2014年7月28日月曜日

【心と身体】自分を生かす古武術の心得 多田容子 集英社新書

いわゆる武術的動きに関する書物は多いですが、当たり前ですが

大抵は武術家が書いています。



武術でもスポーツでも,、身体を使う時には身体意識が非常に主要な

ファクターになりますが、物理的な量とは違う内面の意識は人に

なかなか伝えにくい物の様です。




色々な人が色々な表現をしていますが、特殊な感覚なので一般の他人

が文字だけでは理解しがたい物があります。そこが、神秘的で面白い

という面もありますが、、、




著者の多田さんは、居合や手裏剣術などを修行・研究している

女性ですが、本職は時代小説家の方。



だから、内面の意識をちゃんと表現できるプロなのです。




修行の中で、色々気づかれた事を 本当に分かり易く、そして

誤解無く書いておられます。この本で、改めて ああそういう事

だよねと思う事が幾つもありました。



こういう方が、居られる事は非常に貴重だと思います。



小説も早速読んでみたいと思いました。


2014年7月26日土曜日

【バレーボール】ワールドGP 新戦術(MB1/MB0)での注目点

いよいよ ワールドGPが始まります。

この大会を通じて、新戦術(MB1/MB0)の立上げをされるとのこと。

大変に興味深いと同時に、楽しみです。




先日のエリツィン杯でも、その片鱗を見せようとした新戦術(MB1/MB0)ですが、

その時は、非常な苦戦をしました。

私としては、その時に感じた課題がどう改善されようとしているのかに注意して

見て行きたいと思っています。




新戦術(MB1/MB0)は、シンプルに考えると、コートにいるリベロ以外の

全ての選手が攻撃手になるという狙いと思います。

セッターも場合によってはアタックも行い、他のメンバーがセッター役もする。



攻撃のバリエーションが非常に増える事で、相手ブロックを1~1.5枚ぐらい

までに抑えて、スパイクやブロックアウトで点を確実に稼いでいく事を狙う。

眞鍋監督が言っている「早く25点とった方が勝ち」という事ですね。



その為には、バリエーションを増やす為の複雑なコンビネーションの習得が

必要になります。エリツィン杯ではこのコンビがまだまだでしたが、それでも

全体の攻撃力は確実に高くなっている事は感じられました。



でも、苦戦しました。




それは、こちらが点を取ると同じようなペースで、相手に点を取られたから。。。

つまり、防御力が極度に落ちていたから。



新戦術(MB1/MB0)で目指すありたい姿を勝手に想定すると、


①相手のサーブの時は、確実にサーブレシーブしてこちらの攻撃につなげ、
 
 MB1/MB0攻撃で必ず点を取る。


②自分のサーブの時は、相手に攻撃させないようにサーブで必ず崩す。

 相手からの攻撃も、ブロック点は取れなくとも、ブロック動作で球筋を

 限定して確実なディグにつなげ、こちらのMB1/MB0攻撃をする。

 もちろん、サービスエースが取れればそれに越したことはない。



①は80%の確率で点を取り、②で相手側の点獲得率を60%に抑えられれば、こちら

が25点に達した時に、相手は20点も稼げていないという状態になります。

こういう状態になりたい。



しかし、エリツィン杯では、特に②の対応が弱かったし、ミス失点も多かった様です。



現在マスコミ等は新戦術(MB1/MB0)を超攻撃的戦術と言う盛り上げ方をしていますが、

ブラジルアメリカに勝とうと思うと、②をどれだけ達成できるかが本当の勝負と思えます。



そのあたりを、ワールドGPでは注目して見ていきたいと思います。



又、個人に頼らないチームをどれだけ作れそうか、というのも気になります。

ロンドン五輪を目指していた時も、井上選手、大友選手、土壇場の竹下選手

のケガに見舞われました。


どのポジションも必ず代替えできる選手を用意する必要性を、眞鍋監督は身に

染みて思っているはずです。この辺の育成も注目点です。



世界バレーまで続く今年のシリーズで、どれだけチームの完成度を上げて行けるのか、

本当に楽しみです。

2014年7月20日日曜日

【心と身体:バレーボール】三重大学での実験

先日、【心と身体・松平バレーボール】素早く跳ぶ身体の使い方 という記事を

書きましたが、この重力を使う身体運動法に関して通常の動きとの違いを三重大

の脇田先生とその学生さんが実験されていました。



「身体能力と脱力」というレポートでは、重力を使う”抜き動作”は、通常の

”蹴り動作”より素早い動きをする事が出来るという結果になっています。


まとめでは、

「身体運動と脱力の関係については、次の様にまとめる事が出来る。

