2015年7月26日日曜日

【本 バレーボール】世界最小最強セッター 竹下佳江 短所を武器とせよ  吉井妙子 新潮社

うかつな事に、この本の存在を知りませんでした。

読んで、竹下さんがどういう苦悩と思いを持って
臨んでいたのかが良く分かりました。


とかくアイドル追っかけ的で評論家気取りのファン
が多い女子バレーですが、この本を読んで表面から
は見えないアスリートの自分自身やチーム自体の
本当の闘いを少し理解できる様になった気がします。


この本を読んだ上で、世界最終予選やロンドンでの
闘いを見ていたら、違った見方になったし、感動が
何倍にも増大していたのではと思います。


勿論、ロンドンを目指していた時の火の鳥チームの
内情や選手から見たポイントなども知る事ができます。


セッターとしてのトスの質についての考え方も知る
事ができました。


現在の新生火の鳥チームの抱えているだろう課題や
木村キャプテンの悩みも想像できる様になりました。


バレーファンの方にお勧めの一冊です。



トスに関する技術的な部分だけ、少し引用させていただきます。

以下、本書から(2011年時点のインタビューです)

 出来ない事をそのままにしておかないという考えは、
竹下をアスリートとして高い領域まで引き上げた。竹下
のトスは、スピードがありながら、打ち幅を広げるという
二律背反する命題をクリアした。山本(愛選手)が説明する。

「たとえば、自分の踏み切りのタイミングが少しずれたと
思っても、打つ時はちゃんと合っているんです。テンさんの
トスは打つポイントが幾つも用意されている。しかも、ボール
が死んでいるから打ちやすい」

死んでいるとは、ボールが空中に静止して見える事だと山本は
言う。

技の少ない選手ほどピンポイントのトスを要求したがるもの。
しかし竹下は、要求に応える振りをして、その都度トスの質
を変えている。一日の初めのウォーミングアップ時からアタック
陣の動きを観察し、その日その選手に合ったトスを繰り出して
いる。


「人間だから日によって調子が変わる。でも、ピンポイントの
トスを要求したがる選手ほど自分の変化に気がついていないん
です。だから私の方で本人に気づかれないように微調整する。

私の理想は、アタッカーに打つポイントをいっぱい作ってあげ
ること。トスの上がり際でも、到達点でも、またボールが落ちる
時でも、どの地点でも打ちやすいトスを上げる。アタッカーの
選択肢を広げてあげたいんです。」


 セッターの多くは、打つベストポイントが一点しかないトス
を上げるという。その為セッターとアタッカーの息が合わないと、
ジャストミートしたスパイクは打てないし、相手のブロックにも
捕まり易い。


 その一方、竹下が打つポイントを多く用意したところで、それ
を活用できるサイドアタッカーが少ないという現実もある。

竹下という宝の持ち腐れと言ってもいい。

「でも、沙織は打てます。相手のブロック隊形を空中で瞬間に
見極め、クロスにもストレートにも打てるし、インナー、ターン
と使い分けできる。他の選手にもラインを狙うストレートを打って
欲しいとトスを伸ばすと、アンテナに引っ掛けられちゃうから、今
はトスを短くせざるを得なくなる」


又、選手はどこかしら故障を抱えている事が多く、スパイク時に
痛みを感じさせないようなトスを上げるというのも、竹下ならでは
の発想。思いやりのトスだ。

「選手は多少身体に問題を抱えていても、コートに入りたいと思う
のが性。だから肩に負担がかからないトスとか、腰に痛みが出ない
体勢で打てるようなトスとか、あるいは足を痛めていたら強く踏み
切らなくていいように、ちょっとゆったり目のトスにしてあげるとか、
やっぱりアタッカーが今どういう状態でいるのか気を使いますよ。
本人達はまったく気が付いていないと思いますけど」


