2014年6月20日金曜日

【バレーボール】竹下佳江さん2

前回は 竹下さんの「強さ」の印象でしたが、それ以外の印象も勿論あります。



「テン(竹下さん)のトスは、あんまり打ちやすいんでビックリした。」

「テンさんは、私にこんなに良いトスを上げてくれるんだ。」



アタッカーの人が、何人もこういう事を言っているというのを聞きました。

アタッカーを見て、その人が打ちやすい様に工夫してトスを上げていたのだと思います。



セッターですから、ゲームメークを考えるのは勿論の事、それに加えて、個々の選手の力を

引き出すにはどうしたら良いのかを絶えず、緻密に追及して行かれたのでしょう。

それが、全日本の戦力を倍加させていたと思います。



今は、バレーボール協会の理事をされているのですから、全日本のセッターの選手達にアタ

ッカーの力を引き出すには、どういう事をすれば良いのか、又、各アタッカーの具体的な癖も、

ぜひ指導して欲しいと願います。 


若手のセッターは自分で考えるのはゲームメークで頭が一杯だと思いますので、そういう事は

教育してあげて欲しいのです。

竹下さんが長年かけて培ったノウハウではあると思うのですが。。。




もう一つ、覚えている事があります。

国際試合の時に確か、2~3回。竹下さんがブロックを決めました。

159cmのブロックです。

竹下さんは、してやったり。へへへ。という楽しい表情。

相手チームは、対象的に唖然として落ち込んだ表情。



159cmだけど、ブロックのもは精一杯飛ぶ。

0.?%の確率でしか手に触れないと思うけど飛ぶ。



これも、すごい事だと思います。



最後に、 初めて生で竹下さんを見たのは、Vリーグの試合でした。

試合の始まる前に、各チームの練習時間があるのですが、その時にJTで一番最初に

コートに来たのが竹下さんで、しかもボールが詰まったカートをゴロゴロ押しながらでした。


竹下さんと言えば、大ベテランですからもっと後から来ると思っていたのに、意外だとその時

は思いました。


でも、それは逆だったという事が分かりました。竹下さんが率先してやるから他のメンバーも

手を抜かずにやるのですね。



やはり、プロフェッショナルでした。

【バレーボール】竹下佳江さん

もう選手を引退されたので、竹下佳江選手と書けないのが残念です。


竹下さんについても、いくつか強烈に印象に残っている事があります。


推測ですが、竹下さんは意志の強い完璧主義の方だと思います。決めたら、とことんやる。



2つのシーンが印象的でした。



1つ目は、いつの国際試合か忘れましたが、背の高い外国チームとの対戦で非常に苦戦し

ているゲーム。



木村選手にトスを上げて、レフトからスパイク。相手のブロックにかかり、自陣のコートへ

こぼれ球が戻ってくる。



荒木選手が拾って竹下さんへパス。竹下さんは再度バックトスを木村選手へ。木村選手が

スパイク。でも、又 相手のブロックに弾かれる。



ライト側にいた荒木選手がこぼれ球をオーバーハンで拾って竹下さんへパス。竹下さんは、

3度目のバックトスを木村選手に上げる。そして、木村選手の3度目のスパイクは上手く

ブロックの間を抜き、1点に。(文字どうり三度目の正直。)



その時、竹下選手は両こぶしを挙げてガッツポーズ!




これは印象に残っています。日頃 冷静な竹下さんがガッツポーズですから。

それだけコダワッテ、コダワッテ、木村選手に託したという事。



もう一つは、竹下さんが後衛に回っていて、相手チームのエースのスパイクが日本のブロック

にワンタッチして、コートの後ろに向かって大きくアーチを描いて飛んでブロックアウトにならん

とした時。



竹下さんがエンドラインを越えて、サービスゾーンに球を追って一直線に走り込み、振り向きざ

まに身体を捻じってアンダーでトスをレフトの江畑に送りました。



江畑はその年 全日本初参加で、まだ国際試合初心者の状態(その日が21歳の誕生日だった

かもしれませんね。シンデレラガールと呼ばれた日?)。そこに、ピタリとトスが上がり、決める

事が出来ました。



こういうのをスーパープレイと言うのだ、と感動したのを今でも覚えています。

人間って、理屈を超えた技が使えるんだ。

これは、肉体というよりも気合で初めてできる事という様に思いました。


サッカーの澤さんのプレイもこれに近いかも知れませんね。


両方とも、竹下さんの 想いの強さを見た 瞬間でした。

2014年6月17日火曜日

【本】国際連合の基礎知識  国際連合広報局 関西学院大学出版会、 国際連合 明石康 岩波新書

国連憲章は中、米、英、ソ連を含む50か国の代表が1945年6月26日に署名し、国際連合は1945年10月24日に正式に発足した。

1945年8月6日広島に原爆投下、8月9日長崎に原爆投下。1945年8月15日が日本の玉音放送日、9月2日が降伏文書に署名した日。 1947年5月3日 日本国憲法施行。
そして、1956年12月18日 日本は国際連合に加わった。


