スマホのタッチスクリーンをいじっていると、なんだか馴染めないなあという感覚がずっとあります。タッチしている途中で表示がずれて行って違うコンテンツが出てしまうなど、なんだか安心感がありません。
その点、キーボードは安心できる。
又、ノートPCもタッチパッドは安心できなくて、マウスかスティックが安心できます。だから、持ち運びするノートPCはスティックのついているシンクパッドばかり使っています。
という事を思っていたら、ふと 自分にとってのコンピュータ体験史が蘇ってきましたので、書いてみます。
私が高校に入った頃に、カシオミニという電卓が発売されました。
当時それは画期的で、乾電池で動くパーソナルな電卓。安い。しかもテレビコマーシャルで宣伝している。 多分 55歳以上の人は、「答え一発 カシオミニ」というフレーズをメロディも含めて皆言えると思います。インパクトがありました。
お店屋さんは計算が楽になると大喜びだったのではないかと思います。
確か6桁表示だったと思うので、100万以上は表示できません。
私が高校3年生の頃には、関数電卓というものも発売されていて、三角関数がそれで計算できるとあこがれでした。(当時は、まだ計算尺を使ったり、関数表を見ながら筆算したりというのが高校生です)
大学合格祝いは関数電卓を買ってもらった気がします。確か1万円以上したのではなかったかな。そんなデジタル黎明期の時代でした。
大学2年でひょんな事から大学のコンピュータクラブに入る事になりました。
とは言っても、まだパソコンの時代ではなく、エアコンの効いた(当時は普通の教室にはエアコンなんて無い!)特別造りの大部屋に、いかつい大型装置が並んでいる大型コンピュータか、ミニコンという中型コンピュータの時代です。
ちょうど大学の授業でコンピュータ概論という講義があって、面白いかもとクラブに参加した気がします。
自分でコンピュータ関連の資料(当時はサイバネティックス科学と言っていたプログラム理論みたいな本)を読んだりしました。プログラムはFORTRANという科学技術用の言語や、COBOLという事務処理用の言語を自習して覚えていきます。PL/1やアセンブラも齧りました。
クラブ部員は毎月部会費を払っているのですが、その代わりに毎月パンチカードという紙カードを100枚ぐらい貰えました。
それを使って、カードパンチ室のパンチマシンでプログラム1行を1枚にカードに穿孔していきます。
ポログラム自習用に、例えば素数を1000個プリントしてみるなどという課題を自分で設定して、アルゴリズムを考え、フローチャートを作って、プログラムを書く。
大体数十行以内のプログラムなのでそれをパンチして、出来たカードの束を大型計算機室の実行依頼箱に入れておく。すると夜の間に計算機にかけてくれて、翌日にはプリントアウト(ラインプリンタの連続紙)がされているので回収する。という流れです。
大型コンピュータは貴重な計算資源なので、色々な人からのプログラム依頼をまとめて、一気に処理するというバッジ処理でした。
プログラムが間違っていたり、パンチミスしていたり、カードの順番を間違えていたりするとちゃんとした答えが出てきません。
あちゃー! とか言いながら、修正してもう一度依頼箱に持っていくという繰り返しをして覚えていきます。 牧歌的でしたね。
カードパンチマシンはIBMの物だと思うのですが、その感触と音がたまらなく好きでした。
押し込みストロークや感触、指への馴染み具合、カシャンと言ってカードに穴をあけるメカ動作、反応の速さも 気持ちいい!!といつも思いました。
通常の電動タイプライタも使った事がありますが、それとはレベルが全然違う。
事務机くらいあるマシンでしたので、高い装置だったのだとは思いますが。
貴重なカードをミスタイプしては勿体ない!とドキドキしながら打っていたので、もしかしたら”つり橋効果?”が効いていたのかもしれませんが。
その後のPCの発展に伴って色々なキーボードを使いましたが、あのパンチマシンのキーボードが人生で最も打ちやすく気持ちが良かったキーボードであることは間違いないと思います。
今でも、PCやキーボードコーナーに行くと、まずはキータッチを真っ先に見ます。
ずっと、あの感触を探し続けています。
ああいう感触のキーボードがあれば、高くても買いたいなと思っています。
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