2026年6月28日日曜日

【本】本当にわかる心理学 植木理恵 日本実業出版社

 世間によくある心理学系の本とは違い、心理学の答えを導きだした学者のプロセス(式にあたる)も書きたいという気持ちで書かれた本とのこと。


心理学といえば、ユング等の名前がすぐに出てきて、夢診断とか深層心理とかの話になりがち。でも、そういう目に見えないものの話をするのではなく、心理学でも事実に元ずく、実験心理学というものがこの半世紀できてきた。本書は研究手法によって心理学を分類して説明するとのこと。


歴史的な話を含めて、どういう手法で各答を調べ、検証していったかが分かりやすくかかれています。


著者の方の意図とはずれてしまうかもしれませんが、私が面白いなと思った所を書き出してみます。


・情けは人の為ならず

  「親切は他人のためでなく、巡り巡って自分のためになる」という意味だが、それは、親切な行為をすることで自分の中の「自己肯定感」が高まり、自分のことを愛せる人間になれるから。多幸感を感じられる。実際、「世話好きな人」は、みなポジティブで躍動感があり、幸せそうに見える人が多い。 逆に、人をいじめると、実は自分が傷つくことになる。


・美しい人は、きっと心も美しい

  人には美人ステレオタイプ(偏見)がある。「顔の美しい人は、天真爛漫で、狡猾さやアザトサがない」と感じている事が、実験ではっきり浮き彫りになっている。 ただし、そういう人がちょっと失敗すると、イメージとのギャップが大きいので必要以上に幻滅されてしまう。逆に、第1印象がキレイでない人がちょっとした気の使い方やふるまいにより、評価が急上昇する可能性がある。



・信じる者は救われる。信じ続ければかなう

  このポジティブ発想は心理学では正しいものと考えられている。相手を心から信じて期待すると、相手が願いどおりになってくれるような働きかけを「期待した側」が積極的にとるようになる。以心伝心ではない。「期待した側」の実質的なグッドアクションに起因している。



・なぜ初対面が大事なのか?

  人と出会うと相手の全体像をあっという間に作りこんでしまう。ひとたび作られた印象は修正されにくく、むしろ増幅していくことが分かっている。初対面で人間的な温かさ、人懐っこさを感じさせれば、ほぼ未来永劫に高評価が続く。(そうなると、同じことをした場合でも、相手からはやたらとポジティブに解釈してくれる事になる。)



・悪いことはもっと悪い事を呼ぶ

  ブロークン・ウインドウズ(割れ窓)現象がある。 街に窓の割れた車を1台放置しておくと、その近隣では急激に他の凶悪犯罪も増える。非社会的・非道徳的なことがいつまでも放置されているのを目のあたりにし続ける事は、誰もを苛立たせ、しだいに狂気にかりたてる。  ニューヨーク市のジュリアーニ市長は割れ窓現象撲滅を政策として正式採用し、その結果 ニューヨークのイメージはガラリを変わり犯罪も減少した。



・共感してもらうと、人は「お返し」をしたくなる

  相手に共感し、ときには相手以上に「私はあなたと同じ感情になっているんですよ」という事を表現すると、相手から信用してもらえるようになる。泣いている相手には泣かないでと言うのではなく、一緒に泣くことで共感する。



・アメとムチの法則

  相手をやる気にさせる方法として語られる事があるが、そんなに単純なものではない。ムチがきついと何もしないほうが得だと思い全く動かなくなる。 現実は、「アメと無視」が合理的。相手が望ましい行為をしてくれたら、それを大げさなくらいに褒めちぎり喜んでみせる。嫌な行為をしたら、叱責も非難もせず単に無視する。



・マインドコントロール

  「アメ」には2種類の与え方がある。その2種類の使い分けで人間の行動は簡単にコントロールされる。

一つ目は「連続強化」良いことをしたら必ずアメをあたえる。2つ目は「間欠強化」アメを与える場合とあえて与えない場合を意図的に設ける(頑張っても、必ずしも報酬が与えられるわけではないという状況を作る)。

人間、連続強化だけでは飽きてくる。長期間にわたって相手を操ろうとする人は2種を組み合わせている。

最初のころは連続強化によって信頼関係を強固なものとするが、それが完成したら、今度は間欠強化に切り替え、相手に意外性を与える。新興宗教など、巧妙なプログラム化している場合も。