①心と体は、一体である。

②心だけを緩める事はできない。

③体が緩むと心も緩み観察力が増す。

④各関節や筋を意識して緩める。

⑤動作の直前に筋肉を緩め、重力を利用した伸張反射による動作は素早くて気持ちが良い。

⑥体幹部の筋を最初に始動させ、末梢の筋に伝達させると力強い動作が素早くできる。


これまで西洋文化の影響より、各種トレーニング法が開発され競技成績の向上が図ら

れてきた。近年、色々な身体操法に関する著書が出版されるようになってきているが、

これらに関する科学的な検証は乏しい。日本文化である身体操法の多くは秘伝とされ

てきたため余り公開されていないのが現状である。今後は、西洋的なトレーニングを

踏まえつつ、日本古来の武道に秘められた身体操法を科学的に分析し、様々なスポーツ

に応用されれば運動成果のさらなる飛躍が期待できると考えている。」 とのこと。



バレーボールでの応用は如何にという意味では、「バレーボール技術に於ける

『抜き動作』と『蹴り動作』の比較:スパイクレシーブ・ブロックジャンプ」

というレポートもあります。



こちらは、長年の練習が必要と言われている”抜き動作”を5-10分だけ練習した

バレーボール選手に、”蹴り動作”と”抜き動作”をさせてみたという実験なので、その

まま鵜呑みには出来ませんが、考察に書かれていた、肩甲骨を自由に使う事ができ

れば、腕の長さや指高伸長もでき、スパイク時最高到達点のアップや、三角筋、広背

筋を使って打つことができる様になる。という示唆がされています。



日本選手が動きの質を変えて行くには、身体操法にヒントがあるのではないか

と改めて思いました。



戦術だけでは、他国に分析されると来年は通用しなくなると思います。

リオまでには2年ありますので、他国選手ではできない動きを火の鳥選手一人ひとり

が取り入れられればと願います。



【音楽】LPレコード

新聞によると、「日本レコード協会の調査では、2009年に10万2千枚に

落ち込んだ国内のレコード生産は13年には26万8千枚に増えた。」とのこと。



一般に、LPのアナログレコードよりCD等のデジタル録音の方が音が良いと

思われています。



でも本当は、LPの方がCDよりも沢山の情報量が入っているのです。

音域もアナログの方が広い。



ただ、LPレコードを再生するプレーヤーは針で溝をトレースするので、

ノイズが入ってしまい、又、アナログレコードは昔の録音なので、クリア

さからいうと、現代の録音技術+ノイズレスの再生という意味でCD等の

方が聴きやすいもの。




その答えになるものとして、レーザー ターンテーブルという針を使わない

LPプレーヤーが知る人ぞ知るという感じですが、売られています。



そのメーカーで試聴をする機会を得ました。



昭和の頃のLPジャケットが一杯の部屋で、学生時代に良く聞いたビーチボーイズ

のLPをかけてもらいました。



感じたのは、私の記憶の中にある音と次元が違うダイナミックレンジと高い臨場感です。

ああ、アナログレコードって、こんな音が入っていたのか。と感動しました。



CDには無い音の広がりがあるので、最近はCDと同時にLPもリリースするアーティ

ストが出てきている。との話にも成る程と思いました。



レーザーでトレースすると言っても、ゴミ・ホコリは大敵なので、聴く前にレコード表面

をクリーナーでキレイにする必要があるのは、昔のプレーヤーと変わりません。



手軽に聴くにはデジタル録音は良いですが、手間はかかるがじっくり楽しむには

LP+レーザープレーヤーも楽しそうと思いました。




とても残念なのは、昔 集めていた好きなLPアルバムを何年か前にもう聞かないだろう

と捨ててしまった事。残念です。



このプレーヤーは、確か坂本龍一さんも愛用されているとの事でした。


LPレコード復活の裏には、こういう流れもあるのかなと思いました。

2014年7月19日土曜日

【心と身体】空腹力 必要摂取カロリー

前から気になっている事があります。



水だけで何年も生きている人がいる、というニュースを時々見ます。

ロシアの人、日本の人、インドの人。 NASAや医学者の監視の下での

100日以上もの確認実験も行われています。




アンチエージングで、食べる量の少ない方がいつまでも若く、長生きと

というレポートもありました。




チリの炭鉱事故の時も、1日スプーン1杯だけの食糧で1か月以上も地下で

過ごした人々も、餓死はされませんでした。ガリガリに痩せられたという

感じでもありませんでした。



一体、人体と食事はどういう関係にあるのでしょうか?




