今まで、断熱や通風について書いてきましたが、温湿度を安定化させるためにもう一つ手を加える事ができればもっと良くなります。
それは家の熱容量や調湿容量を増やす事。
容量とは貯蓄しておける量の事。
例えばバケツに開いた穴から水がもれるとバケツの水位はどんどん下がっていきます。でも同じ大きさの穴が風呂桶に開いていて、同じ量の水が漏れて行っても、風呂の水面は非常にゆっくりとしか下がっていきません。
これは、出入りする水量に比べて貯蓄してる総水量が大きいので、全体のレベルは変動を受けにくくなるという事です。
これが、熱に関しても、調湿に関しても起こります。
熱容量というのは蓄熱可能量という言い方でも良いかと思います。石造りや土壁などは温まりにくく冷めにくい熱容量の大きな物質です。物質の種類毎の比熱に質量を掛けたものが熱容量になります。よって、比熱の高い材料を使えば容量を上げる事ができます。
残念ながら、木材はそれほど比熱が高くありません。書籍等では土間を作れとか、家の中に石壁を作れば、、などというものがありますが、皆がそれを作れるわけではありません。
調湿に関しても、調湿できる容量が多ければ湿度が安定します。又は、乾いたり湿った空気が外から入って来ても、窓を閉め切れば自然にマイルドな湿度状態に調整されていきます。これも、調湿力のある建材ができるだけ部屋の空気に近い所に多くあれば良いという事になります。
この二つの容量アップをあまりコストを掛けずに標準的な材料でできないかと考え、(湿気の)吸放出せっこうボードを通常のせっこうボードの上に2重貼りする事にしました。吸放出ボードが室内側にきます。
石膏ボードは安い一般建材ですが、比較的 比熱が大きく質量もある。又、その中で吸放出ボードという種類も標準的に売っています。
石膏ボードの2重貼りは大工さんからみても違和感のない作業ですのでコストパフォーマンスが高いと言えます。
これを付加する事で、単なる北海道仕様より少し快適性を向上させられる事が期待できます。デメリットは壁厚がその分厚くなります。
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