・メディアの言う「公正中立」はメディアの専門用語
保田裕之氏の著書では、【報道するという行為自体がすでに主観的ではあるのだが、商品(報道、ニュース)が売れる(広く受け入れられる)為には、「中立性、客観的」という加工を施さなければならないのだ。
つまり、「中立性、客観的」という単語は、文章作成や情報加工する上での”技術的な問題”であり、一般的な「平等・公平」というような意味とは異なり「メディアの専門用語」として理解すべきものなのである。】
メディアの言う客観性は、数学や物理で言うものと全く異なるもの。
・「大衆」から「群衆」への変化
群衆の定義:
過激に走りやすい、衝動的である。暗示に弱い。
同一化する。服従する。など
同一化
「おかしいな」と首をかしげつつも、思わず正しい判断
を捨て、「間違った多数者の判断」に同調していく。又は、
社会的な権威を持った少数者に頼る。(医者や弁護士、
科学者など)
服従の心理 ーー有名なアイヒマン実験ーー
「記憶と学習に関する研究」に参加するという事でやって
きた人を2人ペアにして、白衣の教授が1人を先生役、もう
一人を生徒役に任命する。各々別の部屋に分かれて、先生
役から生徒役に問題を出し、回答させる。生徒役は電極に
繋がれ、回答を間違えたら先生役が電流を流すスイッチを
押す。電流は弱から”危険・過激な電流”まで30段階のス
イッチがあり、だんだん増やしていく。スイッチを押され
ると、ある強さからは生徒役の苦しむ声や「もうやめてくれ」
という声が先生役に聞こえる。(実は生徒役は全てサクラ
で、電極は付けずに、声だけ出して演技している)。スイ
ッチを押すのを先生役がためらうと、教授に押すように
言われる。 実験の結果、約6割の先生役の人間が”危険な
最大値”までスイッチを押した。
これは、以下の理由が考えられる。
①人は権威(白衣を着た教授)から与えられた役割を果た
そうとする。
②(教授との)約束に対する「一貫性」を持とうとする。
③自分で決定したことではない。という気持ちを持つ。
この実験で、一定の条件下では「普通の平凡な市民」でも
冷酷で非人道的な行為を行う事が証明された。
ただ、4割の人は実験の途中で降りた。こういう行動が出来る人が増えれば、「多数の判断」にしていく事が出来ると信じたい。
・平和を教育する。
歴史の「共有化」 2007年 ドイツとフランスでお互いの高校で「共通歴史教科書」が使われることになった。キッカケは、ドイツ・フランス友好条約40周年に両国の約500人の高校生たちが、時代に合った教科書を作る様に政府に提案した事。
両国から歴史専門家が数名づつ選ばれて完成させた。ドイツ語版、フランス語版とも全く同じ内容で、”特にユダヤ人虐殺のホロコーストについては、ドイツの視点だけではなく、世界がどのようにこの出来事に向き合っているのかが詳細に示されているのだという。
共通教科書を使っているドイツ人生徒は次のような感想を述べている「フランス人のものの見方が分かるので、相手をより理解できるようになりました。
相手の考えを理解すれば、戦争はより起こりにくくなると思います。
この教科書で学ぶことで2度と戦争が起こらないようになる、とまでは断言できませんが、相手への理解が深まるのは確かです。」
ヨーロッパでは、現在EU全体の共通教科書の実現に向けた取り組みも始まっているという。
これが出来た背景には、政治レベルでの良好な関係構築への努力があった。
平和教育に於ける国家の役割というのは、「教育レベル」で国民に何かを学ばせるかを決めることではなく、他国との関係を構築する「外交レベル」の方がより重要な意味を持っている。
以下 3につづく。
2017年7月15日土曜日
【本】なぜ戦争は伝わりやすく平和は伝わりにくいのか(1) 伊藤剛 光文社新書
カバーの本文抜き書きには、”もしも、 目の前に「戦争」と「平和」と書かれた2つのカードが並べられたとして、「どちらを選びますか?」と問われたら、きっと多くの人が「平和」のカードを選ぶのではないだろうか。
にもかかわらず、世の中から「戦争」がなくなったことは一度もない。
戦争を始めるのはたいてい権力者ではあるが、それを拡大させていくのは私たち大衆心理の影響も大きいと思うからだ。そこに難しい政治的な知識や判断はきっとはたらいていない。”とのこと。
この本を読んで、戦争と平和に関して色々な気づきを得る事が出来ました。 気になった点を紹介したいと思います。
・言葉に対するイメージ
グーグル画像検索をすると、「戦争」は誰でも同じ様な戦闘や武力の画像が出る。殆どの人が同じ様なイメージを持つ。
一方、「平和」では鳩やピースマーク(日本と世界ではマークが違う)などが、バラバラ出て統一的なイメージが無い。
・「積極的平和」
世界では、”戦争だけでなく貧困や搾取、差別などの構造的な暴力が亡くなった状態”を意味する。
英語ではPositive peace.安倍政権の「積極的平和」は、彼は英語ではProactive contributorto peaceと言っている。逐語訳では率先して平和に貢献する存在となるが、欧米の軍事ではProactiveは「先制攻撃」のニュアンスで使われる言葉。日本国内向けと、海外向けで言葉のマジックを使い与えるイメージを変えている。<言葉の悪用ですね>
