NHKテレビのコズミックフロントで放送された内容を文字化した本。
太陽系の旅に出よう ということで、この数十年で分かってきた事が分かりやすく書かれています。
舞台裏や、天文科学者は何をどう考えたのか? NASA探査プロジェクトはどう発足して進んだのかなど。
面白いと思った点を書いてみます。
ただし、オウムアムアに関しては、正直なんだかこじつけて結論出しているように感じました。
そもそも星間飛行する宇宙船が電波で何かをすると期待するのは合理的か?
尾を観測できないのは太陽系外の物だからで納得するのは合理的か?
もう一度 アヴィ・ローブさんの本を読み返してみようかと思いました。
もっとも、これが現在の科学研究の限界を教えてくれる本ということなのかもしれません。
・探査機ボイジャーの誕生秘話
★木星
・生きていた衛星イオ
火山の噴煙が見つかった。地球の火山の10倍以上も高く上がる噴煙。
見つかったのは全部で8か所。
・小さすぎる火星の謎
水、金、地と岩石惑星の質量は大きくなっていくのは、塵・小天体が衝突を繰り返して
作られていくので、軌道の長い方が大きくなって当たり前。
でも、火星の質量は地球の1/10しかない。
当時、火星あたりの塵などの材料が不足していたとしか思えない。
・小惑星帯(アステロイドベルト)の謎
小惑星帯の中で、本来違う場所で生まれるはずの氷の多い小惑星と岩石が多い小惑星
が見事にまじりあっている。
出来たあとで、かき回されたとしか思えない。
・天王星と海王星の謎
太陽からの距離が遠すぎる。
その距離であの大きさになるには太陽系の年齢よりも時間がかかるはず。
(塵ガス密度が薄いから)
もっと太陽の近くで生まれてから、現在の位置に移動したとしか思えない。
・太陽系ではない他の恒星での惑星の謎
系外惑星の発見が沢山できるようになったが、他の恒星では木星のようなガス型の大型
惑星が恒星の近くにあることが多いことが分かった。(ホットジュピター)
太陽系のように巨大ガス惑星が外の方で回っていることの方が例外的に見える。
系外惑星は誕生してから恒星に近いところへ軌道を変えたとしか思えない。
・グランドタックモデル説
太陽の周りを螺旋を描きながら成長して大きくなったが、火星軌道近くまで来た頃に土
星との引力の相互作用で方向転換して外側に動いていき、最終的に現在の場所に落ち着
いた。土星も同様に軌道を変動させて最終的に今の場所になった。
そう考えると、火星軌道付近での材料不足や、小惑星帯でのまじりあいなどの説明が出
来るのでは。
相互作用が天王星や海王星と木星の間も起こっていたとすると、彼らが遠くに弾き飛ば
されたのも辻褄があう。
・後期重爆撃期の謎
惑星誕生時の各種の衝突が収まったあと、太陽系の誕生から7億年後(今から39億年前)
に、太陽系の内側にある岩石惑星(水、金、地、火など)に、短期間で大量の小天体が
衝突した時期があり、それを後期重爆撃期と呼ばれている。(月面の多くのクレータはそ
れで作られている)
これらは、グランドタックなど重惑星の軌道変化で弾き飛ばされたものが飛び交ってで
きたと考えられるのではという説にもつながる。
・天王星や海王星が太陽系外へ弾き飛ばされなかった謎
そのままシミュレーションすると天王星や海王星は太陽系外へ弾き飛ばされるという結
果になってしまう。でも、土星と天王星の間に「幻の惑星」があったとして計算すると、
辻褄があう。「幻の惑星」は木星の影響で太陽系外へ弾き飛ばされた。という説。
・木星の巨大オーロラの謎
太陽から遠い木星では地球と違い、太陽からのプラズマ粒子の量は少ないはずなのに。
イオの火山からの噴煙の二酸化硫黄がプラズマとなって巨大オーロラを作っていたこと
が分かった。
★土星
・環
1000本以上の細かい環が集まってできていることが分かった。
幅およそ40万Km。厚さ1Km。
・北極のきれいな六角形の謎
まだ良くわかっていない。
・濃い大気に包まれた衛星タイタン
メタンやエタンなどの炭化水素の海や湖がある。山、砂漠、川もある。
タイタン大気の下層の水素濃度が低い、表面でアセチレン濃度が低い。
もしかしたら、水素とアセチレンを食べてメタンを出すメタン生成生物がいるのか
も??
地下に水の海もあるかも。
・衛星エンケラドスも生命の可能性あり?
