2018年4月22日日曜日

【実家の片づけ】1.構想段階

父が他界し、母が施設に入って空家になっていた実家を、たたむ事にしました。

構想から取り壊しまで、初めての事で、色々と迷いながらの作業でしたが、ポイントになったと思う事を書いてみます。


最初に行った事は、関係者の理解を得る事。

登記上は母が所有者なので、母の了解を得る事。
人生と、思い出が沢山詰まった家なので言い出すのも辛い気がしました。

状況を十分に説明した上で、何回かに分けて確認をしました。

人間 その時は良いと言っても、一人でじっくり考えると、違う感情が湧いてきてやっぱりイヤだという事は起こり得ますので、3回ほど時間を置いて確認をしていきました。

並行して、姉・兄への説明と同意取りを行います。

父が遺言で不動産の相続の仕方なども方向性を示していてくれた事も大きく、母も姉も兄も了解・同意してくれました。

でも、この実家は私自身も何年か住んでいた思い出の場所であり、父母の記憶と密接に結びついた建物なので、たたむという決断を最初に自分の中で決断するまでに、葛藤がありました。

これは、ノスタルジーではなく将来を見た合理的判断は何かという事を自分に言い聞かせて、信じ込ませる事が必要でした。

税金の事、維持するとしたらしなければならない事、自分たちの今後の生活変化の見通し。
土地と建物関係、どういう選択肢が考えられるかなどなど、、調べ・考えて結論を出しました。

ここが、第1の関門。
親兄弟の同意を得るのが第2の関門ですね。

2018年3月3日土曜日

【本】欧米人とはこんなに違った 日本人の「体質」 奥田昌子 講談社ブルーバックス

次の3つの中に間違った健康法があります。分かりますか?

①骨を強くするために牛乳や乳製品をつとめて摂取している
②筋肉をつけて基礎代謝を上げる為、ジムに通い始めた
③糖尿病予防やダイエットのために炭水化物(糖質)をひかえている

じつは、すべて間違いです。正確に言うと欧米人には有効でも、日本人には効果が期待できません。

というショッキングな話から始まります。

体質は遺伝と環境がからみあうとの事。一卵性双生児でも、両方がそろって同じ病気になる確率は意外なほど低い。

一方、病気にも「お国柄」があり、日本は皮膚がんはオーストラリアやニュージーランドと比べると発症率が100分の1しかない。アトピー性皮膚炎は日本は韓国や香港の3倍くらい多い。結核の発症率は欧米の4倍高い。胃がんは北米の7倍。などなど。

米国では、色々な国からの移民が多いので、人種による体質の違いをふまえて、それぞれの人種に最善の医療を提供するための人種差医療が行われている。

日本人、こんな健康法は意味がないの章では、

頑張って筋トレしても、”やせ体質”にはならない。
オリーブ油を使い過ぎると生活習慣病に
牛乳って必要?日本人の骨粗鬆症発症率は米国白人の半分
赤ワインを飲んでも害のほうが多い
ヨーグルトを毎日食べると食物アレルギーを発症することも
夏バテを恐れてしっかり食べれば太るだけ

などマスコミが垂れ流している欧米流の各種健康法が日本人には合わない事も多いとのこと。

さらに、糖尿病、高血圧、脂質異常症と動脈硬化、胃がん、大腸がん、乳がん、を個別に日本人の体質について説明されています。

面白いと思う事が沢山書かれていますが、ひとつ 肉食中心の欧米人と日本人では体温が違う。肉食だと、肉に含まれるタンパク質による「食事誘発性熱産生」によって体内で活発に発熱します。その為、夏でも基礎代謝が下がらず非常に暑がります。
日本では体温が37度以上になると熱があると言いますが、米国では38度以上とのこと。

食に関しては、カロリーよりも脂肪が日本人にはポイントとの事。和食が日本人の体質に合っている事が良く分かりました。

簡単には内容を紹介しきれませんが、テレビの健康番組を見るよりも もっと有効な事を知るのに良い1冊です。

2018年2月23日金曜日

【空家の実家】植物との闘い3

他の庭木もノビノビと成長している様で、2本ある柚子の木はバケツ何杯分もの実をつけました。

バラを含めてトゲのある木々も、大きく枝を伸ばして庭が歩きにくくなりました。

ふと見ると、笹(細い竹?)が。
これは所かまわず生え出そうとし、太くなると大ごと、成長もバカみたいに早いので、地面に小さいのを見つけると、必死で抜いたり折ってしまったりしました。
でも地下茎から始末する事は出来ないのでイタチごっこ。

