2014年8月5日火曜日

【心と身体・本】指揮者の身のこなし ボクの音楽武者修行 小澤征爾 新潮文庫

テレビで「のだめカンタービレ」の再放送をやっていました。

録画して久しぶりに見たのですが、ギャグ満載で相変わらず楽しませてもらいました。



この「のだめ」に触発されて、小澤征爾さんの青春自叙伝を読んでみました。



小澤さんが24才で初めて海外に貨物船で渡って、コンクールに次々と優勝し、世界

の巨匠とつながって行った夢のような3年間の成功談。



「のだめ」の千秋先輩は小澤さんがモデルなのでしょうか?と思いました。



それはそれとして、この本で私が最も面白いと思ったのは、指揮の達人はスポーツ

や武術と同じで”力を抜く”という事を大事にしていたという事です。



関連する部分を抜書きすると、


「その指揮上のテクニックはまったく尊いもので、一口に言えば、指揮をしながらいつでも自分の力

を自分でコントロールする事ができるという事を教わったわけだ。言い方を変えれば、自分の体

から力を抜くということが、いつでも可能になるということなのだ。これはちょっと考えてみると、妙な

理論かもしれない。しかし実際に皆さんがおやりになるとわかると思うが、力を完全に抜ききるとい

うことが、どのくらいむずかしいことか、それはインドのヨガや、いろいろな健康法でも、ときどきこの

ごろ言われてきていることだ。力を抜くということ、自分の筋肉の力を抜ききる状態を作ることが、

指揮の一つのテクニックだとぼくは思っている。

 それと同じことを、言葉は変わっているが、シャルル・ミュンシュも言っていたし、カラヤンも、ベル

リンで僕に教えてくれた時に言っていた。だからここでもう一回はっきりと、ぼくは斉藤先生、あるい

は桐朋学園の音楽教室というものは、基礎的な面でたいへんすぐれているということを、身に染み

て感じた。


 中略  


 自分のことを言うようでおかしいが、僕はどんなオーケストラへ行っても、そのオーケストラが、あ

るむずかしい曲で合わなくなったり、アンサンブルがわるくなったりしているときに、ぼくの持ってい

るテクニックを使って、必ずみんなのアンサンブルを整えることができるという自信を持っている。そ

れはすなわち斉藤先生のメトーデによるものだ。それがオーケストラの方からみると、セイジの棒

は非常に明瞭だという答えになって現れるので、ぼくとしては、指揮するばあいに非常に有利な立

場に立つことができるのだ。」



なるほどね。

達人技の真理は 普遍性があるのですね。

2014年8月3日日曜日

【心と身体】自ら人体実験 うっかりミスや物忘れなどの防止

だんだん年をとってきて、仕事中でもうっかりミスをしてしまったり

人の名前を思い出せなくなったり、同時に2つ事を進める事ができなく

なったりしてきたなと感じました。



困ったものだ ボケ かな。。。。。と観念し始めたところ、 




「ビタミンで頭が良くなる」とのニュースが、英国の医学専門誌「ランセット」に

紹介されていたという話を聞き、ダメでもともとと毎朝1粒づつマルチビタミン錠

を飲み始めてみました。




すると、その日から仕事中のボンヤリや物忘れが無くなってきた様に感じます。



定量的な効果測定が出来ている訳ではありませんが、感覚的には昔に戻ったという

感じ。マルチビタミンのどの成分が効いているのかは分かりませんが。




元々が薬を飲むと、途端に効いてきたと思ってしまうタチなので、思い込みによる

プラシーボ効果かもしれませんが定性的には効いている気がします。



飲みはじめて半年以上。 



いつか長期休みの時に飲むのを一時止めてみて、本当にマルチビの効果か確認し

てみたいとは思います。

【本】わが身に危険が迫ってもこれだけは伝えたい 日本の真相 船瀬俊介 成甲書房

政府やマスコミが決して伝えない「隠された真実」を書いたという本。



