2017年11月25日土曜日

【自然】光害 クリスマスイルミネーションへの違和感

私の住んでいるマンションでは、11月の声を聞くと、管理組合や自治会の役員の人達が毎年エントランス前の植物に、LEDランプのチェーンを付けて、夜は一晩中点灯。
クリスマスイルミネーションを行う。

駅前にもクリスマスイルミネーションが色々と設置されて、それはキレイ?な光景が始まる。

クリスマス前には戸建ての庭でも、そういうイルミネーションを付ける人がいくつも見られる。

昔は、自宅や、モミの木に豆電球をつけてクリスマスを祝うというのはあったが、LEDになってから、屋外の色々な所で、数ヶ月もLEDイルミネーションをそこここで見かける様になった。

私はそれを見ると、人間の驕り、人間による自然破壊に見えてしかたがない。


LEDを付けられた植物は、本来の太陽による生体リズムを絶対に壊される。光合成機能などはどうなってしまっているのか?

植物でも、暗い時間は睡眠のような休息の時間になっていたはず。それを、夜中LEDの光と熱にあてられて、不眠症ややけどになっているのではないだろうか?

「光害」という言葉がある。

もう20年ぐらいも前の事だが、新幹線に乗って大阪から東京に帰って来る時に、浜松の手前で、線路脇にメチャクチャ明るいショッピングセンターが見えた。

新幹線の中でビールを飲んですっかり良い気分になって、ぼんやり外を見ていた私は、その光(当時は蛍光灯だったのかもしれない)を見て、意識がハッとした事を鮮明に覚えている。

そして、この光は絶対に宇宙からも見えるなと確信した。

はっきり言って光のムダ使い。電力のムダ使い。
ぼんやり寝ようとしていた生物を起こしてしまう環境破壊。

それ以降、東海道新幹線を乗る都度、そのショッピングモールがどうなっているのかを観察する様になった。

今は、当時からかなり落とした輝度で照明している。それでも、人工衛星からは見えるのだろうとは思う。

人間にもサーカディアンリズムという物があるが、植物や虫にもそういう光による天然のリズムが絶対にあるハズ。

それらを、どんどん壊していくクリスマスイルミネーションや、不用意な街路灯など止めるべき時期に来ていると思う。

又は、もう少し進化させて、植物には影響を与えない波長でとか、人が近づいて来た時だけ点灯する等の方策を入れるべき。

「キレイ、キレイ」と幼稚に喜ぶのでは無く、自然と調和する道を検討すべき時代になってきている。

2017年11月13日月曜日

【本】自閉症感覚 テンプル・グランディン NHK出版

自らも自閉症を抱えながら、動物科学者として活躍する著者は。「自閉症感覚」は磨けば光るダイヤの原石だという。との事。

自閉症スペクトラムと最近は言い、思いものから、アスペルガーの様に軽いものまで含んで呼ばれているらしい。

高機能性の人は、言葉も仕事の能力も高い人が沢山いる。アインシュタインとか。

自閉症スペクトラムの人は、「通常」と言われている人と比べて、色々違った感覚を持つ事が多い。

テンプルさんは、どういう感覚を持って生きてきたのか、世の中で暮らすには、どういう工夫をしてきたのか。

「自閉症」と「天才」は生み出す遺伝子が同じなのではないか。以前は同じ症状を天才と呼んでいる事もあった。

自閉症の人は、社交は苦手だが、ある領域を緻密に細かく詰めていく事などは得意。

現在の科学技術の発展は自閉症の人達がいたから実現できていて、社交的な{普通の」人ばかりだと、こういう世界にはなっていなかった。

自閉症の子供にはどう接して教育していけば良いのか? 大人にはどうしたら良いのか?