ついに根尽きて、造園の方にお願いして庭木を根こそぎ切って撤去してもらいました。大きなヒマラヤ杉はチェーンソーで切って、クレーンで吊るしてトラックへ。直径30cm以上の切り株が残りました。


庭の真ん中に父がバードウォッチングしようと巣箱を付けた木が1本あるので、それだけ残して他の木は全て撤去。
中央の木も取ってしまうと、完全に「売り土地、売家」という風情になってしまうので、売るために切ったのではないぞという自分自身の意思表示の積りでもあります。

秋でもあり、庭がガラ~ンとして風がひゅうひゅう通り抜けるうそ寒い空間になってしまいました。

今まで緑あふれる、生命あふれる空間だった所が墓場の様に。

仕方が無いのですが、実家が一日にして異様な家 に化してしまいました。

でも、これで植物との闘いはひとまず安心に。

切ってみて、植物=生命の存在感がいかに大きかったのかが良く分かりました。 

植物は戦う相手ではなく、共存する相手だった事を痛烈に感じました。

翌年、ガラ~ンとした庭は、また一面雑草の海に。

近隣への迷惑を考えて除草剤等は使わないと決めていたので、雑草との闘いは果てしないですね。

一本 残した木は、周りのライバルがいなくなったので、急に成長が早くなった様です。

大きく枝を伸ばし、存分に葉っぱも茂らせだしました。

闘いはまだ続きますが、山場は超えたのでこの話はこの辺で。

2018年2月21日水曜日

【空家の実家】植物との闘い2

4ヶ月毎の草刈りを2年続けました。

つる草は非常に成長が早いので、取っても4ヶ月すると又、色々な木々やフェンスに絡みつき伸びてきます。

ただ、空中や高い位置にあるので、かがまなくても良く、体重をかけて引っ張れば、面白い様に取れてきます。

つる草が取れると、それまで日光を横取りされていたり、締め付けられていた木々が、皆 嬉しそうに元気になります。

そうすると、それらが伸びてきて、、、

ドクダミ等の地表や地下に根を這わせていきどんどん広がる植物は厄介です。

ドクダミは千切ると臭い液を出して報復をしてきますし。始末におえません。

散々 悪口を言いながら、草取りをしていきます。

そんな事をしていたら、いつの間にかヒマラヤ杉が大きく伸びてしまい、道路の電線に引っ掛かりそうになってきてしまいました。

困りました。

2018年2月20日火曜日

【空家の実家】植物との闘い1

父が他界し、母が姉の近くに移り、実家が空家になりました。

それにまつわる事を少しずつ書いてみようと思います。

郊外にある築40年の戸建ての家。
家からは2時間弱の距離にありますが、勤め先の方向とは近いので2ヶ月に1度程度 金曜日などに泊まりに行きます。

日頃、雨戸を閉めて空家にしているのですが、人が住まない家は本当に急激に衰えてくる事を感じます。

泊まった時に空気を入れ替えると家も深呼吸をして喜んでいる様に思えます。


梅雨時になると、面倒で足が遠のいてしまったのですが、しばらくして市役所から警告書が送られてきました。

近隣からの苦情により、という書き方ですが、庭の雑草などがひどく野生化して荒れており、鳥などの巣になる恐れがある。
至急対処しないと、ヤヤコシイ事になるぞ。

という様な物。

晴れた休日に、一人で実家に行き狂暴化した雑草や庭木、蔦類などの征伐をしました。


植物も、人の気配が無くなると、とたんに本当に狂暴化します。

広くもない庭ですが、一日格闘して、かなりの量の草や枝葉を取りました。

ポリ袋だと大袋で10個分はあるぐらいの体積です。

それらをカーポートのコンクリの上に広げて干すことで少しでも減量を図ります。

ただ、困った事には、そのゴミを出せるのは月に2回、決められた日だけとの事。

途方にくれます。


その時は仕方無いので、コンクリの中央に山積みにして自然に枯れて行く事を狙って帰り、後日ゴミで出せる日の前日に泊まりに行き、出しました。

