2017年4月22日土曜日

【本】暮らしを支える「熱」の科学 梶川武信 SBクリエイティブ

生活の中で、地味に活躍している熱に関する技術やしくみを分かりやすく解説している本です。

ヒートテックは、日頃 使っているのですがその仕組みを初めて知りました。

吸湿発熱繊維 という言葉で語られている様ですが、「吸湿発熱」という言葉は学校の物理で習った覚えがありません。

熱を出すのは、「断熱圧縮」とか、「凝集熱」という言葉は習った覚えがあります。
私は、ヒートテックは物理現象ではなく、化学的反応で発熱するのかとボンヤリ思っていました。しかし、違った。

ヒートテックは、3層構造(吸湿層、断熱・水の水路層、吸水・通気層)になっていて、皮膚から発散された汗の水蒸気を、生地(吸湿層)の中で凝縮して、そこで発生する凝集潜熱を皮膚のごく近くの断熱層に閉じ込めて、その熱を身体に密着することで熱伝導によって皮膚に暖かさを伝えます。凝集して液体になった水分は、毛細管現象を利用して熱伝導が良く通気性にすぐれた外側の層へ導き、外部の熱で水蒸気に変えて放出するとのこと。

もう一つの暖かい肌着の作り方は、半永久的に4-14μmの遠赤外線を放出する黒鉛ケイ石(グラファイトシリカ)と呼ばれる物質を0.3μ程度の大きさまで細かくして、それをポリエステル繊維に練り込んだ糸を作り生地にしたもので、これが成功したのが「あったか肌着」とのこと。

でした。

それ以外でも、熱にからむ生活を支える技術が一杯かかれています。

読み物としても面白かった。

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