「古今東西、世界は多くの独裁者を生んできました。
いったいなぜ独裁や独裁者はあとをたたないのでしょうか。
人々が独裁をもとめるからか。あるは、人々が民主主義を
もとめないからでしょうか。
チュニジアの「ジャスミン革命」に始まる「アラブの春」、
東欧の1党独裁、ヒトラーの歴史的現象を追い、カストロ、
ノリエガ、イメルダ夫人など、著者インタビューによる独
裁的指導者の実像と今をさぐる。」という表紙要約のつい
た本です
中高生を念頭に書かれていますので、非常に平易で読みや
すいけれど、内容の濃い本です。
日本の現政権は、安倍首相が出版した「美しい国 日本」
等で書かれた、国民の声は声として置い
ておいて、自分の信じる事を違法にならなければ強引に
でも行う。という姿勢をますます強めてい
ると感じます。 ここらで、独裁のパターンについて知
っておく必要性を感じてこの本を読みました。
本に書かれた内容を紹介するというより、そこからの感
想を書いてみます。
イメージ的には独裁はクーデターの様な軍事力をもって
圧政してのし上がる物という気がします
が、ヒトラーのナチ政権も、選挙で選ばれた表面上は民
主的手続きによる合法な政権です。但し、一度選ばれる
と、各種の見せ球による誘導、圧迫、規制、実質的脅し
を使って思う方向に推進していくという手法。
日本は似てきていませんか?
「開発独裁」という言葉がある。経済発展の為には政治
的な安定が必要だとして、国民の政治参加
を制限し、民主主義よりも独裁的な強権政治を優先し、
経済開発政策を進める政治体制の事。反共産主義をかか
げるが、それに対抗する自由主義は不完全で、国内では
とくに言論や表現、集会の自由などが禁止、制限される
のも特徴です。
スハルトやミャンマーの軍事政権などが有名です。
こちらも秘密保護法や各種マスコミへのプレッシャーな
ど含めて、最近の日本で動きと重なる様に感じます。
著者の最後のまとめは、
「戦争や独裁はときに華々しく、カッコよく見えるかも
しれない。しかし、戦争や独裁を回避するためには日頃
の営み、取組が大事である。政治的にはそれは民主主義
しかない。だからこそ、民主主義という政治の仕組み、
制度を健全に機能させる努力が国民にも課せられるので
す。自分はカンケイナイ、ではないのです。」
とのこと。
現政権の動きをみていると、いくら民衆の声を上げても
聴く耳を持つつもりは無い。ということがハッキリして
いると思いますので、選挙でその意思を示す事が国民に
出来る唯一の手段だと思います。
ムードに流される投票は決してしないのが、民主主義の
制度を健全に機能させる国民の努力という事ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