2015年8月29日土曜日

【バレーボール】ワールドカップ2015 東京大会

ワールドカップの第1ラウンドが終わり、明日から
第2ラウンドに入ります。

試合結果はさておき、見ていてスゴイなと思う事
が幾つもあります。


一つは、木村選手のパフォーマンス。

ロシア戦は、本当に2010~からロンドン五輪ま
での木村選手を思い出しました。解説の竹下さん
も「今の顔の木村には、どんどん玉を集めたら決
めてくれる」という趣旨の事を言われていました。

顔つき、眼つきとも、真剣度100%の集中をして
いるのが良く分かりました。
スパイクもズドンと半端なく、ロンドンに向けて好
調の時の音です。

見ていて、彼女の気持ちや覚悟が伝わって来る
気がします。これだけでも、素晴らしい物を見せ
てもらっているなと感じます。


二つ目は、古賀紗理奈選手。

本当に、万能の様な活躍をしています。まだ相手
に研究されていないという有利な面はありますが、
こんなに安定して活躍してくれる選手はロンドン前
の木村選手のイメージそのものです。

若さとパワーによる爆発というのではなく、工夫
と冷静な技術によって打ち抜いて行くという所が
素晴らしい。

マスコミが名づけた木村沙織二世というキャッチ
フレーズは皆が感じているものだと思います。
古賀、木村が同じコートで試合をしているこの風景
は、長くとも来年までの短い期間しか無いと思われ
ますので、この瞬間を見れているという事自体が
感激的です。


三つ目は、長岡選手の職人技。

以前の竹下選手や佐野選手の職人技に感服して
いましたが、長岡選手のスパイクもその域に近づ
きつつあるのではないでしょうか?

フジテレビは話題盛り上げも狙って古賀選手をエ
ースと盛んに言っていますが、今の全日本のエー
スは紛れもなく長岡選手だと感じます。そのプレ
イを見ていると、良い物を見せてもらったなと感じ
ます。


四つ目は石井選手の可能性。

まだまだ潜在能力を発揮しきっていない。本当
はどれだけの能力があるのだろう。と感じさせる
選手です。攻撃でも守備でも。何かを起こしてく
れるのでは、、と毎回思います。プレイを見る
のが楽しみです。


一方で、残念なのが迫田選手の活躍がなかな
か見れない事。セッターとのタイミング合わせが
出来ていない(又は、分かっていてもセッターが
そういうトスを上げられない)様に見えます。

第2ラウンドではそこが改善されて、あの美しい
迫田選手のバックアタックが沢山見れる様にな
れば良いのですが。


第2ラウンドで、さらにチームと各選手が成長し
ていく姿を見て行きたいと期待しています。

2015年8月23日日曜日

【本】社会の真実の見つけかた 堤未果 岩波ジュニア新書

新聞やテレビニュース、政府発表などに何となく胡散臭さ
や意図的な情報操作を感じている人に、ピッタリの本です。

中高生向けに書かれた本ですが、内容は骨太です。


第1章 戦争の作り方

9.11以降の米国で、どのように「テロとの闘い」という名で
メディアや政治がどう煽り立てて、一般市民を戦争に巻き込
んでいったのか。

実際に、真心で自ら志願して戦場に行き、帰ってきた若い
兵士が、どうしてこんな事になってしまったのかを振り返る
事で、真実の姿がやっと自覚できた内容。


第2章 教育がビジネスになる

最近「経済的徴兵」という言葉が語られますが、実際に米国
で起こっている事をこの章で経緯を含めて種明かししてくれます。

政府のやり口は、「落ちこぼれゼロ」法案を通す事でそれは仕込まれ
はじめました。

全国 学力テストが義務化されて、それで点数が悪い教師や学校
は排斥されるという法律が施行されました。

それにより、数学と国語の成績で生徒も教師も評価されるとのこ
とで、音楽や体育などの授業は無くなり数学と国語ばかりの時間
が増える。点数を上げる為には学生に積極的にカンニングさせる
教師が出る。障害児にも全く同じテストを受けさせて評価する。。。
点数の良い学校には予算が配分され、点数の低い所はさらに学習
しにくい環境に落ちていく、、

こんな事が米国では起こっているとのこと。

又、「テロとの戦い」の為に軍事費を拡大して、教育に関する
費用が削減され、低所得者の子の学費援助など削減。
奨学金の金利も上昇し、中産階級の子達も数百万から1000万
ものローンを抱えて卒業するという事になりつつある。
これらの子達に対して、軍がリクルートする。
社会保障や、教育資金を提供するよ。。。。と

これが「経済的徴兵制」の実態。


第3章 メディアがみせるイメージはウソ? ホント?

