2020年9月27日日曜日

【本】ピアニストという蛮族がいる 中村紘子 文藝春秋

 ずっと気になっていた本でしたが、やっと読むチャンスがありました。

中村紘子さんは、腕前のすごい美人ピアニストのはしりというイメージを持っていました。


でも、この本を読んで、文才もすごい方だったんだなと感心しました。とても面白く、引き込まれていつの間にかどんどん読み進んでしまいます。


天は彼女に何物も与えているようです。

勿論、ピアノも文章も非常な訓練をされたのかとは思いますが。


大バッハから始まり、ショパン、ラフマニノフ、ホロウィッツ等々有名なピアニスト。ピアノ作曲家の方々のエピソードが面白く書かれています。


そういう時代背景だから、そういう事だったのか。


ピアノという楽器はそういう風に進化してきたのか。


等 興味深い話が山盛りです。


又、毎日10時間も練習を続けて育ってきて、練習し続けるピアニストという種族の性格、習性も言われてみればナルホドと腹落ちする話ばかり。



特に私にとって面白かったのはショパンについて。


ショパンのピアノ曲集は大好きなのですが、そのショパンの手は実は中村紘子さんの手よりも小さかったとの事。原寸大のの手の大きさが付録についています。私の手よりも小さかった!!


こんな小さな手で、あれだけのピアノ曲を作って演奏していたなんて、思ってもみませんでした。


一方、ラフマニノフは190㎝以上の長身に大きな手という事で、それならば弾きやすそうだなとこれも納得。



とても面白い本でした。


現代は、ピアニストといっても色々なジャンルがありますね。


昔からのクラシックピアニストだけでなく、ユーチューブで有名なハラミちゃんなどのPOPsピアニストもいますし、ジャズピアニストもいます。


ピアノを歌わせているピアニストもいれば、打楽器の様に使うピアニストもいる。


素人にも、多種なピアニストの違いを感じさせるピアノという楽器について、ますます親近感がわいてきました。


2020年9月21日月曜日

【生活】オンライン生活での楽しみ

 コロナによって、街に出歩くのも極力控え、

仕事もリモートでという引籠り生活を続け

ています。


コロナの感染者が下火になってきていても、

治療薬もまだハッキリしない中では、なか

なか人混みに出ることはしたくない感じ。



やはり、抑圧された感覚の生活がずっと

続いていますが、皆がオンライン生活だか

ら実現できてきた楽しみも徐々に見つけ

出せ始めました。



一つは、引っ越してから疎遠になってしま

った昔の地元の人たちとの関係再開。


地元の囲碁教室に行っていましたが、引っ

越ししてから通う事もできず、ずっと囲碁

自体からも何年も遠ざかっていました。


囲碁は勿論ネット碁という方法もあるので

すが、純粋に囲碁を打ちたいという事より

も見知った仲間とワイワイ囲碁を打ちたか

った自分を再発見していたこの数年でした。



でも、囲碁教室もズームを使ったオンライン

になったらか、参加しませんか?と声を

かけてもらい、久々に入る事ができました。


数年たっているので、メンバーもかなり変

わっていますが、やはり楽しい。

オンラインで実現できた楽しみです。



二つ目は、子供の頃の興味の復活と、人生

始めてのボランティアをオンラインで始め

られた事。



小学生の時は、ちょうどアポロ計画世代な

ので宇宙大好きでした。

その後、数十年。現実の生活は宇宙とは全

く関係ない世界で生きてきました。

そんな中、国立天文台のプロジェクトの中

に素人参加でできるボランティアがある事

を知りました。



ボランティア活動も、阪神淡路震災や東日本

大震災などで皆さんが活動されているを見て

自分もしたほうが良いのだろうけどとは思い

つつ、ずっとサボっていて気になっていまし

た。



それが、天文台のプロジェクトに参加すれ

ば自宅で好きな時間に、しかも好きだった

宇宙の解明に関係するボランティアを楽し

みながら出来るという、両得を得る事がで

きました。



三つ目は、いつかは行ってみたいなと思っ

ていた、好きなアーティストのライブコン

サートをオンライン視聴できた事。



いきものがかりの20周年ライブフェスを

視聴しました。リアルのコンサートだと

抽選になるし5000円では買えないしという

事になりますが、今回のフェスは、TV局

のスタジオからのライブとの事で、TVの

カメラワークでライブが見られる。


つまり、リアルで言うと最前列よりも

もっとアーティストに近い、まるでステー

ジにまで上がってしまった様な近さ感覚で

見れました。しかも自室で。



勿論リアルライブの肌感覚はありませんが

リアルとTV番組のちょうと真ん中という感

じでしょうか。


デジタル配信なので、翌日も全部見直す事

や好きな曲の所だけ何度もあとで見直す事

も出来るのは、デジタルの良さ。


ただ、デジタルの弱い点も出ました。

視聴に使うパソコンのパワーや回線の状況

によって画像と音声がズレたり、ノイズが

乗ったりという様な事も起こりました。

この辺はまだ発展途上ですね。。。



途中でコマーシャルが入るのはTV的で、そ

れなら、もっと安くして欲しいとは思いま

したが、今回は20周年を祝うというご祝儀

