上野の国立西洋美術館で企画展示されている表記展示を見てきました。
国立西洋美術館は以前から大好きな美術館で何回も訪れた事があります。
特に、常設展のロセッティやルノワールの絵画、ロダンの考える人等はお気に入りでした。
今回は、企画展を見てから常設展という順番で回りました。
いきなりミケレンジェロの彫刻群を見て、その肌のすべすべ感、筋肉や脂肪、筋・骨の表現に圧倒されました。
硬い大理石を削ってこういう造形を作れるという事にまず感動。
彫刻を360度グルリと回り、表も裏も、見上げたり近づいたりしてジックリ見ました。
その技術の高さ、精緻さに加えて、圧倒的な迫力や存在感が伝わってくる事にビックリしました。
殆どは男性の裸姿(子供から老人まで)の彫刻の数々です。筋肉の表現という意味では男性の方が興味深かったのでしょうか。
理想的な美しい顔の彫刻という所では、男にも女にも見える中性的な顔が作られていました。
ルーブルで見た、古代ギリシャのミロのビーナス等も美しさや精緻さはかなりな物でしたが、このミケランジェロの像からは、「力」や「勢い」、「動き」が感じられます。
時々、ミケランジェロが描いた絵画も展示されていますが、やはり2次元のものと3次元のものでは伝えられる迫力が全く違うという事をとても良く感じられました。
ミケランジェロが、「自分は彫刻家であって画家ではない」と言っていた意味がハッキリ分かりました。
ミケランジェロの「デルフォイの巫女」は私の最も好きな絵画の一つですが、ミケランジェロはそれを本当は彫刻で作りたかったのではないかと思います。
これを見てしまってから常設展に行くと、ロダンの像が粗っぽい作品に見えてしまいました。絵画達も、2次元の限界を感じるだけの見学になってしまいました。
恐るべしミケランジェロの彫刻。
この企画展を見てしまった事が、今後の自分にとって幸せだったのか(今後 絵画を楽しめなくなる?)悩みつつ帰ってきました。
2018年9月23日日曜日
2018年9月21日金曜日
【本】幕末・維新 井上勝生 岩波新書
大河ドラマ「西郷どん」がいよいよ大詰めになってきました。
そこでの各出来事の描き方が、史実とかなり異なる筋書に演出されている様に感じて、図書館でこの本を借りて読みました。
日本人は幕末や明治維新は学校で習いますが、どういうつながりや意図でそれらが行われていたのかは、当然ながら明治新政府の視点からの歴史を教わっている事になります。
又、一般の人は小説や劇、ドラマ等で幕末・維新のあたりの話を沢山聞かされていて、坂本竜馬や西郷隆盛などアイドルの様に刷り込まれているキャラもあります。
小説やドラマは作者は人気を呼ぶためのフィクションの演出をしている事が多いと思いますが、その作品があまりに有名になってしまい、その小説に感化された次世代の人が、それを信じてドラマを作ったり、、という連鎖が起こり、いつの間にか人々の間にそれが真実の常識かの様に定着してしまうという事が、TVや映画、ネット情報などが普及した近代では頻繁に起こっている様に思われます。
それに、輪をかけているのは政府や企業などがしかける世論誘導、市場喚起の為の情報刷り込み。
この本は、学校で習ったりドラマで見せられて作られてきた幕末・維新の構図を、ガラガラと崩壊させて、本当はどうだったのか?と考えさせられる本と言えましょう。
攘夷を強行に主張しながらも、幕府や周りの人の圧力に弱く、勅令内容が左右にブレる孝明天皇。
勤王と言いながら、偽の詔勅を天皇の威を借りたり、軍事圧力やクーデターで朝廷を脅迫して従わせようとする政治家志士や公家。
実は外国からの植民地化の意思が弱かったにも関らず、それを強大な海外からの危機と煽り立てる手法。
そこには、実にドロドロとした政治駆け引きと偶然の差配が重なった結果としての歴史があるという事が分かりやすく書かれています。
もしかしたら、明治新政府とならずに徳川慶喜大統領制による国の運営が続くという事になっていたとしても、それはそれで今の日本とあまり変わらない姿になっていたのかもしれないという気にもなります。
歴史に関して、誰の話が真実なのかは判断できませんが、この本に書かれている姿は、今の日本の政治家や企業がやっている事と余り変わらない姿であり、リアリティを感じます。
NHKの大河ドラマは、今の日本では日本史の知識を大衆に植え付ける媒体である事は間違いないと思いますので、多様な説の番組を作ってくれれば良いのにと思ってしまいます。(少なくとも、明らかな嘘演出は止めて欲しい)