ただ、植物の力は恐ろしく、3ヶ月も経つと又 以前のジャングル状態に戻っており、同じ事を繰り返す必要があります。



馴れない作業で、腰も悲鳴を上げますし、バラなどトゲのある植物には散々な目にあわされ傷だらけ。

自分が庭を作る時は、絶対にトゲのある植物は植えないと固く心に誓いました。

そして、何よりも何時まで続く戦いか終わりが見えない事に絶望感を覚えました。 

恐るべし、植物。
恐ろしい空家の庭。

2018年1月30日火曜日

【本】コンクリート なんでも小辞典 ブルーバックス 講談社BOOK倶楽部

コンクリートは、よく聞く名前ですが、どういう物なのか、実は良く分かっていませんでした。

固まるしくみから、どうして強くなるのか。

何となく、水で練って流し込んで乾燥させると固まるという印象をもっていました。
でも、乾燥だと雨で濡れるとどうなっちゃうの??  何も分かっていなかったという事ですね。

この本を読んで、コンクリートは水和反応という化学変化で固まるという事が分かりました。だから、反応をしっかりさせる為に、コンクリートを打ったあとはなるべく湿気を増やしたり、水分が乾燥しない様に気を付けるとの事。印象と正反対でした。

面白いと思ったのは、鉄筋コンクリート。
普通は、全く性質の異なる物質は温度変化も違うのですが、鉄筋とコンクリートは熱膨張率がほぼ同じなので、温度でダメージは受けないとの事。感心しました。

日頃 建設現場を何気なく見ていましたがこれからは、コンクリートをどう扱っているのか、興味深く見る事ができそうです。

2018年1月21日日曜日

【本】ナノカーボン ナノ学会 近代科学社

木炭や活性炭、カーボンブラックなどの昔からの炭素の活用がありましたが、20世紀後半は炭素繊維や生体用カーボンなどのニューカーボンの世界が広がり、さらに21世紀に入ってナノカーボンという世界が追加されつつあります。

ノーベル賞の頃は、フラーレン、ナノチューブ、グラフェンなどの単語がニュース上を舞いますがそれらはその後どうなっているのか?

フラーレンはサッカーボール型のC60が有名で誰でもその絵を見たことがあると思います。
でも、今はあまり話を聞かない。

世界的には5年程で研究者がナノチューブに移ってしまったとの事。
ただし、日本では地道に研究を続けている方がおり、人工光合成など色々な成果が生まれそうになっている。

グラフェンは炭素の薄い原子1層の膜。
黒鉛をセロテープで剥がしたら1層を作れたという事で、色々と実験が出来る様になった事で研究が進んでいる。

その膜の端面についてがホットな話題との事。

膜の端と端を繋がったのがナノチューブだし、丸く繋げたのがフラーレンといえる。

もっと複雑な形としてエキゾチックナノカーボンという世界も出来つつある。ピーナッツみたいな形など面白い形も。

そして、爆轟法ナノダイヤモンドという量産可能な方法が出てきて、注目を浴びているとのこと。

炭素は基本的な元素ですが、これほど次々と新しい面を見せてくれるものも珍しいもの。

これからも、まだまだ発展していきそうです。

一つ面白いなと思ったのは、サッカーボールを何重にも入れ子にしたようなカーボンナノオニオン。

応用として太陽熱貯蔵に向いているとのこと。

「直径ミクロンオーダーまで成長させた結晶性カーボンナノオニオンは、黒色のサラサラした粉末で、太陽光を広い波長範囲にわたってよく吸収すると予想される。常温付近で、ナノオニオンの内部回転自由度が失われ、振動の自由度はもともときわめて小さいので、太陽光を吸収すると光エネルギーは効率よく電子励起エネルギーに変換される。
低エネルギー3重項準位が無数に存在するので、膨大なエネルギーを貯蔵することができる。」

これを練り込んだカーテンで、冬の昼の熱を夜まで溜めておけるようになると使えそうですね。