の意味も込めて納得しました。



そんな、こんな、で オンラインならでは

の新しい楽しみも在るんだという事に気が

つきました。


せっかくなので、もっとオンラインだから

出来る事を探して試していきたいと思いま

す。


2020年7月25日土曜日

【ステイホーム】懐かしい映画 ジャングルブック

子供のころ、最も好きだった本のひとつがジャングルブック
でした。


ストーリー詳細は忘れましたが、モーグリ少年とすばらしい
森の仲間達という印象が残っています。


ずっと 存在を忘れていましたが、TV放送で映画を見る事が
できました。



ディズニーが作っているのですね。



見て、素晴らしい。



実写と見まがう映像のすばらしさもありますが、内容による
感動がこの歳になってもあります。


身近に小さい子が出来たら、ジャングルブックの本をプレゼ
ントしたくなりました。




【ステイホーム】懐かしい映画 バックトゥザフューチャー

コロナ禍でステイホームが広がり、TVも過去作品の再放送など
が増えています。


懐かしい作品や、気になっていた作品などを家でゆっくり見る
チャンスですね。


バックトゥザフューチャーの3部作。


もう25年も前の作品でした。 でも、今 見てもぜんぜん色あ
せていないと感じます。


マーティーが行った未来が2015年というのが、ちょっと拍子抜
けはしますが、内容は面白い。


当時 トランプを擬して作られたというビフも、実際にトラン
プが大統領になっている現実と重なって、妙なリアリティがあ
る。



封切りしたときも見て大好きな映画だったのですが、久々に見て
あらためて良く出来てるなあと感心しました。


1作を年単位で撮影しているのだと思いますが、3部作が上手く
つながっていて、最初から3部作の構想で計画的に撮っていた
凄いプロジェクトで、さすがスピルバーグと思っていました。


でも、今回 3本をよーく見たら、アレレ と思う点に気が付
きました。


ジェニファーの役者が変わっている!


そこで初めて、第1部が好評だったために、第2部、第3部が構想
されたという事を知りました。


それを、25年も私は気が付きませんでした。


そいういう意味でも良くできた映画なんだな。



トランプが大統領になってしまっているこの世界は、いくつか
のパラレルワールドの中の悲惨なシナリオの世界なのだろうか。


あのトランプならば、タイムマシンを盗んで、過去の自分に
有利な何かを仕掛けたのかもしれませんね。

2020年7月20日月曜日

【新型コロナ対策】児玉龍彦先生の話

先週の予算委員会に東大 名誉教授の児玉先生が参考人として
呼ばれ、お話をされました。

ネットにて、その日の審議を全部動画で見ました。

政府のコロナ対策の西村担当大臣、専門家分科会の尾身会長も
出席しています。


その夜や翌日のニュースでも報道されましたが、児玉先生の
危機感、その気になれば日本は出来るのにそれをしようと
しない政府や政治家に対するいら立ちがヒシヒシと伝わるお話
しでした。


コロナに関する事に対して、専門家の意見を聞きたいという
事で、予定に入っていないかった色々な議員が、尾身会長では
なく児玉先生を指名していました。


政府 厚労省 べったりの分科会長の意見とは対照的な、児玉
先生のロジカルな話を議員の人も聞きたがっているという事が
良く伝わってきました。


児玉先生の歯に衣着せぬ発言は、政府や分科会のやってきた事
の的外れさもハッキリ指摘しますので、政府やマスコミからは
疎まれる存在なのだろうと思います。


折角の児玉先生の日本でちゃんとしたコロナ対策を行おうという
提言がどれだけ活かされるのかが、大きなポイントですが、
西村大臣や尾身氏の反応を見ていると全く頼りにならないという
印象を受けたのは私だけでしょうか?


私は、人に教わって4月の頭からデモクラシータイムズでの児玉
先生の対談を見てきました。


大体 月に1~2回の対談だと思いますが、情報やデータが揃うに
従い、おっしゃられる中身もどんどん進化していきている様に
思います。


ただ、一貫されているのは、日本を挙げて科学的アプローチが
必要であり、日本はそれが出来る素地が十分ある。


それを政治的にちゃんと動かせば、積極的にコロナを乗り越えら
れるという強い意志と決意だと思います。



素人の知らない科学的な知見が次々出るし、先生が伝えたい事も
沢山あるので、かなりの高密度ハイレベルな話になり、ついてい
くのが大変です。


でも、政府やマスコミが伝えるコロナの話と、現実は大きく異な
る事がハッキリわかるし、現実的にすべき事もハッキリおっしゃ
ってくれる。


しかも、自らしかけて抗体の大がかりな研究も推進されている。



予算委員会でのご提案も、初めて聞くような政治家の人達には
1/10ぐらいしか理解されていないかもしれません。


でも、エビセンターを面で対策しなければならない事や、日本が
総力を挙げた対応が出来ていない事。


無策なままでの自粛等が全く意味を持たず、日本をどんどんダメ
にして行っている事。


思い切った最先端のやり方をすれば、経済とコロナ対策の両立も
方法がある事。(日本としては思い切った方策でも、世界から見
たら当たり前の方策だが)


は、なんとなく伝わったのではないでしょうか?


