2026年6月27日土曜日

【本】光の量子コンピュータ 古澤明 インターナショナル新書

 NTTがIOWNというデータセンターの内外を光でつなげて、コンピューティングを電子から光に置き換えていくという構想の事業を始めています。光化で 電力消費が1/100に、伝送容量も125倍にできるとのこと。


それに連動して、光量子コンピュータへのチャレンジも東大発ベンチャーと一緒に始めると発表しました。

2030年までに100万量子ビットを達成する。(使える量子コンピュータになる)ことを目標にしています。


古澤氏はその光量子コンピュータ研究をゼロから研究して立ち上げた人。

ムーンショット 誤り耐性型大規模汎用光量子コンピュータの研究開発 プロジェクトマネージャー。

現在も東大、理化学研究所、ベンチャーを兼務して製品化に向けて進めている。


量子コンピュータは今 マスコミなどにホットな話題になっている。


それが出来ると、現在使われている大規模因数分解式の暗号が解読されてしまうのでヤバイ。(量子コンピュータでも簡単に解けない暗号方式=PQCに2031年までに米国政府機関の暗号は切り替えるようにトランプ大統領は命令書を出した)


現在のスーパーコンピュータでも解けない多数のパラメータを持つ計算を量子コンピュータは易々とできてしまう可能性がある。などなど。(重ね合わせや量子もつれを使って)


現在の世界各所で量子コンピュータ開発は争われていて、その方式も超伝導体を使った量子ビット方式、原子やイオンを使った量子ビット方式(イオンをレーザー冷却などで止めて行うイオントラップなど)、スピンを使った量子ビット方式(NMRを使ったり、ダイヤモンドのNVセンターを使ったり)、、など多種が競われている。(日本でも超伝導方式の量子コンピュータを理化学研究所で作成したり、光量子方式も研究している。)


超伝導他の方式は、極低温に冷やしたり、真空が必要だったりして大規模化が難しい。

一方、光量子方式は常温常圧、時間多重もつれで超多ビット化ができるなど大規模化(スケール)が容易。

しかも、IOWNなどの光通信との親和性が高い。

という事の様で、成功すれば量子コンピュータの本命になるのではと思われる。しかも、日本はデバイス技術ももっている。


この本は古澤氏が研究のとっかかりから、どうイノベーションを起こして光量子コンピュータの現実化にたどりつきつつあるのかを分かりやすく説明している。


重要なのは、量子テレポーテーション、大量に量子、量子もつれを作れるか、誤り訂正ができるか。らしい。


量子テレポーテーションは、瞬間移動ではなくて、手元の量子情報は消えるが、遠く離れた場所で同じ量子情報を取り出せるという事。

大量の量子もつれは、誤り訂正(多数決で決める)とも連動するが、社会課題に役立つだけの量子計算ができる量子ビット(実用化には数百万量子ビットは必要と言われている)を、光なので時間領域多重で作るとのこと。

量子ノイズの低減(良いスクイーズド光を作る=位相のそろって量子もつれのペアとなる光子を光パラメトリック発振器で作る)。


これらを、デバイス開発もNTTなどと行って、研究的には実用化レベルに持ってきている。



この技術が完成すれば、日本が量子コンピュータの世界でブッチギリの優位性を持てることになりそうで、とても期待したいと感じた。


生成AIで起こっているデータセンターブームとそれに伴う急上昇しそうな電力需要を、IOWNとこの技術で極限まで抑える事が出来るのではと予感できる。

人類にとって、大きな価値を生む技術だと思いました。


政府も含めてAllジャパンで応援と加速を図るべきテーマかと思いました。

お金も人も、もっと大規模に動員して時間を早められないのだろうか?


0 件のコメント:

コメントを投稿