・昔から「権力者は言葉を言い換える」ことをしている。
侵略→進出 全滅→玉砕 敗戦→終戦 占領軍→進駐軍
福島第1原発事故では、
事故→事象 汚染水→滞留水 老朽化→高経年化
PKO派遣では
兵站→後方支援
・「遺憾の意を表す」というのを良く聞くが、
辞書によると、「謝罪」の意味は全く含まれていない。
個人的に残念 と言っているだけ。
・権力者の法則ー戦争シナリオの作られ方
戦争プロパガンダの共通法則
①我々は戦争をしたくない
②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
③敵の指導者は悪魔の様な人間だ
④我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命の為に
戦う
⑤我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざ
と残虐行為におよんでいる
⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
⑦我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
⑨我々の大義は神聖なものである
⑩この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である
・「ナイラの証言」
イラク戦争の時、クエート政府が大手PR会社に金を払い、全くの作り話「ナイラの証言」を作った。これにより、アメリカは戦争に入っていった。
・権力者とメディア
ラジオの登場で瞬時に情報が伝わる様になった。
ヒトラーはメディアの影響力に早くから注目。
まず全国民1人に1台のラジオ所有を目指して受信機の生産に力を入れた。それを安値で提供。首相になった当初からヒトラー政策の中心にあったのは経済政策。
高速道路などの大規模公共事業
「各家庭にフォルクスワーゲンを」自動車産業を促進
ヒトラー就任後に失業率は激減。GDPも右肩上がり、さらに「歓喜力行団」と呼ばれる国民に様々なレジャーを楽しませる組織を作り、客船による旅行やコンサートなどを安い値段で提供した。そうやって国民の圧倒的な支持を獲得していく中で、ナチスの思想を広めていった。
ラジオでは「何度も同じフレーズを連呼」し国民の頭に刷り込んでいく。
右腕のゲッペルスは軍にもプロパガンダ部隊を作り、多くの戦場で映画クルーの様に撮影、編集して、自国の映画館で上映させた。ゲッペルスの表現手法は「娯楽と感動」こそが人々を国家的行動に駆り立てるというもの。
・戦争にPRという商売がある。
CNNやNYタイムズ、米3大ネットワークなど国際メディアにいかに自らの主張を取り上げてもらうかの戦いをしている。
・PRと広告の違い
広告はCMや看板などの広報場所の枠を売る。PRはこの「枠」を使わずに、世の中にも情報を届ける戦略を考える。
事実に反する「ねつ造」はしてはならないが、メディアのニュースバリューの基準に照らして「情報を切り出す」例えば、ボスニア戦争で「民族浄化」という言葉を作って、セルビア人=悪 というイメージを人々に固定した。
以下 2につづく
にもかかわらず、世の中から「戦争」がなくなったことは一度もない。
戦争を始めるのはたいてい権力者ではあるが、それを拡大させていくのは私たち大衆心理の影響も大きいと思うからだ。そこに難しい政治的な知識や判断はきっとはたらいていない。”とのこと。
この本を読んで、戦争と平和に関して色々な気づきを得る事が出来ました。 気になった点を紹介したいと思います。
・言葉に対するイメージ
グーグル画像検索をすると、「戦争」は誰でも同じ様な戦闘や武力の画像が出る。殆どの人が同じ様なイメージを持つ。
一方、「平和」では鳩やピースマーク(日本と世界ではマークが違う)などが、バラバラ出て統一的なイメージが無い。
・「積極的平和」
世界では、”戦争だけでなく貧困や搾取、差別などの構造的な暴力が亡くなった状態”を意味する。
英語ではPositive peace.安倍政権の「積極的平和」は、彼は英語ではProactive contributorto peaceと言っている。逐語訳では率先して平和に貢献する存在となるが、欧米の軍事ではProactiveは「先制攻撃」のニュアンスで使われる言葉。日本国内向けと、海外向けで言葉のマジックを使い与えるイメージを変えている。<言葉の悪用ですね>
・昔から「権力者は言葉を言い換える」ことをしている。
侵略→進出 全滅→玉砕 敗戦→終戦 占領軍→進駐軍
福島第1原発事故では、
事故→事象 汚染水→滞留水 老朽化→高経年化
PKO派遣では
兵站→後方支援
・「遺憾の意を表す」というのを良く聞くが、
辞書によると、「謝罪」の意味は全く含まれていない。
個人的に残念 と言っているだけ。
・権力者の法則ー戦争シナリオの作られ方
戦争プロパガンダの共通法則
①我々は戦争をしたくない
②しかし敵側が一方的に戦争を望んだ
