最近 量子〇〇 というな話題を良く聞くようになりました。
量子力学は学生時代に入門編を習いましたが、難しいし、言っていることが実感とかけ離れているという事で、なるべく触れないようにこれまで生きてきました。
でも、すでに数十年経っているので、ちょっと覗いてみようかという気持ちになりました。
大人向けの本は難しかろうと思い、中高生向けのこの本を借りて読みました。
驚いたことに、色々説明で語られているたとえ話は数十年前に聞いた事と変わっていない印象でした。
教える側の人が良く理解していれば、人に分かりやすく説明できると思うのですが、説明が変わっていないという事は、量子力学に関しての人々の理解度は当時とほとんど変わっていないのかもしれません。
とはいえ、初めて知る事もあり、この入門書で覚えておきたいと思った点を記してみます。
・量子の二つの重要事項。
「波の性質と粒子の性質を同時に持っている」
「一つの物が複数の状態をとることができる。状態の共存(重ね合わせ)」
・量子論が明らかにしたミクロな世界の事実として、
「原子の姿は、原子核のまわりを”電子の雲”がとりまいているイメージ」
「真空では物質が生まれたり消えたりする」
「電子などのミクロの物質は、壁をすり抜けられる(トンネル効果)」
「ミクロな世界では、完全な無も完全な静止もない」
・夜空の星が見えるのは、光に粒子の性質があるから。
・電気ストーブにあたっても日焼けしないのも赤外線の光子粒子は化学変化
を起こさせるエネルギーをもっていないから。
・量子論が目に見える例
超流動
ヘリウムはー269度近くまで冷やすと摩擦や粘性がゼロになる。
ヘリウムの一部であるヘリウム4は「ボゾン」という粒子であるため。
(光子の粒子は「ボゾン(ボーズ粒子)」。電子の粒子は「フェルミオン(フェルミ粒子)」)
ボゾンからなる物体を超低温状態にすると、量子論的な波が同調して一つの波の様に
ふるまう。
その結果、ヘリウム原子全体が同調して流れるため、原子同士の衝突や摩擦がなくなる。
超伝導
例えば水銀はー269度まで冷やすと電気抵抗がゼロになる。
極低温状態で2個の電子がつくる「クーパー対」はボゾンとしてふるまうことで起こる。(電子は1個はフェルミオンなのに)
クーパー対の超流動の様なイメージ。
・波と粒子
電子を用いた2重スリット実験などをおこなうと、スクリーン上の一点一点が沢山
集まると干渉縞模様になる。
波としてきた電子が、観測を行うと収縮して粒子としての姿を現す。観測後は再び波
として周囲に広がっていくと考えられた。
うまくはイメージできないが、電子を波として計算して、そのふるまいを予測すると
様々な実験結果をうまく説明できる。
観測前は波として広がって(確率分布をもって分身して)存在している。
ボーアなどは、「電子の波はマクロな物体と相互作用すると収縮が起こる」と考えたが、
なぜそうなるのかは今も謎。
但し、2重スリット実験でも、スリット直後に観測装置をスリット毎に置くと、スク
リーンには干渉縞は現れない。 状態の共存が崩れるから。
・位置と運動量の不確定性関係 (ハイゼンベルク)
不確定とは「実際は決まっているが、人間には知る事ができない」という意味ではなく、「多くの状態が共存していて、その後、実際に人間がどの状態を観測するかは決まってい
ない」という意味と理解して。
・真空像
自然界にはさまざまな量(物理量)の間に、不確定性関係が存在する。自然界はミクロ
な視点で見れば、不確定であいまい。
「エネルギーと時間」の間にも不確定性関係がある。
何も存在しないはずの空間(真空)の、ある領域を拡大してミクロな世界を観察すると、
ごく短い時間でみたとき、場所毎のエネルギーは不確定でゆらいでいる。ある領域が
非常に高いエネルギーを持ち、そのエネルギーを使って電子などの素粒子が生まれて
くる可能性があるの。
ただし、真空から生まれた素粒子はすぐに消滅し、もとの何もない状態に戻る。
エネルギーの不確定性は「ごく短い時間」という条件付きであり、長い時間では不確定
