2017年4月15日土曜日

【本】アルファ碁 vs イセドル ホンミンビョ・キムジノ 東京創元社

アルファ碁と戦ったイセドル九段の友人のホン九段が、この5番勝負を解説をしながらまじかに見た内容を碁の手の読みを含めて説明している。


人類の代表として戦うイセドル棋士の心の葛藤を教えてくれると同時に、アルファ碁との5番勝負を棋譜に従って数手ずつ、何が起こっていたのかを説明してくれます。


何よりも、人間とは違うAIはどう打ったのかが良く分かります。


読んだ感想としてアルファ碁は、人間ならば、攻められたら、その流れに対して順応するか抵抗するか、反撃するかになりますが、そうではなく、碁盤全体を見て打ちたい所(擬人化しすぎた表現ですが)に打つ事。


自分がこう打ったら、相手はこの様に受けてくるハズ。という従来からの囲碁感覚で考えていくと虚を突かれる感じになる様です。


5局中、第4局はイセドル氏の勝利になりました。
でも、解説によると、それを決定付けた1手があって、その1手はアルファ碁は打たれる確率が1万分の1と計算していた手だったとのこと。
それにより、その次の2手ぐらいはアルファ碁は変な判断をしているとのこと。
これが、状況を一変させる転機になりました。


しかし、その手は実はイセドル氏が読み間違えて打った手であった様です。
これが逆に、アルファ碁の虚を突きました。


印象としては、AIは超物知りの優等生という感じです(メチャクチャなボリュームの勉強をしているのですから、当然そうなりますよね!)。その優等生が、想定していなかった手に慌て乱れてしまったという事。


想定外を打っていく事で、AIに対しても攻めていく事が出来るのかもしれませんね。
囲碁は今まで以上に、創造力の勝負のゲームになりそうです。


人類を代表して戦った、イセドル氏には、本当にご苦労様でしたと言いたいです。


もうすぐ、アルファ碁がさらに進化して「マスター」と名を変えて、世界No.1の中国棋士と戦います。

一体、どの様な試合になるのか、楽しみです。


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