2018年11月27日火曜日

【本】バナナを逆からむいてみたら アーチャン・ブラーム 主婦の友社

副題 人生の視点を変えるレッスン

著者は、理論物理を学んだイギリス人の仏教のお坊さん。

人間 心の持ち方(視点の置き方)一つで 生き方が変わる事を伝えようとしている本です。


面白いなあと思う話が沢山でています。

例えば、

ドイツで講演をした時、一人の青年が悩みを訴えてきました。

彼の人生は失敗の連続でした。だから「今は、毎日がまるで、どんよりした冬の日の様な感じです。」そして「幸せになるチャンスが来ても、それを追い払うクセがついてしまった」とも言います。

つまりは、「自分は幸せに値しない人間だ」と無意識のうちに思い込んでしまっているのです。

私は彼に「幸せになるライセンス」を書いて手渡したのです。
彼はそのライセンスをとても大切にしてくれました。こころの底からありがたがってくれたのです。額に入れ、壁に掛けました。

彼は喜びを拒否しなくなり、幸せを素直に受け入れられるようになしました。
こうして、沢山の問題が彼の心の中から消えたのです。

「幸せになるライセンス」

 この書類を所持する者は、
 いかなる理由があるにせよ、
 あるいは何ら理由がないにせよ、
 何の障害もなく、
 幸せになる権利を永久に有することを
 公認されているものとする。
 何人もこの権利を侵害してはならない。

  アーチャン・ブラーム


別の話では、

 愛する人が、
 あの世に旅立とうとするとき、
 その死を受け入れることが、
 最後のプレゼント。

との事。

本人は「私自身、穏やかに死ぬ覚悟はできています。でも問題は、家族や親類、親友が私の死を認めてくれないことです。」

「お母さん、お母さん、死なないで! 元気になってよ! お願いだから!」

死にゆく人たちが一番苦痛に感じるのは、この種の言葉なのです。

死を認めてあげることこそ、死期の迫った人に対する「最高の愛情表現」だからです。


32の話が出ています。

表題の"バナナを逆からむいてみたら"というのも、先っぽから剥く方がうんと簡単に剥けるとの事。

本当に、視点を変えると違う世界が見えてくるかもと思わせてくれる一冊です。

2018年11月26日月曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る5 キーポイントを考える

実際に希望の具体化を考えていく時に、最も難しいのは何かな? と考えました。


例えば耐震性を得る方法等は 構法、材料、手法など色々既に分かってきているので、何とかできると思いました。


一方で簡単な答えが見つからなかったのは、停電下を前提としても(電気器具に頼らない)健康・快適に暮らせるという事だと思いました。


温湿度、特に湿度のコントロールが難しいポイントの様に感じました。

湿度は結露だけでなく、体感温度や、体調にも影響を与えそうです。一方で、そのコントロールが上手くいけば、健康面にも、家の寿命にも良い影響が出るはずです。


真夏や梅雨時の停電生活では高湿度だとそんなに高温でなくとも熱中症になる危険が高く、命に係わります。

体感温度も湿度が大きく効き、気温が少し低くても湿度が高ければ暖かく感じますし、気温が高くとも湿度が低ければ涼しく感じます。


湿度を自然に調整する方法として、「調湿」という考え方がありました。


周りが高湿時は湿気を吸収し、低湿時は放出する事で、空気の湿度を安定化させる材料があります。


例えば自然素材(木や珪藻土などの天然の材料)。それらの調湿容量(湿度を貯蔵できる総量)が大きいほど湿度変化を少なくする事ができます。


探していくと最も分かり易く書いてあったのが、山本順三さんの書かれた本。


南関東では、木造住宅にしてセルローズファイバーという断熱材を用いる事で、調湿性を活かせる家が作れるのかもしれないと思いました。


早速、山本さんのお宅(体験館)にお邪魔して、セルローズファイバーとはどういう物か、それを用いた実際の山本さん家はどんな具合かを確かめに行きました。


すると、セルローズファイバーを使うと調湿性以外にも、防火性、火事の時に有害ガスを出さない、虫を寄せ付けない、遮音性等のメリットが分かりました。


さらに、セルローズファイバーから家の外に水蒸気を吸放出させる(内壁から外壁まで水蒸気を通すことを考えた)「透湿工法」も必要で、南関東ではそれも実現できそうな事も分かりました。


