2015年2月21日土曜日

【本】新・戦争論(積極的平和主義への提言)  伊藤憲一  新潮社

安倍首相が言っている「積極的平和主義」のたきつけ人と思える伊藤憲一氏の本を読んでみまし

た。


積極的平和主義という単語は、従来は より戦争や闘いが起こらない様に非武力での平和作りに

もっと積極的に取り組む。という意味で使われていたと思いますが、この人の提案している「積極的

平和主義」は全く事なる考え方だという事が良く分かりました。


本の内容の前に、本の書き方で非常な違和感を感じました。


私は著者の主張をシンプル・明確に示されて、その裏付けや考え方を示してくれる本が読んでいて

好きです。


ところが、この本は約180ページもあるのですが「積極的平和主義」の主張が出てくるのは169ペー

ジ目からなのです。それまでは、歴史や環境に関する自分の解釈がずっと書かれていて、これだ

け遠回りしないと自分の結論にたどり着けない内容なのか?と感じてしまいました。


途中でイライラしてしまい読み飛ばしてしまう事もありました。という訳で、精読は出来ていないので

すが、おぼろげに理解した主張を幾つか書いてみます。


・外交的 交渉は武力の裏付けがあって初めて成り立つ。


・日本の平和憲法は外に武力攻撃はしないという効果はあったが、憲法で日本を守れたのではな

い。守りは日米同盟で成り立っている。だから、9条1項は良いが、2項は変えなければいけない。


・核兵器が出来る前は戦争が出来る世界だった。(限定的な戦いだから)


・核兵器が出来て、お互いに皆殺しになる状態(防御方法がない)が米ソの冷戦で現実化し、人類

始まって以来初めての戦争が出来ない「不戦」の時代になった。現代は現実的な本格戦争は出来

ないのだ。


・ソ連の崩壊後、核兵器の保有量は米国一国が突出している超大国になっている。


・平和を作るには、超武力を持つ米国中心(支配)による世界平和を作る事が人類にとって最も現

実的な事。だから、それを進める為の「積極的活動」を行う事が平和を作る事になる。それが「積極

的平和主義」。


こんな感じでしょうか。

ちなみに、この方は米国留学した元外交官。

外務省出身者はこういう考え方の人が多い様に感じます。

諸外国と前線で現実に対応しないといけないので、こういう考え方をもつのも理解はできますが、

これだけでは、人類の進化はないのではと感じます。

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