2023年2月27日月曜日

【自民党】本 自民党の女性認識 安藤優子 明石書店

 なんで自民党は家父長制の考えに固執するのか?


夫婦別姓やLGBTQ問題、森元首相の発言など、自民党の議員の発言は明治時代か戦前から全く変わっていない様に見える。


しかも、似たような発言が色々な議員から何度も何度も繰り返す。



自民党を見ていると、国会議員は国民の代表 とはとても思えないと感じていましたが、 それが構造的にそう作られているという事を安藤優子さんの本で初めて分かりました。


自民党は、その内部での教科書として、家父長制(妻は家庭長として家の事をやり、夫は外に働きに行く。)が家族のあるべき姿としているとのこと。


そして、議員は 自民党の議員の血族や、息のかかった地元の有力者しか候補者にしない仕組みになっている。


女性候補も、議員の父や夫が亡くなった後に、後援会が妻や娘を担ぎ上げて作っている。


後援会が集票マシンなので、その構図は変わらない。


彼らは、2世、3世となっていき、”職業は政治家です” というバカげた発言を堂々と言いきる。




つまり、自民党内の「常識」の基で、暮らしてきた人しか立候補させない。


当選者は必然的に、その「常識」を世間一般だと思い込んでいる人ばかりになる。



この本で、この国の変な政治のしくみが良く分かりました。



国会は国民の代表などという話は嘘っぱち。



今日現在 衆議院の465人の議員のうち、自民党議員は260人もいる。


そんな2世、3世候補者に投票してしまう事はマズイと言う事に国民は気が付かないと、この社会は変えられないと痛感しました。


2023年2月25日土曜日

【日本の電力エネルギーの解決策】本 水力発電が日本を救う 竹村剛太郎 東洋経済新報社

 著者の竹村氏は国土交通省で大型ダムを3つ作ってきた水力発電の専門家。2016年発刊の本です。


ダムの実情を良く知る竹村氏は、日本のダムは能力ポテンシャルを半分しか発揮できていないとのこと。


日本には沢山の既存のダムがあるが、ダムは発電と治水(洪水防止)の二つの目的での運用という事になっており、設計値の半分しか水をためていない。


現在の精密気象予報と組み合わせれば、多雨が来ない間は満水で発電し、多雨がきそうな時は事前放水で水量を減らしておくという運用が可能だが、実際には昔の法律に縛られていてそういう効率的な運用がされていない。


加えて、ダムは10%でもダム壁のかさ上げ(低投資で済む)をすれば、ダム湖は円錐の様な形なので貯められる水量は2倍に増やせられる。


これらを行う事で、現在の年間800~900億kWhに約350億kWhを増やす事ができる。約1.4倍になる。


さらに、現在発電で使われていない既存ダムが日本中に多くある。それらは、小投資で中小力水力発電用に改造することができ、それらを活用すれば、少なくとも約1000億kWhを生むことができる。


つまり、 運用変更+既存発電ダムかさ上げ、 中小電力を合わせると現状より約1350億kWhの追加。現在の発電量の2.5倍の発電量にできるポテンシャルがある。



水力発電は、多雨で山が多く、すでに既存のダムを多くもっている日本だから実現できる再生可能エネルギー。


風力や太陽光と違い、いつも安定した発電が可能な非常に良質なエネルギー源。


しかも、鉄筋を使わない構造で作られているので、今後100年、200年も大きな投資をしないでも活用できる。


投資済みなので、コストも安い。 勿論 Co2も出さない。と良いこと尽くめ。


との事。



ちなみに 2019年の日本の発電量統計を調べてみたら、水力 796億kWh、 原子力 638kWhとなっており、原子力発電の2倍以上の電気を水力で得る事が十分可能となる事が分かります。


政府は、原発再稼働よりも、水力発電を徹底的に使いこなす事をすべきだと強く思いました。