2016年2月5日金曜日

【本】老いを遅らせる薬 石浦章一 PHP新書

アンチエイジングという言葉が流行ってから
かなり経ちます。

でも、この本はそのまんまズバリの題名の本。
思わず見てしまいました。

「日本人は世界一、薬が好きな国民」と言われ
ているそうです。でも、一切 薬育(薬の教育)
はされてません。薬が効くという事は、生体に
対して異常な事が起こっているのです。副作用
がない薬など、本当の作用だってないという事
は子供にだって分かるでしょ。売薬や医者に処
方された物を、内容も見ず飲んでいませんか?
効能だけでなく副作用にも注意をしなければ
いけません。

というのが、巻頭のメッセージです。

そして、サプリメント、うつと統合失調症、
認知症など脳の老いに効く薬(アルツハイ
マーなど)、パーキンソン病と老化現象、
元気になる薬(疲労回復とアンチエイジング)、
薬はどの様に作られるか、という内容になって
います。

細かい話や専門的な話も出てきますが、
薬は効くとしてもかなり限定的な範囲なんだ
というのが分かった気がします。。

副作用についても、色々出ていますが、
元々は別の目的の薬だったのが、副作用の
効果の方に注目が移って、そちら向けの
薬となったものも多い様子。正に、試行錯誤
で進化する世界の様です。

私の感想としては、もしかしたら「思い込み力」
を向上させて、プラシボ効果で症状に対処
していくというのが、最も賢い生き方なのでは
ないかと思いました。

著者の意図とは異なると思いますが、
「アンチエイジングはアンチメディシンで。」
という事でしょうか。


2016年1月16日土曜日

【本】島津斉彬 加藤蕙 PHP文庫

明治維新に導いた西郷隆盛、大久保利光、
五代友厚、島津久光などに方向を示し、
メンターであり、モチベーションの源泉
でもあった島崎斉彬。

どういう人物だったのか、どうしてその
様な人が生まれ育ったのかを知りたくて
この本を読みました。

とはいえ、題名とは裏腹に、半分以上の
ページは斉彬の曽祖父、祖父、父の話
に割かれており、斉彬に関する所も、父
との確執とお由良騒動が殆ど。斉彬が
藩主になってからの事は本当にあっさり
史実を書かれています。

斉彬が家族、家中の逆風に会いながらも
日本と藩を改革していこうとする姿は
どれだけ辛い人生だったろうと感じます。

早くから父から藩主を受け継げれば良かった
のだが、財政面での立て直しを成し遂げた
成功者の父は、その座を譲る気は無い。

革新的な斉彬よりも、自分の路線に近い
久光を無理やり後継者に置き換えようと
する父との戦い。そのごたごたより斉彬
の有能の部下達が根絶やしにされる。

確執が無ければ、もっともっと早くから、
斉彬による日本改革は進んでいたかも
しれません。又は、討幕ではなく、幕府
改革をして違う日本の姿になっていた
かもしれないと想像させます。

斉彬のカラッと明るい表面の裏に隠され
た苦悶も含め、よく感じられます。

読後感は「重い」ですが、斉彬を
知りたい人には面白い1冊です。

2016年1月13日水曜日

【本】明治維新とイギリス商人 トマス・グラバーの生涯 杉山伸也 岩波新書

五代友厚を語る時に切っても切れないのが
グラバー商会。
長崎のグラバー邸も有名ですね。


でも、グラバー氏がどういう人だったの
か、ちゃんと分かっていませんでした。


幕末に薩長の貿易振興や武器入手に協力
した商人という事は学校でも習った覚え
があります。

とても有名で、大商人というイメージ
ですね。

でも、本当は彼が貿易商としての活動は
わずか10年間にすぎなかったとの事。


イギリス生まれ、イギリス育ち。
18・9才で上海に渡り、21才で来日。
23才で大きなイギリス商会の代理店
業を開始。色々な海外商社の代理店
をしていたので、貿易も艦船も武器
も売買する事ができたとのこと。