以前からの原発安全神話、非核三原則の嘘、メタボ健診など政府広報・宣伝・マスコミ報

道に操られている事は沢山あると薄々感じている人は多いと思います。




身近な小さな事では、運動は20分以上しないと脂肪は燃えないという話。専門家の間で

は十年以上も前から嘘ということが常識となっていました。



大きな所では、アメリカ9.11のテロ。日本では、アルカイダの仕業という認識が強いと思

いますが、米国では80%以上の人はアルカイダが首謀ではない(軍産共同体やネオコン

が仕掛けた?)という疑念を持っているらしい。。。




世の中の広報や報道は シガラミマミレ なので、そこで隠されている事を生活者の視点

から食料から医療・建築まで100のタブーとしてこの本には書き出してあります。



特にショッキングだったのは、抗がん剤に関して。



厚生労働省の技官が、「抗がん剤が、がんを治せないのは周知の事実です。」「抗がん剤

は大変な猛毒物質です。それで死んでしまう方が、大勢いらっしゃるんですよね。」「抗

がん剤は大変な発がん物質です。それで新しいがんが発生してしまう方が、大勢いらっし

ゃる」と公言されているとこと。なぜ投与するのか?という問いには「抗がん剤を投与す

ると、10人に1人くらいに腫瘍縮小がみられるんです」それを”効いた”と判断して医

薬品[抗がん剤)認可するとのこと。



厚労省保健局の課長は、公のシンポジウムの場で、「抗がん剤は、いくら使っても、使っ

ても効かない。こんな薬に保険適用していいのですか!」と公言している。



医師たちも、抗がん剤の恐怖の真実を知っている。だから、自分や身内には絶対、抗がん

剤は打たせない。内外の271人の医者に「自分自身に抗がん剤を打つか?」と尋ねたら、

270人が「断固ノー」だった。又、抗がん剤を患者さんには打ちまくってきた東大医学

部の教授4人が、自らががんになったら4人とも抗がん剤拒否で、食事療法で治したとい

う、笑えないエピソードもある。


とのこと。



又、住宅建築での高気密高断熱神話の嘘や、ビニールクロスや建材によるシックハウスの

実態などは、私自身も前から興味を持って調べていていたのでかなり共感しました。



この本自体も鵜呑みにしてはいけなく、本当なのかと各自が調べ・検証して判断していく

必要があると思いますが、自ら実感していない「世間の常識」はまずは疑ってみるという

事が重要そうです。



そいういう意味で、色々な視点を与えてくれる一冊です。

2014年8月2日土曜日

【バレーボール】WGP予選 トルコ戦  新戦術(MB1/MB0)の効果

BS放送のWGPの日本初戦を見ました。



新戦術(MB1/MB0)は攻撃力を上げて、相手より早く25点を取るという事ですから、

こちらの攻撃から始められる相手サーブの時と、こちらは守りから始まる日本サーブの時

の得点率に、狙い通りに出来たのかという結果が現れると思います。



そういう目で試合を見ていました。トルコには3-0で負けましたがその中身は、



第1セット トルコサーブでは 日本17点、トルコ10点で日本の得点率63% トルコ 37%
      日本サーブでは 日本10点、トルコ19点で日本の得点率34%  トルコ 66%


第2セット トルコサーブでは 日本15点、トルコ9点で日本の得点率63%  トルコ 37%
      日本サーブでは 日本4点、トルコ16点で日本の得点率20%   トルコ 80%

第3セット トルコサーブでは 日本12点、トルコ12点で日本の得点率50%  トルコ 50
      日本サーブでは 日本9点、トルコ13点で日本の得点率41%  トルコ 59%


でした。 (トルコサーブ時の得点率と日本サーブ時の得点率を足して100%を超えたチー

ムがそのセットを取ります。ゲームに見とれていた部分もあるのでカウントミスあるかも

しれません。)