元となる脚本が無いとドラマは作れないのだと思うので、司馬遼太郎と異なる史観での娯楽ヒットコンテンツを誰かが作らないといけないのでしょうが。
そこでの各出来事の描き方が、史実とかなり異なる筋書に演出されている様に感じて、図書館でこの本を借りて読みました。
日本人は幕末や明治維新は学校で習いますが、どういうつながりや意図でそれらが行われていたのかは、当然ながら明治新政府の視点からの歴史を教わっている事になります。
又、一般の人は小説や劇、ドラマ等で幕末・維新のあたりの話を沢山聞かされていて、坂本竜馬や西郷隆盛などアイドルの様に刷り込まれているキャラもあります。
小説やドラマは作者は人気を呼ぶためのフィクションの演出をしている事が多いと思いますが、その作品があまりに有名になってしまい、その小説に感化された次世代の人が、それを信じてドラマを作ったり、、という連鎖が起こり、いつの間にか人々の間にそれが真実の常識かの様に定着してしまうという事が、TVや映画、ネット情報などが普及した近代では頻繁に起こっている様に思われます。
それに、輪をかけているのは政府や企業などがしかける世論誘導、市場喚起の為の情報刷り込み。
この本は、学校で習ったりドラマで見せられて作られてきた幕末・維新の構図を、ガラガラと崩壊させて、本当はどうだったのか?と考えさせられる本と言えましょう。
攘夷を強行に主張しながらも、幕府や周りの人の圧力に弱く、勅令内容が左右にブレる孝明天皇。
勤王と言いながら、偽の詔勅を天皇の威を借りたり、軍事圧力やクーデターで朝廷を脅迫して従わせようとする政治家志士や公家。
実は外国からの植民地化の意思が弱かったにも関らず、それを強大な海外からの危機と煽り立てる手法。
そこには、実にドロドロとした政治駆け引きと偶然の差配が重なった結果としての歴史があるという事が分かりやすく書かれています。
もしかしたら、明治新政府とならずに徳川慶喜大統領制による国の運営が続くという事になっていたとしても、それはそれで今の日本とあまり変わらない姿になっていたのかもしれないという気にもなります。
歴史に関して、誰の話が真実なのかは判断できませんが、この本に書かれている姿は、今の日本の政治家や企業がやっている事と余り変わらない姿であり、リアリティを感じます。
NHKの大河ドラマは、今の日本では日本史の知識を大衆に植え付ける媒体である事は間違いないと思いますので、多様な説の番組を作ってくれれば良いのにと思ってしまいます。(少なくとも、明らかな嘘演出は止めて欲しい)
元となる脚本が無いとドラマは作れないのだと思うので、司馬遼太郎と異なる史観での娯楽ヒットコンテンツを誰かが作らないといけないのでしょうが。
2018年9月16日日曜日
【マーケティング】コードブルー
この夏 コード・ブルーの劇場版が上映されてヒット中です。
私もこの番組は大好きなので、公開すぐに見に行きました。
大きな映画ホールでしたがギッシリの満員。
本当に老若男女という観客で、すごく愛されているんだなと感じました。
公開前に、若手フェロー達の日常という短い番組を毎日放映したり、主要キャストがバラエティー番組に出たりして、フジテレビが力を入れて盛り上げようと仕掛けていました。
私はそういうプロモ番組は見なかったのですが迷い無く映画館に足を運びました。
見え透いたプロモは、ドラマが折角作ってきたリアル感や誠実感を 損ねてしまう気がして、下手な広報宣伝という印象を持っていました。
映画は内容が濃いし、よく伏線も考えられていて面白く、大ヒットを続けているとの事。
見終わった後、きっとこのドラマ・映画の続編が作られるとしても数年先なのかな、、寂しいなという思いを持ちながら帰りました。
1ヶ月経って、忘れかけていた時。エンドロールの完全版をHPで公開したというニュースが飛び込んできました。
藤川。冴島結婚へのビデオメッセージの拡大版です。
それが良く出来ていて、各メンバーの性格をしっかり思い出させる。今も彼らは実在して活動している 感を持たせる出来でした。
特に、緋山先生の存在感は凄い。
どうしても、彼らにもう一度会いたくなって昨日 再度 映画が見に行ってしまいました。
人生で同じ映画を2回見に行くというのは初めての経験です。
上っ面な宣伝よりこのエンドロール特別編公開は、愛されているキャラ、世界にもう一度 会いたい、、という気持ちを起こさせるスゴイ効果を発揮したと思います。
映画館も満席でした。
マーケティング手法としても、素晴らしいと感嘆しました。きっと、この作品と世界感を本当に愛している人だから出来たのではないでしょうか。
私もこの番組は大好きなので、公開すぐに見に行きました。