この章は本書を読んでください。


第4章 社会は変えられる

オバマ選挙で活躍した若者たちは、すっかり幻滅している。
でも、そんな中でも自分達で社会を変えようとして成功して
いる動きがある。リタイア世代と若い世代の両方で。

眼をそむけているよりも、この社会を変える方法はある事
を実例で紹介。



読んでみて、ナルホド 米国はこんなになっているのか、と
良く分かります。

自民党政権がこの10年ぐらいで進めてきている政策と非常
に良く重なっていて、今の日本の市民や学生が直面している
困難(政治も生活も)は、こうして「しくまれた」のか。このまま
行くと日本もこうなるのでは、という事を理解する良いヒントに
なると思います。

若い人からシニア層まで、一度 読む価値ありです。

図書館にもあると思います。お薦めの1冊です。

2015年8月13日木曜日

【安保法案 】何が問題なのか?

新聞、テレビ、雑誌 で戦争や終戦に関しての意見、情報が
溢れていますね。賛成派、反対派のどちらの意見にも、そう
だね と思う部分があります。


提案されている法律の範囲の曖昧さが、話をややこしくして
いるという面もありますが、私にとって一番引っかかってい
るのは、立憲主義と主権在民 がなし崩しに崩れるのでは
ないか? という点です。


「主権在国家」を掲げる憲法変更案を提案する自民党が、今回の
安保法制を提案しているから、そう思えるのかもしれません。
憲法違反だと多くの法学者から指摘されているのに、憲法を
守るべき国会議員と政府が自己解釈だけで既成事実を作ろう
としているのは、ルール違反と感じます。


自民党や政権に近い人からポロポロ出てくる発言も、それに
対する麻生元首相の「法案が通るまでは、本音はつつしむ
様に」という党内指示なども、この政権は「2枚舌の信用でき
ない政権」感を作っています。


この人達(背後には米国がいて)は、良い事だけ言って、成
立した後は好きにされてしまう。という不信になります。



これらのムードが、自然発生なのか、情報操作されて作られ
たものなのかは判然としません。
ちゃんと議論しようとするならば、


政権は「主権在民」は変えないという明言をする事。
その上で、9条の改定の是非だけに絞った国民投票を行う
のが良いのではないかと思います。


それ以前に、「国際情報戦略」は本腰を入れて日本は進め
る事が必要だと思います。すでに、経済や日常生活、政治
面も含めて潜在的脅威が来ていて、個別自衛が必要な段階
に来ているのだと思います。
そして、これが外交交渉力の向上になります。
武力衝突を防止・回避する最大のパワーになるでしょう。


過去に世界各地で繰りひろげられた、大国の代理戦争を
日本がさせられるのはマッピラですので。

2015年8月12日水曜日

【戦争と平和 本】国際情報戦に勝つために 太田文雄 芙蓉書房出版

著者は防衛大学を出て、兵学校教官、ゆうぐも艦長、スタンフォード
大客員研究員、米国防総合大学卒、護衛隊司令、在米日本大使館国防
武官、統合幕僚学校長、情報本部長、防衛大学校教授などをされていた
とのこと。

米国流を学んだ優秀な武官なのだと思います。

沢山の事が書かれています。そうだったのか!!と思ったり、本当に
そこまでやっているの?と疑いたくなったり、、、とにかくインパクト
のある本に間違いありません。


誤解を恐れずに。おおざっぱに書くと、

・軍事や政治における、情報戦の役割と過去の実績。
 孫子の兵法に則った考え方。

・メディアを使った情報戦(プロパガンダや、デマ)、教育などで
 国民、民衆はどう常識を洗脳しているのか。

・大きな嘘も、何回も何回も言うと、それが真実と信じられる。

・慰安婦問題、南京大虐殺、靖国問題、尖閣諸島、竹島、北方領土
 の各問題で、各国はどう情報戦を繰り広げて、自分に有利な
 世界世論を作っているのか、作ろうとしているのか。

・それらに、対する日本のふがいない現実。考えられる対抗策。

・世界の情報戦部隊と日本のあまりな貧弱さ部隊。
 インテリジェンス、カウンターインテリジェンス。

・サイバーテロも同じ流れ。戦場は物理的な武器よりも、仮想
 空間での武器での戦いが日常に入り込んで、国民に直接働き
 かける武器、戦場になっている現実。

・日本に対する政策提言。

となっています。


軍事や政治に限らず、ビジネスの場でも情報戦が大きな比重をしめ
つつある現実を私自身 日々感じていますので、ここに書かれてい
る「現実」も、あって当たり前だろうという気になります。


この日本語だけで書いているブログ自体も、この1年強の期間で、
アメリカから300回、フランス75回、ウクライナ70回、ロシア40回、
ドイツ30回、ポルトガル20回などなど、沢山の海外からの情報収集
アクセスを受けています。


市民の生活にこれほど、サイバー戦は食い込んできているのです。


インテリジェンス、カウンターインテリジェンスは個別自衛として
も外交力としても非常に重要だし、日本が武器の代わりに力や知恵
を入れるべき領域だとこの本は強く主張されていて、私も賛成です。


