく事ができそうです。


著者(または、天文研究者は)は、これらの新しい道具を使って新しい事が色々できるのではないかとワクワクしている様子がこの本から良く伝わってきます。 まるで、新しいオモチャをいくつも貰った子供の様に。。。



彼ら研究者にとって、面白い時代になってきているようです。