大きな映画ホールでしたがギッシリの満員。
本当に老若男女という観客で、すごく愛されているんだなと感じました。
公開前に、若手フェロー達の日常という短い番組を毎日放映したり、主要キャストがバラエティー番組に出たりして、フジテレビが力を入れて盛り上げようと仕掛けていました。
私はそういうプロモ番組は見なかったのですが迷い無く映画館に足を運びました。
見え透いたプロモは、ドラマが折角作ってきたリアル感や誠実感を 損ねてしまう気がして、下手な広報宣伝という印象を持っていました。
映画は内容が濃いし、よく伏線も考えられていて面白く、大ヒットを続けているとの事。
見終わった後、きっとこのドラマ・映画の続編が作られるとしても数年先なのかな、、寂しいなという思いを持ちながら帰りました。
1ヶ月経って、忘れかけていた時。エンドロールの完全版をHPで公開したというニュースが飛び込んできました。
藤川。冴島結婚へのビデオメッセージの拡大版です。
それが良く出来ていて、各メンバーの性格をしっかり思い出させる。今も彼らは実在して活動している 感を持たせる出来でした。
特に、緋山先生の存在感は凄い。
どうしても、彼らにもう一度会いたくなって昨日 再度 映画が見に行ってしまいました。
人生で同じ映画を2回見に行くというのは初めての経験です。
上っ面な宣伝よりこのエンドロール特別編公開は、愛されているキャラ、世界にもう一度 会いたい、、という気持ちを起こさせるスゴイ効果を発揮したと思います。
映画館も満席でした。
マーケティング手法としても、素晴らしいと感嘆しました。きっと、この作品と世界感を本当に愛している人だから出来たのではないでしょうか。
2018年9月9日日曜日
【本】激甚化する水害 気候変動による水害研究会 日経BP社
この本は2018年3月発刊の本です、
つまり、今年(2018)の夏前の大雨や、台風の強風による災害、北海道の地震による表層崩壊などが起こる前に書かれています。
この本で これから起こっていくであろうと予測していた事が、ほんの数ヶ月の内に次々と起こっているのを見る事になりました。
地球温暖化はこの100年位(1880-2012)で0.85度上昇している。
このままいくと1950-2100年での気温は最大4.8度上昇するだろうと国連IPCCで報告されている。
IPCCの気象予測シナリオに基づいて21世紀末の日本を予測すると、
・滝の様に降る雨(降水量50㎜/時 以上)の年間発生回数は、
全国平均で2倍以上となる。
現在ではほとんど観測されない様な、年最大日降水量が例年
の様に出現する。
・台風は、現在では見られない強度まで発達する。最大風速67m/s
を超えるような極端に強い台風については、その数と最大強度
が顕著に増大すると共に、日本に上陸する直前でも中心気圧が
880hPa以下、最大風速70m/s以上を維持するものも予測される。
・これらの気象予測に基づき河川流量を検討すると、治水計画の
の基本となる流量を示す基本高水を超える洪水の発生頻度が
約1.8~4.4倍になる事が予測される。
温暖化に対して、「緩和策」と「適応策」という考え方がある。
「緩和策」は温室効果ガスの排出削減と吸収源の対策で、例えば
・省エネルギー対策、・再生可能エネルギーの普及拡大、
・CO2の吸収源対策、・CO2の回収・貯蓄 など
「適応策」は影響への備えと新しい気象条件のの利用策として、
例えば、・渇水対策、・治水対策、・洪水危機管理、・熱中症予防、感染症対策、・農作物の高温障害対策、・生態系の保全などとなっている。
緩和策と適応策の両輪で進める必要性がIPCCでも強く位置つけられている。
本書での提言としては、全体最適の視点で「適応策」をハードとソフトの両面で進めていく事を訴えている。
そのためには5つのポイントを持った社会を作る事が必要との事。
①冗長性、代替性を持つ
2重化、3重化、バックアップシステム
②何が起きても壊滅的被害に至らない
堅牢性
③粘り強く復元可能な
「防ぐ」に加えて「いなす、そらす、かわす、逃げる」
④融通が利き順応性をもった
複数の手段やネットワークを臨機応変に再編成できるよ
うな順応性。コミュニケーションやソフト対策。
⑤安全・安心を与えてくれる
危険に関する正確な評価とリスク分析、客観的で科学的
な情報の提供など。
以上
つまり、今年(2018)の夏前の大雨や、台風の強風による災害、北海道の地震による表層崩壊などが起こる前に書かれています。
この本で これから起こっていくであろうと予測していた事が、ほんの数ヶ月の内に次々と起こっているのを見る事になりました。