図書館で「ほとんど食べずに生きる人」柴田俊彦・安保徹(三五館)、

「空腹が生き方を教えてくれる」南雲吉則(サンマーク出版)、「空腹

力」石原結實(PHP研究所)を借りて読みました。




柴田さんの本は、自身が小食化を人体実験した経過を詳しく書いてある本。

南雲さんの本も、自身が日々実践している健康(若返り含む?)法を、

石原さんは主催されている断食道場の考え方や効果を説明されています。



3冊に共通している事は、学校で習った1日3食を食べるのが健康の基と

いう考えは、成長期の子供には当てはまっても、大人がそのままやって

いてはいけないという事。



現代人は、世間でいう普通の食事をすると食べ過ぎになっている。

人類の歴史からみても、現代の飽食は異常事態。人間の身体のメカニズム

とかけ離れた生活になっているという事。



本来は、お腹がグーと鳴る空腹状態がある事が、身体に備わっている

色々な調整機能に重要。 本来、空腹状態にある方が、身体は上手く

働く様に出来ているらしいです。



少食にすれば、明日から 皆 本来の力を発現させられるという事。

柴田さんは自己復元力が高まって、白髪も減る、歯周病も治ってしまった。



南雲さんも、ぐーんと若返ったのは周知の事。



石原さんは、万人に有効なこの少食は 一日2食にする事だけで、誰でも

今日から実践できるとやさしく教えてくれています。



少食が身体に良い効果をもたらす事は間違いなさそうに感じました。



少食が身体に定着していくと、だんだん、糖やタンパクを分解して

作る火力発電的だった仕組みが、放射性物質や太陽光などを使える

原子力は再生可能発電的に切り替わっていくと説く人もいるようです。

そうなると、水だけで生きられる???


そのあたりは、まだまだ不透明な世界ですが、何かありそうです。

【心と身体】自ら人体実験 納豆

納豆は好きです。おいしいから。

又、子供の頃 良くお腹を下したりしましたが、納豆を食べた翌日は

大丈夫になるなあとぼんやり感じていました。



一方先日、【生き物】最強生物? 地球外生物? 1で書きましたが、

納豆菌は宇宙生物かもという疑惑が起こってきています。

本当だろうか?



会社の食堂で定食を取ると好きな小鉢を1品とれるのですが、納豆

をチョイスできる事を知り、出来るだけ毎回 納豆を食べるという

事を約1か月してみました。



魯山人さんではないですが、良く練る事を目指し毎回200回は混ぜました。

食堂の他の人からは変な目で見られていたかもしれません。

混ぜ方や、醤油の入れるタイミングなど 色々試したりもしました。

(農林水産省食品総合研究所における実験では、納豆のアミノ酸と甘
み成分は混ぜるほど多くなるとのこと。混ぜる前をそれぞれ1とする
とアミノ酸は100回で約1.5倍、300回で2.5倍になります。
甘み成分は100回で2.3倍、200回で3.3倍になる?。)



毎日食べても おいしく 全く苦にならない実験でした。

体調も非常に良く、毎日 お通じも最高に良い感じになりました。



ただ、3週間を過ぎたころから、歯を磨いても、いつでも何か口の

中が納豆の味と粘り感が残っている様に感じ始めました。



或る日は、今日はたまには一品を納豆以外の物にしてみようと思い

ながら食堂に行ったのですが、なぜか どうしても納豆の小鉢を取っ

てしまう自分に気が付きました。



もしかして、中毒? 納豆菌に乗っ取られつつある? 依存症?

などという言葉が浮かんできて、この実験を1か月で中止しました。



健康のためには、毎日 納豆を1パック食べるのはとても良さそうに

思います。いっそ、納豆菌に身を任せてしまいたいという気にもなります。

やはり、侵略されてしまったのでしょうか???

2014年7月16日水曜日

【心と身体】自ら人体実験 寝起きの改善

朝 ふとんから出ても、なかなか身体が目覚めない時って

ありませんか?