勿論 断熱性は高く、真夏炎天下の小屋裏(屋根裏)でも無冷房で気持ちよく昼寝ができる事を体感しました。これは断熱と低湿の両方が効いての効果だと感じました。

又、真冬に(夏と冬にわざと2回訪問しました)暖房を入れていなくても、かなり暖かい事を確認しました。


但し、セルローズファイバーの施工にはスキルが要求される事と少し価格が高いのがデメリットの様です。


セルローズファイバーで、色々な課題がクリアできそうな感触です。


同時期に「パッシブハウス」という考え方がある事も知りました。


パッシブハウスは太陽の熱や自然な風を上手く活用して、快適、低ランニングコスト、長寿命のエコ住宅を創る手法だという事が分かりました。

2018年11月24日土曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る4 情報を集める

次に、実現手段を探していきます。

まずは、情報を集めました。


家を建てるかもと考え始めた時から、近くの図書館に行って色々な住宅や建築に関する本を借りて読み出しました。


最初は「いい家~」的な物から、各種素材について、間取り、建築方法、結露、バリアフリー、耐震方法、実際の震災被害、植物、伝統建築、エコ住宅、パッシブハウス、太陽光発電、太陽熱利用、井戸利用、雨水利用、夏を涼しく暮らす方法、インテリア、エクステリア、空調設備、住まいと健康、シックハウス、火災時の安全性、地域の気象、地球温暖化が日本の気候に与えていく影響、雷の影響、人種と感じ方(体感温度等)、、等々 だんだんと範囲が自然に広がっていきました。


私の使っていた図書館は便利で、複数の図書館が連携しており、それらの所蔵図書一覧を家からWebで見て予約できます。

毎週5冊づつぐらい借りていきました。図書館は無料ですので、中身をザっと見てハズレだと思ったらすぐに返却すれば良く、多くの情報を得ていくのにはとても効率的です。


勿論 新刊本や雑誌は色々な書店で立ち読みもさせてもらいました。その場合は新宿紀伊国屋などの専門書も多くそろえている大書店に行く様にしました。

建築の本は一般読者向けの本と、工務店さん等の作り手向けの本とがありますが、その両方を見る事で理解できる事も多かった気がします。


一つのテーマに関して、出来るだけ違う視点や立場から書かれた本を複数冊読む事で、メリット・デメリットを公平に知ろうとしました。


ネットでの情報収集も当然しますが、出ている記事はさらに慎重に考えないと危険(メーカーや他人が言っている事を、裏も取らずに述べている物が非常に多い。又は中立独立を装った書き込み等が多い)な気がしました。


気になった情報は、可能ならば現物を見に行ったり、著者と話しに行ったりしました。

そうやって、使えるかもしれない知恵や、外してはいけないポイントなどがうっすらと見えてきた気がします。

こういう情報収集と勉強は、建て終わるまで続いていきました。

2018年11月23日金曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る3 冷静な目も

前記3つの希望の具体項目を実現化していく時に、一つ一つ単独に考えるのではなくいつも全体を意識しながら、複数の課題を同時に解決できる道は無いかを考えて行こうと思いました。


何時でも、全体をまず考えてその中で個別の事を考えていく事にしました。


もともとケチな性格なので、”1粒で2度おいしい”や”一挙両得”などという言葉が大好きなので、出来れば、それを狙います。


所で、間取りに関しては、家族構成や住み方イメージにより大きく変わると思いますし、家創りを考える時に最初に 最も楽しく悩む部分ではないかと思います。

建て主の個性と事情が出る所ですが、前述した希望項目を実現できそうかを頭に浮かべながら検討すると良いですね。


ちなみに私の場合、間取りに関連しハッとさせられた事が一つありました。


私は各階1台だけエアコンを設けるが、各部屋へエアコンを付ける事は考えていませんでした。そういう事が不要な家を目指したいと考えていました。又、ベランダも不要と考えていました。


でも設計士さんから、この家は将来 売りに出すという可能性もあるか?と問われ、その場合、世間一般常識では各部屋にエアコンが付く事と、ベランダがあって2階で洗濯を干せる事が望まれると言われました。


終の棲家を建てるという気持ちだったので悩みましたが、売って現金化するという事もあり得ると考えて、最終的にベランダを設け、各部屋にもエアコンを取付可能な様に配線・穴工事等はしておく事にしました。


冷静な目で、色々な将来の可能性を考えておく事も重要なようです。

2018年11月21日水曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る2 希望項目のブレークダウン