氷を吹き出す間欠泉。地殻変動をしている。潮汐力で摩擦熱が内部で起こっているはず。
氷の下に液体の水がありそう。シリカも検出されており熱水もありそう。有機物も沢山
ある。
★水星
・磁場の謎
金星や火星にない磁場があるのはなぜか? 内部に磁場を生み出す液体があるはず。
・北極、南極に氷
1兆トンもの氷が閉じ込められている様子。
★金星
・消えた海の謎
分析により花崗岩がある様子。花崗岩は水を含んだ玄武岩がプレート運動で沈んで内部
で溶けてできたというのが有力なシナリオ。
一方、海があったなら酸素の濃度が高いはずだが現実は低く、海はなかった説もある。
・自転の方向の謎
北極から見て時計回りがほとんどの太陽系の惑星の自転の方向(公転と同じ)。金星と天
王星だけが逆転。
★火星
・消えた海と地球生命は火星から?の仮説
40億年前海と陸があったらしいことは地形からわかる。また、地表のすぐ下に今も氷が
あることが探査機で分かった。一方、40億年前の地球は全球海だったと思われる(陸が
できたのは27億年前)。
生命誕生には海と陸のある火星が有利。そこで、隕石にのって火星から地球へ微生物が
やってきたのかも。 (地球生命は40~38億年前にはあったということが岩石の炭素12の
量から推定されている)
火星は海があったが、磁場がないので大気が太陽風で剝ぎ取られて気温と気圧は低下し
て蒸発したのでは。(現在 地表温度‐40度)
・テラフォーミングアイデア
火星全体に超電導リングを張って、人工的に磁場を作る。フロン発生工場を作り、フロ
ンガスの温室効果で大気圧と温度を上げる。溶けだした氷で水ができ、地球から微生物
を導入し生態系を作っていく。
★天王星
・自転軸の謎
公転面に対して横倒し。(他の惑星は皆 ほぼ垂直)
★海王星
・時速2000Kmの風の謎
内部に何らかの熱が発生しているのでは?
・衛星トリトンの謎
凍った窒素でおおわれているが、間欠泉が噴出している領域がある。太陽光で暖められ
たためか?
海王星の自転方向と逆に回っている。元々はカイパーベルトにあったものが、海王星に
とらえられたのでは。
★冥王星・カイパーベルト
・冥王星の白いハート模様の謎
凍った窒素が氷河となって低地に流れ込んでできたのではないかという説がある。
・窒素はどこから来たのか?の謎
内部から間欠泉のように供給されているのではという説がある。
★アステロイドベルト(小惑星帯)
・本来はもう一つ惑星があってもよい距離軌道に小惑星帯がある。
この距離は、水が気体から個体に変わるのに十分な低温になる距離(=スノーライン)に
なる。
他の恒星系でも、スノーライン近辺に小惑星帯がある。ここでは、岩石に加え氷の固体が
多いために惑星よりも早く成長できる。
★巨大惑星「プラネット9」を探せ
・カイパーベルト内の小天体の軌道が妙に引っ張られていることが分かった。地球の10倍の
質量の惑星がもう一つあることが仮定すると辻褄が計算上合う。土星の軌道も精密再チェ
ックすると、それもプラネット9の可能性を示唆した。探査がつづいている。
★謎の金属天体「プシケ」
・直径200Kmを超える巨大な鉄の塊の小惑星。探査機が向かっているところ。
もしかしたら、クレーターはミルククラウンのような形になっているかも。
★オウムアムア (オウ:遠く方の使い ムア:初めて)
・2017年太陽系外から飛んできて、秒速26Kmで近づき、太陽でスイングバイし46Kmで去っ
ていった。ただし、重力加速よりも早い加速で去っていった。
物体の明るさが4時間ほどで10倍以上も変わった。
→そこから縦横比10:1の細長く、長さ800mの物体が回転して移動と推定。
→もし宇宙船なら電波出ているのでは?と計測したが人工的な電波は観測されなかった。
→赤っぽい色をしているので、氷で出来た彗星説を唱える人も出てきた。
→加速はガスの噴射によると唱える人が出てきた。ただし、いくら探しても噴出されてい
るはずのガスの尾が発見できない。太陽系外のものだから太陽系とは別の構成物質で作
られたのかもという理屈で彗星と結論した。
(尾を出さない氷彗星仮説を唱えていた人は喜んだ)
・太陽系外から飛んできて太陽系に捕まったと思われる小惑星も見つかった。
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