「自分で決めたものは良い」という幻想も、誰でも心に抱いている。自分で選んだ気にさせる事でコントロールできる。



・記憶の達人の覚え方

  複数の言葉などを覚えなければならないとき、「なぜならば」という理屈をつければ覚えやすい。

また、記憶力の良い生徒は丸暗記ができる生徒ではなく、理解しようとする生徒である。自分のすでに知っている事と新しい情報を結びつける。



・集団が「ありがちなウソ」を作る

  人が集まると、それだけで「とりあえず合意しよう」とする雰囲気になる。すると、たとえそれが偏見であるとわかっているつもりでも、誰もが納得するような判断に、無意識のうちに全員が偏りがちになる。集団性が偏見を拡張してしまう。犯人の目撃情報などについても集団で思い出させるとエラーを起こしやすくなる。不正確な情報ばかりが増えてしまう。



・食べながら反論するのは難しい

  一緒に食事をしながら話をすると、相手に対して好意を持ちやすい。人は、何かを食べている時は、簡単に説得されやすく、しかも騙されやすい状態になる。



・強制的に思い出させると「偽りの記憶」が増える

  人は繰り返し想起するほどに、「絶対に間違いない」という確信を自分の中でどんどん強めてしまう。だから、初めの想起の時点から時間が経過すると、正しい情報も間違えた情報も、どちらも頭の中で真実となってしまう。


これ以外にも、沢山の事が書かれている本です。

心理学を理由も含めてちゃんと知りたいと思った人に、良い本かと思います。


2026年6月27日土曜日

【本】光の量子コンピュータ 古澤明 インターナショナル新書

 NTTがIOWNというデータセンターの内外を光でつなげて、コンピューティングを電子から光に置き換えていくという構想の事業を始めています。光化で 電力消費が1/100に、伝送容量も125倍にできるとのこと。


それに連動して、光量子コンピュータへのチャレンジも東大発ベンチャーと一緒に始めると発表しました。

2030年までに100万量子ビットを達成する。(使える量子コンピュータになる)ことを目標にしています。


古澤氏はその光量子コンピュータ研究をゼロから研究して立ち上げた人。

ムーンショット 誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発 プロジェクトマネージャー。

現在も東大、理化学研究所、ベンチャーを兼務して製品化に向けて進めている。


量子コンピュータは今 マスコミなどにホットな話題になっている。


それが出来ると、現在使われている大規模因数分解式の暗号が解読されてしまうのでヤバイ。(量子コンピュータでも簡単に解けない暗号方式=PQCに2031年までに米国政府機関の暗号は切り替えるようにトランプ大統領は命令書を出した)


現在のスーパーコンピュータでも解けない多数のパラメータを持つ計算を量子コンピュータは易々とできてしまう可能性がある。などなど。(重ね合わせや量子もつれを使って)


現在の世界各所で量子コンピュータ開発は争われていて、その方式も超伝導体を使った量子ビット方式、原子やイオンを使った量子ビット方式(イオンをレーザー冷却などで止めて行うイオントラップなど)、スピンを使った量子ビット方式(NMRを使ったり、ダイヤモンドのNVセンターを使ったり)、、など多種が競われている。(日本でも超伝導方式の量子コンピュータを理化学研究所で作成したり、光量子方式も研究している。)


超伝導他の方式は、極低温に冷やしたり、真空が必要だったりして大規模化が難しい。

一方、光量子方式は常温常圧、時間多重もつれで超多ビット化ができるなど大規模化(スケール)が容易。

しかも、IOWNなどの光通信との親和性が高い。

という事の様で、成功すれば量子コンピュータの本命になるのではと思われる。しかも、日本はデバイス技術ももっている。


この本は古澤氏が研究のとっかかりから、どうイノベーションを起こして光量子コンピュータの現実化にたどりつきつつあるのかを分かりやすく説明している。


重要なのは、量子テレポーテーション、大量に量子、量子もつれを作れるか、誤り訂正ができるか。らしい。


量子テレポーテーションは、瞬間移動ではなくて、手元の量子情報は消えるが、遠く離れた場所で同じ量子情報を取り出せるという事。

大量の量子もつれは、誤り訂正(多数決で決める)とも連動するが、社会課題に役立つだけの量子計算ができる量子ビット(実用化には数百万量子ビットは必要と言われている)を、光なので時間領域多重で作るとのこと。