地球温暖化はこの100年位(1880-2012)で0.85度上昇している。
このままいくと1950-2100年での気温は最大4.8度上昇するだろうと国連IPCCで報告されている。
IPCCの気象予測シナリオに基づいて21世紀末の日本を予測すると、
・滝の様に降る雨(降水量50㎜/時 以上)の年間発生回数は、
全国平均で2倍以上となる。
現在ではほとんど観測されない様な、年最大日降水量が例年
の様に出現する。
・台風は、現在では見られない強度まで発達する。最大風速67m/s
を超えるような極端に強い台風については、その数と最大強度
が顕著に増大すると共に、日本に上陸する直前でも中心気圧が
880hPa以下、最大風速70m/s以上を維持するものも予測される。
・これらの気象予測に基づき河川流量を検討すると、治水計画の
の基本となる流量を示す基本高水を超える洪水の発生頻度が
約1.8~4.4倍になる事が予測される。
温暖化に対して、「緩和策」と「適応策」という考え方がある。
「緩和策」は温室効果ガスの排出削減と吸収源の対策で、例えば
・省エネルギー対策、・再生可能エネルギーの普及拡大、
・CO2の吸収源対策、・CO2の回収・貯蓄 など
「適応策」は影響への備えと新しい気象条件のの利用策として、
例えば、・渇水対策、・治水対策、・洪水危機管理、・熱中症予防、感染症対策、・農作物の高温障害対策、・生態系の保全などとなっている。
緩和策と適応策の両輪で進める必要性がIPCCでも強く位置つけられている。
本書での提言としては、全体最適の視点で「適応策」をハードとソフトの両面で進めていく事を訴えている。
そのためには5つのポイントを持った社会を作る事が必要との事。
①冗長性、代替性を持つ
2重化、3重化、バックアップシステム
②何が起きても壊滅的被害に至らない
堅牢性
③粘り強く復元可能な
「防ぐ」に加えて「いなす、そらす、かわす、逃げる」
④融通が利き順応性をもった
複数の手段やネットワークを臨機応変に再編成できるよ
うな順応性。コミュニケーションやソフト対策。
⑤安全・安心を与えてくれる
危険に関する正確な評価とリスク分析、客観的で科学的
な情報の提供など。
以上
2018年9月2日日曜日
【日本人】どんどん家畜化?
土曜日に秋葉原へ電子パーツの買い出しに行きました。
近頃の秋葉原は、歩くだけでとても精神的に疲れるので行きたくない街です。
駅前からメイド服を着た若い娘が店の宣伝や客引きをしている。
エロコンテンツを売っている店の多い事。
胸が異様に大きい美少女(?)の絵がいたる所にあふれている。
歩いている男は、小太りのオタクファッションでいかにも独身っぽい人が多い(若くない人も多い)。
幼児風ファッションや、長い髪+厚化粧な女性たち。
池袋などに行くと、人混みの凄さに人間酔いみたいな感じで気持ちが悪くなりますが、秋葉原のあまりでは「欲望」がむき出しの雰囲気に気持ちが悪くなります。
性欲は食欲と同じに、本能です。
商業的に食欲を刺激するコマーシャルや誘導など今の日本に溢れかえっています。
それと同様に、いつの間にか商業的に性欲刺激をする事が、今の日本では大っぴらに行われすぎているのではないかと感じます。
昔もアダルトというジャンルは勿論ありましたが、それらは小さな子供達の目には触れない様な配慮がされていた様に思います。
今は、コンビニでもエロ本が沢山並べられているし、ネットの世界ではもっと氾濫しています。タチが悪いく、プッシュ型で無理やり見せつけてくる手法も目に余ります。
少なくとも未成年には、そういう情報を浴びせない社会にできないのかと思います。
又は、商業側はこういう魂胆で大人は操ろうとしているんだという事を教えるのは必須に思います。。
秋葉原を見ていると、「人に迷惑かけなければ、刹那的に、又は自己中心的に生きて何が悪い」と開き直っている人間がどんどん増えている様に感じてしまい疲れるのだと思いました。
商業的な操作の波に乗せられて若い人がどんどん家畜動物化(与えられた餌を食べて太って、飼育者を儲けさせる道具になる)されている様な気がして心配です。
近頃の秋葉原は、歩くだけでとても精神的に疲れるので行きたくない街です。
駅前からメイド服を着た若い娘が店の宣伝や客引きをしている。
エロコンテンツを売っている店の多い事。
胸が異様に大きい美少女(?)の絵がいたる所にあふれている。
歩いている男は、小太りのオタクファッションでいかにも独身っぽい人が多い(若くない人も多い)。
幼児風ファッションや、長い髪+厚化粧な女性たち。
