題名もPOPな表紙にもひかれました。
みずみずしい感性と、分かりやすい文体で 今のインドの状況を伝えてくれます。
インドや人に対して自然に持っていた常識を本当にぶっ壊してくれます。
そうだったのか。と目からウロコの気持ちがしました。
でも、それだけではなく、インドの影の部分 特に子供の貧困を見て見ぬ
ふりはダメ。何かできないかと考え行動する、若々しく純粋な気持ちがまっすぐに伝わってきます。
数十年前に私がネパールに行った時、空港のゲートを出たとたんに小さな子供たちが寄ってきて、口々に何か恵んでと言ってこられ、どうしたら良いのか困惑してしまった事を思い出しました。
インドでは、街中の交差点で信号停車する同様に、ストリートチルドレンが寄ってきて窓ガラスをたたくという事が今もあるとのこと。
著者はそいう現実から目をそらすのではなく、どうするのが良いのか、何をしたら良いのか悩んで、半歩前進しようとされています。
そんなストリートチルドレンの保護や支援を行っている団体の、本人も元ストリートチルドレンの女の人の話で、子供の貧困の現実が語られています。
子どもたちの多くはもとから路上生活していたわけではない。
家から逃れるために路上に出てきてしまった子たちなのです。
親や家族から暴力や性的虐待を受けたり、必死に稼いできてもそれを取り上げるアル中の父親だったり。。
路上に出てきてしまった彼らは、生きるのに必死なのに、物乞いしてせっかくお金を稼いでも、他の大人や子供に奪われたり、喧嘩になったり、人身売買の危険にあうことも。
そんな彼らが窓ガラスをたたいてきたら、どうするのが良いのか。
お金をあげるのはだめ。食べ物をあげる場合もなんでも良いのではない。
本には理由や、考え方、子どもたちの現実が語られています。
そんな貧困に直面している子どもたちですが、著者が接している中で、子どもたちに上向きな力を感じ、逆に色々な気づきを得られたとのこと。
インドの現実に圧倒されるとともに、そういう現実を正面から向き合おうとする熊谷さんの姿勢に感動しました。
私たちも現実から目を背けるのではなく、出来る事を少しづつでもやっていかなければ という気持ちになりました。
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