量子ノイズの低減(良いスクイーズド光を作る=位相のそろって量子もつれのペアとなる光子を光パラメトリック発振器で作る)。


これらを、デバイス開発もNTTなどと行って、研究的には実用化レベルに持ってきている。



この技術が完成すれば、日本が量子コンピュータの世界でブッチギリの優位性を持てることになりそうで、とても期待したいと感じた。


生成AIで起こっているデータセンターブームとそれに伴う急上昇しそうな電力需要を、IOWNとこの技術で極限まで抑える事が出来るのではと予感できる。

人類にとって、大きな価値を生む技術だと思いました。


政府も含めてAllジャパンで応援と加速を図るべきテーマかと思いました。

お金も人も、もっと大規模に動員して時間を早められないのだろうか?


【本】量子力学と私 朝永振一郎 岩波文庫

 小中学生の時、日本のノーベル賞受賞の偉い先生は、湯川先生、朝永先生と習いました。

当時はお名前だけ。


高校時代に受賞テーマを聞きましたが、素粒子のしくみについての内容という程度の理解でしたが、そういう分野で二人の世界TOPレベルの研究者がいたという事は、日本の物理学っていうのはスゴイのかもという印象を受けました。


でも、戦前戦後のあたりの日本って、明治維新から半世紀強ぐらいしかたっていないはずなのに、欧米の後追いをしていた時期なのではないのか? 当時の日本が得意としているのは、養蚕とか発酵とかそういう生物、工学的な分野なのではないの? という漠然とした疑問をもっていました。


大学で物理を習いましたが、量子力学の授業でシュレディンガー方程式とか出てきて、意味わかんない という気持ちになって、それ以降は量子力学とはなるべく距離をおいて生きる(レーザーとか半導体とか量子の結果を生かしたマクロな話には沢山接しながらですが)事にしてきました。


たまたま、今になって量子を必要に迫られてちょっと勉強しようと、入門書を色々と読んでいるところですが、その中で本書も読むことにしました。


朝永先生は、あの「量子力学」でノーベル賞を取った人だから、書かれた本も超難しいに違いないと身構えながら読み始めたのですが、実はとっても分かりやすいし、やさしい本でした。


これを読んで、初めて湯川さん、朝永さんが当時の日本で世界TOPレベルの仕事ができた訳が分かりました。


量子力学は1925~30年ごろにハイゼンベルグとシュレディンガーによって数学的に発表され、今までの古典力学と全く異なり、理解できない世界を提示しました。

その当時の日本では、大学でも誰もそれを教えられる人もなく、欧州から帰国したばかりの仁科氏が理化学研究所で量子力学に興味を持つ学生や若手研究者を集めて独自サークル的にその最新論文等を読んで研究するという事を始めたとのこと。


そういう意味では、世界中の物理学者は量子力学に関しては皆 同じスタートラインで始めるという時代だった様子。


湯川氏も朝永氏も色々な量子のしくみを考えては計算してみてダメだった(答えが無限になってしまうなど)という事を繰り返して、研究していったとのこと。朝永氏は欧州に渡ってハイゼンベルグのいる研究所で研究もしています。


そういう時代と、お二人の努力で 日本人として初めて世界TOPレベルの成果を出してノーベル賞に輝いたという事がわかりました。 時代の変わり目に、若いパワーでうまく乗れたのですね。


本の後半に「光子の裁判」という法廷小説もどきのストーリーや、電光掲示板のランプのたとえで波と粒子の2重性や不確定性原理をわかりやすく説明しています。

今まで読んだどの入門書よりも分かりやすいのでビックリしました。


もっと前にこれを読んでいれば、、量子力学を毛嫌いすることもなかったかも と思った本でした。

理系を目指す高校生ぐらいにちょうど良い本かもしれませんね。


2026年6月21日日曜日

【本】ChatGPTとは何か  超絵解本 ニュートンプレス

 ついでに、最近話題の生成AIに関しての本も見てみました。2024年発刊なので、この世界は毎月のように進化しているから最新の情報ではないですが、この10年ぐらいの間でAIがらみで色々と話しにでてきていた言葉の意味やAI進化の中でどういう位置づけになって、どういう事をしていたのかがとても分かりやすく書かれています。 

