2015年3月22日日曜日

【本】納豆大全  町田忍 小学館

納豆に関して、これだけまとまった本は少ないかも。

色々な納豆パワーが書かれています。どれだけ厳密な話かは分かりませんが、記してみます。



・納豆の糸1gでO157を撲滅

医学博士で倉敷芸術科学大学教授の話では、実験の結果、納豆菌は悪玉菌を殺すのではなく、

排せつさせつ役目をする。

昭和11年には京大の先生が、チフス菌に対しても納豆が有効な実験結果で、予防の為に納豆を

食べて欲しいとの新聞記事があるとのこと。



・納豆で骨粗鬆症対策も

カルシウムを吸収して骨に補給する事が重要だが、その為にはビタミンKが必要で、納豆にはそれ

が多く含まれる。納豆消費量と大たい骨骨折分布を調べると、納豆消費量の一番多い茨城県は骨

折が一番すくない。



・血栓を溶かすナットウ・キナーゼ

納豆は高タンパク食品でありながら、コレステロールはゼロ。しかも血管のコレステロールを洗い流

して血液をきれいにするリノール酸や、細胞の新陳代謝を活発にするレシチンが含まれている。さ

らに納豆のタンパク質には血管の弾力性を高める働きもある。

動物実験でも、大豆で飼育されたものと、他の食物で飼育されたものとは、成長してからの血管の

弾力性に大きな差が出ていることが証明されている。



・血圧を下げる「なんらかの効用」

動物実験では、本態性高血圧に対して納豆が血圧を下げるという結果がある。注目すべきは、製

造直後の納豆よりも熟成期間の長い納豆の方が効果的。



・便秘に下痢に食物繊維

納豆菌は食物繊維と組んで整腸作用をする。



・納豆を食べない方が良いのは、

ワーファリンという抗凝血剤を使用している人は納豆が薬効を消してしまう可能性があるので食べ

ない方が良い。

2015年3月1日日曜日

【本】平和主義とは何か  松元雅和 中公新書

裏表紙に書いてある概要、『平和を愛さない人はいないだろう、だが平和主義となるとどうだろう

か。今日では単なる理想論と片付けられがちだが、実はその思想や実践は多様である。本書は、

「愛する人が襲われても無抵抗で良いのか」「正しい戦争もあるはず」「平和主義は非現実的だ」

「虐殺を武力で止めないのは無責任」といった批判に丁寧に答え、説得力のある平和主義の姿を

探る。感情論やレッテル貼りに陥らず、戦争と平和について明晰に考えるために。』に惹かれて読

んでみました。



政治哲学として考えるという副題がついていますが、白熱教室のサンデル教授の様に、平和主義

者の視点、非平和主義者の視点の両面から考えるという姿勢の本になっています。


いままで、ぼんやり平和主義=反戦主義とイメージしていましたが、実は色々なケースと考え方が

ある事が系統的に語られています。この本を読んで、初めて「平和」に関しての様々なロジックがア

カデミックに少し整理された気持ちになれました。戦争と平和に関してモヤモヤしている方にお薦め

の一冊です。



内容が豊富な本なので、どれだけ簡単に紹介できるか自信がありませんが、ポイントと思えた点を

書いてみます。


まづ「平和主義」とは、平和的手段=非暴力的手段を持って平和という目的を達成しようとする主

義主張となる。


①愛する人が襲われたらという問いが平和主義を批判する時に使われる事がある。「たとえば凶

悪な男が銃を構えて、君の奥さんを、、殺そうとしているとする。さあ、君はどうするかね。」大半の

人はそれを黙って見過ごす事は不可能な選択肢である。批判者からすると、それ見たことか平和

主義は現実離れした考え方だ。というロジック。


この問いには色々なトリックが隠されているが、まづは「無条件平和主義」と「条件付き平和主義」

を区別する事が重要になる。多くの平和主義者は条件付き平和主義であり、その立場は、非暴力

は原則であって、原則には例外がある。非暴力の教えをある種の偶然性に委ねる。例えば、非暴

力を貫くことの被害が計り知れない程甚大ならば、その状況を勘案して、個別的に暴力手段を用

いる事も場合によっては容認しうる。但し、同時に大半の場合、暴力手段に訴えることは暴力の連

