勿論、理化学研究所はこんなにスゴイ、魅力イッパイだとPRする様に書くという狙いの本である事は間違いないと思うのですが、それでも そんな事もやっているのか、出来るかもしれないのか、、と驚きのある本でした。
何にも知らなかったので理化学研究所って、何となく特定の企業とつるんでいる印象の、官だか民だか分かり難い研究機関というイメージを私は持っていました。
その歴史をこの本で知りました。以前のトップが研究成果を商品化して、そのライセンス料で研究費を稼いで自由に独立して研究できるようにしていこうという発想で、取り組んで来た組織とのこと。
理研ビタミン社の「ふえるわかめちゃん」
株式会社リケンのピストンリング
株式会社リコーの複写機
など
理化学研究所からの商品や企業が生まれてきました。
今も、色々な企業や機関との共同研究も盛んにやられている様子。
現在の理化学研究所でのトピックスとしては、、
・世界1の規模のサイクロトロンを保有
新しい元素を発見できる。周期律表で113番目の元素を合成、ニホニウムと命名。
研究を進めると原子力発電所での使用済み核燃料も、中性子をあてて放射線を出さない物質に消滅処理を行える可能性がある。
生物に重イオンビームを照射して、突然変異を多発させて色々な品種を作る事ができる。
・世界最強の放射光施設 スプリングエイトを持つ =スーパー顕微鏡
光合成を担う触媒の姿が明らかになった
・X線自由電子レーザー施設SACLAを持つ
太陽の光の100億倍x10億倍の強力光パワー。超解像度。
光合成の触媒の原子構造も解析できた。
・スパコン「京」を持つ
放射光分析と京の計算能力を使い、住友ゴムはとんでもなく省エネなタイヤを開発。
・バイオリソース拠点を持つ
細胞や遺伝子を凍結保存等して集め、保管、増殖し販売する。
実験用マウス 7818系統
細胞 1万855株
微生物材料 2万5176株
遺伝子材料 380万8264株
・IPS細胞を使って、再生医療の目途。加齢黄斑変性症。
3次元の臓器作成。--ハゲ、歯の再生医療の目途。
・固体の水 アクアジョイント
等。
これ以外にも、テラヘルツとか量子コンピュータとか、ポピュラーなテーマの技術研究もしているらしい。
本 1冊を通して、とにかく 理研は元気! というイメージを持ちました。
理科系の中高生あたりが読むと啓発されそうです。
私は、核廃棄物を無害化できる可能性という話が目からウロコの驚きでした。
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