著者は防衛大学を出て、兵学校教官、ゆうぐも艦長、スタンフォード
大客員研究員、米国防総合大学卒、護衛隊司令、在米日本大使館国防
武官、統合幕僚学校長、情報本部長、防衛大学校教授などをされていた
とのこと。
米国流を学んだ優秀な武官なのだと思います。
沢山の事が書かれています。そうだったのか!!と思ったり、本当に
そこまでやっているの?と疑いたくなったり、、、とにかくインパクト
のある本に間違いありません。
誤解を恐れずに。おおざっぱに書くと、
・軍事や政治における、情報戦の役割と過去の実績。
孫子の兵法に則った考え方。
・メディアを使った情報戦(プロパガンダや、デマ)、教育などで
国民、民衆はどう常識を洗脳しているのか。
・大きな嘘も、何回も何回も言うと、それが真実と信じられる。
・慰安婦問題、南京大虐殺、靖国問題、尖閣諸島、竹島、北方領土
の各問題で、各国はどう情報戦を繰り広げて、自分に有利な
世界世論を作っているのか、作ろうとしているのか。
・それらに、対する日本のふがいない現実。考えられる対抗策。
・世界の情報戦部隊と日本のあまりな貧弱さ部隊。
インテリジェンス、カウンターインテリジェンス。
・サイバーテロも同じ流れ。戦場は物理的な武器よりも、仮想
空間での武器での戦いが日常に入り込んで、国民に直接働き
かける武器、戦場になっている現実。
・日本に対する政策提言。
となっています。
軍事や政治に限らず、ビジネスの場でも情報戦が大きな比重をしめ
つつある現実を私自身 日々感じていますので、ここに書かれてい
る「現実」も、あって当たり前だろうという気になります。
この日本語だけで書いているブログ自体も、この1年強の期間で、
アメリカから300回、フランス75回、ウクライナ70回、ロシア40回、
ドイツ30回、ポルトガル20回などなど、沢山の海外からの情報収集
アクセスを受けています。
市民の生活にこれほど、サイバー戦は食い込んできているのです。
インテリジェンス、カウンターインテリジェンスは個別自衛として
も外交力としても非常に重要だし、日本が武器の代わりに力や知恵
を入れるべき領域だとこの本は強く主張されていて、私も賛成です。
一方、インテリジェンスの最前線にいた著者は、日本国憲法の前文
「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と
生存を保持しようと決意した」は全く現実離れしている。我が国
周辺にどんな国がどこにあるのか。 と言い切っている。
現実的になれ。という事を言いたいのだと思います。
その気持ちは理解できます。
但し、だからこそ、私は理想を実現するようにリードする役を
引き受ける国になるべきだと思います。
そうでないと、いつまでも孫子の兵法の世界で戦いあうだけで、
なんら進歩が無いと思うから。
それが出来る 位置に最も近い国が日本だと思うから。
この本に書かれてある事が、全て正しいと鵜呑みに信じる事は
できませんが、各国の動きの真実にはかなり迫っているのではと
感じます。
発刊されてまだ2か月ですが、この本は、安倍内閣の方針の支
持者にも、反対の人にも読んでみる事をお薦めします。
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