畳み込みニューラルネット(CNN)や敵対的生成などなど、、、生成AIに関してもその基礎となる部分の仕組みも分かりやすいです。

マスコミはAIを万能のように報道しますが、実際の中はどうなってるの? という事を知りたい人におすすめです。


生成AIのさきがけとなった画像生成AI

 2015年ごろから 画像認識AI、2022年ごろから 画像生成AI、 2022年11月 ChatGPT


生成AIで、思い通りの答えをもらうためのプロンプトの考え方

 目的を伝える。役を指定する。出力形式を指定する。回答内容のレベルを指定する。英語で入力する。回答例を与える。


ニューラルネットワーク

 神経細胞のはたらきを人工的なニューロンで再現する。

 ディープラーニングは、人工ニューロンを多数用いて層状のネットワークを作ったもの。

 形式ニューロンによって学習する。形式ニューロンは、情報の入力を受け取って、それを「重み」と呼ばれるパラメータをつけて、形式ニューロンが破綻しないように「バイアス」を加算して情報を処理して学習する。


深層学習(ディープラーニング)

 画像認識:画像に含まれる特徴をAI自身がみつけだせる。

 自然言語処理:ある単語の次はどの単語がきそうかという特徴も、深層学習で急速に向上。


 機械学習:教師有り、教師無し。 

 ・誤差逆伝播法:出力と正解の差を求め、誤差を逆方向に伝えながらパラメータを更新していく。

 ・敵対的生成ネットワーク:生成された結果と本物を見分ける様に学習させたAIと生成AIを競わせて学習を行う。


 スケール則:モデルの規模(パラメータの数)を大きくするほど性能が向上する。

  ・多様なネットワーク構造を作りうるので、その中から最適なものを探せる確率が高くなる。(宝くじ仮説)


 Transformer:Googleが開発。自己注意機構で単語どうしの関係をベクトル化してつかむ。

  ・単語ベクトルは意味が近いほどベクトル同士の距離が近くなる。 ベクトル同士の距離は内積を計算する。これで、文章中の離れた位置にある単語どうしの意味的な結びつきを見抜く事ができるようになった。


 大量の「穴埋め問題」で性能が急上昇

  穴埋め問題はAIが自動で作れるし正解が分かっているので、膨大な文章データを事前に学習する事ができるようになった。


 ChatGPTでのファインチューニング

   教師有り学習 して、その結果を人間が順位付けして その順位つけを学習させて報酬モデルを作り、報酬モデルと生成モデルを組み合わせてループさせ、強化学習を繰り返す。


画像認識

 以前はCNN(畳み込みニューラルネット)が主流だったが、今はVision Toransformerが流行っている。画像をジグソーパズルのピースの様に分割して、ベクトル化する。


文字から画像を生成する

Stable Diffusionは2022年に公開された深層学習を活用したテキストから画像生成を行うモデル。

 Transformerを応用して、文字と画像の関係を学習。それを使う。

 ノイズを混ぜて画像の穴うめ問題も解かせて学習させる。(拡散モデル)

 画像生成モデル DALL・E。


【本】光と色の科学 ニュートン超絵解本 ニュートンプレス

 量子の話を読んだので、関連して光についても復習しました。


ダイヤモンドの中の光は40%に減速する。屈折率は、真空中と比べたときの光の遅くなる程度を示す指標。屈折率が大きいほど光は遅くなる。

 真空:30万Km. 水:22.5万Km. ダイアモンド:12.4万Km


色がちがう光はガラスの中でも速さも違う。 波長が短い光ほど、減速が大きい。(だから凸レンズでは色収差が起きる)(虹は水滴で。副虹は水滴内で2回反射)


逃げ水は空気で屈折。 

(雷は、湿気の多い所や原子、分子の多い所など比較的電気の通り易く、抵抗が少ない道を通るのでジグザグに進む)


ダイヤモンドのブリリアントカットは、上から入る光を全反射させて戻す。色分散もかかるので、明るく様々な色に輝いて見える。


火星の夕焼けと朝焼けは青い

 火星は大気が薄いのであまり散乱されないが、朝夕は通ってくる大気層が長いので青色が散乱されるように見える。 (地球では、青色は上空で散乱されるので長波長しか朝夕は通ってこないので赤い)