鎖を生むので、賢明な手段ではない。


二番目は、個人=私的場面と公的=国等場面では、区別する事が必要である。

私的場面では非暴力に徹する訳ではない(自己防衛)が、公的場面での暴力手段は拒絶する=反

戦というのを公的平和主義と呼ぶ。公的平和主義が禁止するのは、平和主義者が政治集団の1員

として暴力を用いる事である。


戦争と警察の違いは、暴力行為の「正統性」の有無である。ある国家が別の国家に戦争を仕掛け

るとき、前者の政府が後者の国民に対して、あらかじめ武器使用の同意を得ている事はありえそう

にない。それに対して、正統な政府は強制力を用いる事の同意を、通常あらかじめ制定された法

律を通して国民から調達している。


公的平和主義者(反戦主義者)が、「愛する人は力づくで助けるが、国策としての戦争には依然と

して賛成できない」と答える事は矛盾がない。


平和主義は大別して2種類の傾向がある。絶対平和主義と平和優先主義。


②戦争の殺人は許されるのか?

義務論と帰結主義がある。義務論者は、たとえそれが幾多の有利な帰結をもらたそうとも、その性

質に鑑みて、殺人という行為それ自体を忌避する。帰結主義者は、その行為によって引き起こされ

た事態から判断する。


サンデル教授の問いに、5人の人を助ける為に別な1人を死に至らしめるのは良いか?という物が

ある。帰結主義者はよりましな帰結として1人を犠牲にして5人を助ける選択肢をとるだろう。


殺人を禁止する事は、今日道徳的のみならず法律的にも、ほぼあらゆる文明国で原則化されてい

る。この原則に反した者は、道徳的に非難されるだけでなく、法律的にも処罰の対象となる。ただ

し、正当防衛という例外が設けられている。この例外は 権利と責任の2面から説明される。正当防

衛の殺人は、生存権が脅かされ、相手がその状況を生み出した責任がある時のみに適用される。


戦争に於いては、殆どが自衛の為の戦争と自称する。

そして、空爆などで多くの犠牲を強いられるのは民間人である。民間人にその状況を生み出した責

任があるのか? 戦争開始の決定に、犠牲になった民間人が影響を与えた責任は

政府や政府高官に比べて非常に少ない。これは、正当防衛という事は難しい。


それに対して、攻撃者が正当な軍事目標を攻撃したが、意図せざる偶然の結果として民間人を殺

害しても免責される。というロジックを言う人がいる。これを2重結果説と言う。

問題は、2重結果説は行為者の意図という曖昧で実測しがたい要素に依拠して、行為の道徳判断

を行おうとする点にある。殺人行為者は免罪符として活用する。どういう意図だったかは、結局のと

ころ本人しか知りえない事だから。 そこで、少なくとも近現代戦争に於いて、2重結果説を用いる

事には懐疑的であるべきだというのが筆者の考えである。


兵士には責任があるか? 戦争決定への関与度は民間人とさほど変わらないが、民間人に比べ

て戦争という犯罪の一端を担っているので責任があるという解釈がある。本人の生命をかけた個

別戦闘中ならば殺人も正当防衛性を持つが、戦闘中でない兵士を空爆やミサイル攻撃で殺害する

事は免責しがたい殺人が含まれている事になる。


③戦争はコストに見合うか

非暴力の帰結主義者は「最大多数の最大幸福」を求めるという事になる。功利主義者のベンサム

は、それに照らすと戦争は誰がどう見ても不合理としか考えようがないと言う。


コスト:戦争や準備に使うコストとそれだけを別な事に使ったら何が出来るかと比較する事が必要。

又、戦争は、さらに暴力は次の憎しみを生み暴力につながるという火種を残す。

最大多数:戦争は国民の多くに災害が降りかかる。又、兵士も貧しい若者とその家族などの狭い

層に最も負担が集中する。戦争は資本主義や帝国主義的野心の為になされる事が多く、どのよう

な大義を振りかざそうとも、本質的には資本家階級が労働者階級を食い物にする政策にすぎな

い。戦争によって資本家階級は利益を得、労働者階級は負担を被る搾取の一形態である。


帰結を考慮して物事の合理性を考えれば考えるほど、自ずと人々は戦争を避けてそれ以外の方

法を選ぶ事になるだろう。 


④正しい戦争はありうるのか?

