2015年8月23日日曜日

【本】社会の真実の見つけかた 堤未果 岩波ジュニア新書

新聞やテレビニュース、政府発表などに何となく胡散臭さ
や意図的な情報操作を感じている人に、ピッタリの本です。

中高生向けに書かれた本ですが、内容は骨太です。


第1章 戦争の作り方

9.11以降の米国で、どのように「テロとの闘い」という名で
メディアや政治がどう煽り立てて、一般市民を戦争に巻き込
んでいったのか。

実際に、真心で自ら志願して戦場に行き、帰ってきた若い
兵士が、どうしてこんな事になってしまったのかを振り返る
事で、真実の姿がやっと自覚できた内容。


第2章 教育がビジネスになる

最近「経済的徴兵」という言葉が語られますが、実際に米国
で起こっている事をこの章で経緯を含めて種明かししてくれます。

政府のやり口は、「落ちこぼれゼロ」法案を通す事でそれは仕込まれ
はじめました。

全国 学力テストが義務化されて、それで点数が悪い教師や学校
は排斥されるという法律が施行されました。

それにより、数学と国語の成績で生徒も教師も評価されるとのこ
とで、音楽や体育などの授業は無くなり数学と国語ばかりの時間
が増える。点数を上げる為には学生に積極的にカンニングさせる
教師が出る。障害児にも全く同じテストを受けさせて評価する。。。
点数の良い学校には予算が配分され、点数の低い所はさらに学習
しにくい環境に落ちていく、、

こんな事が米国では起こっているとのこと。

又、「テロとの戦い」の為に軍事費を拡大して、教育に関する
費用が削減され、低所得者の子の学費援助など削減。
奨学金の金利も上昇し、中産階級の子達も数百万から1000万
ものローンを抱えて卒業するという事になりつつある。
これらの子達に対して、軍がリクルートする。
社会保障や、教育資金を提供するよ。。。。と

これが「経済的徴兵制」の実態。


第3章 メディアがみせるイメージはウソ? ホント?

この章は本書を読んでください。


第4章 社会は変えられる

オバマ選挙で活躍した若者たちは、すっかり幻滅している。
でも、そんな中でも自分達で社会を変えようとして成功して
いる動きがある。リタイア世代と若い世代の両方で。

眼をそむけているよりも、この社会を変える方法はある事
を実例で紹介。



読んでみて、ナルホド 米国はこんなになっているのか、と
良く分かります。

自民党政権がこの10年ぐらいで進めてきている政策と非常
に良く重なっていて、今の日本の市民や学生が直面している
困難(政治も生活も)は、こうして「しくまれた」のか。このまま
行くと日本もこうなるのでは、という事を理解する良いヒントに
なると思います。

若い人からシニア層まで、一度 読む価値ありです。

図書館にもあると思います。お薦めの1冊です。

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