勿論、「直ちに人体に影響が出る事は無い」等の歯切れの悪い表現が多くて、フラストレーションは感じていましたが、彼自身というよりも、それをバックアップして情報を出すべき体制の方が不十分なんだろうなと感じさせるものでした。
その後の東電の二転三転する説明や、保安院、政府、政治家、有識者、マスコミの乱れる説明や報道にこの国の弱さが強くでたのを当時感じました。
今回の立憲民主党という動きでクローズアップされた枝野さんはどういう人なのかを知るためにこの本を読んでみました。
これは、震災の1年半後に出版された本です。
色々書かれていますが、気が付いたのは
・この人はイデオロギーよりも、現実的に
考える人なんだなという事。
・平易な言葉で説明できる人でもありそう。
・視点は、新規事業開拓をして日本国を時代
の変化(発展途上国が新興国に進化してく
グローバルな流れ)に対応して生き残らせ
ようと考えていて、企業人にかなり近い
センスの人なんだという事。
本に書かれている一つ一つの具体案は現時点で見ると外れている物もあると思いますが、モノの見方の基本や、考え方は違和感が少ない人だなと感じました。
選挙の時に、「保守やリベラル」という構図ではなく、「上から政治か下から政治か」だと主張していたとの事でしたが、立ち位置はなるほど と合点がいきました。
多分、改憲や、経済政策等も自民党の現実路線派の人の考え方とかなり近い物を持っていると思われますが、それを、立憲主義(国民主権)を無視したやり方で勝手に決めて行うのはダメというスタンスなのだと思います。
政党の名前の立憲民主という、そのままの考えですね。
そういうスタンスを期待して投票した人も多かったのだと思います。
現実的なソリューションを提案できないで批判ばかり言うのはダメですし、従来事業の延長線上でしか考えられないのや、内向き争いばかりしている政治家もダメ。
新規事業はリスクがあって当然ですし、既存勢力からの強い抵抗と足の引っ張り合いもあると思います。
多くの人間は、もっと楽な方に日和見をしてしまう。様子見という言い方に隠れたりもします。
でも、ブレークスルーを仕掛ける人が成長には必要です。
経済面だけを見ると、第2次安倍内閣の最初の1-2年はそういう動きが見れた様に思います。
枝野さんは、良い人脈ネットワークを作れれば、変革をしていけるのではないかなと思えた1冊でした。