この本の重要な部分を抜き出します。

国連憲章は

「われら連合国の人民は、われらの一生のうち二度まで言語に絶する悲哀を人類に与えた戦争の惨害から将来の世代を救い、基本的人権と人間の尊厳および価値と男女及び大小各国の同権とに関する信念を改めて確認し、正義と条約その他の国際法の源泉から生じる義務の尊重とろ維持することができる条件を確立し、一層大きな自由の中で社会的進歩と生活水準の向上とを促進すること。

 並びに、このために、寛容を実行し、且つ、善良な隣人として互いに平和に生活し、国際の平和および安全を維持するためにわれらの力を合わせ、共同の利益の場合を除く外は武力を用いないことを原則の受諾と方法の設定によって確保し、すべての人民の経済的及び社会的発達を促進するために国際機構を用いることを決意して、これらの目的を達成するために、われらの努力を結集することに決定した。

 よって、われらの各自の政府は、サンフランシスコ市に会合し、全権委任状を示してそれが良好妥当であると認められた代表者を通じて、この国際連合憲章に同意したので、ここに国際連合という国際機構を設ける」


国連の目的は、

・国際の平和と安全を維持すること。

・人民の同権および自決の原則の尊重に基礎をおいて諸国間の友好関係を発展させること。

・経済的、社会的、文化的または人道的性質を有する国際問題を解決し、かつ人権および基本的自由の尊重を促進することについて協力すること。

・これらの共通の目的を達成するにあたって、諸国の行動を調和するための中心となること。


国連は次の原則に従って行動しなければならない。

・国連はすべての加盟国の主権平等の原則に基礎をおいている。

・すべての加盟国は憲章に従って負っている義務を誠実に履行しなければならない。

・加盟国は、国際紛争を平和的手段によって国際の平和および安全ならびに正義を危うくしないように解決しなければならない。

・加盟国はいかなる国に対しても武力による威嚇もしくは武力の行使を慎まなければならない。

・加盟国は、国連がこの憲章に従ってとるいかなる行動についてもあらゆる援助を与え、かつ国連の防止行動または強制行動の対象となっている国に対しては援助を慎まなければならない。

・憲章のいかなる規定も本質的に国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国連に与えるものではない。


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国際連合の生い立ちは、明らかに第2次世界大戦の連合国の集まりで、日本の敗戦も殆ど見えた段階において、その後の世界秩序を取り仕切ろうとしている物である事は間違いありません。


こういう平和憲章を作っておいてすぐに、日ソ条約を破ったり、原爆を投下したりというのは、日本から見たら2枚舌の行動ですが、”連合国の共同の利益になる武力だから良い”という論理なのでしょう。


日本憲法は、この国連憲章の直後に作られた物で、国連憲章の考え方を最も忠実に沿った憲法になっていると思います。戦後、多分 国連憲章を実行動で最も良く実現しているのは日本なのではないでしょうか。


国連には、安全保障理事会の常任理事国(中、米、英、仏、ロシア)があって、彼らだけは拒否権を使えます。ただ、問題を安全保障理事会で解決できない時(例えば常任理事国が侵略戦争をしているなど、、)の時は、全ての加盟国が1票を持つ総会で決議(2/3の多数で)をすることができる。とのこと。


紛争が起こった時は、事務総長の斡旋や、安全保障理事会(または総会)での経済制裁の決定や国連軍の派遣などが決められます。


明石氏の説明では、常任理事国の拒否権は、大国対国連の大戦争になるのを防ぐ機能を担っている面もある。そして、国連軍は平和維持活動や、公正な選挙が行われるように立ち会うなどの活動をしており、世界の軍事力のたった0.1%の人員で大きな効果を上げている。とのこと。


生い立ちはどうであれ、国連憲章は当時の日本人も望んでいた平和を追及するという思想で作られています。さらに、日本もこれの加入国で守る義務もあります。日本が進めなければならないのは、日米同盟の深化ではなく、国連という仕組みの深化なのだと思います。


例えば、日米同盟の代わりに、国内の現在の米軍基地は国連軍の極東基地とするという発想もあり得ると思います。X国が不法な行動をしたら、国連総会決議で明確化し、必要ならば多国籍国連軍を日本の基地から出動させる。なども、新たな枠組みでの抑止力と考える事ができそうです。