抜書き は以上ですが、外からでは分からない非常に微妙な点ま
でコントロールしたトス技術である事が良く分かります。


この本には、同様な具体的な内容も沢山書かれています。
そういう点に興味を持たれる方にもお薦めです。

2015年7月21日火曜日

【囲碁】その奥深さ 教則本に見る

まだ囲碁の奥深さをエラそうに書ける腕前では
全くありませんが、ちょっとづつ学んでいく中で
広さを感じます。


兎に角、覚えること、知っているべき事が多いと
感じます。


本屋や図書館に行くと、囲碁関係の本は本当に沢山
あって、表題を見ていても布石について、死活に
ついて、ヨセについて、詰碁、手筋、棋譜など
ジャンル毎に似たようなタイトルの本が色々な
プロ棋士の著作で並んでいます。


でも、自分の理解度や知っている事が少しずつ高ま
るにつれて、1か月前では全く何を言っているのか
分からないつまらなかった本が、今の自分にはドン
ピシャだ。知りたい事が書いてあるじゃないかと
思えたりするのです。


筆者が自明の常識と考えているレベルが本によって
だいぶ異なるという事なのでしょう。


そういう意味では、今週の私にあった教則本とは何か?
と絶えず探していく事ができるゲームです。


院生の人達は、これらの知識を一杯勉強して、棋譜な
らべして強くなるという事をしているのだとしたら、
なんだか受験勉強生と同じ様ですね。


沢山の知識、前例をしって碁を打つのは、偏差値の高い
学校に入るのと似ている様な感じなのかもしれません。


もしも、そうだとしたら、創造性をどうやって育んで
いっているのか、その辺りも知りたい気がします。


まあ、そのレベルにたどり着くにはまだまだですが。。

【バレーボール】ワールドグランプリ2015-2

今回のさいたまラウンドで、マスコミ含めて注目を
集めたのは、古賀紗理那選手と宮部藍梨選手。


古賀選手の上手さと安定感にビックリしました。
とても高校出たての新社会人とは思えません。


広角打法もそうですし、フェイントも上手い。
レシーブもがんばる。

何よりセッターに信用されていて、ブロックに跳ね
返されても、何度も古賀選手にトスがあがる事。

まるで、竹下選手と木村選手の関係のフラッシュ
バックの様です。


古賀選手が「私に上げて下さい」としっかりセッター
に言えているのでしょう。


ただ表情を見ていて、少し気になったのは、まじめ
で責任感が強いので、深刻になりすぎてやしないか?
という点でした。


木村選手もコートの中では真剣な眼差しでプレーを
しますが、本人も言われていましたが試合前に緊張
してしまうという事は殆どない。とのこと。
場数、経験で太い肝が出来ているのかと思います。


古賀選手が今後の全日本の柱の一つになるのは間違い
なさそうですが、真剣&リラックスして試合に臨め
る様に徐々になってくれれば良いなと思いました。


こういう点も、木村選手から学べると良いですね。



宮部選手は、そのバネの様な身体能力をイキイキと
使ってスパイクを打ってくれました。


高校生相手とは違う、世界の高さに素直に目を丸く
していた様に見えました。
それにも、臆せずに打ち込めるところが素晴らしい
所。まだまだ身長も伸びる可能性あると思いますし、
ゆっくり成長を見ていければと思います。


楽しみな二人が現れて、東京オリンピックへの道も
少し考え始められる様な気がしてきました。

2015年7月20日月曜日

【バレーボール】ワールドグランプリ2015-1

香港で行ったラウンドで、日本はタイに勝ち米国で
行われる最終ラウンドに行ける事になったとの事。


香港の大会では米国に0-3、中国にも0-3で負けた
との事なので、最終ラウンドでの戦いは厳しい物に
なると思いますが、経験を積めるという意味では行
けて良かったと思います。


試合自体は日本のさいたまラウンドのTV中継しか
見れなかったのですが、幾つか印象に残った事を書
いてみたいと思います。


古賀紗理奈選手や宮部選手の活躍は素晴らしいもの
がありました。鍋谷選手もかなり頑張っていたと思
います。


新しい戦力が出てきているというのは、心強いもの
なのですが、全体を見ると火の鳥ジャパンはかなり
弱体化してしまったという印象です。


一番気になるのは、個人技に頼るプレーばかりに見
える事。その次に気になるのは、レシーブ力のひどい
低下。


今のワールドグランプリでの各国の出場選手は、べス
トメンバーを揃えてきている訳ではありませんので、
各チームとも個人技に頼るプレーや、未熟なプレー
も多いのですが、火の鳥ジャパンも同じ事では、背の
低いタイには勝てても、他の上位国には勝てないとい
うのは当たり前の結果に思えました。