③敵の指導者は悪魔の様な人間だ
④我々は領土や覇権のためではなく、偉大な使命の為に
戦う
⑤我々も誤って犠牲を出すことがある。だが、敵はわざ
と残虐行為におよんでいる
⑥敵は卑劣な兵器や戦略を用いている
⑦我々の受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大
⑧芸術家や知識人も正義の戦いを支持している
⑨我々の大義は神聖なものである
⑩この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である
・「ナイラの証言」
イラク戦争の時、クエート政府が大手PR会社に金を払い、全くの作り話「ナイラの証言」を作った。これにより、アメリカは戦争に入っていった。
・権力者とメディア
ラジオの登場で瞬時に情報が伝わる様になった。
ヒトラーはメディアの影響力に早くから注目。
まず全国民1人に1台のラジオ所有を目指して受信機の生産に力を入れた。それを安値で提供。首相になった当初からヒトラー政策の中心にあったのは経済政策。
高速道路などの大規模公共事業
「各家庭にフォルクスワーゲンを」自動車産業を促進
ヒトラー就任後に失業率は激減。GDPも右肩上がり、さらに「歓喜力行団」と呼ばれる国民に様々なレジャーを楽しませる組織を作り、客船による旅行やコンサートなどを安い値段で提供した。そうやって国民の圧倒的な支持を獲得していく中で、ナチスの思想を広めていった。
ラジオでは「何度も同じフレーズを連呼」し国民の頭に刷り込んでいく。
右腕のゲッペルスは軍にもプロパガンダ部隊を作り、多くの戦場で映画クルーの様に撮影、編集して、自国の映画館で上映させた。ゲッペルスの表現手法は「娯楽と感動」こそが人々を国家的行動に駆り立てるというもの。
・戦争にPRという商売がある。
CNNやNYタイムズ、米3大ネットワークなど国際メディアにいかに自らの主張を取り上げてもらうかの戦いをしている。
・PRと広告の違い
広告はCMや看板などの広報場所の枠を売る。PRはこの「枠」を使わずに、世の中にも情報を届ける戦略を考える。
事実に反する「ねつ造」はしてはならないが、メディアのニュースバリューの基準に照らして「情報を切り出す」例えば、ボスニア戦争で「民族浄化」という言葉を作って、セルビア人=悪 というイメージを人々に固定した。
以下 2につづく
2017年6月25日日曜日
【心と身体・本】サブリミナル・インパクト 下條信輔 ちくま新書
この本の説明書きは「現代社会は過剰な刺激に満ちている。
直接快楽を刺激する音楽と映像。
絶え間なくメッセージを投げかけるメディアやコマーシャル。
それらは私たちの潜在脳に働きかけて、選択や意思決定にまで影を落とすが、私たちはそれを自覚しない。」というもの。
著者は現カリフォルニア工科大学の知覚心理学の教授。
心身体の関係を分かりやすく説明してくれると共に、その関係を使った人心操作(操縦?)がどう行われつつあるのかを教えてくれます。
騙されたくないですから、彼らの手口を知るのは良い防御方法でしょう。
この本は非常に盛り沢山な内容ですが、その一部を書いてみたいと思います。
・習うより馴れろ
新しい事を習う時、最初は色々な動きを意識して身体を細かく制御します。
それは前頭葉が感覚野、運動野、連合野を使って行うのですが、だんだん馴れるとそのプログラムが小脳に移されます。そうなると、考えなくとも出来る様になるとのこと。
つまり、潜在意識で対応できる様になります。
人間の行動の多くは実は潜在意識が行っているという事は他の本にも書かれていました。潜在意識は人間にとって非常に重要な存在です。
・消費者は自由か
広告はだんだんと潜在意識に刷り込む事を狙うものが増えている。
簡単なものは、何度も見せるという事で刷り込みの条件つけをしている。
又、最近はお勧め商法も流行っている。(ネットなどでは、あなた向きのお勧め!というのが山の様に出てきますよね。私はキライです)
ここで問題なのは、お勧め商品以外には目が行きにくくなってしまう、つまり選択肢がやんわりと(しかし現実的に)狭められている点。
売りたい側に都合の良いように選択肢を管理制御しています。
テレビや新聞・雑誌などの紙媒体では、広告と記事や番組の中身が混じらせるボーダーレス広告やインフォマーシャル、ドラマーシャルなどもどんどん増えてきています。
現代コマーシャルの戦略は、「狭める」「誘発する」「気づきにくくする」の3つ。
これにより、消費者が自らの自由意志で企業側の望む選択をしてくれるという構図が見事に成立するとの事。
・政治に於いて 無意識への働きかけ
政治でも大衆誘導が沢山行われています。
例えば、自衛隊の海外派遣という具体的な問題を考えてみると、政府が国民の同意を混乱なく、すみやかに取り付けたいと考えたとします。
あえて中身が曖昧なままでも、とりあえずの大義名分に大筋の合意だけ取りつけてしまう。
そうすれば、細部や具体的な法整備にも合意を得やすくなるかもしれません。
そこには「最初のコミットメントに愛して後の行動の首尾一貫性を保つ」という潜在心理のルールが働くからです。
