た。
積極的平和主義という単語は、従来は より戦争や闘いが起こらない様に非武力での平和作りに
もっと積極的に取り組む。という意味で使われていたと思いますが、この人の提案している「積極的
平和主義」は全く事なる考え方だという事が良く分かりました。
本の内容の前に、本の書き方で非常な違和感を感じました。
私は著者の主張をシンプル・明確に示されて、その裏付けや考え方を示してくれる本が読んでいて
好きです。
ところが、この本は約180ページもあるのですが「積極的平和主義」の主張が出てくるのは169ペー
ジ目からなのです。それまでは、歴史や環境に関する自分の解釈がずっと書かれていて、これだ
け遠回りしないと自分の結論にたどり着けない内容なのか?と感じてしまいました。
途中でイライラしてしまい読み飛ばしてしまう事もありました。という訳で、精読は出来ていないので
すが、おぼろげに理解した主張を幾つか書いてみます。
・外交的 交渉は武力の裏付けがあって初めて成り立つ。
・日本の平和憲法は外に武力攻撃はしないという効果はあったが、憲法で日本を守れたのではな
い。守りは日米同盟で成り立っている。だから、9条1項は良いが、2項は変えなければいけない。
・核兵器が出来る前は戦争が出来る世界だった。(限定的な戦いだから)
・核兵器が出来て、お互いに皆殺しになる状態(防御方法がない)が米ソの冷戦で現実化し、人類
始まって以来初めての戦争が出来ない「不戦」の時代になった。現代は現実的な本格戦争は出来
ないのだ。
・ソ連の崩壊後、核兵器の保有量は米国一国が突出している超大国になっている。
・平和を作るには、超武力を持つ米国中心(支配)による世界平和を作る事が人類にとって最も現
実的な事。だから、それを進める為の「積極的活動」を行う事が平和を作る事になる。それが「積極
的平和主義」。
こんな感じでしょうか。
ちなみに、この方は米国留学した元外交官。
外務省出身者はこういう考え方の人が多い様に感じます。
諸外国と前線で現実に対応しないといけないので、こういう考え方をもつのも理解はできますが、
これだけでは、人類の進化はないのではと感じます。
0 件のコメント:
コメントを投稿