ニュースやバラエティなどで沖縄の事を聞く事は多いので、一度は訪れてみたいと思っています。
戦争、青い海とサンゴ礁、独特の文化や食べ物、縄文、政治に苦しめられている事、言葉など 沖縄という名前からは沢山の切り口が連想されます。
そこに住む人はどういう気持ちで、どういう風に暮らしているのか知りたくて、この本を読みました。13年前の本なので今は更に変化しているのだと思いますが、近代史や伝統も含めて沖縄の人の気持ちを少し知る事が出来た気がします。
琉球から連なる歴史の中でたまたま今は「沖縄」という立場になっているという理解が必要だと感じました。
正月から12月まで、季節季節の伝統行事等を含めてどういう楽しみ方、過ごし方をして来たのかがつづられています。
幾つか思った事を書きだしてみます。
日本復帰前と後では、伝統行事などがかなり変わってきてしまっている。
家族や知り合いをとても大事にして、助けあって生きていくしくみがあった。
それらは、地理上 日本、中国、米国などに植民地化されて圧政に耐えてき(自治・自立を奪われてきた)た歴史から生まれた知恵なのだろうと感じる。
基地問題を語る章の中に、沢山の米軍起因の事件や事故が多く、”その被害者の圧倒的大多数は、子どもであり女性たちなのです。
もし、「今日の日本は日米安保条約や在日米軍基地のおかげで繁栄している」と言う人がいたら、その人は沖縄の女性や子どもたちを米軍の生贄にしてきた歴史的事実を直視すべきです。”
”これでは。「沖縄差別政策」の表れだと批判されてもしかたがありません。”
という文があり、心に刺さりました。
一方、八重山諸島は近代にブラジルなどと同様に「開拓団」が派遣されて開かれていったとの事。
又、宮古諸島は沖縄島の琉球王国に併合されていったという歴史があり、近年まで宮古出身者は「宮古差別」に苦しめられてきたとの事。
人間というものは、差別の連鎖構造がどこまでも続くのだろうか、、と思わざるを得ません。
沢山の風習やそれに連動する食べ物や唄、踊りなどが紹介されています。
例えば、エイサー。
今は日本全国で踊られていますが、元々は沖縄のお盆行事の一つだったそうです。
”お盆につきものなのが、青年団によるエイサー踊りです。男子青年は歌・三線や太鼓と踊り、女子青年は踊りという役割構成でした。青年団はムラ中の家を一軒一軒廻り、その庭で祖霊をなぐさめ一家の繁栄を祈り、踊りを奉納するのです。したがって「仲順流れ」と「酒二合」の曲による踊りが必ず演じられました。
そのお礼に、青年団は各家庭からお酒と餅やご馳走をいただいていました。”
それ以外にも、島唄や沖縄芝居などもその背景が良くわかります。
この本を読んで、本来は南国の楽園として暮らしていけれても良いはずの沖縄諸島ですが、哀しさが先に立ちます。
誰かに不都合を押し付け合うのではなく、もっと皆が生きやすい社会に日本は進化変化させてていければと思います。