又、最近の米国では、セキュリティ=国防=愛国という反応図式が政治的に使われています。
イスラム原理主義=テロリストというステレオタイプと相まって、ますます戦略的に利用されている観があるのです。
繰り返しタイミングよくこのチャンネルに働きかけられると、この「愛国」反応図式はますます人々の情動・認知過程に刷り込まれ、思考や批判が停止してしまう恐れもあります。
虚構の恐怖や危機を煽り立てて、それが1週間後に誤報だったと撤回されたとしても、恐怖心を潜在意に刷り込む事には1週間で十分で、これらの怪しげな発言や情報が訂正されても完全に記憶から消え失せる事はなく、世論に一定の持続的影響慮力をもってしまいます。
日本でも戦後の世論は、理想主義的な平和志向がきわめて根強かったはずです。
特に平和憲法の維持「ノイローゼ」と、国防、自衛隊の海外派遣などに対する「アレルギー」が、失言と訂正の繰り返しの中で、いつのまにか効果的に「治療」されてきた経緯も思い出されます。
メディアは簡単に印象操作をする事も出来る。
政府とつるんでさらに効果的にあおりたてるもことも。
・快適という名の制御
現代の「快適」という言葉は「さりげない制御」と同意なのではないか。
実際、若い世代の政治に対する態度や、コマーシャリズムに踊らされていつると知りつつ受け身の自由を謳歌する態度。そういう態度を見ていると、こう思わないではいられません。
かくのごとく、「自由」は「快適」に取って代わられつつあります。かつて盤石の重石だった自由が、希薄化し拡散していくのです。
以上
この本は2008年出版の本ですが、現実はこの本で警鐘している通りに、さらに加速して進んでいる様に思えます。
露骨にマスコミも含めて世論操作しようとしている安倍政権やトランプ政権。北朝鮮も同様ですね。
ネットビジネスもどんどんエスカレートしている様に思います。
自分が見て聞いている情報が、心理操作されているものかを絶えず気にしながら暮らさなければならない社会というのは、本当に悲しいものだと感じます。
直接快楽を刺激する音楽と映像。
絶え間なくメッセージを投げかけるメディアやコマーシャル。
それらは私たちの潜在脳に働きかけて、選択や意思決定にまで影を落とすが、私たちはそれを自覚しない。」というもの。
著者は現カリフォルニア工科大学の知覚心理学の教授。
心身体の関係を分かりやすく説明してくれると共に、その関係を使った人心操作(操縦?)がどう行われつつあるのかを教えてくれます。
騙されたくないですから、彼らの手口を知るのは良い防御方法でしょう。
この本は非常に盛り沢山な内容ですが、その一部を書いてみたいと思います。
・習うより馴れろ
新しい事を習う時、最初は色々な動きを意識して身体を細かく制御します。
それは前頭葉が感覚野、運動野、連合野を使って行うのですが、だんだん馴れるとそのプログラムが小脳に移されます。そうなると、考えなくとも出来る様になるとのこと。
つまり、潜在意識で対応できる様になります。
人間の行動の多くは実は潜在意識が行っているという事は他の本にも書かれていました。潜在意識は人間にとって非常に重要な存在です。
・消費者は自由か
広告はだんだんと潜在意識に刷り込む事を狙うものが増えている。
簡単なものは、何度も見せるという事で刷り込みの条件つけをしている。
又、最近はお勧め商法も流行っている。(ネットなどでは、あなた向きのお勧め!というのが山の様に出てきますよね。私はキライです)
ここで問題なのは、お勧め商品以外には目が行きにくくなってしまう、つまり選択肢がやんわりと(しかし現実的に)狭められている点。
売りたい側に都合の良いように選択肢を管理制御しています。
テレビや新聞・雑誌などの紙媒体では、広告と記事や番組の中身が混じらせるボーダーレス広告やインフォマーシャル、ドラマーシャルなどもどんどん増えてきています。
現代コマーシャルの戦略は、「狭める」「誘発する」「気づきにくくする」の3つ。
これにより、消費者が自らの自由意志で企業側の望む選択をしてくれるという構図が見事に成立するとの事。
・政治に於いて 無意識への働きかけ
政治でも大衆誘導が沢山行われています。
例えば、自衛隊の海外派遣という具体的な問題を考えてみると、政府が国民の同意を混乱なく、すみやかに取り付けたいと考えたとします。
あえて中身が曖昧なままでも、とりあえずの大義名分に大筋の合意だけ取りつけてしまう。
そうすれば、細部や具体的な法整備にも合意を得やすくなるかもしれません。
そこには「最初のコミットメントに愛して後の行動の首尾一貫性を保つ」という潜在心理のルールが働くからです。
又、最近の米国では、セキュリティ=国防=愛国という反応図式が政治的に使われています。
イスラム原理主義=テロリストというステレオタイプと相まって、ますます戦略的に利用されている観があるのです。
繰り返しタイミングよくこのチャンネルに働きかけられると、この「愛国」反応図式はますます人々の情動・認知過程に刷り込まれ、思考や批判が停止してしまう恐れもあります。
虚構の恐怖や危機を煽り立てて、それが1週間後に誤報だったと撤回されたとしても、恐怖心を潜在意に刷り込む事には1週間で十分で、これらの怪しげな発言や情報が訂正されても完全に記憶から消え失せる事はなく、世論に一定の持続的影響慮力をもってしまいます。