とても、具体的に、自身の経験を描写しながら教えてくれます。

わが子にちょっと気になる事がある親御さんは読んで見る事をお勧めします。

もっと早く読んでおきたかった一冊です。

【ビジネス】銀行の仕事

先日、久しぶりに銀行に行きました。

送られてきた預金の出入りのダイレクトメールの読み方が分からなかったので仕事のスキマ時間に聞こうと思ったのです。

銀行のフロアに入ると、券売機の様な順番シートを出す機械があります。

その他の項目のボタンを押し、番号シートが出てきました。

又、その横にフロア係をされている行員の方がいます。その人にメールの読み方だけが知りたいのだが、と話しをしたが順番をお待ちくださいというのみ。

15分待っても、順番にならないので、頬杖ついて待っていました。

フロア係の人が、近づいて来て「もう少しお待ちください」との事。でも、カウンターの中の女性行員さんたちは、談笑したりもしている。。。

時間が無くなったので、そのまま出てきましたが非常に腹が立ちました。

なぜならば、メールの読み方など、行員のフロア係の方も絶対に分かるハズだし、カウンタの中の人も談笑せずに1分で説明してもらえる様な内容です。

慇懃無礼な 非効率な仕事の仕方に本当に腹が立ちました。

同じようなシステムはドコモショップなどでも見かけます。

何の為にフロア係を置いているのだろうか?
お客の内容によって、臨機応変にサバク事を何故させないのか?

私は、よっぽどの事が無ければ銀行窓口に行く気がなくなりました。

それにより、人員削減につなげようという銀行経営者の思惑なのでしょうか?

非常に 印象悪いですね。

【政治/本】日本はなぜ、「戦争ができる国になったのか」 矢部広治 集英社インターナショナル

「横田空域」という言葉は、どこかの記事で空域図を見た事があります。

日本列島の中央を太平洋から日本海まで横断する形で、東京、神奈川、埼玉、栃木、群馬、新潟、山梨、長野、静岡の上空の空は米軍の支配下に現在もあり、日本の民間航空機は米軍の許可がないとそこを通れ無いとの事。

非常にインパクトのある図で、本当にこんな事があるのか? でっち上げのデマなのではないか?と最初は思いました。日本の国土の上なのに。

皆さん、「横田空域」と検索してみて下さい。

東京都の知事の議会の発言の中で、「羽田空港の国際化や、さきに提案した羽田空港の再拡張の早期実現のほか、首都圏新空港の整備あるいは横田飛行場の民間航空利用と横田空域の返還など、首都圏の空港機能の充実を国に働きかけてまいります。」と出てきます。

本当にあるのですね。

この横田空域が何故あるのか? 日本国憲法は国際での平和主義を謳っているのに、何故自衛隊がいるのか? この前に行われた集団的自衛権が出来る様にすると、安倍政権が無理やり法律を通したのは何故なのか?

そして、ロシアが北方領土の返還の話に全く乗ってこないののは何故なのか?

沖縄や日本の各地に米軍基地があるのは何故なのか?

これらの疑問を、戦後 何が起こって、こういう現状になったのかを、この本は秘密解除になった公式文書等を使って明確化しています。

私にとって、初耳=知らなかった事が山の様にあり、でも、こういう流れならば、今まで漠然と違和感のあった殆どの事の辻褄が合うと感じました。

余りに 膨大な内容ですが、非常に平易に書かれているので、すんなり入ってきます。

本当は何回か読み返した方が良い本だと思うのですが、1回読んだ所で心に残ったポイントを記したいと思います。

敗戦時は、戦勝国側も国連の立ち上げようとする動きの真っ最中で、国連の理念を日本国憲法にも反映させようとマッカーサーは考えた。だから、あの様な書き方になっている。

そして、日本の占領終了後に駐屯するのは国連軍とし、それで日本を守る、日本が他の国を再度武力で攻撃するのを防ぐという2つの目的を果たすという構図であった。

そこに、朝鮮戦争が勃発し、ソ連が抜けていた間に、米国が国連軍として総指揮を取って北朝鮮を排除するという事に国連で決まった。

よって、日本に駐留しているのは米軍ではなく国連軍という位置づけ。そして、朝鮮戦争は、休戦という中途半端な形でこの60年来ている。まだ公式には休戦状態。よって、今も国連軍として米軍がいるという構図が続いている。

又、日本国憲法で平和を謳ったにも関らず、占領中にマッカーサーから警察予備隊や海上保安庁が命令されて作らされた。

これも、朝鮮戦争で軍人が出払った日本に置ける米軍基地を守るために警察予備隊は造られ、海上保安庁も朝鮮半島の海の機雷を掃海する為に組織され、現場に派遣された。

これによって、平和憲法の理念(戦力を持たず)は、矛盾を持つことになった。

しかも、米国は徐々に交渉や罠をしかけて、国連軍でない米軍も日本が支援しなければいけないという条約や密約を日本にむすばせた。

よって、現在も自衛隊は米軍基地を守るという事が第一義となっている。

又、米国が軍事行動を行う場合、日本の自衛隊は全て米軍の指揮下に入り、米軍の指名する者が総指揮を執る事が決まっている。

さらに、米軍は日本のどこを基地にしても良いという権利を持っている。

沖縄問題やオスプレイ問題の時に、よく「地位協定」という言葉が出てくるが、その中身を知っている日本人は殆どいないのではないだろうか?

