2017年6月20日火曜日

【本】ブラックホール・膨張宇宙・重力波 真貝寿明 光文社新書

この40年程の間でも、新しい知見や考え方が起こっているので、科学雑誌などは一般の人には馴染みの薄い用語が飛び交っています。

「ビッグバン」などは経済用語にも転用されたりしていますが、インフレーション宇宙とか、超紐理論や11次元世界とか、ボゾン、重力波などなど。

新聞の科学記事などで、断片的には聞きかじっていても、一貫した流れの中で、それらの言葉や現象がどうつながって来ているか、私には良く分かっていませんでした。

この本は、そういう流れをアインシュタインの学生時代から始めて相対性理論から一般相対性理論へ、量子力学と合わさって、それが宇宙の新しい考え方や、実験、発見にどうつながって行っているのかが、物理や天文に少し興味のある人にとっては、とても分かり易く書かれてあります。

アインシュタインがなぜ、相対性理論ではノーベル賞を取れなかったのかの理由も分かりました。
物理の世界では有名な人達が、どういう人物でどういう役回りをしていたのかという物理史としても面白い読み物です。

学校で習った物理の話から、現代の宇宙論へ一貫した流れをや内容を理解したい人にお勧めの一冊です。

この本が出た翌年に、実際に重力波が初めて観測されました。

2017年度から、日本のKagraという高感度の重力波検出システムも稼働を始めます。

次の数年で、宇宙の本質についてどんどん新しい事が分かってきそうです。

そういう意味では、今 この一冊を読んでおいて理解しておけば、次の数年で起こるだろう科学の進歩を内容を理解しながら見ていく事が出来そうです。

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