最後に、日本が加入した1956年の重光外相の演説を写しておきます。

「日本国民は、今日、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配している崇高な理想を深く自覚しております。われわれは、平和を愛する世界の諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を維持しようと決意しております。

・・・また、われらは、いずれの国も自国のことばかりに専念して良いのではなくて、政治道徳の法則が普遍的なものであることを信じておりますし、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他の国と主権的に平等の関係に立とうとする、すべての国の責務だと信じております。

こうした感情は、日本国民の固い信念を表すものでありますし、この信念はわが憲法の前文にもうたわれており、国際連合憲章がかかげる目的や原則とも全く一致しております。

・・・われらの深く希望することは、国際連合がつねに、世界平和の手段としてのその使命にふさわしい、できるだけ大きな権限を行使することであります。

・・・平和は一にして、不可分のものであります。日本は、国際連合が世界平和のための中心的な推進力であると信じております。」

2014年6月14日土曜日

【平和憲法】従来からの内閣法制局の考え方

9条の会 発足10周年講演会で、元内閣法制局長官の
阪田雅裕さんのビデオ講演を聞きました。


ゆっくり、分かり易く 従来の内閣法制局の考えロジック
を説明してくれました。話は非常にシンプルです。


まず、自衛隊は合憲という立場に立っています。

それは、憲法は9条だけではなく、他の条項で国民の
基本的人権の享有、自由・権利の保持の責任、個人の尊厳
・幸福追求権なども規定されており、その為の自己防衛
(個別自衛権)は必要である。自衛隊はその為の組織で
あるという見解。


ただし、9条で戦力は持たない事を明言しているので、
自衛隊は「普通の国」の軍隊ではなく、専守防衛だけが
ゆるされ、対外的に武力をふるう事は禁止である。


海外に戦闘に行かないので、戦力ではなく。行うのは
正当防衛の活動に限定する。


一方で、集団的自衛権というのは、日本とは関係の無い
A国とB国の紛争に、日本がどちらか一方に加担して戦闘
に行くという物で、これを認めるという事は、9条第2項
を全く無視するという事と同義になる。


これは、憲法の解釈の問題ではなく、憲法を無視し、実質
的に無きものとするのと全く同じになる。とのことで、
安倍政権のやろうとしている事は、全くの憲法違反である
事は明白との説明でした。


又、「積極的平和主義」と日本で言われいている事は
自国に対して不穏な動きのある所には、「攻撃は最大の
防御」という視点で行動する。という物で、まさに、米国
がテロ対策という名で行った、ターゲット国への先制攻撃
がそれに当てはまるというもの。

「平和主義」と付くとと良さげに聞こえますが、 言葉に 騙され
てはいけないという事になります。


とても分かり易く、納得できました。


私も、個別自衛権とその為のしくみやスキルは必要と思い
ます。家に泥棒や暴漢が侵入するのを防ぎ、撃退するとい
う仕組みです。

これには、警戒力と、守りの遮蔽力、通報によって呼び寄せる
警察力が必要です。国単位でも、同じ思想で国際的な警察(国
連軍)を作り強くする事を日本は提案して国際的に進めるのが
良いのだと思います。


先制攻撃力や報復力で対抗しようとする事の先には、生産
的な事が何もないのは、十分に分かっていると思います。


世界は少数の軍事大国と、多数の小国で成り立っています。

日本を含めて多数の国がイキイキと安心して暮らせる世
界を作る方が良いと信じます。

2014年6月11日水曜日

【本】日本の選挙  加藤秀治郎  中公新書

日本の政治を見ていると、選挙で選ばれたら白紙一任
されたかの様に、選挙公約で言っていた事以外の事を
政治家だけで勝手に進められて苦い思いをする事が
本当に多い様に思います。


又、党内紛争や、党利やメンツの様な権力ごっこばか
り見せられる様に感じます


政党政治が日本では機能していないのではないでしょ
うか? 党員なんて有権者の中ごく一部。多くは無党派
層だというのが日本の実態です。つまり、選挙毎にその場
その場の判断で、投票する相手や党を変えるという事。


だから、党を信じて 党に一任なんてする積りは無いのです。
少なくとも、私はそうです。


本当は、案件毎に国民投票をして欲しいと思います。


この「日本の選挙」と言う本は、欧米の選挙制度を研究した
研究者が書かれたものです。

日本の選挙制度は、欧米と比べて全く異端な物とのこと。


欧米では、多数代表制(その地域の多数の人の意見を議会に
反映させる。小選挙区制(一人しか当選しない)か、完全
連記制(4人が当選する地区なら、投票時に4名の候補名
を記載して投票する。))か比例代表制(東京人数に比例
した考えの人が議会にいるべき。少数意見の党も議員を
持てる)しかないとの事。


