2018年12月30日日曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る33 実際の住み心地 パッシブハウス コンセプト

果たしてパッシブハウス コンセプトは実際の生活で本当に効果を出すのか?が興味津々で暮らし始めました。


結論から言うと、効果があるし楽しい。但し、自然が相手なので自然と共に生きる気持ちが必要と思いました。


冬の晴天の日は、本当に効果的。
朝、日の出の空を見て、晴天になりそうな事を確認すると、今日は暖房を使わなくて良いなと思います。太陽の光を部屋に取り込むのが楽しい。
明るく、十分に暖かい部屋が自然に出来てしまいます。


東京の晴天率は

1月前半 80%以上、後半 60-80%
2月前半 70%、後半 50-70%
3月 40-60%
4月 40-60%
5月 30-60%
6月前半 10-60%、後半 10-40%
7月 前半20-30%、 後半 30-60%
8月 40-60%
9月 30-60%
10月 30-60%
11月 前半 50-70%、後半 60-80%
12月 前半 60-80%、後半 70-90%

という感じですので、

冬は晴天が多く、太陽熱を利用するパッシブハウスコンセプトは成立します。

昼間に室温が十分に温まっていれば、夜は雨戸、カーテン等と閉めればそれほど大きな温度変動はありませんので大丈夫。

曇り、雨、雪の日は太陽熱を得られないのですが、暖房をつけるか、衣類を少し余計に羽織るかなどをすれば大丈夫です。


夏は、本当に日光の遮蔽の徹底が重要です。
前述しましたが、南は通風雨戸などが大活躍します。平年では、夜はある程度外気が下がるのでそれを取り込む事で、自然の冷房に出来るのですが、今年の異常気象では夜風が使えませんでした。

そいう意味では、パッシブハウスコンセプトが成り立たない年も出るという事ですが、断熱と湿度コントロールは出来ているので28度等でも気持ちがよいし、扇風機があれば十分涼しい感じになります。それでも、もし涼しさが足りないと思う時は、弱く冷房をつける事で大丈夫です。


春、秋は室内にそよ風を取り込み楽しむ事で、気持ちの良い毎日を過ごす事ができます。


この暮らしを始めてから、天気の動向に非常に関心が高くなり、空を見上げる事が多くなりました。太陽と雲に非常に親しみを感じる様になりました。


【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る32 実際の住み心地 明るさ

部屋に日光の明かりが十分に入ってきて、明るい室内というのは住み心地に大きなプラスになります。気持ちが良い。

その為に、各居室の2面は窓を設ける事が基本にしました。それによってまずは十分な明かりが取り入れられます。

又、壁も出来るだけ白っぽく明るい色にする事で、反射した光が部屋の隅にまで回ってくれます。


窓には、通風、明かり取り、借景、音、防犯など色々な機能を考えていく必要がありますが、場所毎により明かり取りを重点にする窓とか、通風を重視する窓とか役割の優先順位を考えると整理しやすくなります。


リビングダイニングの東面に設置した高窓は明かり取りがメイン。ですから開けられないFIX窓に割り切りました。


パッシブハウスのコンセプトでは夏の南窓は日射遮蔽する必要があるので、明かりは東西北の窓で確保する必要があります。

この窓がある事で、朝陽が射し込みまるでフェルメールの絵の様な感じになりました。
又、その窓からは天を見上げる事になるので、型ガラスでも青空を感じられ心地良い席になりました。


2階のトイレは、北面の高い位置に出来るだけ大きな窓を設けました。これも十分に光が入り、とても気持ちの良い空間になります。トイレの窓は開閉が必要ですが、オペレータハンドルにしておけば高い位置の窓でも操作ができます。


温湿度に加えて、朝 日光で部屋が明るいという事も、爽やかさを感じる大きな要素だと住んで分かりました。

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る31 実際の住み心地 風

そよ風は、本当に気持ちのよいものです。


今回の家は、春から秋にかけて南風が吹きます。よって、南の窓から入った風を上手く北の窓から出すことができれば、良い風を室内に吹かす事ができます。


とても役に立ったのは、台所に設けた勝手口用の通風ドア。風の通る面積を自由に変えられるし、ドアの下部と上部が開くので幅広い感じの流れになります。朝起きて、最初に南窓と北の通風ドアを少し開けると一日とても気持ちの良い風が通ります。


東西には、南風をキャッチすべく南向きに開く縦すべり出し窓を地窓として設置しました。狙いどおり、ここからも良く風が入ります。


地窓というと雨に強く、地面近くに開口面積を大きく取れる横すべり出し窓を用いるのが常識です。しかし、横すべり出し窓は風をキャッチする力は非常に弱いので、風の方向を良く見て使う必要があります。