戦争に正しい戦争と不正な戦争があるという正戦論がある。自衛/侵略の2つに分ける考えた方。

個人の正当防衛にあたる戦争が国家でもあるかという事がポイントになる。


国際社会での国家が、国内社会の個人と同様の権利を持っているという思考。

・自衛戦争は正戦か? 国家がその身を守ろうとするのは、ひとえに個人の身を守るためである。

個人の権利はそれ自体で価値があるが、国家の権利はそうではない。それは束の間の契約に基

づいて成立しているにすぎない。


・国家の死は個人の死と同類か? その国の政府は追放されるが、国民の権利は保全されるとい

う事はある。国民が、他の政府を望む事も起こり得る。国の死と個人の死は同じではない。


・正戦を知り得るか? どの国も戦争するときは以下の10のプロパガンダを国民に対して行う。

「我々は戦争をしたくない・しかし敵側が一方的に戦争を望んだ・敵の指導者は悪魔の様な人間

だ・我々は領土や派遣の為ではなく、偉大な使命のために戦う・我々も誤って犠牲を出すことがあ

る。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる・敵は卑劣な兵器や戦略を用いている・我々の受けた

被害は小さく、敵に与えた被害は甚大・芸術家や知識人も正義の戦いを支持している・我々の大

義は神聖なものである・この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」


戦後 国際関係の歴史は、自称「自衛戦争」のリストで満ちている。よって、何が正戦かは一般市

民には判別できない。


但し、正戦論者は、戦争が悲惨であり避けられるべきだという基本的な考えは、平和主義者と共有

している。

そして、今日の国際関係論では、正戦論でも平和主義でもなく、現実主義こそが支配的学説になっ

ている。


⑤平和主義は非現実的か?

現実主義の論理構成4つ。


・世界は中央政府が存在しない無政府状態である。(⇒正戦と判断する基準がない)