日本でも戦後の世論は、理想主義的な平和志向がきわめて根強かったはずです。
特に平和憲法の維持「ノイローゼ」と、国防、自衛隊の海外派遣などに対する「アレルギー」が、失言と訂正の繰り返しの中で、いつのまにか効果的に「治療」されてきた経緯も思い出されます。
メディアは簡単に印象操作をする事も出来る。
政府とつるんでさらに効果的にあおりたてるもことも。
・快適という名の制御
現代の「快適」という言葉は「さりげない制御」と同意なのではないか。
実際、若い世代の政治に対する態度や、コマーシャリズムに踊らされていつると知りつつ受け身の自由を謳歌する態度。そういう態度を見ていると、こう思わないではいられません。
かくのごとく、「自由」は「快適」に取って代わられつつあります。かつて盤石の重石だった自由が、希薄化し拡散していくのです。
以上
この本は2008年出版の本ですが、現実はこの本で警鐘している通りに、さらに加速して進んでいる様に思えます。
露骨にマスコミも含めて世論操作しようとしている安倍政権やトランプ政権。北朝鮮も同様ですね。
ネットビジネスもどんどんエスカレートしている様に思います。
自分が見て聞いている情報が、心理操作されているものかを絶えず気にしながら暮らさなければならない社会というのは、本当に悲しいものだと感じます。
【本】宇宙少年 野口聡一 講談社
少年向けの本ですが、宇宙に出た時のとても素敵な印象が書かれていますので、抜き書きしてみます。
以下 抜粋
宇宙船のハッチを開けて、初めて宇宙空間へ泳ぎ出た瞬間。僕を包んだのはそれまで感じたことのない静けさでした。
宇宙には空気がありません。
空気がなければ、音もしません。
そういうことは知識として知っているけど、実際に宇宙に行き、本物の無音を経験してみると、想像以上の驚きが走りました。
「ここは命が存在しない場所だ」。そんなふうに、僕の身体は感じました。
本能が危険を察知し、シグナルを発しているのが分かります。
宇宙服を着ているから大丈夫だとはわかっていても、本能は反応するんです。
「音がない」ということ、ただそれだけのことが、これほど鮮やかに感じられるとは!
予測したり想像したりすることと、体感することとの間には、じつに大きな開きがあるものなのだと思い知りらされました。
知っているつもりでいたけれど、本当には知らないこと。世の中にはそういうことが山ほどあります。
僕は宇宙飛行士として長い間訓練を積んできました。
宇宙で撮影された地球の写真ももちろん何枚も見てきました。
ですから地球が美しいということは、写真を通してよく知っていたはずでした。けれども宇宙に出て気が付きました。僕は知っている「つもり」だったのだと。
広い宇宙にぽつんと浮かんでいる、宇宙服を着た僕。その僕に向き合うように、地球はありました。 大きくて、丸い地球。
ゆっくり回転し、青く、白く、輝いている。ここの生命があるんだ!と主張しているような、力強さを。
命の気配がしない宇宙空間のなかで、地球だけが大きく光り輝き、生きているよと訴えているのです。
そのとき僕と地球は、対等な1対1の存在でした。
地球を見つめている僕と同じように、地球もまた、宇宙のただなかにひとりで存在している。
「地球さん、こんにちは」。僕はそう呼びかけたくなりました。
地球は僕と同じ、ひとつの命だ。僕も地球も、同じように宇宙に浮かんでいる。
そう実感したら、地球が親しい友達のように思えました。
ふるさとも、思い出も、家族も友達も、なにもかもがあの地球のなかにあるんだ。
僕はそこで暮らし、そこで死ぬ。僕は間違いないく地球の一部だ。
命は地球で生まれ、地球に戻る、、、。
こんなこと、わざわざ宇宙に行かなくてもわかる人もいるでしょう。
でも僕は、宇宙に出てみなければわかなかった。
地球が「いきもの」であることや、同時に広大な宇宙のなかのひとつの「もの」であること。
そして自分自身も地球に属する小さな「いきもの」で、宇宙を構成するひとつの「もの」であること。
地球をひとつの生命体として感じ、こんなふうにいのちを実感するなんて。
それは、頭で理解するというより、感じてわかる、という体験でした。
以上
最近、ネットで調べて、「何でも分かったつもり」になってしまいがちな事を自分でも感じていたので、この野口さんのみずみずしい体験記は、忘れていた事を思い出させてくれた気がしました。
以下 抜粋
宇宙船のハッチを開けて、初めて宇宙空間へ泳ぎ出た瞬間。僕を包んだのはそれまで感じたことのない静けさでした。
宇宙には空気がありません。
空気がなければ、音もしません。
そういうことは知識として知っているけど、実際に宇宙に行き、本物の無音を経験してみると、想像以上の驚きが走りました。
「ここは命が存在しない場所だ」。そんなふうに、僕の身体は感じました。
本能が危険を察知し、シグナルを発しているのが分かります。
宇宙服を着ているから大丈夫だとはわかっていても、本能は反応するんです。
「音がない」ということ、ただそれだけのことが、これほど鮮やかに感じられるとは!
