テレビで「のだめカンタービレ」の再放送をやっていました。
録画して久しぶりに見たのですが、ギャグ満載で相変わらず楽しませてもらいました。
この「のだめ」に触発されて、小澤征爾さんの青春自叙伝を読んでみました。
小澤さんが24才で初めて海外に貨物船で渡って、コンクールに次々と優勝し、世界
の巨匠とつながって行った夢のような3年間の成功談。
「のだめ」の千秋先輩は小澤さんがモデルなのでしょうか?と思いました。
それはそれとして、この本で私が最も面白いと思ったのは、指揮の達人はスポーツ
や武術と同じで”力を抜く”という事を大事にしていたという事です。
関連する部分を抜書きすると、
「その指揮上のテクニックはまったく尊いもので、一口に言えば、指揮をしながらいつでも自分の力
を自分でコントロールする事ができるという事を教わったわけだ。言い方を変えれば、自分の体
から力を抜くということが、いつでも可能になるということなのだ。これはちょっと考えてみると、妙な
理論かもしれない。しかし実際に皆さんがおやりになるとわかると思うが、力を完全に抜ききるとい
うことが、どのくらいむずかしいことか、それはインドのヨガや、いろいろな健康法でも、ときどきこの
ごろ言われてきていることだ。力を抜くということ、自分の筋肉の力を抜ききる状態を作ることが、
指揮の一つのテクニックだとぼくは思っている。
それと同じことを、言葉は変わっているが、シャルル・ミュンシュも言っていたし、カラヤンも、ベル
リンで僕に教えてくれた時に言っていた。だからここでもう一回はっきりと、ぼくは斉藤先生、あるい
は桐朋学園の音楽教室というものは、基礎的な面でたいへんすぐれているということを、身に染み
て感じた。
中略
自分のことを言うようでおかしいが、僕はどんなオーケストラへ行っても、そのオーケストラが、あ
るむずかしい曲で合わなくなったり、アンサンブルがわるくなったりしているときに、ぼくの持ってい
るテクニックを使って、必ずみんなのアンサンブルを整えることができるという自信を持っている。そ
れはすなわち斉藤先生のメトーデによるものだ。それがオーケストラの方からみると、セイジの棒
は非常に明瞭だという答えになって現れるので、ぼくとしては、指揮するばあいに非常に有利な立
場に立つことができるのだ。」
なるほどね。
達人技の真理は 普遍性があるのですね。
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