2020年1月19日日曜日

【本】ローマ帝国 青柳正規 岩波ジュニア新書

先日のローマ教皇 フランシスコの訪日の時に語られた平和な世界へのメッセージを聞いてから、どうしたらそれが実現できるのかを考えています。

「国連」がその答えか? と思って何冊か本を読んで調べてみましたが、国連は残念ながら政治駆け引きの場、または、今だに第2次大戦後の戦勝国の体制を維持するための機関という事が続いている戦勝国連合による、戦勝国連合の為の組織という事が分かるだけでした。(国連憲章に、まだ敵国条項というのがあって、日本、ドイツはいまだに敵国として扱われているという事を、今の日本人はどれほど知っているのだろうか)


国連は各国が主権を戦わせている場で、日本人がイメージしている地球政府のような理念とは全く違う組織の様です。


一方、EUは多くの国の主権はあるものの、それを超えた主権をEUに認めて行われている連合組織であり、集団自衛(集団的自衛権では無い)を具現化しているという意味で、フランシスコ教皇のか言われた戦争の無い世界を目指した人類の試みだといえるのではないでしょうか?

EUをもっと調べようとした所、古代ローマをお手本としたのでは、、という話にぶつかり、ローマ帝国を調べてみることにしました。


ローマ帝国は何百年では足りないような非常に長い期間ありました。


シーザーとクレオパトラ、暴君ネロ、ハンニバルの像など、一部は面白くエンターテインメントとして映画などにもなっているので、私もそのレベルの認識はありました。


でも、この本を読んで、本当に小さな地域のローマ人が、どいういう風に拡大し、帝国を作り、そして滅びて行ったのかが良く分かりました。


共和制の建前の裏で帝国化をするなど、かなり大胆な政治の動きによって作られたのは、とても興味深いものだと思いました。


しかし、それ以上に感じたのは、シーザー達が活躍した紀元前数百年前の世界を、日本史で見ると縄文時代や弥生時代として、採取や農耕生活で非常に文明度が低い形で生活していると表している事。


記録や石作の遺跡が無いからかもしれませんが、ヨーロッパでの人々の暮らし(都市を持ち、軍隊を持ち、法律を持ち、民主制を持ち、科学技術を持っている)に比べて、日本の古代があまりに未開人的な表現しかされていない事に違和感を感じます。中国史に比べても同様です。

絶対に、そこには活発な社会があったはずです。


こんな貧しい日本史観は、やはり明治政府が政治的に作ったのでしょうか。

ローマ帝国史を読んで、とても寂しく、情けない気がしました。

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