トイレに行っても、お通じが出ない、、、など。



私も前はそうでした。



でも、ある事をするだけで、非常にスッキリ起きられて、内臓も

すぐに始動できる事に気が付きました。



それからは、毎朝 それをすることで、布団からすぐに起きれ

ますし、起きてすぐ活発な活動できたり、お通じが出たりします。




やる事はカンタン。 手の爪の付け根の両端を一本づつ反対

の手の親指、人差し指の爪で10秒ぐらい押して行くこと。



ちょっとイタ痒いですが、両手の指(ただし、薬指を除く)

に1巡か2巡する。



これだけ。




正しい指圧かどうかは分かりませんが、簡単なので忘れないし

私には効果があります。



もう2年以上やっています。 

朝が弱いと感じている方にお薦めです。

2014年7月14日月曜日

【心と身体】自ら人体実験 花粉症

思い出すと、7年前までひどい花粉症に悩まされていました。



花粉の季節になると、頭がボーっとして何も考えられない。

息が詰まってしまうような圧迫感。



妻と二人で、その季節には耳鼻咽喉科通いで、薬に頼った毎日でした。




或る日、ヘルスケアに詳しい知り合いが、「あれ? 今日は花粉飛んで

いるの? 最近 分からなくなってきた。」と発言。 その秘密を聞き

ました。



花粉症はアレルギーなので、自分の免疫が悪さをしているというもの。

免疫の少し狂っているという事なので、それを直せば良い。



人間の免疫細胞の60%は腸にある。腸は色々なものを吸収する機関

なので、防御網が必要。



腸内には沢山の細菌が棲んでいるが、善玉菌、悪玉菌のバランスが崩れ

ると免疫系も狂ってくる。逆に、そこを整えれば、免疫系も治ってくる。



善玉菌を増やすには、乳酸菌が利く。ただし、通常の乳酸菌は殆ど胃液

で死滅してしまう。



胃液を潜り抜けて、腸に届く乳酸菌を飲み、増やせば良い。

街の薬屋で売っている整腸剤の中でも、胃液に耐えられる種類がある。



それを、一年飲み続けると、腸内バランスが良くなって、体質改善され

る。私もそうやって、ひどい花粉症がちょっとぐすぐすするぐらいに

収まったよ。ただし、人によっては効かない人もいるらしいけど。



とのこと。


早速、教えてもらった整腸剤(植物性乳酸菌で胞子)を買って、妻と二人で飲み始めました。



そして、翌年。 二人とも花粉症の医者いらずになりました。



薬を飲まずとも、耐えられるぐらいの症状が減りました。


思わず、花粉症の他の友人に「あれ? 今日って花粉飛んでいるの?」

と憧れのフレーズを言ってしまいました。



たった二人の実績ですが、我々夫婦にとっては100%の効きでした。


当時は乳酸菌と花粉症の関係の記事は出ていませんでしたが、この

数年、健康系の雑誌や本、宣伝などにも言われ始めていますね。



ちなみに、整腸剤ではなくヨーグルトを毎食丼1杯食べる事でも良さそうです。



私にとっては、試して良かった人体実験でした。

2014年7月12日土曜日

【バレーボール】エリツィン杯

ネット動画でブルガリア戦(初戦)、カザフ戦、ロシア練習?試合を見ました。


ブルガリア戦は、現在の火の鳥のオールスターに近いスタメンでした。



眞鍋監督としては、エリツィン杯は2014年火の鳥のウォームアップ試合だと

考えているのだと思いますが、初戦はベテランにまず試合勘を取り戻して

もらって、手堅く1,2セットを取って若手に繋ごうと思っていたのではないか

と推測します。




しかし、始まってみると勝ちはしましたが全然楽勝ではありませんでした。




今のチームは確かに攻撃力はとても上がっていると感じます。長岡選手や新鍋

選手のライト攻撃、木村選手、石井選手、大野選手も良い感じです。




しかし、ブルガリアに点を取られ過ぎました。一つ間違えば負けていたかも。



佐野選手も入っているのに、なんでこんなに点を取られるのだろう??と思

いながら見ていました。  防御力が落ちています。




私の感じたのは、3点です。


①やはりブロック力が大幅に低下している。

ちゃんとした位置、タイミングで跳べていないので、穴だらけに見えました。

それによって、過去見たこと無い程 リベロの佐野選手の守備範囲と対応し

なければならない球の角度が広がっています。

ロンドン組のメンバーは比較的跳べていますが、新メンバーはまだちゃんと

跳べていない様に見えてしまいました。



②ディグ等でも佐野選手の動きとの連携がとれていなく、勿体ないぶつかり

合いや、お見合いなどありました。


又、ボールが大きく動いている時、それに対応したコート上の移動をしてい

かないと対応できませんが、新メンバーはまだ動けていない様子。

