木炭や活性炭、カーボンブラックなどの昔からの炭素の活用がありましたが、20世紀後半は炭素繊維や生体用カーボンなどのニューカーボンの世界が広がり、さらに21世紀に入ってナノカーボンという世界が追加されつつあります。
ノーベル賞の頃は、フラーレン、ナノチューブ、グラフェンなどの単語がニュース上を舞いますがそれらはその後どうなっているのか?
フラーレンはサッカーボール型のC60が有名で誰でもその絵を見たことがあると思います。
でも、今はあまり話を聞かない。
世界的には5年程で研究者がナノチューブに移ってしまったとの事。
ただし、日本では地道に研究を続けている方がおり、人工光合成など色々な成果が生まれそうになっている。
グラフェンは炭素の薄い原子1層の膜。
黒鉛をセロテープで剥がしたら1層を作れたという事で、色々と実験が出来る様になった事で研究が進んでいる。
その膜の端面についてがホットな話題との事。
膜の端と端を繋がったのがナノチューブだし、丸く繋げたのがフラーレンといえる。
もっと複雑な形としてエキゾチックナノカーボンという世界も出来つつある。ピーナッツみたいな形など面白い形も。
そして、爆轟法ナノダイヤモンドという量産可能な方法が出てきて、注目を浴びているとのこと。
炭素は基本的な元素ですが、これほど次々と新しい面を見せてくれるものも珍しいもの。
これからも、まだまだ発展していきそうです。
一つ面白いなと思ったのは、サッカーボールを何重にも入れ子にしたようなカーボンナノオニオン。
応用として太陽熱貯蔵に向いているとのこと。
「直径ミクロンオーダーまで成長させた結晶性カーボンナノオニオンは、黒色のサラサラした粉末で、太陽光を広い波長範囲にわたってよく吸収すると予想される。常温付近で、ナノオニオンの内部回転自由度が失われ、振動の自由度はもともときわめて小さいので、太陽光を吸収すると光エネルギーは効率よく電子励起エネルギーに変換される。
低エネルギー3重項準位が無数に存在するので、膨大なエネルギーを貯蔵することができる。」
これを練り込んだカーテンで、冬の昼の熱を夜まで溜めておけるようになると使えそうですね。
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