又は、それは沖縄の話で、本土にはあまり関係の無い事と思っていないだろうか?

少なくとも、私はそうでした。

でも、前述の米軍との関係は、安保条約+地位協定+密約 で構成された公式の国と国の約束になっているとの事。

日本政府は、個別自衛権までは憲法の範囲だが、集団的自衛権は憲法違反になるからできないと、ずっと米国に抵抗してきた。

米国からは、いつでも米国の指示の下で日本の自衛隊も戦力として使える様にすべしとの要求がされてきており、安倍政権は憲法を無視する形で、その要求に日本を差し出してしまった。

ロシアからは北方領土を返還したら、米軍基地は置かないという約束が出来るか?と聞かれて、それは出来ないと答えた事で返還の話は暗礁に乗り上げているとの事。


この本は、当時、どの様な背景で、かつ、どの様な手口で日本が絡めとられてきているのかを緻密だが平易に教えてくれます。

私はこの話の裏取りはまだできていないので、時間かけならがして行きたいと思いますが、こういう裏舞台があるという事は、日本人は皆 知っておくべきだと思いました。

長くなってしまいましたが、それだけ衝撃のある本でした。ご紹介したのはホンのサワリですので、詳細は読んでいただく必要があります。

ぜひ、イデオロギーに関係せず、一度は読んでおくのが良いとお勧めします。

2017年11月5日日曜日

【政治/本】叩かれても言わねばならないこと。 枝野幸男 東洋経済新報社

枝野さんという人は、東日本大震災の官房長官という印象がとても強くて、かなりまじめで実直な人というイメージを当時持った記憶があります。

勿論、「直ちに人体に影響が出る事は無い」等の歯切れの悪い表現が多くて、フラストレーションは感じていましたが、彼自身というよりも、それをバックアップして情報を出すべき体制の方が不十分なんだろうなと感じさせるものでした。

その後の東電の二転三転する説明や、保安院、政府、政治家、有識者、マスコミの乱れる説明や報道にこの国の弱さが強くでたのを当時感じました。

今回の立憲民主党という動きでクローズアップされた枝野さんはどういう人なのかを知るためにこの本を読んでみました。

これは、震災の1年半後に出版された本です。

色々書かれていますが、気が付いたのは
・この人はイデオロギーよりも、現実的に
 考える人なんだなという事。
・平易な言葉で説明できる人でもありそう。
・視点は、新規事業開拓をして日本国を時代
 の変化(発展途上国が新興国に進化してく
 グローバルな流れ)に対応して生き残らせ
 ようと考えていて、企業人にかなり近い
 センスの人なんだという事。

本に書かれている一つ一つの具体案は現時点で見ると外れている物もあると思いますが、モノの見方の基本や、考え方は違和感が少ない人だなと感じました。

選挙の時に、「保守やリベラル」という構図ではなく、「上から政治か下から政治か」だと主張していたとの事でしたが、立ち位置はなるほど と合点がいきました。

多分、改憲や、経済政策等も自民党の現実路線派の人の考え方とかなり近い物を持っていると思われますが、それを、立憲主義(国民主権)を無視したやり方で勝手に決めて行うのはダメというスタンスなのだと思います。

政党の名前の立憲民主という、そのままの考えですね。

そういうスタンスを期待して投票した人も多かったのだと思います。

現実的なソリューションを提案できないで批判ばかり言うのはダメですし、従来事業の延長線上でしか考えられないのや、内向き争いばかりしている政治家もダメ。

新規事業はリスクがあって当然ですし、既存勢力からの強い抵抗と足の引っ張り合いもあると思います。

多くの人間は、もっと楽な方に日和見をしてしまう。様子見という言い方に隠れたりもします。

でも、ブレークスルーを仕掛ける人が成長には必要です。

経済面だけを見ると、第2次安倍内閣の最初の1-2年はそういう動きが見れた様に思います。

枝野さんは、良い人脈ネットワークを作れれば、変革をしていけるのではないかなと思えた1冊でした。