棒立ちになっています。ネット際のブロックこぼれ球への食らいつきも新メ

ンバーは動けていません。Vリーグでは攻撃だけの事しかしていないので、

どうして良いのか分からないのかもしれません。



眞鍋監督の新戦術では、きっと単機能の人は要らなくて、マルチ機能を果た

せる人が必要なはずです。MB1/MB0では、攻撃力アップと同時に今まで

MBがやっていた防御面の機能もカバーする義務が起こってきます。ここを

どう埋めるのかが、監督の最大の悩みなのかもしれません。



③宮下選手はあわてすぎている気がしました。

折角、佐野・新鍋・木村選手がA,Bパスを多く返してくれるのですから、

それを信頼してもっと落ち着いてトスアップすれば良いのですが。




新メンバーは皆 身体能力の高い人ばかりですので、①、②、③とも

意識を切り替えればかなりの事が出来るのではと思います。進化が楽しみです。



尚、この試合で、初めて佐野選手のオーバーハンドのプレイを見る事が出来ました。

面白かった。


2014年7月5日土曜日

【心と身体・松平バレーボール】素早く跳ぶ身体の使い方

「一流選手の動きはなぜ美しいのか」 小田伸午 角川選書 を読みました。


古武術での身体の使い方などは、甲野善紀さんの本なども沢山出ていますが、

この著者の小田氏はラグビー日本代表のトレーニングコーチをしていた人。

でも、書かれている事はかなり似通っています。



・主観と客観の違い

スポーツを科学的にみる時は、写真やビデオなどで身体の動きを分析した

りしますが、身体部分の位置の変化=客観に囚われるのではなく、どいう

いう身体感覚=主観にすれば、結果としてそいう身体の変化になるのか

という事が大事。 客観と主観にはGAPがある。


力を出そうとしてリキむと、逆に筋力が消されて物理的な力が出なくなる。など。



・筋力に対する誤解

武術の達人は筋力による力ではなく、重力落下を使った身体技法「膝の抜き」を使う。

それにより、自分の身体の重力落下の力を相手に伝えて影響を与える。



又は、地面反力を使う。

足裏を地面と平行にしたまま足を地面からほんの数ミリ抜き上げ、身体が下に落下した

所で、すかさず足裏全体で接地し踵近辺で体重を受け止める。こうするとジャンプ後に

落下して受け止めた時と同じぐらいの地面反力が得られる。

これを使うと素早く跳ぶ身体使いが出来る。



ミュンヘン五輪に向けた松平全日本の時、

当時のコーチ陣は、筋力が全てとは思っていなかった。「外力=重力、地面反力」を

活かす筋力の使い方を目指していた。


190cmを超える大型選手(森田、大古、横田など)が、相手より早いクイックを跳ぶ

能力を身につけたり、アクロバットの様な身体つかいを練習したり、コート1周を

逆立ちしたまま歩いたりする練習に明け暮れました。


これらには、力を入れるのではなく、力感を抜いた身体つかいを自然に覚えるメニュー

が組み込まれていました。


森田選手が、一人時間差をあれほど効果的に使えたのは、他の外国選手よりも素早く

跳ぶ身体の使い方が出来た事が効いています。



その後の時代は、ウエイトトレーニングが進歩的科学的トレーニングとして流行し

てしまいました。


筋力は必要なだけあればよく、外力の使い方こそが習得すべき事なのに、ウエイト

トレーニング病=筋力信仰 の様なものが出来てしまいました。



(最近の木村沙織選手の記事で、ウエイトトレーニングを頑張る!という発言を読み

ましたが、ちょっと不安を感じます。


ぜひ ウエイトトレーニングと同時に、力を抜き 外力を使う身体の使い方のトレ

ーニングを全日本では取り組んでいただきたいと思います。)



・立って止まっている人が素早く前に動くには。

右足を1m先の地点に素早く一歩踏み出すにはどうするか?

①左足のつま先に荷重して、つま先で身体を蹴りだして右足を踏み出す。

②左足の踵に荷重して、身体を押し出して右足を前に踏み出す。



正解は②。一流選手は②をやる。


以前、全日本のレシーブ練習をTVで放映していた事がありました。

そこで、佐野選手のレシーブのスロービデを見たのですが、まさにこの②

をやられていました。 


その映像を見た時は、理屈は分かりませんでしたが、他の選手の動きと足の

形が違う。右に跳んでいるのに左足で蹴っている。と思いました。

やはり、達人の素早い動きになっていたのですね。



この小田氏の本では、頭部はいつでも垂直に保つ。顔は顎を上げぎみにして目

の緊張を抜く、観の目(対象物その物を見るのではなく、遠方や八方を見る様

な見かた)が達人の身体つかいとして挙げられていました。



こういう視点で、各選手の動きを見ていくと、又、新たな発見がありそうで楽しみです。