・国際関係におけるアクター(行為主体)は国家である。

・無政府世界において、国家の最大の目的は生き残りとなる。したがって、国家安全保障は国際関

係の最優先課題となる。

・パワーは、この目的を達成するための重要かつ、必要手段である。


現実主義とは、「国際関係を各国の安全保障をめぐる権力闘争として描こう」とする世界観の一種

と言える。


安全保障のジレンマがある。勢力均衡を図ろうとパワーを増強すればするほど、相手から見ての

脅威になり、パワー競争が永遠に続く。ジレンマを解く考え方としては、政治・文化・経済の信頼関

係の成立がある。アメリカの軍事増強はキューバには脅威だが、カナダには脅威ではない。安全

保障は武力だけが唯一の方策ではない。


外を強盗が横行している以上、戸締りをするのは常識。という戸締り論があるが、戸締り論では欠

けている思想がある。そもそも、強盗が横行しない世界を作るといおう事。隣人は敵にもなり、味方

にもなるかもしれない。


⑥救命の武力行使は正当か

大規模な人権侵害が起こった時に、それを阻止する為に軍事干渉を行う事態が冷戦以降増えてき

ている。PKOは当事国からの同意を前提としたが、最近は人道介入主義として同意無での介入が

出てきている。


考え方としては、前述の2重結果説を唱える人がいる。もう一つは「よきサマリア人」説がある。例え

ば飛行機の中で心臓発作の人が出て、医師がいなかったので歯医者が治療を試みたが死んでし

まったケース。そのまま放置するより、とにかくトライしてみる、それで死んでも歯医者に罪は無いと

いう物。一方で、死を免れない患者に対して、薬を投与して安楽死させる積極的安楽死は罪にな

り、延命治療を止めて自然に死ぬのを見守るという消極的安楽死は罪にならないという場面もあ

る。

積極的な介入の判断は難しい。


ただし、武力による介入以外にも介入の方法はある。人道的介入と平和主義は相いれない物では

ない。軍事介入できる事が”普通の国”ではない。


⑦筆者の主張

筆者の結論は、自由主義・功利主義・社会主義をルーツとし、19世紀以降発展してきた平和優先

主義のタイプが、国際関係の指針として魅力的かつ説得的な代替案になりうる。



以上が本書のポイント抽出ですが、私としては、人道介入も含めて武力による軍事は病気でいう

対症療法であり、本当に健康=平和を続けて行くための本質的で予防医学的な取組が重要なの

だと感じました。


病気予防にどれだけ真剣に向き合えるかが、市民全体を幸せに向かわせる人類の知恵の方向だ

と思います。

2015年2月21日土曜日

【本】図書館の活用

本を読むのは大好きなのですが、この10年以上 殆ど本を買わなくなりました。

それは、図書館を使い始めたからです。



仕事でもプライベートでも、気になる事が起こると、まず図書館に行って関連する本を4~5冊借り

てきて読みます。そうすると、1週間で大体の事が分かってきます。


私の地区では図書館は10冊まで借りられるので、毎週ほぼ10冊借り出しています。

無料ですので、ハズレ本を借りてしまっても問題ありません。


読みたい本が近くの図書館に無いと、ネット予約すれば次の土曜までには他の図書館から取り寄

せておいてくれます。

発刊後1年以上たった本は大抵 読めるのではと思います。

今の便利な図書館システムは使わないとハッキリ損と言えます。


ネットでは断片情報を沢山得られますが、図書館ではまとまった情報を自在に集められます。


現在の利用者は おじいさんと学生と幼児が多い様ですが、それだけでは勿体ないですね。

【本】新・戦争論(積極的平和主義への提言)  伊藤憲一  新潮社

安倍首相が言っている「積極的平和主義」のたきつけ人と思える伊藤憲一氏の本を読んでみまし

た。


積極的平和主義という単語は、従来は より戦争や闘いが起こらない様に非武力での平和作りに

もっと積極的に取り組む。という意味で使われていたと思いますが、この人の提案している「積極的

平和主義」は全く事なる考え方だという事が良く分かりました。


本の内容の前に、本の書き方で非常な違和感を感じました。


私は著者の主張をシンプル・明確に示されて、その裏付けや考え方を示してくれる本が読んでいて

好きです。


ところが、この本は約180ページもあるのですが「積極的平和主義」の主張が出てくるのは169ペー

ジ目からなのです。それまでは、歴史や環境に関する自分の解釈がずっと書かれていて、これだ

け遠回りしないと自分の結論にたどり着けない内容なのか?と感じてしまいました。


途中でイライラしてしまい読み飛ばしてしまう事もありました。という訳で、精読は出来ていないので

すが、おぼろげに理解した主張を幾つか書いてみます。


・外交的 交渉は武力の裏付けがあって初めて成り立つ。


・日本の平和憲法は外に武力攻撃はしないという効果はあったが、憲法で日本を守れたのではな

い。守りは日米同盟で成り立っている。だから、9条1項は良いが、2項は変えなければいけない。


・核兵器が出来る前は戦争が出来る世界だった。(限定的な戦いだから)