特に、中国戦。中国の若手選手の打ちおろす世界でも
トップレベルのスパイク。2年前までの日本チームなら
ば、そういう相手が絶対の自信を持って打ってくる
スパイクをスーパーレシーブで拾ってしまって、相手
の自信を挫き、動揺させる。というシーンが必ず幾つ
かありました。


それは、たとえ佐野選手が出ていない試合でも筒井
選手などが必ず、そういうシーンを作り上げてくれ
ていたと思います。


サーブレシーブに関しては、木村選手への負担が非常
に大いし、彼女の調子を崩す事が相手チームの戦略
になっています。


木村選手は必死になってAパスを返そうとしています
がこれも個人技に頼っている感が非常に強いです。


鍋谷選手は良いレシーブ力とトスアップ力を持ってい
るのですが、今の木村選手がされている様な狙い撃ち
をされた時への耐力という意味では、まだ経験不足
だと思います。(素質は十分と思いますので、この
大会で急成長してくれる事を期待しています)


やはり、新鍋選手に戻って来て欲しいと強く思い
ます。彼女が入れば、安定感がかなり出て、他の
選手の攻撃の幅も大きく広がるのではないでしょうか。


火の鳥ジャパンの今のチームは、攻撃の余裕度が
殆どないので、長岡選手、古賀選手、石井選手の
個人技に頼った単調な攻撃になります。


強いレシーブ力を持てると、コンビプレーなどの
お家芸に向かったチーム作りが出来るのだと思い
ます。


ワールドカップには新鍋選手が戻ってくれると良い
のですが。。。

2015年7月19日日曜日

【本】首長の暴走 平井一臣 法律文化社

覚えていますか? 5~6年前に鹿児島県の阿久根市で
竹原市長と議会、住民との騒動があった事を。

言われれば、ニュースショーでそんな事を騒いでいたなあ、、
というのが私の意識でした。

「独裁的」市長のやり方に対して、議会や住民の間
では何が起こって、どう対処したのか。という事が
この本で詳しく分かります。


法律では議会で審議する事が決められている案件も、
「専決事項」という手法で、数々の独断決定を行っ
ていく。

見かねた県知事からの勧告や、裁判所の判決も無視。


経緯は、
市議会が市長不信任決議案を可決。
市長 議会を解散。再選挙では市長に反対派の議員
が7割を占めた。
市議会から再度の市長不信任決議で市長自動失職。
市長再選挙で再選。
市職員懲戒免職問題で鹿児島地裁の判決。(市長は無視)
県知事からの勧告。(市長は無視)
住民から市長リコール請求。
市長派議員より議会リコール請求。
市長出なおし再選挙で、反対派市長が当選。
出なおし市議選。


竹原氏の推進しようとしていた目標自体が、必ずしも「悪い」
とは限りませんが、その実現手法は議会制民主主義や
司法判断などを無視してゴリ押しするという物だった様です。


