2018年12月2日日曜日

【本】忍者はすごかった 山田雄司 幻冬舎新書

著者は三重大学の教授の方。ちゃんと学術的に調べて書かれているのだと思います。

「万川集海」という最も大部な忍術書が伝わっているとのこと。


それによると、忍者は「黒装束で素早く動き、手裏剣を打つ、、」というイメージは作られた物で、本当の姿は全然違ったとのこと。


「忍び」の最も重要な職務は敵方の状況を主君に伝える事だったため、生き延びて戻ってくる必要があった。その為、生きて生きて生き抜く事。サバイバル術に長けた者。それが忍びだった。


色々な技術もありますが、それと同時に人から秘密を引き出す為のあの手この手の技術が重要。


それら「忍術」は非常に具体的で、現代でも十分通用するものが多そうです。


一つの例では、

ある家に侵入したいと思うのなら、その家の前をしばしば通り、あつるときにはその門の前で仮病を発し、門前で休んでその家の下人に薬や水を頼み、しばらくして病気が治ったようにふるまい、家の中に入ってよくお礼を言って知人となって、一旦は帰る。

後日 届け物を持って丁寧に礼を述べて親しくなるようにする。その時には、まずはその家の子供をほめ、奥方に贈り物をし、次に下人に贈り物をすれば、主人は非常に喜び、気を許して深い話もしてくれるようになる。


もう一つ、こんな話も

師が上手な弟子に、「大きな瓶を盗んで来い」と言った。弟子は「なかなか日中に大きな瓶を盗んでくることは難しい」と言うので、師は「行って取ってこよう」ということで、瓶屋に行って買ってきた。

弟子たちはこぞってこれを笑った。そのとき師は言った。

 「だからお前たちは下手というものなのだ。瓶を取ってこようと思うと、一途に瓶ばかりに心がいってしまう。私はそのあたりで小さい猪口を十ばかり盗んで袖に入れ、これを売って大きな瓶を買ってきた。すなわち色を替える術なのである」


皆が考えつくような方法では、対策がとられていて忍びこむことはできません。相手が考えないような方法を駆使することによって意表を突き、初めて忍び込むことができる。


「忍法」の本、色々 読んでみたくなりました。

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