予測したり想像したりすることと、体感することとの間には、じつに大きな開きがあるものなのだと思い知りらされました。
知っているつもりでいたけれど、本当には知らないこと。世の中にはそういうことが山ほどあります。
僕は宇宙飛行士として長い間訓練を積んできました。
宇宙で撮影された地球の写真ももちろん何枚も見てきました。
ですから地球が美しいということは、写真を通してよく知っていたはずでした。けれども宇宙に出て気が付きました。僕は知っている「つもり」だったのだと。
広い宇宙にぽつんと浮かんでいる、宇宙服を着た僕。その僕に向き合うように、地球はありました。 大きくて、丸い地球。
ゆっくり回転し、青く、白く、輝いている。ここの生命があるんだ!と主張しているような、力強さを。
命の気配がしない宇宙空間のなかで、地球だけが大きく光り輝き、生きているよと訴えているのです。
そのとき僕と地球は、対等な1対1の存在でした。
地球を見つめている僕と同じように、地球もまた、宇宙のただなかにひとりで存在している。
「地球さん、こんにちは」。僕はそう呼びかけたくなりました。
地球は僕と同じ、ひとつの命だ。僕も地球も、同じように宇宙に浮かんでいる。
そう実感したら、地球が親しい友達のように思えました。
ふるさとも、思い出も、家族も友達も、なにもかもがあの地球のなかにあるんだ。
僕はそこで暮らし、そこで死ぬ。僕は間違いないく地球の一部だ。
命は地球で生まれ、地球に戻る、、、。
こんなこと、わざわざ宇宙に行かなくてもわかる人もいるでしょう。
でも僕は、宇宙に出てみなければわかなかった。
地球が「いきもの」であることや、同時に広大な宇宙のなかのひとつの「もの」であること。
そして自分自身も地球に属する小さな「いきもの」で、宇宙を構成するひとつの「もの」であること。
地球をひとつの生命体として感じ、こんなふうにいのちを実感するなんて。
それは、頭で理解するというより、感じてわかる、という体験でした。
以上
最近、ネットで調べて、「何でも分かったつもり」になってしまいがちな事を自分でも感じていたので、この野口さんのみずみずしい体験記は、忘れていた事を思い出させてくれた気がしました。
2017年6月20日火曜日
【本】ブラックホール・膨張宇宙・重力波 真貝寿明 光文社新書
この40年程の間でも、新しい知見や考え方が起こっているので、科学雑誌などは一般の人には馴染みの薄い用語が飛び交っています。
「ビッグバン」などは経済用語にも転用されたりしていますが、インフレーション宇宙とか、超紐理論や11次元世界とか、ボゾン、重力波などなど。
新聞の科学記事などで、断片的には聞きかじっていても、一貫した流れの中で、それらの言葉や現象がどうつながって来ているか、私には良く分かっていませんでした。
この本は、そういう流れをアインシュタインの学生時代から始めて相対性理論から一般相対性理論へ、量子力学と合わさって、それが宇宙の新しい考え方や、実験、発見にどうつながって行っているのかが、物理や天文に少し興味のある人にとっては、とても分かり易く書かれてあります。
アインシュタインがなぜ、相対性理論ではノーベル賞を取れなかったのかの理由も分かりました。
物理の世界では有名な人達が、どういう人物でどういう役回りをしていたのかという物理史としても面白い読み物です。
学校で習った物理の話から、現代の宇宙論へ一貫した流れをや内容を理解したい人にお勧めの一冊です。
この本が出た翌年に、実際に重力波が初めて観測されました。
2017年度から、日本のKagraという高感度の重力波検出システムも稼働を始めます。
次の数年で、宇宙の本質についてどんどん新しい事が分かってきそうです。
そういう意味では、今 この一冊を読んでおいて理解しておけば、次の数年で起こるだろう科学の進歩を内容を理解しながら見ていく事が出来そうです。
「ビッグバン」などは経済用語にも転用されたりしていますが、インフレーション宇宙とか、超紐理論や11次元世界とか、ボゾン、重力波などなど。
新聞の科学記事などで、断片的には聞きかじっていても、一貫した流れの中で、それらの言葉や現象がどうつながって来ているか、私には良く分かっていませんでした。
この本は、そういう流れをアインシュタインの学生時代から始めて相対性理論から一般相対性理論へ、量子力学と合わさって、それが宇宙の新しい考え方や、実験、発見にどうつながって行っているのかが、物理や天文に少し興味のある人にとっては、とても分かり易く書かれてあります。
アインシュタインがなぜ、相対性理論ではノーベル賞を取れなかったのかの理由も分かりました。
物理の世界では有名な人達が、どういう人物でどういう役回りをしていたのかという物理史としても面白い読み物です。
学校で習った物理の話から、現代の宇宙論へ一貫した流れをや内容を理解したい人にお勧めの一冊です。
この本が出た翌年に、実際に重力波が初めて観測されました。
2017年度から、日本のKagraという高感度の重力波検出システムも稼働を始めます。
次の数年で、宇宙の本質についてどんどん新しい事が分かってきそうです。