・核兵器が出来て、お互いに皆殺しになる状態(防御方法がない)が米ソの冷戦で現実化し、人類

始まって以来初めての戦争が出来ない「不戦」の時代になった。現代は現実的な本格戦争は出来

ないのだ。


・ソ連の崩壊後、核兵器の保有量は米国一国が突出している超大国になっている。


・平和を作るには、超武力を持つ米国中心(支配)による世界平和を作る事が人類にとって最も現

実的な事。だから、それを進める為の「積極的活動」を行う事が平和を作る事になる。それが「積極

的平和主義」。


こんな感じでしょうか。

ちなみに、この方は米国留学した元外交官。

外務省出身者はこういう考え方の人が多い様に感じます。

諸外国と前線で現実に対応しないといけないので、こういう考え方をもつのも理解はできますが、

これだけでは、人類の進化はないのではと感じます。

【シニアからの囲碁】超初心者に嬉しい詰碁本 「基本の詰碁」 高尾紳路 池田書店

囲碁を習い始めて4か月です。


とはいっても、やっと並べ方が分かった程度で、まだ9路盤で数局打った経験しかありません。

通勤の帰りに電車の中で、囲碁の本を見るのが唯一の勉強です。


囲碁はルールは少ないのですが、その中で知っておかなければならない事や、覚える方が良い事

などが非常に沢山あるようです。



それも、独特の用語や言い方があります。又、詰碁の本も、ある人は完全に決着がつくまで書いて

くれますが、他の人は70%ぐらいまでの道筋を示しただけで後は当然分かるでしょ。と書く人。決着

がつかずコウという状態(一時的な膠着状態)でもヨシとする人など。


初心者には分かりにくい事この上ない世界と思います。



ただ、色々見聞きして少しずつ囲碁の世界の基礎知識が分かってくると、今までチンプンカンプン

だった本が理解できる様になってくる、、という自分の進歩が自分で少し実感できる世界とも思えま

す。


今月の私には、 高尾紳路さんの「基本の詰碁」という本がピッタリです。


1冊の中に超入門編、基本編、ステップアップ編、応用編と入っているのですが、解説もあいまいさ

が無くて、解いていてとても気持ちが良いと感じます。1問1問が心地よいので、あとxx問しか残って

いない、、悲しい。と思える本でした。



解けなかった問題は、また忘れた頃に再度解いてみるつもりです。



今後も、これは良いと思った本は書いていく積りですが、それが私の囲碁実力のバロメーターとい

う事になるのでしょう。


9路盤レベルの囲碁初心者の方にお薦めの1冊です。

2015年2月15日日曜日

【英語】ラジオ英会話  最高のキャスト 今聞かないと勿体ない

数年前から会社のルールでTOEICを受験する事が必須になってきました。


社内公用語を英語にする楽天の話などがマスコミで騒がれてから、英語ができないければビジネ

スマンにあらず。。という様なムードになって人事が飛びついたのでしょう。


という事で、3年前にTOEICを受ける事が必要になりました。


TOEICは十年以上も受けていないので、どうせ受けるならば一度本気で準備して受けて見ようかと

思い立ちました。


TOEICテストはじっくり解けば中学英語とビジネス常識があれば、それほど難解ではないという印

象があったのですが、兎に角 テスト時間が足りなくて、あせった気持ちで聞いたり、問題を読んだ

りしたらダメという経験がありました。



そこで、慌てないで聴ける様にするにはどうしたら良いかを考えました。



但し前提は、お金をかけない事と、興味を持続できる面白い事で。



結局、英語勉強の王道?と呼ばれたラジオ英会話を聴くことになりました。


NHKのラジオ英語は幾つも講座があるので、以前にも興味本位で幾つかを聴いてみた事があるの

ですが、やっぱり勉強くさく(当たり前ではありますが)て長続きしませんでした。


それまで「ラジオ英会話」の講座はあまり聞いていなかったので、騙されたと思って試しに聞いてみ

る事にしました。

毎日の決まった時間に聞く事はできないので、日曜日に1週間分をまとめて放送するのでそれを録

音しておいて、通勤時に聞く事にしました。テキストは買わずに,聴くだけ。



聞いてビックリしました。それは他の講座と違って、まるで「大人の英語エンターテインメント」の様

な番組としてとても面白い物だったのです。

テレビで言うと、ビートタケシのニュースショーという感じでしょうか?


内容はまじめではあるのですが、講師役の遠山さんとキャストのケイティさん、ジェフさんの掛け合

いやウイットに富んだ何気ないやり取りがとてもユーモラスで、電車の中で聴いていて笑いそうに

なってしまう事があります。


特に、ケイティさんとジェフさんが、その日の例題の会話文を色々なシチュエーション(例えば、会

話の二人が酔っぱらっていたら、とか、二人が実は犬と猫だったら、、とか)の役になりきって演じて

くれる所など。本当に面白くて楽しい気持ちにさせてくれます。


出演者の3人の方の個性が本当に良く花開いているという感じ。


多分、この3人の方が変わってしまうと、同じラジオ英会話という番組でも、雰囲気が全く変わってし

まうのだと思います。すっかり番組が好きになり、聴くことが楽しみになりました。



英語力を楽しくアップしたいとお考えての方に、本当にお薦めの番組です。


無料の放送ですので、お金もかかりません(テキスト無しでも、録音なら巻き戻して聞き直せますの

で、それで不自由は感じません)。


尚、私は録音した物を1.5倍速というモードで聞くようにしています。基の放送がゆっくりしゃべって

いるので、1.5倍速でもちょっと早口という程度の速さです。

最初は何を言っているのか分かりませんが、人間 不思議なものでしばらく聞いていると耳が早さ

について行くようになります。


それに慣れたら、TOEICのリスニング放送がゆっくりに聞こえて、慌てないで済むようになりました。

(米軍の英語放送も、速さ的にはかなりついていける様になりました。)