これは、現政権がやっている 
色々な事を国会審議せずに、閣議決定で勝手に決める。
司法判断無視や、憲法や法律違反を意図的に行う。
などと、重なります。


スケールは国と市で違いますが、やっている手法は同じ
ではないでしょうか。


この暴走を止めるには、リコール・再選挙に持ち込むと
いう事が唯一の解決方法でした。


議院内閣制の総理大臣や国会議員にはリコール制度が
使えないのでやっかいです。

いかに世論を盛り上げても、意図的に暴走している人に
対して、止める直接実効性が低いのです。

でも方法はあります。

これから行われる地方選挙で「現政権のやり方ににノー」を
明確に示していく事で、自民党内で自壊させるのが唯一の
道に思えます。

8月の埼玉県知事
9月の岩手県知事・県議会

などが近々の地方選ですね。

地区の選挙民の方々は意思を示す絶好のチャンスです。


2015年7月18日土曜日

【心と身体】身体の声を聴く

標準体重まで落としてから、自分の身体の声が良く
分かる様になった気がします。


食事をすると、血が内臓に回っていってる。しばら
くは内臓が重いという感覚があります。


暴飲暴食をした後は、今日の胃腸は疲れているとい
うのも良く感じられます。


そういう時は1食抜くと、体調が戻ります。


お酒を沢山飲んで二日酔いで苦しい朝は、身体が
脱水状態になっているのも感じられる様になって
きました。そんな時は、無理やりでもコープで
3杯程 水を飲むと1-2時間でかなり復調するのが
分かります。


腰わり体操をする時も、どの筋肉にどう負荷がか
かっているのか、重心がどこに行っているのかな
どが感じられます。


嗅覚もかなり敏感になってきています。


思考力も食事の後や、アルコールが残っている時の
低下度合が、囲碁をすると自分でテキメンに分かり
ます。


歩く時にも姿勢や重心移動の方法で、全然速度が
変わってしまう事なども分かって、歩くのが実験
の様で楽しくなりました。


小さな事ですが、今までの人生の中で気が付かなかった
自分の状態を色々と実感できるというのは面白いもの
ですね。

【お酒】ニッカウヰスキー 飲み比べ

朝ドラの影響で、それまであまり飲んでいなかったウイスキーを飲む
ようになりました。

それも、殆どニッカ。

それまで、ウイスキーで一番好きなのはバランタイン12年(2000円
ぐらい)でした。普通は普及版のバランタイン(1000円弱)を飲むこ
とが多かったと思います。


この半年強で次々にニッカの色々なボトルを買って、飲み終わると
次のボトルへと切り替えていきました。


飲んだのは、シングルモルトは余市、宮城峡、ブレンドウイスキーは
スーパーニッカ、ブラックニッカ クリア、ブラックニッカ8年、ブラック
ニッカ ディープブレンド、ブラックニッカ スペシャル、初号HiHiニッカ。

スーパーニッカは2000円台ですが、他は700~1500円 クラスの物
ばかりです。

近所の酒屋さんに行くと、上記のようなボトルが並んでいるのですが、
本当にニッカは1000~1500円ぐらいに、似たような色々な商品が目
白押しです。

私が商品企画をしたら、同一価格帯にこんなに多種を置くことは無
いと思います。

一体 何でこうなるの? と非常に不思議。微妙な味の違いやこだ
わりがあるのだと思いますが、お互いの商品が食い合いしている様
で、勿体ないなと感じます。余計なお世話ですが。


飲み比べて分かったのは、私はシングルモルトよりも飲みやすいブ
レンデッドの方が好きという事。 スーパーニッカは香りは抜群に良
いのだけど、一番飲みやすいのは初号HiHiニッカでした。


初号HiHiニッカというのは、マッサン時代の復刻版で数量限定との
ことですが、近所の酒屋さんでは買えます。晩年のマッサンが毎晩
 晩酌でボトル半分飲んでいたという酒。


これを2倍ぐらいの水割りにしたら、いわゆるウイスキー臭やテイス
トはかなり無くなるのですが、飲みやすい。テレビを見ながら、水か
お茶をチビリと飲むという感覚で飲める飲み物になります。 

これならば、毎晩 ボトル半分を飲んでいたという話も十分にうなづ
ける。 しかも、寝る前に水をコップ1杯程飲んで眠れば、二日酔いも
殆どありません。

安心して飲めるお茶の間ウイスキーという感じです。

ウイスキーの味と価格のコスパでいうと、ブラックニッカ8年もとても
良いと思いましたが、日常に飲むのは私はHiHiがいいな。

バランタイン12年も久しぶりに飲んでみたら、舌がシビレル様な感
覚の味で、俺はこんなものをオイシイと言って飲んでいたのか、、と
ショックを受けました。

とはいえ、まだまだニッカの商品は沢山あるので、飲み比べの放浪
はこれからも続きそうです。