池袋などに行くと、人混みの凄さに人間酔いみたいな感じで気持ちが悪くなりますが、秋葉原のあまりでは「欲望」がむき出しの雰囲気に気持ちが悪くなります。
性欲は食欲と同じに、本能です。
商業的に食欲を刺激するコマーシャルや誘導など今の日本に溢れかえっています。
それと同様に、いつの間にか商業的に性欲刺激をする事が、今の日本では大っぴらに行われすぎているのではないかと感じます。
昔もアダルトというジャンルは勿論ありましたが、それらは小さな子供達の目には触れない様な配慮がされていた様に思います。
今は、コンビニでもエロ本が沢山並べられているし、ネットの世界ではもっと氾濫しています。タチが悪いく、プッシュ型で無理やり見せつけてくる手法も目に余ります。
少なくとも未成年には、そういう情報を浴びせない社会にできないのかと思います。
又は、商業側はこういう魂胆で大人は操ろうとしているんだという事を教えるのは必須に思います。。
秋葉原を見ていると、「人に迷惑かけなければ、刹那的に、又は自己中心的に生きて何が悪い」と開き直っている人間がどんどん増えている様に感じてしまい疲れるのだと思いました。
商業的な操作の波に乗せられて若い人がどんどん家畜動物化(与えられた餌を食べて太って、飼育者を儲けさせる道具になる)されている様な気がして心配です。
2018年8月30日木曜日
【本】富士山大噴火と阿蘇山大爆発 巽好幸 幻冬舎新書
表題からして、また恐怖を煽るサスペンス風の本かと思ったら、最初から世の中の危機を叫ぶ”専門家”をロジカルに批判する所から始まる本でした。
火山の噴火、どういうメカニズムで噴火が起こるのか。日本はなぜ特異なのかを色々なデータで示してくれます。
噴火予知には、日本の多くの山に2人ぐらいの研究者(火山のホームドクター)を配置して常時観察していく事を提案されています。
有珠山の時は、それが上手く働き前日までに対策を打てたため死者ゼロが出来たとの事。
日本の活火山は沢山あるが、富士山が噴火した場合、東京都はほぼ全域、千葉も半分ぐらいは降灰が2cm以上になるというハザードマップが作られています。
降灰の影響(気象庁)は、
道路:5㎝程度で通行不能に
鉄道:1㎝で信号機故障、10㎝で運行不能
航空:0.5㎝ぐらいで空港閉鎖
電力:1㎝で停電・供給不能
水道:1㎝で断水・供給不能
農作物:0.5㎝で稲作被害、1.1㎝で収穫不能、10㎝で回復に数十年
森林:1㎝で50%被害。10㎝で壊滅的被害
健康:1㎝で呼吸器異常
家屋:30㎝全壊30%
との事。相当大きな影響が現れます。
でも、著者が本の後半で示しているのはこれら火山噴火とはケタの違う大規模な巨大カルデラ噴火の危険について。
北海道の洞爺湖、摩周湖などカルデラ湖ですし九州の鬼界カルデラ他多数のカルデラ噴火跡がある。
例えば阿蘇山近辺で巨大カルデラ噴火が起こると道南まで5㎝以上の降灰が予想でき、日本列島がほぼ全体に大きな被害、1億人が生活不能者になってしまう可能性もあるとの事。
巨大カルデラ噴火は100年に1%の確率という事だが、過去 日本で何度も起こっている事で必ず起こる。
著者は、そうなった時にどういう対応を取れば良いのか、どうしたら予知(地下深くのマグマ溜まりの状況検出)が出来る様になるのか分かっていないと述べて、若い人も含めて研究・考えていく事を要望されています。
私は、「福島原発の電源喪失」という事が大問題になった事を考えると、列島全体の電源喪失になる巨大カルデラ噴火がいつ起こるか分からない日本に置いては、原発などは全く動かしてはいけない装置だと感じました。
逆に、地熱は地下のマグマのエネルギーを引き出す方法があれば、日本は一挙に資源大国化と、噴火鎮静が出来るかもしれませんね。
本書は「日本の不都合な真実」だと思います。
火山の噴火、どういうメカニズムで噴火が起こるのか。日本はなぜ特異なのかを色々なデータで示してくれます。
噴火予知には、日本の多くの山に2人ぐらいの研究者(火山のホームドクター)を配置して常時観察していく事を提案されています。
有珠山の時は、それが上手く働き前日までに対策を打てたため死者ゼロが出来たとの事。
日本の活火山は沢山あるが、富士山が噴火した場合、東京都はほぼ全域、千葉も半分ぐらいは降灰が2cm以上になるというハザードマップが作られています。
降灰の影響(気象庁)は、
道路:5㎝程度で通行不能に
鉄道:1㎝で信号機故障、10㎝で運行不能
航空:0.5㎝ぐらいで空港閉鎖
電力:1㎝で停電・供給不能
水道:1㎝で断水・供給不能