天才画家たちが生む出した独特の色使い

 補色を使うと、たがいの色が映えたり、絵全体が調和したりする効果がもたらされ、印象深くなる。  青⇔黄色 赤⇔緑 オレンジ⇔青緑 


光圧

 光を照射された物体は、物体中に存在する電子などは光が引き起こす電場と磁場の振動から力を受ける。直観的には、沢山の光子がぶつかるからと考えると分かり易い。


電子レンジ

 マイクロはは物質を作る分子の電子、そして分子全体を揺り動かす。それで温まる。


2026年6月17日水曜日

【本】量子論 14歳からのニュートン超絵解本 ニュートンプレス

 最近 量子〇〇 というな話題を良く聞くようになりました。

量子力学は学生時代に入門編を習いましたが、難しいし、言っていることが実感とかけ離れているという事で、なるべく触れないようにこれまで生きてきました。

でも、すでに数十年経っているので、ちょっと覗いてみようかという気持ちになりました。

大人向けの本は難しかろうと思い、中高生向けのこの本を借りて読みました。

驚いたことに、色々説明で語られているたとえ話は数十年前に聞いた事と変わっていない印象でした。 

教える側の人が良く理解していれば、人に分かりやすく説明できると思うのですが、説明が変わっていないという事は、量子力学に関しての人々の理解度は当時とほとんど変わっていないのかもしれません。

とはいえ、初めて知る事もあり、この入門書で覚えておきたいと思った点を記してみます。


・量子の二つの重要事項。

「波の性質と粒子の性質を同時に持っている」

 「一つの物が複数の状態をとることができる。状態の共存(重ね合わせ)」


・量子論が明らかにしたミクロな世界の事実として、

 「原子の姿は、原子核のまわりを”電子の雲”がとりまいているイメージ」

 「真空では物質が生まれたり消えたりする」

 「電子などのミクロの物質は、壁をすり抜けられる(トンネル効果)」

 「ミクロな世界では、完全な無も完全な静止もない」

・夜空の星が見えるのは、光に粒子の性質があるから。

・電気ストーブにあたっても日焼けしないのも赤外線の光子粒子は化学変化

 を起こさせるエネルギーをもっていないから。


・量子論が目に見える例
超流動
 ヘリウムはー269度近くまで冷やすと摩擦や粘性がゼロになる。
 ヘリウムの一部であるヘリウム4は「ボゾン」という粒子であるため。
 (光子の粒子は「ボゾン(ボーズ粒子)」。電子の粒子は「フェルミオン(フェルミ粒子)」)
 ボゾンからなる物体を超低温状態にすると、量子論的な波が同調して一つの波の様に
 ふるまう。
 その結果、ヘリウム原子全体が同調して流れるため、原子同士の衝突や摩擦がなくなる。
超伝導
 例えば水銀はー269度まで冷やすと電気抵抗がゼロになる。
 極低温状態で2個の電子がつくる「クーパー対」はボゾンとしてふるまうことで起こる。(電子は1個はフェルミオンなのに)
 クーパー対の超流動の様なイメージ。

・波と粒子
 電子を用いた2重スリット実験などをおこなうと、スクリーン上の一点一点が沢山
 集まると干渉縞模様になる。
 波としてきた電子が、観測を行うと収縮して粒子としての姿を現す。観測後は再び波
 として周囲に広がっていくと考えられた。
 うまくはイメージできないが、電子を波として計算して、そのふるまいを予測すると
 様々な実験結果をうまく説明できる。
 観測前は波として広がって(確率分布をもって分身して)存在している。
 ボーアなどは、「電子の波はマクロな物体と相互作用すると収縮が起こる」と考えたが、
 なぜそうなるのかは今も謎。

 但し、2重スリット実験でも、スリット直後に観測装置をスリット毎に置くと、スク
 リーンには干渉縞は現れない。 状態の共存が崩れるから。

・位置と運動量の不確定性関係 (ハイゼンベルク)
 不確定とは「実際は決まっているが、人間には知る事ができない」という意味ではなく、「多くの状態が共存していて、その後、実際に人間がどの状態を観測するかは決まってい
 ない」という意味と理解して。

・真空像

 自然界にはさまざまな量(物理量)の間に、不確定性関係が存在する。自然界はミクロ

 な視点で見れば、不確定であいまい。

 「エネルギーと時間」の間にも不確定性関係がある。

 何も存在しないはずの空間(真空)の、ある領域を拡大してミクロな世界を観察すると、

 ごく短い時間でみたとき、場所毎のエネルギーは不確定でゆらいでいる。ある領域が

 非常に高いエネルギーを持ち、そのエネルギーを使って電子などの素粒子が生まれて

 くる可能性があるの。

 ただし、真空から生まれた素粒子はすぐに消滅し、もとの何もない状態に戻る。

 エネルギーの不確定性は「ごく短い時間」という条件付きであり、長い時間では不確定

 性はなくなるから。「真空のもつエネルギーのゆらぎによって、素粒子があちらこちらで

 生まれては消えている」というのが量子論が明らかにした姿。


・トンネル効果

 ウランなどの放射性を持つ原子が「アルファ粒子」(ヘリウム原子核)(放射線の一種)

