2019年10月23日水曜日

【本】震災列島 石黒耀 講談社

これは2004年11月に売り出された本です。

ですが、2011年の東日本大災害を経験して、大津波とはどういう事になるのか、原発はどういう事になるのかを目の当たりにして、にわか学習した日本人が今読むと、この本の正確な、あまりに正確な予測に驚きます。


私は読んで、本当にビックリしました。


こういう事を予測できる知見が、既に日本にはずっと前からあったという事実にも驚きました。


こんなにクリアに原発のリスクと不合理が明確になっているのに、まだ政府が原発を推進しようとしているという現実に、また、関西電力の原発ワイロ元助役のニュースであるように原発の利権ドロドロの世界がますます深まっている状態に 本当にやるせない思いと落胆を感じます。


内容を書く事はしませんが、地震・津波・原発の世間の常識と現実の差を非常にリアルに描き切っている事に加えて、サスペンス小説としてもとても魅力的な面白い内容という事に感動を覚えました。


読み始めたら、どんどん引き込まれて止められない。
ベッドに入っても止められなくて、深夜まで読みふけってしまう。。。


東日本大震災の前に読んでいたら、きっと作者のフィクションが沢山入っている絵空事と感じながら読んだろうと思いますが、今の日本人が読んだら、そのリアリティと緻密な考察に改めて感心し、かつ非常によくできた小説と感じるのではないかと思います。


とにかく面白かったです。万人にお勧めな1冊です。

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