初期はお茶や生糸、両替などで利ザヤ
を稼ぐ商売をしていたが、幕末の動乱
期にどんどん業務や規模を広げて行っ
た。

日本の各藩や幕府からの要望で、売上
の減って来ていたアームストロング社
に大量の兵器を発注して、アームスト
ロング社も大喜び。 という時代の
連鎖を生んだ。

五代友厚とは特に親しく、五代28才、
グラバー25才で議論を通じて共感を
得て行ったようだ。グラバーの妻も
五代が世話したとのこと。

ただ、グラバーは多額の借金を背負
っていて、明治になってから最後は
倒産してしまったのだが、彼の情熱
で高島炭鉱を作り上げたし、高島炭鉱
を三菱が買うと、三菱の顧問や、鹿鳴館
の書記や、キリンビールの前身を立ち
上げたりした。

明治41年には外国人としては異例の
勲二等旭日章を受けた。そして、日本
で亡くなったとのこと。

政治の好きな商人。経済人、企業家。
そして、情熱の人という印象です。

幕末・明治維新の時代が作った快人
という感じですね。



最後に、この年まで知らなかった事
が一つありました。それは「東インド
会社」。

学校でこの名前は何回も聞きましたが、
それが一つの会社ではなく、各国が国毎
に作った会社(イギリス東インド会社、
オランダ東インド会社など。。)
という事だった事を、この本で初めて
ちゃんと理解できました。。。

2015年12月28日月曜日

【自ら人体実験】ビタミンCのメガドース その後

ビタミンCの大量摂取(メガドース)を
始めてほぼ2か月が経ちましたので、状況
報告をします。

我が家では、毎日 朝、晩 1gづつ飲む
様にしています。

身体に変化があると感じています。

①肌がしっとりしてきた。
②寒さに強くなってきた。
③対抗力(免疫力)が高まった感じがする。
④ストレスが軽減される。

①は、私も妻も感じています。
 皮膚が滑らかで、弾力性が出てきている
 らしい。肌に無頓着な男でも感じられる
 変化です。

②私は寒がりで、例年は少し寒風が吹くと
 本当にイヤなのですが、今年はあまり
 寒いと感じません。気温数度の東北に
 出張しても、例年より1枚着る物が確実
 に少なくなっています。

③電車などでクシャミやセキのひどい人
 の隣に座った時に、ゾクゾクっと病原
 菌が移りつつあるのを例年は感じる(そ
 して大抵感染する)のですが、今年は
 全然 感染する気がしません。実際、風
 邪もひきません。
 インフルの予防接種も今年は受けません。
 気のせいか、歯周病(歯茎からの出血)
 も無くなって来ている様です。

④仕事上でイヤな事があっても、ストレス
 として溜める事がありません。

日頃から思い込みの強い方ですので、プラシーボ
効果も多分にあるかもしれませんが、少なくとも
①、②は数値化できる現象になっていると思います。

副作用は全く感じません。
これからも、継続していきたいと思います。

2015年12月27日日曜日

【本】氷塊 大久保利通 秋山香乃 河出書房新社

明治維新の傑人の一人 大久保氏ですが、
西郷や坂本竜馬などに比べて華が無く
地味な印象を持っていました。

英雄とかスターという言葉は浮かんでこな
いので、今まであまり関心を払ってきませ
でした。

しかし、先日 五代友厚の本を読んだら所、
そこから垣間見えた大久保利通像は、全く
違う物でした。

そこで、この本を手に取ってみたのですが、
非常に面白く 一気に読みふけってしまい
ました。

幕末・維新時の非常にヤヤコシイ時代に、
本気で討幕を、政治のしくみの裏技を駆使
して実現していった仕掛け人。

又、数十年単位での日本立て直しの工程計画
を考えて実行していった実践家。

これが、下級士族の一人の男によって行われ
た事。

秀吉もゼロからの出発で、知恵と行動力で
成功を収めたサクセスストーリーですが、
この大久保氏はサクセスストーリーと呼ぶ
には余りに重荷を背負って進めた、苦しみ
の巨人という感じです。

