2014年8月15日金曜日

【本】志 豊臣秀長伝  福永英樹 幻冬舎ルネッサンス

子供の頃から秀吉の話は好きでした。 


知恵と行動力と、無血勝利を目指したり、水攻めなどスケールの大きな発想、竹中半兵衛への三

顧の礼など、こんな物語の様な人が実在したなんて痛快!と思っていました。



まるで日本の三国志ですね。



ただし、素敵だなと思ったのは中国大返しまで。

それ以降については子供心にもなんか暗い話でイヤだなと感じていました。



大人になっても、大河ドラマなど戦国時代に関するものは興味を持ってみていました。


言葉としては、信長の楽市楽座の話や、天下布武、太閤検地、刀狩という言葉は聞いて知っていま

したが、それの目的は表面的な理解しかできていませんでした。



この「志 豊臣秀長伝」は、信長、秀長、家康が戦争の無い世界をどう作りたいと考えていたのか、

その志がどう繋って歴史を動かしていったのかが、とても納得できるストーリーで書かれていま

す。 読んでいて、”そうなんだ”と思わず膝を打つ思いでした。



秀吉は逆に、この志から外れた、コンセプト無き我欲の王との事。

これで、清州会議以降の暗い事などがスッキリ肚におちた気がします。



秀長を中心に描き出されたこの日本を変える思いは、江戸の200年に生きたとのだと思います。



幕末に日本を訪れた欧米人の旅行記を読むと、どの人も日本の自然の美しさに加えて、

「日本人は士農工商の身分制や貧富の差はあるが、各々の庶民の人々は皆 幸せそうに暮らして

いる。」と驚きを持って書かれていました。



江戸の下町の貧乏な家でも、清潔に整理されており、必ず花も育て愛でているという例も書かれて

いました。他のアジアの国や欧米と比べても、すばらしい国という印象です。



秀長の志が成し遂げた結果なのでしょう。



この本は、非常に読みやすく、読み始めると面白くてどんどん引き寄せられてしまいます。

娯楽としてもお薦めの一冊です。


私は三国志も好きなのですが、日本にに 趙雲子龍 にあたる肝っ玉と素晴らしい技、正義心を持

った人物は誰かいるのでしょうか? 三国志では一番好きな人物です。


そういう人の話もぜひ書いてもらいたいです。

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