性はなくなるから。「真空のもつエネルギーのゆらぎによって、素粒子があちらこちらで
生まれては消えている」というのが量子論が明らかにした姿。
・トンネル効果
ウランなどの放射性を持つ原子が「アルファ粒子」(ヘリウム原子核)(放射線の一種)
を放出する現象は、核力の縛りによるエネルギーの山をトンネル効果ですり抜けて起
こる。(注:ちなみに アルファ線:ヘリウム核、β線:電子、ガンマ線:電磁波)
太陽の中心温度は1600万度しかなく、本来はプラス同士で反発して衝突しないはずの
陽子同士が、トンネル効果で衝突して核融合反応を起こしている。
・場の量子論
現代物理では、自然界の最も根源的な存在は、磁場や電場のような「場」だと考えら
れている。磁場とは磁力が生じる空間、電場とは電気的な力が生じる空間を意味する。
例えば、電子は「電子場」に生じた波だと考えられている。電子が存在しなければ、
電子場は”平ら”。
空間には電子場以外にも、素粒子の種類だけ場が存在する。多数の場が積み重なる様
にして、同じ空間に同居している。
(それぞれの場は独立しているのではなく、影響をおよぼしあう)
つまり、私たちの体や身の回りの物体をつくっているのは小さな固い粒ではなく、空間
と一体化した「場」だといういう事になる。
場の存在を前提として量子論を「場の量子論」と呼び、現代の素粒子物理学の基礎と
なっている。
・無から生じる有
原子核や素粒子レベルでは、もともと存在していた粒子が消滅し、全く別の粒子が現れ
る事が普通にある。その例としてβ崩壊がある。
β崩壊:中性子(アップクォーク1,DQ2)が消滅して、陽子(UQ2、DQ1)、
電子、ニュートリノが現れる。
・力の仕組みを説明
量子論では力を”量子論的な粒子”のキャッチボールで説明する。
2つのボート間で①ボールを投げるとその反動でボートは後退し、ボールの受け手も
反動で後退する。⇒反発力
②2つのボートがお互い背中を見せる様に浮かんでいて、ブーメランを投げると2隻
は近づく。⇒引力
電磁気力:光子のやりとり。弱い力:W粒子。 強い核力:中間子
この3つは説明ができる。(重力:重力子はまだ)
重力を統合するには、一般相対性理論と量子論を融合させる必要がある。
その試みが「超弦理論」。
超弦理論:素粒子をひもだと考える。極小のひもが様々に振動すると、その振動の
違いが素粒子の違いとして見えるという考え。
ひもは重力子だけは閉じていて、それ以外は開いた形と考える。
・量子論を応用した最新技術
原子時計:電子軌道が計算できるようになったので。
レーザー:誘導放出
半導体:エネルギーバンド
量子コンピュータ:状態の共存を使う。
量子暗号:盗聴されると光子の偏光状態が変わる
量子もつれで光子を配送:
量子かぎ配送には、「量子もつれ」という現象を利用する方法もある。
量子もつれは、量子論の中でもとくに奇妙な現象。例として、光子の偏光を考え
ると、光子の縦横方向の偏光は、観測されるまでは縦と横の2つの状態を同時に
取る事ができる(状態の共存)。この時、特殊な条件で2つの光子を作ると
「共存状態でありながら、2つの光子の偏光の向きがそろっている状態」にできます。
すると、この2つの光子がどれだけ離れていても、片方の光子の偏光の向きが確定
した瞬間、もう片方の光子の偏光も同じ向きに確定する。
量子もつれを利用すれば、人工衛星を使って遠く離れた2地点に光子を一気に配送
する事が可能。(地上配送では光が減衰するために、中継地点を用意する必要がある)
以上だが、観測される物理現象は量子論の計算が合致しているのだろうが、出てくる話は
今聞いても 眉唾の話にしか思えない。 私の頭が古典力学で固まっているからでしょうか。
ただ、若い世代は、子供のころから量子論を聞いていて、世の中そういうものだとスンナリ飲み込めているのかもしれない。 若者に期待です。
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