2014年5月8日木曜日

【本】戦争のほんとうの恐ろしさを知る 財界人の直言

新日本出版社 品川正治さん著

平和憲法に立脚した経済とはどうしたら良いのか、をずっと追求されていた品川さんの本です。


今 読んでも そうだよな。と思う点が沢山あります。
一番は、「国家主権」ではなく、「国民主権」という事を、皆がしっかり自覚しようという事。 

先日の憲法記念日の新聞の意見広告に、伊藤真さんらが、今の政治は「国会議員主権」になっていて「国民主権」になっていない。しかも、衆議院議員は違憲選挙による偽議員というのがありました。

自民党の憲法改正案を読んでも、どうみても、国民の為、国民主権のものではなく、国家が主体で、国の為の憲法に変えようとしています。

そんなに、「国民主権」を皆が嫌っているのでしょうか?
私には、「国民主権」は人類がやっと作ってきた知恵だと思うのですが。


品川さんは、経済も「国家経済」と「国民経済」は違うと言われています。

「国家経済」の視点では、長寿は ”高齢化・少子化”という働き手が減るという問題になります。「国民経済」から考えると、より良い長寿を生きられるにはどういう経済にしたら良いか という視点になるとのこと。長寿が国民にとっての悪ではないはずとのこと。なるほどな、と思います。

又、現在の政治家は「、企業経済が良くなれば国民経済が良くなるはず」という古い考えから抜け出していない様に見えます。


すっかり多国籍化している企業は、資本は海外に投資して、国内経済のアップには向かいません。企業経済を良くするには固定費(高い給料の日本人)を切って、海外の人材の雇用を増やす方が得なのです。国への法人税は確かに増えるかもしれませんが、国民経済が潤うという時代ではとっくに無くなっているのです。


それを変えて行くには、日本の高賃金でも通用する、さらなる先進的な高付加価値をどんどん生み出せる社会を作るか、高い賃金が必要なくなっている年金世代を、労働力化する新しい産業構造に変革していく事が必要です。


企業の現経営者の声や外国の声ばかり聞いていたら、国民経済とのしての政治は大間違いになっていくように思います。

色々考える機会を与えてくれる 一冊です。

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