農作物:0.5㎝で稲作被害、1.1㎝で収穫不能、10㎝で回復に数十年
森林:1㎝で50%被害。10㎝で壊滅的被害
健康:1㎝で呼吸器異常
家屋:30㎝全壊30%
との事。相当大きな影響が現れます。
でも、著者が本の後半で示しているのはこれら火山噴火とはケタの違う大規模な巨大カルデラ噴火の危険について。
北海道の洞爺湖、摩周湖などカルデラ湖ですし九州の鬼界カルデラ他多数のカルデラ噴火跡がある。
例えば阿蘇山近辺で巨大カルデラ噴火が起こると道南まで5㎝以上の降灰が予想でき、日本列島がほぼ全体に大きな被害、1億人が生活不能者になってしまう可能性もあるとの事。
巨大カルデラ噴火は100年に1%の確率という事だが、過去 日本で何度も起こっている事で必ず起こる。
著者は、そうなった時にどういう対応を取れば良いのか、どうしたら予知(地下深くのマグマ溜まりの状況検出)が出来る様になるのか分かっていないと述べて、若い人も含めて研究・考えていく事を要望されています。
私は、「福島原発の電源喪失」という事が大問題になった事を考えると、列島全体の電源喪失になる巨大カルデラ噴火がいつ起こるか分からない日本に置いては、原発などは全く動かしてはいけない装置だと感じました。
逆に、地熱は地下のマグマのエネルギーを引き出す方法があれば、日本は一挙に資源大国化と、噴火鎮静が出来るかもしれませんね。
本書は「日本の不都合な真実」だと思います。
2018年8月26日日曜日
【本】睡眠のはなし 内山 真 中公新書
表紙裏のPR文の所に「睡眠学入門の決定版」とありますが、本当に多岐にわたる睡眠に係る疑問を教えてくれます。
その中で、ソウダッタノカと思った所を書いてみます。
睡眠にレム(Rapid Eye Movement)睡眠とノンレム睡眠があるというのは聞いていましたが、目的が違うという事。
レム睡眠は、眼球が素早く動くのでレムと名前が付けられましたが、猫ではヒゲがピクピクする事も。
睡眠前半に深いノンレム睡眠が多いが、これは睡眠をとる前に何時間起きて活動していたかに影響される。
一方、レム睡眠の出現は、早朝に最も多く出現するというように体内時計のリズムに支配されている。
レム睡眠は夢を見る睡眠。ノンレムと違う特徴がある。
・脳は起きている時に比べてほんの少し機能が低下し
た程度の状態。
・レムの間は、身体の感覚入力を遮断する。音にも
反応しない。
・全身の筋肉の緊張が著しく低下して弛緩している。
脊髄のレベルで脳からの運動指令が絶たれた状態。
その為に、夢を見ている時に動こうと思っても動
けない状態を体験する事がある。これがひどく
なったのが、金縛り。医学的には「睡眠麻痺」。
・脈拍、呼吸数は増加し不規則になり、呼吸が浅く
なる。
・陰茎あるいは陰核の持続的勃起が生じる。瞳孔は
小さくなる。
・ほとんどの場合、夢見を体験していて、起こされ
た時の目覚めが良い。
レム睡眠の意義は、主に骨格筋の緊張を積極的に抑制する事で身体を非動化させ、外部の昼夜のリズムに合わせて運動器を休める事。又、覚醒に向けて脳機能のウォーミングアップをしている状態。
ノンレム睡眠には、まどろみ期、軽睡眠期、深睡眠期の3段階がある。
深い眠りの時の特徴は、
・起こされると、ぼんやりした状態から脱するの
に時間がかかる。
・瞳孔が開いているので、無理やり起こされると
しばらくの間まぶしくて目を開けていられない。
・呼吸が深くなり、すやすやと寝息をたてる状態。
・寝汗が継続的に出て、内部体温を下げる。=
脳の温度を下げて休ませる。
・鮮明な夢を見る事はない。
・成長ホルモンが活発に作られる。
ノンレム睡眠の意義は、主に脳を休ませる事にある。
長時間覚醒していればいるほど、脳は疲弊して、その後の深いノンレム睡眠が増加する事が分かっている。
レム睡眠は筋肉を休める為のものなので、爬虫類などにもあるが、高等生物になると脳を積極的に休める仕組みが必要になりノンレムが発達した。
身体が休むレム睡眠の時には脳は目覚めていて、脳が休むノンレム睡眠の時には、筋肉は完全に休まないというシステムは、眠っている時の無防備な時間を最小限にするという利点があったのではないかと考えられる。
冬眠。実は、人間にも、冬眠する哺乳類と同様の身体機構が生まれつき備わっている。食欲の秋。
秋は感傷的になりやすい=不活発状態になる。
体内時計のしくみ。脳の奥の視交叉上核という神経細胞群が体内時計として働いている。
時計機能を担うタンパク質が作られる。
このタンパク質がある程度多く製造されると、フィードバックで製造過程が抑えられるいう仕組みが時を刻む機能の中核。