1階の窓から2階の北窓に風を流すという事も、間取りで空間連結をしておけば可能です。

兎に角、対面の壁に窓を用意する。という事が最も効果的です。


夏は日射遮蔽をしなければなりませんが、通風雨戸が大活躍してくれます。日射遮蔽しながらある程度明かりも取り込め、風も取り込めます。一人3役を果たしてくれます。


窓について、一つ気を付けなければならない事があります。それは窓を開ける方向。
例えば、縦すべり出し窓だと、右開きにするか左開きにするかという点。

隣家との関係をも良くみておく必要があります。折角 窓を設けても、隣家の目を気にして開けられないという事にならない様に、窓の形式や開ける方向等に気をつける必要があります。

2018年12月28日金曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る30 実際の住み心地 湿度

この家の場合、湿度は窓を閉め切った場合、殆ど部屋の中で変化しません。

設置している温湿度計で、昼間に風を通すために窓をあけている間は、室内湿度はかなり上下します。しかし、夜窓を閉めるとエアコン暖房を停止しても、値が安定し、そのまま朝までほとんど変化しません。


真冬、暖房機も加湿器も何も置いていない私の寝室は、50~60%に自然に収束します。

外は非常に乾燥しているので、窓を開けると一気に室内湿度は下がりますが、しばらくするといつの間にか湿度が上がり安定ゾーンに収まります。


リビングダイニングは大きな空間で少し様子が変わりますが、ほぼ45~50%で安定しています。加湿器はなく観葉植物が一鉢あるだけの状態でです。


調湿が働いているのだと思います。
冬の過乾燥を避けたいと思っていたのですが、それがほぼ実現できています。


梅雨時も、リビングでの湿度は55-65%で自然に安定しています。


結露も基本無しです。


調湿力が高いので、風呂の戸を開けて出来るだけ水蒸気を室内に出す様にしています。壁に吸い込まれていきますので、それでも室内はいつもカラッとしたままです。
雨の日に、室内干しをしてもいやな匂いがせずに乾きます。


冬の寝室で、湿度が50%あると例え18度ぐらいの室温になった場合でも、あまり寒いとは感じない事を体感しました。ベッドから出るのが億劫という事は一切ありません。


又、夏の寝室では、湿度が60%台ならば28~9度でも眠れます。これはダイキンが最近宣伝している「新28度」というやつですね。
エアコンを切っても自然にこの湿度帯になるというのはありがたい事です。


湿度が快適ゾーンにあると、空気が爽やかに感じます。

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る29 実際の住み心地 温度

南関東(東京)で北海道仕様断熱+パッシブハウスコンセプト+無垢材の家の実際の住み心地はこんな感じになります。


冬は、

一番初めに実感するのは、夜 雨戸とカーテンを閉めて寝ていると、殆ど温度が下がらない事。外は霜が降りるような1-2度の外気の夜でも1,2度ぐらいしか室内の温度は下がりません。


又、ハダシで暮らしていても大丈夫。床は杉の無垢材で、床暖房等は一切していません。
杉は断熱力が高いので、例えば立っていれば自分の足の裏の熱が逃げないので冷たく感じません。檜床の部分では少しヒヤリとします。

さらに、日光が当たった床部分は真冬でもほかほか暖かい。


窓際が本当に寒くありません。
殆どの窓がYKK APの330という窓にしましたが、窓のすぐそばで何かしていても真冬でも寒いと感じた事がありません。


カーテンが付けられない大窓はは430という製品を使いましたが、狙い通りコールドドラフトは全く起こりません。


330の方は、大きな掃き出し窓では朝カーテンと窓の間の床は少し冷たくなっています。少しは冷気が出来ているのだと思いますが、生活上は全く気になりません。

一か所、台所の通風勝手ドアは310というアルミとプラのハイブリッドサッシで断熱が少し弱い製品を使いましたが、ハニカムスクリーンを内側に設けた事で断熱がしっかり出来ています。


真冬でも、晴天の日は太陽熱が射し込むので、無暖房の部屋でも4-5度室温が上がります。日光がストーブ替わりに十分なります。

そして、日光の当たる場所に居ると、本当に「陽だまりの暖かさ」を室内で楽しむ事ができます。


曇りや雨・雪の日は陽が射さないので昼間は、レースのカーテンしかしていない窓から少しずつは外に熱が出るので、室温が下がります。ただし、下がり方は急激ではなく、徐々にという感じです。


そいう時は、各階にあるエアコン暖房とサーキュレータをかけますが、低い設定温度ですぐに空間は温まります。

エアコン暖房の効きが良く、定常稼働させていても温度変化が少ないので間欠的に動いている感じです。


尚、同じ室温20度でも、エアコン暖房で出来た室温20度と、太陽光を取り込んで出来た室温20度では太陽光によるものの方が心地良い気がします。
太陽光のエネルギーが床や壁に蓄積されてその表面温度が上がる事で体感温度は20度を超えてているのでしょう。