そういう意味では、今 この一冊を読んでおいて理解しておけば、次の数年で起こるだろう科学の進歩を内容を理解しながら見ていく事が出来そうです。
【科学】まだまだ人間の知らない事ばかり
大学の恩師に久しぶりにお会いする事ができました。
そこで又、刺激的なお話を聞きました。
大学時は物理学科で学んでいたのですが、今回恩師から突然「地球は回っていると思うか?太陽の方が回っていると思うか?」と聞かれました。
勿論、地動説です。と答えましたが、「どうしてそう思う?」と重ねて聞かれると、ケプラーの法則で、、とか実測値で証明されているから、、とか教科書で習った知識でしか答えられない事に気がつきました。実感はないですよね。
中世の科学者もバカではなかった。世界中の科学者が天動説を唱えていたのは、当時の自然に対する各種の測定データが、天動説で考えた方が良く説明できたからだ。とのこと。
その後、測定技術等が上がって来て地動説に有利なデータが揃う事で、皆の考え方が変わったとのこと。
これは、私にとってはちょっと衝撃的な話でした。
言われてみれば、そうだろうな、、と思うのですが、今まで私は何となく中世の学者達は宗教的な思い込みでデータを無視した科学的態度が出来ていなかったと勝手にイメージを作ってしまっていました。
自然は、まだまだ人間の知らない事が沢山あって、現代の学者達が これが科学的な事実だ と言っている事も、鵜呑みにしてはいけない。新しい実験や試みによって、常識が覆る事が今でも、これからも沢山起こるだろうとのこと。
例えば、
去年、今年と 計3回の重力波が初めて検出がされた。
重力波の存在が確認できたという事は、素晴らしいが、実はそこで観察された重力波は太陽の数十倍質量のブラックホール2個が合体する時のエネルギーによる事が分かった。
一昨年までの現代科学の常識では、恒星が最後にブラックホール化した時は、太陽の10倍程度の質量が限界というものだった。
宇宙が出来て、ビッグバンのあと星が出来て、星の中で核融合が進み鉄までの元素がだんだんと作られる。
そして、超新星になる時に鉄以上の元素が作られるという順番で進んできている。
現在の太陽や地球は第3世代と言われていて、沢山の重い元素を持っている。
その世代(金属元素を持つ)だと太陽の10倍程度の質量のブラックホールしか作れないというのが常識だった。
天体観測でもそれぐらいの物しか見つかっていない。(銀河中心の超巨大なブラックホール等は別物)
という事で、重力波で観測されたのは初世代の恒星(水素とヘリウムぐらいの元素しかない時代)から出来たブラックホールが初めて観測された。
こういう人類初体験の様な事は、まだまだ起こっていく。新しい事実が見つかる度に、沢山の仮説理論は破棄されて、新しい仮説が考えられて行く。
とのこと。
人類の科学技術はかなり進んでいるという思い込みは捨てないといけないようです。
いつでも、事実は常識よりも奇なり。 かな。
そこで又、刺激的なお話を聞きました。
大学時は物理学科で学んでいたのですが、今回恩師から突然「地球は回っていると思うか?太陽の方が回っていると思うか?」と聞かれました。
勿論、地動説です。と答えましたが、「どうしてそう思う?」と重ねて聞かれると、ケプラーの法則で、、とか実測値で証明されているから、、とか教科書で習った知識でしか答えられない事に気がつきました。実感はないですよね。
中世の科学者もバカではなかった。世界中の科学者が天動説を唱えていたのは、当時の自然に対する各種の測定データが、天動説で考えた方が良く説明できたからだ。とのこと。
その後、測定技術等が上がって来て地動説に有利なデータが揃う事で、皆の考え方が変わったとのこと。
これは、私にとってはちょっと衝撃的な話でした。
言われてみれば、そうだろうな、、と思うのですが、今まで私は何となく中世の学者達は宗教的な思い込みでデータを無視した科学的態度が出来ていなかったと勝手にイメージを作ってしまっていました。
自然は、まだまだ人間の知らない事が沢山あって、現代の学者達が これが科学的な事実だ と言っている事も、鵜呑みにしてはいけない。新しい実験や試みによって、常識が覆る事が今でも、これからも沢山起こるだろうとのこと。
例えば、
去年、今年と 計3回の重力波が初めて検出がされた。
重力波の存在が確認できたという事は、素晴らしいが、実はそこで観察された重力波は太陽の数十倍質量のブラックホール2個が合体する時のエネルギーによる事が分かった。
一昨年までの現代科学の常識では、恒星が最後にブラックホール化した時は、太陽の10倍程度の質量が限界というものだった。
宇宙が出来て、ビッグバンのあと星が出来て、星の中で核融合が進み鉄までの元素がだんだんと作られる。
そして、超新星になる時に鉄以上の元素が作られるという順番で進んできている。
現在の太陽や地球は第3世代と言われていて、沢山の重い元素を持っている。
その世代(金属元素を持つ)だと太陽の10倍程度の質量のブラックホールしか作れないというのが常識だった。
天体観測でもそれぐらいの物しか見つかっていない。(銀河中心の超巨大なブラックホール等は別物)