 を放出する現象は、核力の縛りによるエネルギーの山をトンネル効果ですり抜けて起

 こる。(注:ちなみに アルファ線:ヘリウム核、β線:電子、ガンマ線:電磁波)

 太陽の中心温度は1600万度しかなく、本来はプラス同士で反発して衝突しないはずの

 陽子同士が、トンネル効果で衝突して核融合反応を起こしている。


・場の量子論
 現代物理では、自然界の最も根源的な存在は、磁場や電場のような「場」だと考えら
 れている。磁場とは磁力が生じる空間、電場とは電気的な力が生じる空間を意味する。
 例えば、電子は「電子場」に生じた波だと考えられている。電子が存在しなければ、
 電子場は”平ら”。
 空間には電子場以外にも、素粒子の種類だけ場が存在する。多数の場が積み重なる様
 にして、同じ空間に同居している。
 (それぞれの場は独立しているのではなく、影響をおよぼしあう)
 つまり、私たちの体や身の回りの物体をつくっているのは小さな固い粒ではなく、空間
 と一体化した「場」だといういう事になる。
 場の存在を前提として量子論を「場の量子論」と呼び、現代の素粒子物理学の基礎と
 なっている。

・無から生じる有
 原子核や素粒子レベルでは、もともと存在していた粒子が消滅し、全く別の粒子が現れ
 る事が普通にある。その例としてβ崩壊がある。
 β崩壊:中性子(アップクォーク1,DQ2)が消滅して、陽子(UQ2、DQ1)、
 電子、ニュートリノが現れる。

・力の仕組みを説明
 量子論では力を”量子論的な粒子”のキャッチボールで説明する。
 2つのボート間で①ボールを投げるとその反動でボートは後退し、ボールの受け手も
 反動で後退する。⇒反発力
 ②2つのボートがお互い背中を見せる様に浮かんでいて、ブーメランを投げると2隻
 は近づく。⇒引力
  電磁気力:光子のやりとり。弱い力:W粒子。 強い核力:中間子  
 この3つは説明ができる。(重力:重力子はまだ)

 重力を統合するには、一般相対性理論と量子論を融合させる必要がある。
 その試みが「超弦理論」。
  超弦理論:素粒子をひもだと考える。極小のひもが様々に振動すると、その振動の
       違いが素粒子の違いとして見えるという考え。
       ひもは重力子だけは閉じていて、それ以外は開いた形と考える。

・量子論を応用した最新技術
  原子時計:電子軌道が計算できるようになったので。
  レーザー:誘導放出
  半導体:エネルギーバンド
  量子コンピュータ:状態の共存を使う。
  量子暗号:盗聴されると光子の偏光状態が変わる
  量子もつれで光子を配送:
   量子かぎ配送には、「量子もつれ」という現象を利用する方法もある。
   量子もつれは、量子論の中でもとくに奇妙な現象。例として、光子の偏光を考え
   ると、光子の縦横方向の偏光は、観測されるまでは縦と横の2つの状態を同時に
   取る事ができる(状態の共存)。この時、特殊な条件で2つの光子を作ると
   「共存状態でありながら、2つの光子の偏光の向きがそろっている状態」にできます。
   すると、この2つの光子がどれだけ離れていても、片方の光子の偏光の向きが確定
   した瞬間、もう片方の光子の偏光も同じ向きに確定する。
   量子もつれを利用すれば、人工衛星を使って遠く離れた2地点に光子を一気に配送
   する事が可能。(地上配送では光が減衰するために、中継地点を用意する必要がある)

以上だが、観測される物理現象は量子論の計算が合致しているのだろうが、出てくる話は
今聞いても 眉唾の話にしか思えない。 私の頭が古典力学で固まっているからでしょうか。

ただ、若い世代は、子供のころから量子論を聞いていて、世の中そういうものだとスンナリ飲み込めているのかもしれない。  若者に期待です。