そこで、心の置き方一つで身体の動きが全く変わる事を知って、それ以降 心を身体の関係にいつ
も興味を持っています。
この本は、合気の本流である大東流合気武術の創始者 武田惣角氏とその技を継ぎ、かつ超え
た、昭和の傑出した武術家 佐川幸義氏の発言録です。 文庫になっています。
「体に触れただけで相手が吹っ飛ぶ」と言うと受け側が自主的に跳ぶというヤラセと通常は思われ
ます(世の中の武術演武と言われているものの中でそういうのが多い)が、この佐川氏の技はその
言葉通りの物だったとのこと。これは、色々な人の証言もあり、確かな様です。
師匠の武田惣角氏も魔法としか思えない技を使った事が、明治の史実として伝えられています。
その佐川氏は、本当にストイックに練習と工夫を重ねてその奥義に至ったし、80歳になってもまだ
進化の途中だったという事。
スポーツとは違い、生き死にを前提とした武術の追求。
どいういう考えを持って修行に臨まなければならないのか、何十年もかけて培う力の重要さなど、
武術に限らずあらゆる事に通じる人生訓が詰まった話に感じます。
しっかり生きるとはどういう事なのかを知らされる思いです。
こんな魔法の武術が日本には有るのか、という興味本位で読んでも面白いですが、達人の厳しい
生き方を知るという事でも価値ある内容だと思います。 お薦めの1冊です。
佐川氏がもしもまだ生存されていたなら、私はきっと入門を願っていたと思います。
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