タンパク質が作れられて多くなり、ある量まで達すると製造は抑えられ、タンパク質が減り始める。
今度 ある量まで減るとまた製造が活発化して量が増える。このサイクルが約24時間なのだ。
眠りと記憶と忘却
久しぶりに野球のバッティングをするとなかなか打てない。どんなに一生懸命に練習してもその最中には効果が上がらない。
しかし、2~3日練習を繰り返していると、ある時突然にうまく打てる様になっている。
ピアノでうまく弾けない所を集中的に練習する。その最中はそれほどに指が運ばなかったのが、次の日になるとうめく弾けるようになっている。
こんな経験は、スポーツが好きな人、楽器を演奏する人にとって思い当たることと思う。
ハーバード大の研究チームは、新しい技法を身につけるためには、覚えたその日に6~8時間眠る事が欠かせないという研究結果を発表した。
習得しようとする技能によって、練習による向上度に差はあるが、練習後に十分睡眠をとる事で手続き記憶は強化され、練習した以上に技能が巧みになっていくことを示している。
そして、技能の複雑さが増すほどに睡眠後の技術向上度は大きくなり、さらにこの睡眠中の技能向上度は苦手な動作ほど大きくなるという。
瞬間的な記憶を保持しておく作動記憶の課題を用いて睡眠をとることで成績が著しく向上することを明らかにした。
夢
猫のレム睡眠中枢を部分的に破壊すると、金縛り状態を起こす機能が失われる。そうすると、レム睡眠(=夢を見ている?)中に、身構える動作や獲物にとびかかる動作、威嚇する動作などを示す。
生まれた時から実験室で飼育されてきた、つまり捕食行動を必要としない環境で育った猫であるにもかかわらず。
レム睡眠中には、動物も人も危機に対処する行動をリハーサルし、いつでも行動できるよう練習しているという。そうであれば、私たちの夢が心地よく縁起の良いものでなくていいのだと納得できる。
加齢に伴う朝方化
歳をとるとだんだん早起きになってくる。
これは加齢により体内時計が全般的に朝型化していくるため。青年期は女性に比べて男性は夜型傾向が強いが、45歳を超えるころから男性が朝型化していき、55歳くらいになると女性と男性が逆転し、男性の方が朝型になる。夫婦の場合、朝型化の起こっていない妻がそれに合わせた生活をしようとすると、入眠障害になる事がある。
睡眠障害
レストレスレッグス症候群(むずむず足症候群)ドパミンの働きの低下による。ドパミンの働きを助ける薬物や、鉄分を補う事で解決する事あり。
周期性四肢運動障害(睡眠中に、何かを蹴るような感じで脚が勝手にピクンと反復して周期的に動いて目が覚める)。これもドパミンの働きがが低下して起こる。
以上。それ以外にも、沢山の睡眠に関連する話がこの本には満載です。
今まで生きて来て、なんとなく 難しい課題に直面した時に、一所懸命考えても考えがまとまらない時に、一晩寝たら翌日は良いアイデアが閃くという事を何度も実感していました。
この本で、睡眠中に確かに情報処理や整理、分析が行われているという事が分かり合点がいきました。
その中で、ソウダッタノカと思った所を書いてみます。
睡眠にレム(Rapid Eye Movement)睡眠とノンレム睡眠があるというのは聞いていましたが、目的が違うという事。
レム睡眠は、眼球が素早く動くのでレムと名前が付けられましたが、猫ではヒゲがピクピクする事も。
睡眠前半に深いノンレム睡眠が多いが、これは睡眠をとる前に何時間起きて活動していたかに影響される。
一方、レム睡眠の出現は、早朝に最も多く出現するというように体内時計のリズムに支配されている。
レム睡眠は夢を見る睡眠。ノンレムと違う特徴がある。
・脳は起きている時に比べてほんの少し機能が低下し
た程度の状態。
・レムの間は、身体の感覚入力を遮断する。音にも
反応しない。
・全身の筋肉の緊張が著しく低下して弛緩している。
脊髄のレベルで脳からの運動指令が絶たれた状態。
その為に、夢を見ている時に動こうと思っても動
けない状態を体験する事がある。これがひどく
なったのが、金縛り。医学的には「睡眠麻痺」。
・脈拍、呼吸数は増加し不規則になり、呼吸が浅く
なる。
・陰茎あるいは陰核の持続的勃起が生じる。瞳孔は
小さくなる。
・ほとんどの場合、夢見を体験していて、起こされ
た時の目覚めが良い。
レム睡眠の意義は、主に骨格筋の緊張を積極的に抑制する事で身体を非動化させ、外部の昼夜のリズムに合わせて運動器を休める事。又、覚醒に向けて脳機能のウォーミングアップをしている状態。
ノンレム睡眠には、まどろみ期、軽睡眠期、深睡眠期の3段階がある。