但し、何日か20度をずっとキープする様にエアコン暖房をかけていると、壁も温まりますので太陽光と同様の体感温度になってきます。

又、壁表面の温度が高ければ、窓を開けて冷たい空気が入ってきても体感温度はそれほど寒いと感じません。


夏は、

軒、庇に加えて、南窓は通風雨戸や緑のカーテンで日射遮蔽を行います。
東西の窓も遮熱LowEガラスに加えて、窓の内側にレースカーテンなどを設置します。

昼の日射遮蔽をしっかりすれば、室温は大きく変化しません。夜が25度程度まで外気が冷えれば、それを取り込んで家を冷やすという事ができるのですが、今年は夜も30度近い外気でしたのので7,8月はエアコンを1台 28度の設定でつけました。
冷房も良く効きますので、間欠運転をしていました。夜は冬同様に、冷房を切っても室温はあまり変化しません。

2018年12月26日水曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る28 太陽熱の取得と遮蔽

断熱をした上で、太陽熱の取得と遮蔽についてヒントを再度整理をしておきます。


冬の太陽熱の取得で気を付けておくべき点は、

・南に大面積の窓を設ける。

・南窓は日射取得型のLowEガラスにしておく。

・南窓の前は日光をなるべく遮るものが無い様にする。例えば、植物の葉やベランダの壁等が意外と光を遮る。

・外からの視線が気になる時は、型ガラスが可能ならば型ガラスを使い昼はレースカーテンをしないでおく。

・東西の窓でも熱取得を狙うならば南と同様に日射取得型のガラスにするが、通常は遮熱型にしておく方が良さそう。

・北面の窓は熱採取目的では考えない。

・曇天や雨の場合は熱の取得は期待できないので、その時は室内の熱を外に逃がしにくい様にカーテンや、カーテンが付けられない窓はガラスの断熱性を上げておく。

・壁や床の熱容量を可能な限り増やしておき、昼の日光の熱をそこに貯める事を考える。


夏の日射遮蔽で気を付けておく点は、

・出来るだけ東西は遮熱型のLowEガラスとし、その上で、窓の外で遮蔽する事を考える。

・夏前後の日射がどういう角度で各窓に入って来るかを調べておく。

・南面は軒や庇を使い、出来るだけ直射日光を窓に入れない様にする。

・南に植栽を植えられるならば、落葉樹にすると夏は遮蔽、冬は光を通すことが自然にできる。

・それに加えて、ヨシズやスダレ、緑のカーテンか、通風雨戸(YKK APではなぜか「かんたんプチリモ雨戸」という名前になっている。スリットシャッターや外付けブラインドでも良い)の様な斜めからの光りを遮る事がのできる遮蔽物を考える。

・スダレやシェードを使う事を考えるならば、最初から軒下にそれらを止めるフックを設置しておくと良い。

・窓内側のカーテンに遮熱効果はあまり期待しない。

・日射遮蔽をしすぎて部屋の中が暗くなる事が心配な場合は、高窓を軒下等の場所に作ると直射日光は入らず明かりは取り入れる事ができる。

2018年12月25日火曜日

【家 住み手が書く】爽やかで、頼もしい家を創る27 体感温度という観点で

室内環境の作り込みに関しては、室温と体感温度の違いを意識して、抜けが無いかを確認すると良いかもしれません。


体感温度は衣服以外に、室温(気温)、風速、湿度、輻射熱(壁。床、天井、窓ガラスやサッシの表面温度、日光)によって変わると言われています。


ネットでは(室温+壁の温度)/2が体感温度という表現を見ます。これが正確なのかは分かりませんが、壁・床・天井・窓のしっかりした断熱が基本事項になります。その上で、窓から差し込む直射日光を受ける所は、冬は陽だまりの暖かさが感じられます。


湿度は汗の蒸発に対応するので、低温時に乾燥しているとより寒く感じますし、高温時に湿度が高いとより暑く感じます。よって、冬は乾燥しすぎない様に、夏は高湿にならない様にする事が重要です。


風は、窓からの風はどこから入って、どこに抜けて人に当たるかをチェックします。
家の外で吹いている風を取り込む場合と、外は風とは関係なく屋内で温まった空気を2階の北窓から逃がして、それを補う様に1階の窓から外の空気を取り込む(重力換気と呼ぶ人もいる様です)ことで作る風があります。

又、窓を閉め切っていても屋内での対流による風(コールドドラフトや暖房や空調による空気の動きなど)が起こらないか、起こるとしたらどこかをチェックします。


体感温度とイコールではないかもしれませんが、熱中症警告に使われるWBGT(暑さ指数=湿球黒球温度)という指標もあります。温度、湿度、輻射を使った指標なので、温度計値や相対湿度よりも、より体感温度に近い動きをする指標と言えそうです。
生活上は室内でもWBGT値は気にしておくのが良さそうです。