新戦術(MB1/MB0)の思想でいうと、相手(トルコ)サーブ時に70%以上。日本サーブ時に

40%以上の得点率を得て勝つというのが在るべき姿かと思います。 



 今回の試合を見ていると、



①相手サーブ時での得点率がまだまだ足りません。


解説の吉原さんも言われていましたが、相手のブロックを1~1.5枚に抑えるという狙いは

達成できていたと思いますが、それでも十分に得点力に結びつけられていない様です。



ラリーにしないで1発で決められる攻撃力をアップする必要があります。ブロックアウト

でも良いのです。




②日本サーブ時での得点率 第3セットは40%超えが出来ました。


今回の主因は、サービスエースが何本も出た事によります。攻めのサーブは重要ですね。


本来は、日本のレシーブ力で相手の攻撃に耐えて反撃するはずですが、ブロック力が落ち

ているので、総合的なレシーブ力も落ちています。ワンタッチ又は球筋を狭めるだけでも

良いので ブロック強化はまだまだして欲しいです。




エリツィン杯の時よりは、新戦術(MB1/MB0)は形になりつつある様に感じました。


まずは、サーブと1枚ブロックへの攻撃方法をもう一工夫出来ると得点力短期向上になる

のではと思いました。あとはミスの極小化ですね。



まだまだ改善すべき点がこんなに沢山見えるという事は、強くなれる可能性が沢山ある

という事ですので、チームの成長が楽しみです。


2014年7月28日月曜日

【心と身体】自分を生かす古武術の心得 多田容子 集英社新書

いわゆる武術的動きに関する書物は多いですが、当たり前ですが

大抵は武術家が書いています。



武術でもスポーツでも,、身体を使う時には身体意識が非常に主要な

ファクターになりますが、物理的な量とは違う内面の意識は人に

なかなか伝えにくい物の様です。




色々な人が色々な表現をしていますが、特殊な感覚なので一般の他人

が文字だけでは理解しがたい物があります。そこが、神秘的で面白い

という面もありますが、、、




著者の多田さんは、居合や手裏剣術などを修行・研究している

女性ですが、本職は時代小説家の方。



だから、内面の意識をちゃんと表現できるプロなのです。




修行の中で、色々気づかれた事を 本当に分かり易く、そして

誤解無く書いておられます。この本で、改めて ああそういう事

だよねと思う事が幾つもありました。



こういう方が、居られる事は非常に貴重だと思います。



小説も早速読んでみたいと思いました。


2014年7月26日土曜日

【バレーボール】ワールドGP 新戦術(MB1/MB0)での注目点

いよいよ ワールドGPが始まります。

この大会を通じて、新戦術(MB1/MB0)の立上げをされるとのこと。

大変に興味深いと同時に、楽しみです。




先日のエリツィン杯でも、その片鱗を見せようとした新戦術(MB1/MB0)ですが、

その時は、非常な苦戦をしました。

私としては、その時に感じた課題がどう改善されようとしているのかに注意して

見て行きたいと思っています。




新戦術(MB1/MB0)は、シンプルに考えると、コートにいるリベロ以外の

全ての選手が攻撃手になるという狙いと思います。

セッターも場合によってはアタックも行い、他のメンバーがセッター役もする。



攻撃のバリエーションが非常に増える事で、相手ブロックを1~1.5枚ぐらい

までに抑えて、スパイクやブロックアウトで点を確実に稼いでいく事を狙う。

眞鍋監督が言っている「早く25点とった方が勝ち」という事ですね。



その為には、バリエーションを増やす為の複雑なコンビネーションの習得が

必要になります。エリツィン杯ではこのコンビがまだまだでしたが、それでも

全体の攻撃力は確実に高くなっている事は感じられました。



でも、苦戦しました。




それは、こちらが点を取ると同じようなペースで、相手に点を取られたから。。。

つまり、防御力が極度に落ちていたから。