深い眠りの時の特徴は、
・起こされると、ぼんやりした状態から脱するの
に時間がかかる。
・瞳孔が開いているので、無理やり起こされると
しばらくの間まぶしくて目を開けていられない。
・呼吸が深くなり、すやすやと寝息をたてる状態。
・寝汗が継続的に出て、内部体温を下げる。=
脳の温度を下げて休ませる。
・鮮明な夢を見る事はない。
・成長ホルモンが活発に作られる。
ノンレム睡眠の意義は、主に脳を休ませる事にある。
長時間覚醒していればいるほど、脳は疲弊して、その後の深いノンレム睡眠が増加する事が分かっている。
レム睡眠は筋肉を休める為のものなので、爬虫類などにもあるが、高等生物になると脳を積極的に休める仕組みが必要になりノンレムが発達した。
身体が休むレム睡眠の時には脳は目覚めていて、脳が休むノンレム睡眠の時には、筋肉は完全に休まないというシステムは、眠っている時の無防備な時間を最小限にするという利点があったのではないかと考えられる。
冬眠。実は、人間にも、冬眠する哺乳類と同様の身体機構が生まれつき備わっている。食欲の秋。
秋は感傷的になりやすい=不活発状態になる。
体内時計のしくみ。脳の奥の視交叉上核という神経細胞群が体内時計として働いている。
時計機能を担うタンパク質が作られる。
このタンパク質がある程度多く製造されると、フィードバックで製造過程が抑えられるいう仕組みが時を刻む機能の中核。
タンパク質が作れられて多くなり、ある量まで達すると製造は抑えられ、タンパク質が減り始める。
今度 ある量まで減るとまた製造が活発化して量が増える。このサイクルが約24時間なのだ。
眠りと記憶と忘却
久しぶりに野球のバッティングをするとなかなか打てない。どんなに一生懸命に練習してもその最中には効果が上がらない。
しかし、2~3日練習を繰り返していると、ある時突然にうまく打てる様になっている。
ピアノでうまく弾けない所を集中的に練習する。その最中はそれほどに指が運ばなかったのが、次の日になるとうめく弾けるようになっている。
こんな経験は、スポーツが好きな人、楽器を演奏する人にとって思い当たることと思う。
ハーバード大の研究チームは、新しい技法を身につけるためには、覚えたその日に6~8時間眠る事が欠かせないという研究結果を発表した。
習得しようとする技能によって、練習による向上度に差はあるが、練習後に十分睡眠をとる事で手続き記憶は強化され、練習した以上に技能が巧みになっていくことを示している。
そして、技能の複雑さが増すほどに睡眠後の技術向上度は大きくなり、さらにこの睡眠中の技能向上度は苦手な動作ほど大きくなるという。
瞬間的な記憶を保持しておく作動記憶の課題を用いて睡眠をとることで成績が著しく向上することを明らかにした。
夢
猫のレム睡眠中枢を部分的に破壊すると、金縛り状態を起こす機能が失われる。そうすると、レム睡眠(=夢を見ている?)中に、身構える動作や獲物にとびかかる動作、威嚇する動作などを示す。
生まれた時から実験室で飼育されてきた、つまり捕食行動を必要としない環境で育った猫であるにもかかわらず。
レム睡眠中には、動物も人も危機に対処する行動をリハーサルし、いつでも行動できるよう練習しているという。そうであれば、私たちの夢が心地よく縁起の良いものでなくていいのだと納得できる。
加齢に伴う朝方化
歳をとるとだんだん早起きになってくる。
これは加齢により体内時計が全般的に朝型化していくるため。青年期は女性に比べて男性は夜型傾向が強いが、45歳を超えるころから男性が朝型化していき、55歳くらいになると女性と男性が逆転し、男性の方が朝型になる。夫婦の場合、朝型化の起こっていない妻がそれに合わせた生活をしようとすると、入眠障害になる事がある。
睡眠障害
レストレスレッグス症候群(むずむず足症候群)ドパミンの働きの低下による。ドパミンの働きを助ける薬物や、鉄分を補う事で解決する事あり。
周期性四肢運動障害(睡眠中に、何かを蹴るような感じで脚が勝手にピクンと反復して周期的に動いて目が覚める)。これもドパミンの働きがが低下して起こる。
以上。それ以外にも、沢山の睡眠に関連する話がこの本には満載です。
今まで生きて来て、なんとなく 難しい課題に直面した時に、一所懸命考えても考えがまとまらない時に、一晩寝たら翌日は良いアイデアが閃くという事を何度も実感していました。
この本で、睡眠中に確かに情報処理や整理、分析が行われているという事が分かり合点がいきました。
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