いよいよ希望項目のブレークダウンです。

「気持ちよく、健康」とはどういう状態かをイメージしてみました。

 明るい部屋
 四季を楽しめる
   陽だまりの暖かさや木陰の涼しさ
 そよ風と木の感触
 年中快適温湿度
 空気清浄・臭いない
 外の音がうるさくない
   内の音が外に洩れない
 家族が和やかに暮らせる
 青空や日の出を楽しめる
 結露やカビがない
 年を重ねると味が出てくる
 庭仕事ができる
 虫が入ってこない


「安心」は、

 ヒートショックにならない
 防犯がしっかり出来ている
 地震で潰れない。圧死等にならない。
 災害時 すぐに逃げられる。
 災害時 長期停電になっても暮らしてい
              ける。(熱中症や凍えたりしない)
 災害時 断水になってもトイレに困らない。
            (飲料水は市営の井戸で入手)
 災害時 情報遮断されない。
 シックハウスにならない
 火事になりにくい
 万一、火事になっても有害ガスが出ない
 落雷があっても関連被害を受けにくい。
 大雨でも水はけが良い。
 雑草抜きでヘトヘトにならない。
 老後(体力の衰え)の対策が出来ている
 家族が気配をお互いに感じられる
 (何かあっても直ぐに気が付ける)
 介護が必要になっても、介護しやすい
 家が長持ちする


「低ランニングコスト」は、年金だけでも暮らしていける様に

 低光熱費
 低メンテナンス費用
(家のメンテ費、設備の修理買換え費)
 低水道費
 低医療費
 低交通費


希望を具体的にブレークダウンする時は、とにかく欲張りに上げていくのが良いと思います。

具体的にありたい姿が書き出されていると、知恵が出しやすくなります。

2018年11月17日土曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る1 大枠の整理

ここからは、私が狙いを実現する為にどういう事を悩んで、どういう風に決めて行ったかという具体的な話になります。


世の中には「作り手側」からの情報があふれていますが、「買い手側」からの情報は少ないので、私の経験がこれから家創りをしようと考えている方の参考になれば良いなと思います。


まずは、実現したい希望をもう少し具体的にブレークダウンして書き出しました。

そういう整理は、自分の為の頭の整理でもありますし、ハウスメーカーや設計士さんなど他人に思いを伝えるのにも非常に有用だと思ったのです。


最初は、大枠の整理です。

住む予定の家族は誰と誰で、それが向う数十年後までにどう変わりそうか。


どういう住み方をしたいのか。

例えば、知り合いを沢山呼んでワイワイできる家にしたいとか、穏やかに暮らしたいとか、趣味を充実させる事をしたいとか、、


あとは、制約条件です。

資金額、移住するスケジュール、建てる予定の土地の建蔽率や容積率は?、防火地区か?、音の環境は?、陽当たりは?、隣家に対しての制約(高さ制限や日射など)があるか等々。


私の場合、

夫婦で住んで時々子供達が帰ってきて泊まれる。お客を沢山というよりも、年とっても穏やかに暮らしていける家にしたいと考えました。

家を考える時に、間取りは誰でも最初に考え始める所だと思いますが、イメージが無くて間取集の本など眺めても、私は目移りするだけでどうしらた良いのか全然考えがまとまりませんでした。

でも、どういう住み方をするかがイメージできればかなり考えやすくなります。
前記の整理をしてから見直すと自分にとって何が良いかが段々分かってきました。


土地の制約条件は市役所等で調べました。

最後に資金の面からの制約は、大きな家にはしない。
特注品は使わず普及している標準的な建材や装置、手法を使っていく。
という事を決めました。

2018年11月14日水曜日

【家 住み手が書く】希望をかなえる家を創りたい3

結果から言うと、狙いとしていた事が、ほぼ思った通りに実現できた事を実感する毎日です。


明るい部屋で、いつもサラサラかつ暖かい木の感触に囲まれ、臭いのない澄んだ空気。

外気に急激な温湿度変化があっても、室内環境はいつも穏やかに落ち着いており、家中のどこでも温度差が殆ど無い。

昼はそよ風を楽しみ、夜も防犯性を保ちながら涼しい風を取り入れられる。

地震など災害に強く、万一の長期停電でも健康的な生活環境を確保できている。

老後に備えバリアフリー。家族の気配をお互いに感じて暮らせます。

ガス代、電気代も大幅減。


出来てみると、「爽やかで、頼もしい」と感じられる家になりました。


机上でいくら計画しても、実際に住み始めるまで不安でしたが、欲張りな希望でも知恵を出して取り組めばリーズナブル(標準的な建材の組み合わせで)に実現できる事を実感しました。