という事で、重力波で観測されたのは初世代の恒星(水素とヘリウムぐらいの元素しかない時代)から出来たブラックホールが初めて観測された。
こういう人類初体験の様な事は、まだまだ起こっていく。新しい事実が見つかる度に、沢山の仮説理論は破棄されて、新しい仮説が考えられて行く。
とのこと。
人類の科学技術はかなり進んでいるという思い込みは捨てないといけないようです。
いつでも、事実は常識よりも奇なり。 かな。
2017年6月17日土曜日
【本】意識をめぐる冒険 クリストフ・コッホ 岩波書店
著者は、米国でマサチューセッツ工科大学(MIT)と並ぶ理系の最高峰大学のカリフォルニア工科大学(CALTECH)の生物物理学科教授でアレン脳科学研究所所長のコッホ氏。
意識は脳のどういう仕組みで起こるのかを、探求中。
350ページを超えるボリュームのある本で、話も沢山の話題が書かれているので、要約というのは難しいのですが、へー と感じたポイントを書いてみます。
コッホ氏は意識はニューロン群の結びつきが意識を生むと予想しています。
人間の脳には、非常に沢山のニューロンがあり、それらが複雑にネットワークを作っているのですが、殆どが意識に登らないで活動をつかさどっている。
眼で見ている物、聞いている音が意識にのぼるとは限らない事は皆感じているはず。
でも、それらの情報は脳にはインプットされている。
脳やニューロンの仕組みを調べる中で、特定の有名人にだけ発火するニューロンもあることが分かった。
その有名人の写真や、絵、声などにしか発火しなく、名前を見ても発火する。
数学を趣味とするエンジニアには、ピタゴラスの定理で反応するニューロンが見つかった。
人間の大脳は左右に分かれていて、脳梁でつながっているが、脳梁が切れた場合、左右の大脳に別々に意識が生じる。
だから、自分の左手と右手でジャンケンすると本人にはコントロールできなくなる事があるとのこと。
脳幹や視床組織がわずかに損なわれても意識は永久に失われる。
自分による自由意志での決定。は、本当に意思で決定しているのか難しい問題。
意識の上で決定したと思った時よりも前に、脳内ではその決定結果に向けた動きが観測される。
脳が決定している事を後追いで、自分の意志で決定したと感じている主観的な感覚。
情報間のネットワークが複雑になれば、意識は自然に発生する可能性があるのでは、だから、機械などにも意識が生まれるのでは という考えている人もいる。
一方で、原子や分子などの微小単位にも意識があるのではという説も、、
などなど。
そういえば、誰かと話しをしていて、自分の思っている事と違う内容を口走っている自分を発見する事があります。
その時は、エー 自分(の身体)はそんな風に考えていたのか。。と思ってしまう。
この分野は、面白そうですが まだまだ常識が変化していきそうに思います。
身体と心の関係 まだまだ深そうです。
意識は脳のどういう仕組みで起こるのかを、探求中。
350ページを超えるボリュームのある本で、話も沢山の話題が書かれているので、要約というのは難しいのですが、へー と感じたポイントを書いてみます。
コッホ氏は意識はニューロン群の結びつきが意識を生むと予想しています。
人間の脳には、非常に沢山のニューロンがあり、それらが複雑にネットワークを作っているのですが、殆どが意識に登らないで活動をつかさどっている。
眼で見ている物、聞いている音が意識にのぼるとは限らない事は皆感じているはず。
でも、それらの情報は脳にはインプットされている。
脳やニューロンの仕組みを調べる中で、特定の有名人にだけ発火するニューロンもあることが分かった。
その有名人の写真や、絵、声などにしか発火しなく、名前を見ても発火する。
数学を趣味とするエンジニアには、ピタゴラスの定理で反応するニューロンが見つかった。
人間の大脳は左右に分かれていて、脳梁でつながっているが、脳梁が切れた場合、左右の大脳に別々に意識が生じる。
だから、自分の左手と右手でジャンケンすると本人にはコントロールできなくなる事があるとのこと。
脳幹や視床組織がわずかに損なわれても意識は永久に失われる。
自分による自由意志での決定。は、本当に意思で決定しているのか難しい問題。
意識の上で決定したと思った時よりも前に、脳内ではその決定結果に向けた動きが観測される。
脳が決定している事を後追いで、自分の意志で決定したと感じている主観的な感覚。
情報間のネットワークが複雑になれば、意識は自然に発生する可能性があるのでは、だから、機械などにも意識が生まれるのでは という考えている人もいる。
一方で、原子や分子などの微小単位にも意識があるのではという説も、、
などなど。
そういえば、誰かと話しをしていて、自分の思っている事と違う内容を口走っている自分を発見する事があります。
その時は、エー 自分(の身体)はそんな風に考えていたのか。。と思ってしまう。
この分野は、面白そうですが まだまだ常識が変化していきそうに思います。
身体と心の関係 まだまだ深そうです。
登録:
投稿 (Atom)