新戦術(MB1/MB0)で目指すありたい姿を勝手に想定すると、


①相手のサーブの時は、確実にサーブレシーブしてこちらの攻撃につなげ、
 
 MB1/MB0攻撃で必ず点を取る。


②自分のサーブの時は、相手に攻撃させないようにサーブで必ず崩す。

 相手からの攻撃も、ブロック点は取れなくとも、ブロック動作で球筋を

 限定して確実なディグにつなげ、こちらのMB1/MB0攻撃をする。

 もちろん、サービスエースが取れればそれに越したことはない。



①は80%の確率で点を取り、②で相手側の点獲得率を60%に抑えられれば、こちら

が25点に達した時に、相手は20点も稼げていないという状態になります。

こういう状態になりたい。



しかし、エリツィン杯では、特に②の対応が弱かったし、ミス失点も多かった様です。



現在マスコミ等は新戦術(MB1/MB0)を超攻撃的戦術と言う盛り上げ方をしていますが、

ブラジルアメリカに勝とうと思うと、②をどれだけ達成できるかが本当の勝負と思えます。



そのあたりを、ワールドGPでは注目して見ていきたいと思います。



又、個人に頼らないチームをどれだけ作れそうか、というのも気になります。

ロンドン五輪を目指していた時も、井上選手、大友選手、土壇場の竹下選手

のケガに見舞われました。


どのポジションも必ず代替えできる選手を用意する必要性を、眞鍋監督は身に

染みて思っているはずです。この辺の育成も注目点です。



世界バレーまで続く今年のシリーズで、どれだけチームの完成度を上げて行けるのか、

本当に楽しみです。

2014年7月20日日曜日

【心と身体:バレーボール】三重大学での実験

先日、【心と身体・松平バレーボール】素早く跳ぶ身体の使い方 という記事を

書きましたが、この重力を使う身体運動法に関して通常の動きとの違いを三重大

の脇田先生とその学生さんが実験されていました。



「身体能力と脱力」というレポートでは、重力を使う”抜き動作”は、通常の

”蹴り動作”より素早い動きをする事が出来るという結果になっています。


まとめでは、

「身体運動と脱力の関係については、次の様にまとめる事が出来る。

①心と体は、一体である。

②心だけを緩める事はできない。

③体が緩むと心も緩み観察力が増す。

④各関節や筋を意識して緩める。

⑤動作の直前に筋肉を緩め、重力を利用した伸張反射による動作は素早くて気持ちが良い。

⑥体幹部の筋を最初に始動させ、末梢の筋に伝達させると力強い動作が素早くできる。


これまで西洋文化の影響より、各種トレーニング法が開発され競技成績の向上が図ら

れてきた。近年、色々な身体操法に関する著書が出版されるようになってきているが、

これらに関する科学的な検証は乏しい。日本文化である身体操法の多くは秘伝とされ

てきたため余り公開されていないのが現状である。今後は、西洋的なトレーニングを

踏まえつつ、日本古来の武道に秘められた身体操法を科学的に分析し、様々なスポーツ

に応用されれば運動成果のさらなる飛躍が期待できると考えている。」 とのこと。



バレーボールでの応用は如何にという意味では、「バレーボール技術に於ける

『抜き動作』と『蹴り動作』の比較:スパイクレシーブ・ブロックジャンプ」

というレポートもあります。



こちらは、長年の練習が必要と言われている”抜き動作”を5-10分だけ練習した

バレーボール選手に、”蹴り動作”と”抜き動作”をさせてみたという実験なので、その

まま鵜呑みには出来ませんが、考察に書かれていた、肩甲骨を自由に使う事ができ

れば、腕の長さや指高伸長もでき、スパイク時最高到達点のアップや、三角筋、広背

筋を使って打つことができる様になる。という示唆がされています。



日本選手が動きの質を変えて行くには、身体操法にヒントがあるのではないか

と改めて思いました。



戦術だけでは、他国に分析されると来年は通用しなくなると思います。

リオまでには2年ありますので、他国選手ではできない動きを火の鳥選手一人ひとり

が取り入れられればと願います。