一方、インテリジェンスの最前線にいた著者は、日本国憲法の前文
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と
生存を保持しようと決意した」は全く現実離れしている。我が国
周辺にどんな国がどこにあるのか。 と言い切っている。

現実的になれ。という事を言いたいのだと思います。
その気持ちは理解できます。


但し、だからこそ、私は理想を実現するようにリードする役を
引き受ける国になるべきだと思います。


そうでないと、いつまでも孫子の兵法の世界で戦いあうだけで、
なんら進歩が無いと思うから。
それが出来る 位置に最も近い国が日本だと思うから。


この本に書かれてある事が、全て正しいと鵜呑みに信じる事は
できませんが、各国の動きの真実にはかなり迫っているのではと
感じます。


発刊されてまだ2か月ですが、この本は、安倍内閣の方針の支
持者にも、反対の人にも読んでみる事をお薦めします。

2015年8月9日日曜日

【戦争と平和】長崎市被爆70周年 での田上市長の平和宣言

表記の式典を午前のNHK中継で見ました。


その中で、長崎市長の方の話に感動しました。

こういう、しっかり「平和」を世界に話できる人材がいる事に。


「武力をベースにした”積極的平和主義”」という猫かぶりの論理ではなく、

非核の傘での平和主義をハッキリ言い切ってくれました。


戦争の酷さを知る、利害よりも人権を大事に考える世界中の人達の想いだと思います。

宣言文は以下のURLにあります。
http://www.city.nagasaki.lg.jp/heiwa/3020000/3020300/p027411.html


一方、安倍首相のスピーチは、官僚の書いた紙を単に読むだけ。

気持ちや意思が何も伝わってきません。

安保法案にも、やはり一言も触れない。


広島でも、長崎でも、戦争の実体験のある市民がどれほど安保法案に反対している

のかは安倍氏自身が感じて分かっているので、眼がオドオドし、一刻も早くこの場

を逃れたいという感情だけは良く伝わってきました。


こんな人が首相という事、与党という事に、本当にがっかりしました。


国連の事務総長代理の方の話で、広島・長崎の被爆者の方は 恨みや賠償などを

訴えるのではなく、二度とこの悲しみ苦しみに人類が陥らない様にと提案と活動

をしている事に感謝と、その意思の国連での推進を語ってくれました。


平和を希求するベクトルは世界市民の願いである事を、再確認でき心強く思いました。

2015年8月2日日曜日

【本 タイムトラベル】タイム・トラベラー(★小説ではありません) ロナルド・L・マレット 祥伝社

マレット氏は現役のコネチカット大学の理論物理学教授。


その彼は、10歳の時に亡くなった彼の最愛の父に再会したいという思いが強く、
ウエルズの小説「タイムマシン」を読んでからタイムトラベルをずっとライフ
ワークとして研究してきた物理学者。


一般相対性理論に量子力学などの素粒子理論を加えて、重力による時空の歪み
(重力が時空の歪みである事は、物理の世界では実証されている事実)を回転
するブラックホールにあてはめる時、その時間は未来と過去が繋がって閉じる
という事が理論的に予測されている。


それを拡張して、同様の時空の歪みは循環する細い光の周りでも起こり得ると
いう理論を提案したのがこのマレット氏。2001年の学会発表。


これは、レーザー光線を鏡屋ファイバーを使ってリング状に回らせる事により
実験ができる可能性がある。

現在MITにてリングレーザーを用いて、その実験を開始中とのこと。


具体的な理論の中身の詳細は殆ど無く、マレット氏の生い立ちとタイムトラベル
についての思い、研究のプロセスなどが書かれています。


提案された理論が、妥当性が高いものなのか? 良くあるエセ科学的な物なの
かは私には判断が付きかねますが、本の中に出てくる 基礎となっている
一般相対性理論やカーター博士の回転するブラックホールに於ける閉じた時間線
という様な話は、妥当性のある話として物理界では認められていると思います。


ですので、そこからの応用はあり得るのかもしれません。


実験の結果が今後出てくると、ノーベル級大発見という事になるのでしょう。


小説のタイムマシンと違うのは、マレット氏の理論で起こる閉じた時間線は
タイムマシンが出来た時点から後だけに起こる現象とのことで、マレット氏
が1955年に戻る事は許されないとのこと。


又、現代で作れるリングレーザーの出力で十分実用的な時空の歪みを作る事
が出来るのかはこの本だけでは不明です。(論文を読めばわかるかな)

タイムマシンが本当に実現したら、その時、未来人が現れるのかもしれませんね。


米国国防省などは、極秘実験を進めているのかもしれませんね。
未来の国防省から未来兵器が入手できますから。


アインシュタイン以降、時間と空間の一体性は数々の実証をされていますので、
こういう事が本当に起こっても不思議はないのかもしれません。


物理学や、タイムトラベル物に興味のある方にお薦めの一冊です。


今後も、マレット氏関連のニュースはワッチしていきたいと思います。