自分自身はどんどん苦しくなる、プレッシャー
ストーリーとでも呼べば良いのでしょうか。

時代が生んだ人物である事は確かですが、
こういう人物を日本は生めるんだ。出来るん
だという事を思わせてくれました。

私にとって、社会や世界をより深く考える
ヒントをもらえる本でした。

2015年12月26日土曜日

【バレーボール】2015天皇杯皇后杯準決勝

本当に久しぶりにバレーの生観戦をしてきました。

NEC対日立、久光対東レ の2試合です。

時期が時期ですので、Vリーグよりも観客の数は
少ない様です。
でも、試合は熱戦が繰り広げられました。

怪我の近江選手のプレイが見れなかったのは残念
でしたが、沢山の選手の素晴らしい動きを見ました。

全日本メンバーは、やはり一味違う感じです。
長岡選手、新鍋選手、木村選手、迫田選手などは
非常に冷静に臨機応変にテクニックを使い分けて
動いているなと感じます。
島村選手や古賀選手は闘志+テクニックという
印象でした。

久光が抜群の強さを見せていましたが、長岡選手
の精密機械の様な攻撃力や速射砲の様な石井選手
だけでなく、新鍋選手による柔軟な攻撃+安定し
た守備力が抜群に光ります。

やはりこの人に、来年はぜひ火の鳥に戻ってきて
欲しい、、と強く思いました。メダルに挑戦する
には必須の選手ですね。

色々な確執があって、今年は参加にならなかった
という噂も聞きますが、試合が終わってコートか
ら控え室に戻る時、東レの中道さんに笑顔で声を
かけて話をしていたのが印象的でした。

あのバレーセンスとテクニック、意思の強さは、
東京オリンピック向け次世代火の鳥のキャプテン
をしてくれればと 勝手に期待したくなります。

木村選手のプレイを見れるのも、リオまでと思い
ますが、今日は沢山 見る事が出来ました。
最終セットで白熱した後、久光にキーポイントを
取られた時に、すごく悔しいという仕草をされ
ていました。
こういう木村選手を、私は初めて見ました。

2015年12月19日土曜日

【本】大阪をつくった男(五代友厚の生涯) 阿部牧郎 文藝春秋

朝ドラ「あさが来た」で出てくる五代がとても魅力的な
人物なので、この本を読んでみました。

史実では、五代と広岡浅子(あさの元となった人物)
との関係はあまり強いものではなかった様ですが、
五代という人物像は朝ドラで描かれている者にかな
り近い魅力的な人物の様です。

薩摩藩に生まれて、勝海舟などがやっていた操船訓練
所で操船や、外国人・外国文化・外国語・国際事情を
学び、国際貿易や海外からの有益な技術・機械、先進国
の社会のしくみの導入、経済振興などを、大久保氏や
坂本氏など維新の主要メンバーと連携しながら理想に
燃えて進めて行ったようです。

大阪という地には、格別の思い入れがあって大阪を
日本の大商業都市に育てようと志して、実際に幾つも
の事業を起こしながら、道筋を付けて行ったとのこと。

50才前後で亡くなっているのですが、太く短く生きた
というドラマチックな人。

この本を読んでからは、自分自身の仕事上の課題などを
考える時、もっと大胆な、もっと大きな解決方法は
無いか と自問自答を始めた自分に気が付きました。

生き様が、他の人に影響を与えるという事ですね。

妾も沢山作って、そういう面での弱点もあった様
ですが、優しさも大きかった様子。

海外に強くて、負けない日本を作りたいというのは
後の白洲次郎などにも通じる流れに思えます。

とても面白く魅力的な本です。お薦めの一冊です。