日本では、並立性や、4人当選できる地区でも投票できるの
は一人という変則投票がまかり通っている。地方自治体で
は大統領制の様に、首長を市民が直接選ぶ。

又、衆議院と参議院では選挙の方法が違うので、選ばれる
議員の構成も自ずと異なる。よって、「ねじれ」なども起き
やすい。決められない政治になってしまう。とのこと。

日本は、選挙と議会に関しての一貫した思想が無い事が
問題。政治運営をちゃんと進めようと思うならば、多数代表
制か比例代表制といを欧米式に変更スベキだというのが
著者の主張です。


しかし、私には違和感がありました。そもそも、現在の日本人
には政党政治は合っていないのではないか? という疑問。


日本人には、筋の通った思想というのは少なく、その場その場
の状況に応じて判断していくという性質の人種なのではないか
という気がします。

とにかく、当選さえしたら、得票数の過半数にも行っていない
政党が非常に多くの議席を持って、何でも個人の信念を押し通
そうとする(本人は国の為の善意・正義感かもしれないが)のは
迷惑だと感じます。


政治家が、国民の意見を聞く場が日本は本当に少ないと思います。
ここを、直さないと 日本の政治は改善されないのではないで
しょうか。

2014年6月8日日曜日

【映画】陽だまりの彼女2

映画のラストで、コウスケが「どっちだよ」と言うシーンがあります。

製作側は真緒が 笑っているのか 泣いているのか どっち
なの? という意味のセリフとの事です。


製作者の意図とは違いますが、私はちょっと違った解釈
をしています。


真緒の寿命があと少しで切れて消えてしまうと聞いていても、
コウスケはそれを信じたくありません。
真緒とはこれからも一緒に居るんだ、と言い張ります。

真緒「私 良い奥さんだった?」
コウスケ 溜息つきながらうなずいて「これからも ずっと」
真著「バカだね」
コウスケ 「知ってる」

この時点まで、ストーリーは真緒がもうすぐ消えるという
前提で進んできています。

しかし、ここから真緒は 今後の事を話始める

真緒「今度 生まれ変わっても、私 コウスケを見つける
   気がする。あと8回チャンスがあるんだもん」
お守りを真緒はコウスケに返す。
真緒「それまで、どこかでお互い生きて、それで又、いつか
   新しいワッカ作ろう」

そして、キスして
コウスケ「どっちだよ」
真緒「ありがとう」

となっています。

「どっちだよ」という言葉は、コウスケだけが今後も一緒に
いたいと思っているのではなく、真緒も思っている、しかも
生まれ変わっても見つけられると信じたいという事を知って、
「どっちがバカだよ」と言う意味で言ったと思いました。


そして、


真緒が消えた後も、コウスケの手の傷は消えませんでした。

これは、コウスケが人間の真緒(13才の)に会う前の状況
に戻ったという事を示しています。
つまり、小3で子猫を助けた事実は変わっていない証拠。

大下は、望みの年齢の人間に猫を変身させる事ができそう
なので、今度は 25才のコウスケにつりあう 25才に
2生目の真緒を人間化してくれた。

というのが、最後のシーンだと思います。


25才の真緒は寿命が又13年なのかは分かりませんが、
そこで2生目の真緒が消えても、又、その次には
38才のコウスケに会う為に、3生目で38才の真緒が
現れる。。。。という時間を超えた愛になっているのでは
ないでしょうか。

考えすぎかもしれませんが。

【映画】陽だまりの彼女

以前 原作を読んで気になっていて、映画が封切になってから
見てみたいと思いつつ、オジサンが一人で見に行くのは恥ずか
しいと行きそびれていました。


DVDのレンタルが始まったので、借りてきて やっと見る事
ができました。


とても、気持ちよく感動。
素晴らしい映画でした。


土日で3回 見てしまいました。
何回でも見たい良質のラブファンタジーですね。


松潤さんも上野樹里さんも、この話にぴったり。好演。
彼らの代表作の一つになったのではないでしょうか。


恋にまつわる 幸せ、切なさ、永遠 を感じられます。


ちょうど、子猫から飼い始めて 13歳で家の猫が
亡くなったばかりでした。
又、ビーチボーイズは学生時代に何度も聞いていた曲
で、どちらもなじみ深み深いシチュエーションだった
こともハマってしまった原因かもしれません。


レンタルで見れますので、気持ちの良いラブストーリー
を見たい方にお勧めの1本です。