3か月聞いてから受けたTOEICのリスニング点数は50点以上確実にアップしました。

2015年2月7日土曜日

【本】イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか 宮田律 新潮社

ISILによる人質事件がありました。従来 中東は親日という話は良く聞いていましたが、どういう構

図になっていて、その中の今回の事件はどういう位置づけなのか理解できていませんでした。遅れ

ばせながら、イスラム教徒からみての日本を知るために読みました。

2013年の本です。



歴史も踏まえて沢山の事があるのですが、ポイントを抽出すると

・イスラム教もキリスト教もユダヤ教も同じアブラハムを起源とおく1神教の兄弟宗教。


・イスラム教はムハンマドで興されたが、もともとイスラムという言葉は「平和」そ意味する言葉。殺

人などを禁じる宗教。イスラム教は宗教というだけでなく、政治・社会運動も含めた宗教と世俗を一

体で考えイスラム共同体を理想とする。


・イスラム帝国は中世どんどん拡大していったが、拡大に於いては軍事的行動もあるが、寛容性が

あり相手が異教徒でも人頭税と地租を納めればイスラム国家により、その信教の自由は制度上保

護される。こういう寛容性のある治世により、オスマン帝国などは広く、そして何世紀も栄えた。(イ

スラムの拡大に対抗する為もあり、ルターの宗教改革が起こった)


・十字軍(キリスト教)は排他的な動きをしたため、イスラムでも他の宗教者への排他的な対応が始

まった。又、オスマン帝国の低下に伴い、欧州の植民地主義が台頭、近代は旧オスマン帝国やア

ジアは植民地化された。


・特に中東では、欧州からの過酷な扱いを受けていた。そんな時に、日露戦争で日本が欧州の大

国に勝った事により、憎い敵をやっつけてくれたと喝采した。その後も、日本は武力介入を一切し

ないで、支援援助をずっとして来た事や、イランが欧米から封鎖された時も日本はイランの石油を

買った事などもあり、日本を対欧米とは違う恩義のある国という認識をされてきている。


・又、日本人の生活習慣や国民性や振る舞いは、イスラムの人から見るとイスラム教で教えている

生活態度を最も具現化している国民と見えるらしい。

トルコの親善隊が明治時代に日本に来た時に、海難にあい大難破した。その時の日本民の手厚

い対応も感激された。


・イスラム教の中で原理主義者集団の思想は、イスラム社会を攻撃されたら復讐するというのでは

なく、積極的にイスラム社会を増やしていこうとする動き。イスラム社会を拡大する為の戦闘を「ジ

ハード」という名を道具と使っている。本来(そして通常のイスラム教徒の)の「ジハード」とは、戦争

を意味するのではなく、自分自身の精神的向上を目指す心を表す。暴力的よりもいかに自分自身

を宗教的に豊かにしようかとか、日々をいかに充実させようという思いである。


・一方で、アフガン市民の中ではタリバン政権時代の方が、そうじゃない時代よりも何倍も腐敗が無

く良かった。何故、外国は腐敗した政権に味方する支援をしたりするのか?という感情もあるとの

事。(現在のISISのシリアも、腐敗したアサド政権よりもイスラム的に身内では清廉なIS支配の方が

良いと考える人もいる。)


・イスラムの戒律では必ず土葬にして、火葬はしない。遺体が焼失するという事はイスラムでは重

大な意味を持つ。最後の審判の日に復活し、神の前で裁きを受ける肉体が喪失したという事にな

る。



との事。新聞やTVニュースをボンヤリ聞いているだけでは分からない姿を少し知る事が出来まし

た。勿論 一面の見方かもしれませんが。

政治と歴史と欲望と思惑、怨念が絡まり合った悲しい状況です。



今回の人質事件を見てみると、ニュースや新聞で報道されている事では非常に不可解な部分が多

く、この事件も政治と欲望、思惑に操られているのではないかと感じます。


・全く軍事的素養が無く、お金もないはずの湯川氏が何故シリアに何回も行った(派遣かされた?)

のか?


・現地事情も危険も良く知っている後藤氏が、わずか1週間で帰ってこれるという計画で行ったの

か? 彼に1週間で無事帰ってこれると信じ込ませたのは何か?資金は何処から出ているの

か? 10月に拉致されて11月にもメール連絡が出来ているのに、奥さんが12月になって危険な状

況に陥っていると初めて認識したのは何故か?


・湯川さん殺害映像が流れた後、突然の様に後藤氏礼賛的記事がマスコミに溢れ、政府の後藤氏

は救出したいと言い出した様に見えるのは何故か?


・後藤氏殺害映像が流れた後すぐに何日には後藤氏がどこからどこへ移送されたとか、パイロット

焼殺映像が流れた後にはすぐに、殺害は1月上旬だったという報道がされている。これらの情報

は、当然ヨルダン、日本政府とも事前に把握していた事は明確だと思うが建前交渉をマスコミも含

めて一切追求しようとしないのは何故か? 


などなど、不自然さが目立つ様に思えます。