著者はニューヨーク市立大学の理論物理学教授で、米国でTV等を通じて最新科学を一般聴取者に情熱的に伝える人との事。
2019年4月に発刊されたばかりの本です。
予備知識もミチオ・カク博士という名前も知らずに読み始めたのですが、400ページ以上もある分厚い本を引き込まれる様に読んでいました。
アポロ計画を踏まえて、現在の地球でおこなわれつつある、宇宙技術(スペースX等民間の動きや、各国の機関の動き)の現状や、月や火星目指した各種プランについて、ロケットエンジン技術に今と今後について、などホットな話題が分かりやすく書かれています。
そこまでの内容だと、他にもいろいろな本やニュースサイトもあると思うのですが、この本の良いのはその次として、宇宙に人類が進出しようとしたら直面するだろう課題とそれに対するいろいろなアイデア・検討についての最新が詳しく書かれている事。
また、さらに他の星系に進出する具体ステップや、最後に銀河的に発展するにはどういう文明が必要か、どういう文明になっているのかを人類に限らずに考察が述べられている事です。
銀河レベルに進むには、宇宙の構造を理解する必要があり、そのためにはまだ解明されていない理論物理(統一場理論や ひも理論の可能性など)の課題などへのつながりも良くわかるように書かれています。
部分部分の単語などは、今までも耳に入ってきたものばかりかもしれませんが、それらが人類の宇宙進出に於いてどういうつながりを生むのかが考えられる絶好の一冊と思いました。
私の知らなかった事、例えば太陽系を包み込んでいるオールトの雲(小惑星などが沢山浮いている空間)が、隣の星系までの真ん中ぐらいまで広がっているとの事。となると、そこに浮かぶ小惑星を伝っていくことで4光年先の隣の星へ渡っていくことが現実解として具体的にできる可能性があるらしい事。などはとても興味をそそられました。
この本は、中高生の方々に読んでもらいたいなと思いました。
科学と人類の未来に対する夢を持てる、久々にポジティブな本です。
こういう話をTVで聞く米国の少年少女達は、ハッピーだなとも思います。
NHK出版の本なのですから、ミチオ・カク博士を呼んで科学番組を作って日本でも放送してくれれば良いのに。
日本の科学技術力回復には、小中高生が科学への夢を持てるかにかかっていると思いますので。
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