政府に媚びず、忖度せず、実効的&科学的なすべき事を提言してくれる。
こんな人が日本におられた事に、感動と感謝を覚えます。


国民一律支給の10万円から、私は児玉先生のプロジェクトに寄付を
しました。



2020年6月21日日曜日

【不耕起栽培の家庭菜園】庭で家庭菜園の楽しみ

始めてみて、庭の一部に小さな畑やプランタがあると、とても楽しい事を知りました。

野菜作りは、毎日毎日小さな変化が植物や、土、虫の動きなどに起こります。


雨が降った翌日の晴れは、植物が皆 生き生きしているのが感じられるとか、風が強くあたる場所で、植えたばかりの苗は風に揺られて苦しそうとか。

勿論、葉が茂る、花が咲く、実が成る、などはとても楽しい変化です。

ちょっと見ないうちに雑草がはびこっている、、なんていう変化もあります。



家庭菜園をやってみると、このタイミングでコレをしなくては、という事が時々あります。


ズッキーニ等の人工授粉は花が咲いた朝の9時までにしないといけない。

明日は雨になるから、その前に追肥をしておこう。

晴れが3日続くからニンニクを掘り出そう。

大風が今夜は吹きそうだから、支柱の補強をしよう。

2週間後に苗を植え付けるから、その前に元肥を土の中に入れておこう。

トマトやキュウリなど、数日毎に脇目を頻繁にとらないといけない。

などなど。



そういう変化の監視や作業をタイミング良くするのは、広い畑や遠くにある畑では大変でしょう。

それが、庭の一部ならば、玄関を出て10秒で見に行けます。


朝、新聞受けから新聞を取るついでにサンダル履きで畑の様子を見られる。

昼飯食べたら、腹ごなし感覚で畑を見に行ける。



狭い畑ですから、必要な農作業の量も知れていて、数分~多くても2時間ぐらで終わらせられる。

早起きすれば、朝 出社前に植物の手入れをする事も可能。


近くて 小規模だから 全然ストレスなく、日常生活の一部として菜園活動をする事ができます。



収穫の時期には、近所の子供に体験収穫させてあげたり、できた旬野菜をご近所に差し上げる事も簡単。

勿論、必要な旬野菜やハーブを料理で必要な分だけサンダル履きで畑から採取してきて調理できる。



とに角、手軽で、身近で、それでいて自然の変化をダイレクトに感じる事が出来るし、植物をペットの様な感覚で育てる事ができます。

これはベランダでのプランタ栽培でも同じでしょう。 



日光を浴びたり、土を触ったりするのも気持ちが良いですし、世話をしている植物たちを眺めているだけでも気持ちが落ち着きます。


タネから苗を育て、植え付けてからもコンディションに出来るだけ気を配りますが、結局は植物自身の生命力と自然の連携プレーや恵みの力を見守るという事になります。 


小さな自然の驚異を、ストレスなく見ることが出来るという幸せが家庭菜園の幸せかなと感じる毎日です。

2020年6月17日水曜日

【本】大事なことほど小声でささやく 森沢明夫 幻冬舎

森沢さんの本は、「エミリの小さな包丁」を初めて読んでから、すっかりハマってしまい。出版年度が古いものから色々と読み続けています。

今まで読んだのは、

エミリの小さな包丁 
雨上がりの川
水曜日の手紙 
キッチン風見鶏 
失恋バスは謎だらけ 
津軽百年食堂 
海を抱いたビー玉 
青森ドロップキッカーズ 
ライアの祈り 
虹の岬の喫茶店 
あなたへ 
夏美のホタル 

で、今日は、「大事な事は小声でささやく」を読みました。


これはオムニバス形式の小説ですが、何人もの人生を縦軸に、人の心の持ち方や助け合い・思い合って生きる大切さを横軸に上手く編まれていて、森沢明夫氏のどの小説にも共通している、とてもあたたかい気持ちにさせてくれる一冊でした。


著者の心情や大事にしたい事、伝えたい事が、どの小説にも表れているのでしょう。

そうでなければ、こんなに沢山の素晴らしい小説群をとても書けないだろうと思います。


色々な本を出されていますが、各々の物語中で、他の物語の主人公がチラリと連携していたりして、全部の小説が集まって森沢ワールドが作られていくようです。


「虹の岬の喫茶店」は伏線や音楽も含めて、本当に良くできた小説だと思いました。映画化されたのは納得。


今日の「大事な事は小声でささやく」もとても良くて、これはドラマ化されれば良いのにと思いました。


登場人物が強烈なので、うまくハマる役者さんを見つけるのは至難の業かもしれませんが、ドラマになっても面白いのではないでしょうか。


森沢作品は、どれも良いので逆に書評が書きずらいし、そんな事を書いているよりも、じっくりと読後の余韻を楽しむことの方が人生として大事なのではと思ってしまいます。


これからも、まだまだ森沢作品を読んで行きたいと思います。